糖尿病合併症は5つの危険因子を治療すれば防げる 30万人を調査

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 糖尿病のしっかりと治療し危険因子を取り除けば、心筋梗塞な脳卒中などの合併症を予防できることが、約30万人の2型糖尿病を対象としたスウェーデンの大規模な研究で明らかになった。

 危険因子をすべてコントロールできていれば、糖尿病でない人に比べ、むしろ健康的だという。

適切な治療で心筋梗塞や脳卒中のリスクは抑えられる

 2型糖尿病の人は一般的に、糖尿病でない人に比べ、心血管イベントや死亡のリスクが2~4倍に上昇することが知られている。

 しかし最新の研究で、5つの危険因子を治療してコントロールできていれば、心筋梗塞や脳卒中、死亡などのリスクは上昇しないことが明らかになった。それどころか糖尿病でない人よりも健康的になれる可能性もある。

 5つの危険因子とは、 (1)高血糖(目標:HbA1c7%未満)、
(2)高血圧(目標:収縮期血圧140mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満)、
(3)尿中アルブミン排泄量(腎機能の低下を防ぐ)、
(4)喫煙習慣の有無(禁煙が望ましい)
(5)高LDLコレステロール(目標:97mg/dL未満)。
 いずれも検査値が高いと糖尿病合併症を発症する危険性が上昇する。

 研究は、「スウェーデン全国糖尿病登録調査」のデータにもとづいており、1998~2014年に登録された2型糖尿病患者27万1,174人のデータと、対照として年齢・性別・地域を一致させた糖尿病でない地域住民135万5,870人を比較して解析したものだ。詳細は医学誌「New England Journal of Medicine」に発表された。

 両群とも平均年齢は60.58歳で、女性が49.4%だった。5つの危険因子についてデータを得られた2型糖尿病患者は9万6,673人(35.6%)だった。

 フォローアップ期間の中央値は5.7年で、この間に17万5,345人が死亡した。

糖尿病のない人に比べむしろ健康的

 解析した結果、5つの危険因子の目標値をすべて達成している2型糖尿病患者は、対照群と比べ、全死因死亡リスクの上昇は6%に抑えられていた。

 糖尿病のない人に比べ、むしろ健康的であることも判明した。5つの危険因子を適切に治療していれば、対照群と比べ、急性心筋梗塞のリスクは16%低下し、脳卒中のリスクは5%低下した。

 治療で得られる恩恵は年齢を重ねるほど大きくなり、糖尿病に関連する心血管イベントや死亡のリスクの減少は80歳以上の集団でもっとも大きかった。

 5つの危険因子の目標値を達成している80歳以上の患者では、急性心筋梗塞のリスクは対照群に比べ38%低下した。

 一方で、5つの危険因子をすべて放置したままでいる55歳未満の患者では、心筋梗塞は7.7倍、脳卒中は6.2倍、心不全は11.4倍、死亡が5倍と、リスクが大幅に上昇していた。

患者の努力で生活スタイルを改善することが必要

 「これは、明らかに良いニュースです。適切な治療を行い、5つの危険因子をすべて目標の範囲内にコントロールできれば、早期死亡、心臓発作および脳卒中のリスクをきわめて低く抑えられることが示されました」と、スウェーデンのイエーテボリ大学のエィデン ロウソニィ氏は言う。

 「これらの5つの危険因子は互いに影響しています。これらを最適化することで、合併症を防げることが分かりました。5つの危険因子に対策することで、リスクを最小限に抑えられます」と指摘している。

 危険因子を取り除くためには、薬物療法に加えて、健康的な食事や運動などの生活スタイルや、薬物療法の遵守など、患者の努力で変更が可能なものが大きく影響する。

 「研究では、糖尿病合併症、とくに心不全のリスクは55歳未満で最大になることが分かりました。もしあなたが2型糖尿病で、これよりも若い年齢層に属するのであれば、危険因子をチェックし適切に治療することがとても重要です」と、ロウソニィ氏は強調している。

たばこが合併症を加速させる ぜひ禁煙を

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 「積極的な治療の効果は大きいことが示されました。5つの危険因子を治療して、目標値の範囲内にコントロールしていれば、急性心筋梗塞などの合併症を防げる可能性が高いのです。目標を達成している数が多いほど、危険な心筋梗塞や脳卒中などの危険性を減らすことができます」と、論説を提供したカリフォルニア大学サンフランシスコ校のスティーブン シュレーダー氏は言う。

 たばこを吸う人は、禁煙することも、糖尿病の治療では大きな役割を果たす。スウェーデン人の喫煙率は研究を行われた1998~2012年には17%だった。その後、政府が禁煙を奨励する政策を強化し、喫煙率は5%と世界でももっとも低い水準に改善した

 「スウェーデン人の喫煙率の大幅な低下は称賛に値します。たばこを吸わない生活スタイルが、2型糖尿病に起因する心臓血管疾患のリスクを明らかに低下させます。糖尿病のある人は、合併症を予防するために、ぜひとも禁煙を実行してほしい」と、シュレッダー氏は強調している。

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便秘は死に至る病、治療のゴールはどこ

2018年08月30日

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 便秘は主に若い女性の悩みとみなされ、病気として捉えられることは少ないかもしれない。だが年齢が高くなると男女ともに有訴者数は増える傾向にあり、高齢化に伴って患者の増加が懸念されている。専門医からは他の疾患との関連性が高い上、従来の治療では患者満足度が低くなっているとの声があがる。医療関係者は便秘治療のゴールを明確にした上で、適切な診断や処方、服薬管理のあり方を追求する必要がある。

 「便秘は単に生活の質を下げるだけでなく、あらゆる疾患に関係する。場合によっては死に至る」―。横浜市立大学大学院医学研究科の中島淳主任教授は警鐘を鳴らす。

 例えば「(ロック歌手の)エルビス・プレスリーは排便時の“いきみ”で血圧が上がり、亡くなったと報じられた」(中島主任教授)。また、糖尿病患者の約60%は便秘症を合併しているとの研究結果もあるという。高血圧や糖尿病自体の治療のあり方は度々論じられるが、便秘は無関心の人が多いと中島主任教授は懸念する。

 便秘症治療薬の選択や服用にも注意が必要だ。中島主任教授によると刺激性下剤は快便が得られない上、依存性や耐性などの問題もある。中学1年生から刺激性下剤を服用してきた患者の例では「私のところに来た29歳時点で、1回60錠を飲むこともあった。こういう方はザラにいる」(同)。この患者は31歳のとき、大腸の蠕(ぜん)動が極端に低下する結腸無力症のため、大腸全摘手術を行った。

 昨今は大腸に流入する胆汁酸の量を増加させ、水分分泌と大腸運動促進によって自然な排便を促す新薬が登場した。だが、医師が適切な診断や投薬をできるかという問題は常につきまとう。

専門医は語る「便秘薬が続く人は3割」

横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授 中島淳氏

 便秘は寿命を縮めるが、医者も患者も便秘を病気だと思っていない。医師の診断力にも問題がある。我々が医学部のとき、授業で便秘を習ったことはない。分厚い内科の教科書でも便秘の項目は数行なのが現実だ。

 インターネット調査を行うと、医療機関で治療中の患者さんの便は、薬を飲んでいても大半が硬いか下痢。こんな質の悪い治療では患者さんは愛想を尽かす。血圧や糖尿病の薬を処方された人の約9割は次も来るが、便秘薬は3割程度の方しか続かない。紛れもなく満足度が悪い。治療のゴールは、ただ出すことではなく、バナナ状の便を出して満足度を上げることだ。

 胆汁酸の量を増やす新薬は、効きに応じて適宜増減が可能。臨床試験でも満足度が高いことが分かっており、既存薬とは違う使い方ができる。(談)

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便秘は死に至る病、治療のゴールはどこ

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糖尿病が引き起こす、三大合併症について

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執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)

医療監修:株式会社とらうべ

 

糖尿病

は、血液中の糖質濃度を示す血糖値が慢性的に高い状態です。

そのため、末梢神経や腎臓、眼の網膜など細い血管がある部位がダメージをこうむり、合併症を起こしてしまいます。

なかでも

「三大合併症」

と言われる障害について、皆さんはご存知でしょうか?

今回は糖尿病の本当の怖さについてご説明します。

糖尿病の合併症とは?

インスリンの効きが悪くなって慢性的な高血糖状態になる糖尿病。

血管は全身に張り巡らされているので、その影響は全身に及びます。

そして、糖尿病が原因で別の病気を引き起こす、いわゆる「合併症」のリスクが高まります。

この合併症には、突然併発する

「急性合併症」

と、じわじわ進行する

「慢性合併症」

があります。

一時的に意識を失ってしまう「糖尿病性昏睡(ケトアシドーシス)」や感染症などは急性合併症です。

一方、慢性合併症には脳梗塞や狭心症など太い血管に症状が出る「大血管障害」と、毛細血管など細い血管に症状が出る「微小血管障害」があります。

「三大合併症」は微小血管障害の代表格

と言われる疾患です。

完治が難しい「三大合併症」

糖尿病の三大合併症とは、

「糖尿病性神経障害」「糖尿病性腎症」「糖尿病性網膜症」

のことを指します。

それぞれどのような病気か見ていきましょう。

糖尿病性神経障害

手足のしびれ、ほてりや痛みなどの症状が現れます。

また、足にケガをしても痛みを感じないほど感覚がマヒするといった現象も起こります。

これは神経が侵されているからです。

さらに、自律神経にも支障をきたすと、胃腸の不調、排尿障害、勃起不全などが起こる場合もあります。

神経障害は三大合併症のなかで最も早く現れる症状とも言われ、糖尿病歴10年の患者のおよそ7割にこの症状が見られます。

糖尿病性網膜症

目の奥にある網膜の毛細血管が壊れて眼底出血が起こります。

軽度であれば目のかすみや視力の低下、進行すると失明に至ることもあります。

全失明患者の半数は糖尿病性網膜症とみなされ、糖尿病暦20年以上になると、およそ8割が網膜症を発症すると言われています。

若いときに糖尿病になった人ほど網膜症は重症化しやすくなります。

定期的に眼底検査を受けるなど早期発見に努めていれば進行を抑えられるのですが、糖尿病自体の自覚症状が少ないため、大出血や網膜剥離を起こして失明に至るケースが多くなっています。

糖尿病性腎症

高血糖状態が続いて腎臓の機能が低下し、血液をろ過して尿を作る働きが悪くなります。

初期のころは、高血圧・たんぱく尿・むくみなどの症状が現れ、症状が進行すると血液中に老廃物が溜まり腎臓が機能しなくなる尿毒症や腎不全といった重い症状を引き起こす可能性もあります。

時間をかけて慢性的に経過する腎臓病は「慢性腎臓病:CKD」と呼ばれています。

重症化すると透析治療や腎臓移植が必要になります。

新たに透析を始める患者のうち、およそ半数(第1位)は糖尿病性腎症が原因だと言われています。

進行すると手足の切断を余儀なくされる「糖尿病性神経障害」、失明の可能性がある「糖尿病性網膜症」、人工透析を一生続けなければならない「糖尿病性腎症」。

三大合併症はどれも生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)を下げ、場合によっては死に至ることもある怖い病気と言えるでしょう。

予防のポイント:血糖のコントロール

糖尿病は自覚症状が現れにくい病気です。

それゆえに、食べ過ぎや運動不足、薬の服用を守らないなど、血糖値を上げてしまう状態に陥りやすいと言えます。

しかし、自覚症状がないことに油断して血糖コントロールを疎かにしていると、10年前後で神経障害が現れ、次いで、網膜障害、腎障害に至ってしまいます。

食事療法、運動療法、薬物療法によって適切な血糖コントロールを続ければ、病気の進行を抑え、周囲の人とほとんど変わらない生活を送ることも可能です。

そのためには、できるだけ早い段階で糖尿病を発見し、血糖コントロールを始めることです。

その上で、食事、運動、薬の服用など、医師の指示をきちんと守り継続的に治療を行う必要があります。

とくに食事療法などの習慣化はとても大事な要素と言えます。

 

<執筆者プロフィール>

藤尾 薫子(ふじお かおるこ)

保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

<監修者プロフィール>

株式会社 とらうべ

医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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糖尿病の怖さ知って 9日に福島で公開講座

 福島医大と福島学院大が共催する公開講座「どうして怖いの?糖尿病」は九月九日午前十時から福島市の県立図書館で開かれる。
 福島医大医学部糖尿病・内分泌代謝内科学講座講師の工藤明宏さんが、糖尿病の仕組みや予防に関する研究成果などについて講演する。福島学院大短期大学部食物栄養学科講師の佐藤る美子さんは、予防に効果的な食生活や食事療法について説明する。
 参加無料。事前申込制で定員は百八十人。福島医大広報コミュニケーション室にファクスかメールで申し込む。ファクス番号は024(547)1991、メールアドレスはkoukai@fmu.ac.Jp、問い合わせは広報コミュニケーション室 電話024(547)1016へ。
( 2018/08/27 10:01 カテゴリー:主要

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ポイントは筋肉!

痩せていても糖尿病リスクが高い理由とは

CoCoKARAnext2018/08/27 06:00

 「痩せているから糖尿病の心配はない」と思う人は多いかもしれません。近年、肥満だけではなく、痩せていても2型糖尿病になる可性があるという研究が発表されました。今回は、痩せていてもリスクが高くなってしまう糖尿病の原因とポイントをご紹介します。

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女性の痩せすぎによる健康リスク

 肥満が生活習慣病のリスクを高めることはよく知られていますが、痩せすぎでもさまざまなカラダの不調やリスクを伴います。

女性ホルモンの低下

適度な脂肪女性ホルモンの生成に大切です。成人女性の標準的な体脂肪は、20~29%と言われており、20%未満の人は注意が必要です。痩せすぎて脂肪量が減ると無月経や不妊のリスクが上がります。

骨粗鬆症

極端なダイエットを繰り返すことで、カルシウムが不足し密度が低下してしまうため、歳を重ねるにつれて骨粗鬆症になるリスクが上がります。

貧血

食事量が少なく、の摂取量が不足すると、細胞に十分な酸素を運ぶことができなくなるため、めまい貧血を起こしやすくなります。

摂食障

痩せ願望からくる摂食障が慢性化すると、無月経・低血圧・不整脈などの健康を引き起こす原因になることもあります。

低体重児出産リスク

体が痩せすぎていると、低出生体重児(2500g未満)出産リスクが適正体重で出産したときと較して2倍にもなります。

 

女性の痩せすぎは糖尿病リスクも高い

 順天堂大学大学院医学研究科・スポートロジーセンターは、BMI(体格数)が18.5未満の痩せの女性のうち、血糖値が高い場合は、筋肉量が低下していたり、筋肉脂肪が蓄積している可性があることを明らかにしました。(※1)

筋肉の「量」の低下

筋肉は、カラダの中でブドウ糖を蓄えておく大切な場所です。痩せて筋肉量が少ないと食後に十分な量のブドウ糖が筋肉に取り込めず、インスリンの動きが悪くなり、高血糖を起こしやすいと言われています。

筋肉の「質」の低下

痩せている人は、筋肉など本来つくべきでない部分に脂肪がつく「異所性脂肪」になりやすいことがわかっています。筋肉脂肪が貯まると、インスリンの動きが悪くなり、高血糖を起こす可性があるとされています。

痩せすぎを改善するために気を付けること2つ

 痩せていても糖尿病になるリスクがあるのは、筋肉の量と質が関係することから、筋肉の量を増やし、質を良くするために、バランスの良い食事と運動を心がけましょう。

  1. バランスの良い食事をする
痩せすぎの人は、摂取カロリーが不足傾向にあることから、バランスの良い食事を適切な量摂ることが大切です。五大栄養素をさまざまな調理方法で、3食規則正しい時間に食べるようにしましょう。

例えば、極端なダイエット炭水化物を制限すると、体重は減っても体脂肪は減少しにくくなります。また、ブドウ糖の摂取量が少なくなるため、エネルギー源としてほとんど使われてしまい、膵臓のインスリン分泌機が低下しインスリン量が減ってしまいます。

  1. 運動や活動量を増やす
●筋トレ筋肉の「量」を増やす

スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う筋トレがおすすめです。筋肉ダメージを与え回復することで、前よりも強い筋肉が作られます。筋肉に十分な回復期間が必要なため2~3日に1度、理なく行うようにしましょう。(※2)

●有酸素運動筋肉の「質」を良くする

ウォーキングやジョギング・水泳などの有酸素運動で余分な脂肪を燃やし筋肉の質を高めましょう。脂肪を減らすには、有酸素運動20分以上続けることが効果的(※3)ですが、運動だけに時間がとれない場合は、通勤通学時に少し遠回りして歩くなど、時間を見つけて生活にとり入れていくことが長く続けられるポイントです。

 「痩せている=健康病気とは縁」と思いがちですが、カラダの内面も意識し、美しく健康であることが大切です。ダイエットをする際は、体重と体脂肪、また健康診断の結果などをチェックし、ご自身に合った食事と運動に取り組むようにしましょう。

 

【参考・参照】

(※1) 糖尿病ネットワーク

http://www.dmnet.co.jp/calendar/2018/028068.php〉(最終閲覧日:2018/7/11)

(※2) 厚生労働省 eヘルネット レジスタンス運動

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html〉(最終閲覧日:2018/7/11)

(※3)厚生労働省 eヘルネット エアロビクス/有酸素運動

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys072.html〉(最終閲覧日:2018/7/11)

「あすけんダイエット – 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート(www.asken.jp)」

[監修:あすけん 管理栄養士]

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2型糖尿病の死亡リスクは高くない?/NEJM

 5つのリスク因子が、ガイドラインで定められた目標値の範囲内にある2型糖尿病患者は、死亡、心筋梗塞、脳卒中のリスクが一般人口とほとんど変わらず過剰ではないことが、スウェーデン・イエーテボリ大学のAidin Rawshani氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年8月16日号に掲載された。2型糖尿病患者は、死亡や心血管アウトカムのリスクが一般人口に比べ2~4倍高いとされる。この2型糖尿病に関連する過剰なリスクが、現行のエビデンスに基づく治療や複数のリスク因子の修正によって、どの程度軽減し、あるいは消失する可能性があるのかは不明であった。

目標値範囲外のリスク因子数とアウトカムの関連を評価

 研究グループは、2型糖尿病患者における死亡および心血管イベントの過剰リスクが低減あるいは消失するかを検討するコホート研究を行った(スウェーデン地方自治体協議会[SALAR]などの助成による)。

 1998年1月1日~2012年12月31日の期間に、スウェーデンの全国糖尿病登録(Swedish National Diabetes Register)の2型糖尿病患者27万1,174例(糖尿病群)と、年齢、性別、地域(県)をマッチさせた非糖尿病の地域住民135万5,870例(対照群)を解析に含めた。

 年齢別(≧80、≧65~<80、≧55~<65、<55歳)および5つのリスク因子(糖化ヘモグロビン値の上昇[≧7.0%]、LDLコレステロール値の上昇[≧97mg/dL]、アルブミン尿[微量・顕性アルブミン尿]、喫煙[試験登録時]、血圧の上昇[≧140/80mmHg])の有無別に解析を行った。

 Cox回帰を用いて、目標値の範囲外のリスク因子の数と関連する4つのアウトカム(死亡、急性心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院)の過剰リスクを評価した。また、種々のリスク因子と心血管アウトカムとの関連も検討した。

若年患者はリスク増分が大きい、死亡の最強予測因子は喫煙

 フォローアップ期間中央値は5.7年で、この間に17万5,345例が死亡した。ベースライン時に5つのリスク因子の完全なデータが得られた2型糖尿病患者は9万6,673例(35.6%)であった。両群とも平均年齢は60.58歳で、女性が49.4%だった。

 糖尿病群は対照群に比べ、目標値の範囲外のリスク因子の数が0から5つへと増加するに従って、4つのアウトカムのハザード比(HR)が段階的に上昇した。糖尿病に関連する死亡および心血管イベントのリスクの増分は、加齢に伴って段階的に減少し、<55歳の集団が最も大きく、≧80歳の集団が最も小さかった。また、急性心筋梗塞のHRは、目標値範囲外のリスク因子が1つもない≧80歳の患者が、対照群に比べ最も低かった(HR:0.72、95%信頼区間[CI]:0.49~1.07)。

 5つのリスク因子がすべて目標値の範囲内の糖尿病患者は、対照群との比較における全死因死亡HRが1.06(95%CI:1.00~1.12)であり、わずかにリスクが高い傾向がみられたが、急性心筋梗塞のHRは0.84(95%CI:0.75~0.93)とむしろリスクは低く、脳卒中のHRは0.95(95%CI:0.84~1.07)と有意差を認めなかった。一方、目標値の範囲外のリスク因子がない糖尿病群の心不全による入院のリスクは、対照群よりも有意に高かった(HR:1.45、95%CI:1.34~1.57)。

 死亡の最も強い予測因子は喫煙であり、次いで身体活動、婚姻状況、糖化ヘモグロビン値、スタチンの使用の順であった。同様に、急性心筋梗塞の予測因子は、糖化ヘモグロビン値、収縮期血圧、LDLコレステロール値、身体活動、喫煙の順で、脳卒中は糖化ヘモグロビン値、収縮期血圧、糖尿病罹患期間、身体活動、心房細動の順、心不全による入院は心房細動、BMI、身体活動、推定糸球体濾過量、糖化ヘモグロビン値の順だった。

 著者は、「理論上、5つのリスク因子を目標値の範囲内に保持すれば、急性心筋梗塞の過剰リスクは消失するが、心不全による入院のリスクは実質的に過剰なまま残る」とまとめ、「若年患者では、目標値の範囲外のリスク因子の数が多いほど、有害な心血管アウトカムの相対的リスクが増大したことから、より積極的な治療が利益をもたらす可能性が示唆される」と指摘している。

(医学ライター 菅野 守)

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朝食で「牛乳」を飲むと1日を通じて血糖値が低下 

糖尿病の食事改善

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 朝食で牛乳を飲むだけで、2型糖尿病のコントロールが改善する可能性があるという研究を、カナダのゲルフ大学とトロント大学の研究グループが発表した。朝食でタンパク質を豊富に含む牛乳を飲んだときと、水を飲んだときとを比較する試験を行った結果、牛乳は食後の血糖値の上昇を抑えることが判明した。

牛乳を飲むと食後の血糖上昇を抑えられる

 朝食のメニューを工夫すると、1日を通じて血糖コントロールに有利に働き、2型糖尿病の管理が改善する可能性がある。研究グループは、朝食で高タンパク質の牛乳を飲んだ場合の血糖変動と、朝食後および昼食後の満足感について調べた。

 研究は、カナダのゲルフ大学人間・機能性食品研究ユニットのダグラス ゴフ教授らがトロント大学と共同で行ったもので、詳細は科学誌「Journal of Dairy Science」に発表された。

 朝食でシリアルとともにタンパク質を豊富に含む牛乳を飲んだときと、水を飲んだときとを比較する試験を行った結果、牛乳は食後の血糖値の上昇を抑えることが判明した。朝食でタンパク質を摂取すると「セカンドミール効果」を得られ、昼食以降の食欲も抑えられることも分かった。

 「セカンドミール効果」とは、最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼすという現象のこと。朝食で糖質が少なく食物繊維の多い食品を選ぶと、食後高血糖が抑えられるだけでなく、昼食後も血糖値の上昇を抑える効果を得られるという理論だ。朝食のメニューが1日の血糖コントロールに影響すると考えられている。

牛乳のタンパク質が炭水化物の吸収を遅くする

 「2型糖尿病や肥満など、代謝性疾患は世界的に増加しています。糖尿病や肥満を改善するために食事をどのように改善するかという、効果的な戦略が求められています」と、ゴフ教授は言う。

 研究グループが実施したランダム化比較試験には、平均年齢が23歳で、平均BMI(体格指数)が22の32人の男女が参加した。炭水化物を多く含むシリアルを食べるときに、高タンパク質の牛乳を摂取した場合と、水を摂取した場合を比較した。

 牛乳に含まれるタンパク質は、「カゼイン」と、「ホエイプロテイン」(乳清タンパク質)の2種類に大別される。カゼインは体内への吸収がゆっくりで、乳清タンパク質は速く吸収される。

 牛乳についての研究が進むにつれて、カゼインと乳清タンパク質は「機能性成分」であることが分かってきた。これらのタンパク質を摂取することで、炭水化物の吸収が遅くなる。食欲を促進するグレリンの分泌が抑えられ、食欲を抑えるホルモンの分泌が促進され、満腹感も得やすくなる。

 さらに、乳清タンパク質には、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンであるGLP-1の産生を高める効果もあると考えられている。

心疾患や脳卒中などの危険性を下げる効果も

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 研究グループは、牛乳の乳清タンパク質を摂取すると、炭水化物を含むシリアルを食べても、朝食後だけでなく、昼食後も血糖値の上昇も抑えられる傾向があることを確かめた。乳清タンパク質を摂取すると、昼食前の血糖値にも影響が出ることが分かった。こうした効果は、低タンパク質でない、普通の牛乳で得られるという。

 ただし、牛乳には飽和脂肪酸も含まれる。飽和脂肪酸は、悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化の進行を促進する。また、牛乳には炭水化物も含まれる。

 これについて、テキサス大学の研究グループが今年7月に、「牛乳やヨーグルトなどの乳製品は心疾患や脳卒中などの危険性を高めることはなく、逆に減らしています。これらの乳性品を摂取することで、脳卒中で死亡するリスクは42%低下します」という研究を発表した。

 「牛乳やヨーグルトによってカルシウムやカリウムなどの栄養素も摂取でき、これらは炎症を抑える脂肪酸と同じような働きをし、骨粗鬆症の予防にも役立ちます」と、研究者は述べている。

もっとも実行しやすい食事改善

 ゲルフ大学などの研究で参加者が飲んだ牛乳の量は250mL(コップ1杯)で、カロリーは約165kcal。「朝食に牛乳を加えることは、もっとも実行しやすい食事改善です」と、ゴフ教授は言う。

 「朝食で牛乳を摂取すると、同時に摂取した炭水化物の吸収が遅くなり、血糖値の上昇を抑えられることを確認しました。2型糖尿病や肥満の人では、食後の血糖値が上昇しやすいことが知られています。栄養学の専門家は、そうした人にとって健康的な朝食を摂ることは重要だと指導しています。朝食に牛乳を加えることが勧められます」と、ゴフ教授はアドバイスしている。

Consuming milk at breakfast lowers blood glucose throughout the day(Elsevier 2018年8月20日)

Effect of milk protein intake and casein-to-whey ratio in breakfast meals on postprandial glucose, satiety ratings, and subsequent meal intake(Journal of Dairy Science 2018年8月19日)

New research could banish guilty feeling for consuming whole dairy products(テキサス大学 2018年7月11日)

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インスリン産生細胞を「再起動」 

2型糖尿病は「完治」できる?

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 肥満を伴う2型糖尿病患者では、糖尿病を発症してから6年以内であれば、食事療法と運動療法を徹底させれば、糖尿病を完治できる可能性があることが、英国の「DiRECT」研究で明らかになった。

体重コントロールに着目した新しいアプローチ

 生活スタイルを改善し、食事療法と運動療法をしっかり行い、体重をコントロールすることで、2型糖尿病の人の半分近くは、事実上「糖尿病を完治した」状態を維持できることが、英国で実施されている「DiRECT」(糖尿病を寛解するための臨床試験)で明らかになった。

 やり遂げると薬物療法を完全にやめられる、もしくは量を減らすこともできるという。詳細は医学誌「Cell Metabolism」に掲載された。

 「DiRECT」研究は、英国のニューキャッスル大学のロイ テイラー教授とグラスゴー大学のマイク リーン教授に率いられ実施されている。2型糖尿病患者298人が参加し、体重コントロールに着目した新しいアプローチにより、2型糖尿病をどれだけ改善できるかを調べている。

 介入プログラムに参加した患者は、徹底した低カロリー食を続け、ウォーキングなどの運動を毎日行い、専門のスタッフによるストレスへの対処や睡眠などについてのアドバイスを受けている。

 2型糖尿病の多くで、膵臓は血糖値を調整するホルモンであるインスリンを十分に産生できなくなる。肥満のある人の多くが、体重を減らし肥満を解消することで、糖尿病を発症する前の状態に戻せることが判明した。

 

β細胞を「再起動」 糖尿病から離脱

 研究で得られた知見は、「糖尿病を一度発症すると、生涯にわたり”治った”と同じ状態を維持できても、完治することはない」という従来の定説を覆すものだ。

 「2型糖尿病の早期治療では、薬物療法を開始するとともに、食事や運動などの生活習慣の改善が指導されていますが、現実には医療現場は多忙であり、生活習慣の指導は控えめに行われている傾向があります」と、テイラー教授は言う。

 高カロリーの食事や運動不足が原因で、肝臓に脂肪が過剰に蓄積されると、インスリンへの体の反応が鈍くなり、膵臓でインスリンが過剰に生成されるようになる。

 そうなると、全身に脂肪がたまりやすくなり、さらにインスリンが分泌されるという悪循環に陥る。やがて、インスリンを産生するβ細胞は疲弊し機能が低下され、結果として血糖値が高くなる。

 「肥満のある人では、生活スタイルの改善をしっかりと行い、体重を適正にコントロールすることで、β細胞を”再起動”できます。インスリン分泌が残存している2型糖尿病患者は、適度な体重減少によりβ細胞を”再生”でき、血糖コントロールが改善した結果、糖尿病から離脱できることが示されました」と、テイラー教授は言う。

12ヵ月の強化療法でβ細胞が正常化

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 研究グループは、発症後6年以内の64人の2型糖尿病患者を対象に、食事療法や運動療法を中心とした集中的な体重コントロールに取り組む介入群と、従来通りの治療を行う対照群にランダムに割り付けた。

 その結果、介入群では血糖コントロールが改善し血糖値が正常化した結果、46%(29人)が2型糖尿病から離脱できたことが明らかになった。

 12ヵ月の介入により、2型糖尿病から離脱できた人(改善した群、29人)と、そうでない人(改善しなかった群、16人)に分かれた。

 研究グループは、2つの群の最大の違いはインスリンを産生するβ細胞にあると考えている。減量により血糖コントロールが安定した群では、β細胞は再び正常に機能しはじめ、体が必要とする適切な量のインスリンを分泌するようになった。

食後のインスリン分泌に差が

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 2型糖尿病が生活スタイルを管理し改善することが重要な病気であることについて、糖尿病医療の専門家はこれまで見解を一致させてきたが、糖尿病を完全に治癒するのは不可能だと考えてきた。それが「DiRECT」研究で覆った。

 ただし、糖尿病を寛解できるのは患者の半分に限られる。およそ半数は内臓脂肪がもたらすストレスに対し、β細胞が持ち堪えることができなかった。

 糖尿病の罹患期間の平均は改善した群では2.7年、改善しなかった群では3.8年だった。両群とも同様に体重を減らし、改善した群では16.2kg、改善しなかった群では13.4kg、それぞれ減少し、肝臓や膵臓にたまった脂肪も同様に減少し、血中の中性脂肪値が低下した。

 両群を比べたところ、食後のインスリンの初期分泌に差があることが分かった。

 膵β細胞のインスリン分泌は、血中グルコース濃度の上昇に応答して2段階で起こる。第1段階は約10分間持続する短時間のスパイクで構成されるが、2型糖尿病では低下していることが多い。このインスリン分泌の第1段階は、改善した群では増加したが、改善しなかった群では変化はなかった。

内臓に脂肪が蓄積された状態は危険

 「体重が標準体重を超える肥満の人にとって、減量がいかに重要であるかが示されました。特に内臓に脂肪が蓄積された状態は危険です」と、テイラー教授は述べている。

 「糖尿病のある人にとって、これはとても勇気づけられる良い知らせです。生活スタイルの改善は、誰もが手を延ばせる実行可能なツールなのです」。

 「DiRECT」研究が開始されてから1年しか経っておらず、2年目以降の成果に期待しているという。研究グループは、2型糖尿病から離脱できなかった人では、何が障害になっているかを、遺伝子レベルで解明することを目指している。

 研究グループは、糖尿病発症の根底にある膵臓のβ細胞の機能の変化を評価しアルゴリズムを適用し、効果的な治療を行えるようにすることを目指している。インスリンを分泌するβ細胞がどれだけ機能しているかを調べ階層化し、新たに開発した治療法を適用することを計画している。

‘Rebooting’ insulin-producing cells key to Type 2 diabetes remission(ニューカッスル大学 2018年8月2日)

Why weight loss produces remission of type 2 diabetes in some patients(Cell Press 2018年8月2日)

Remission of Human Type 2 Diabetes Requires Decrease in Liver and Pancreas Fat Content but Is Dependent upon Capacity for β Cell Recovery(Cell Metabolism 2018年8月2日)

‘Rebooting’ insulin-producing cells found to be key to Type 2 diabetes remission(英国糖尿病学会 2018年8月2日)

インスリン産生細胞を「再起動」 2型糖尿病は「完治」できる? | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

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難しいバセドウ病の診断 糖尿病、心臓病にも似た症状

朝日新聞デジタル

【アピタル+】患者を生きる・スポーツ「バセドウ病

 甲状腺の病気を患っている人は国内に500万~700万人いると言われています。このうち240万人に治療が必要だと日本甲状腺学会は推計しています。しかし実際に治療を受けているのは45万人にとどまっています。バセドウ病は代表的な甲状腺の病気ですが、見逃されやすい面もあります。症状や治療法を、専門病院である伊藤病院(東京都渋谷区)の伊藤公一病院長に聞きました。

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伊藤病院院長の伊藤公一さん

 

――甲状腺とは何ですか?

 胃や肝臓などと同じく臓器の一つです。内臓はその働きによって、たとえば心臓は循環器、胃腸は消化器に分類されますが、甲状腺は内分泌臓器の一つです。内分泌とは、体の内側に出るホルモンのことで、汗や涙のような体の外へと出ていく外分泌と区別されます。内分泌臓器には、ほかにも甲状腺の裏側にある副甲状腺や、脳にあって甲状腺をコントロールしている下垂体、さらにはそれらを支配する視床下部、腎臓の上には副腎などがあります。

――甲状腺はどこにありますか?

 首の「のどぼとけ」の下あたりで、気管という空気の通り道の前に位置しています。内分泌臓器のなかでは最も大きな臓器ですが、それでもわずか12グラム程度。チョウが羽を広げたかたちをしています。甲状腺がないと人は生きていけず、内分泌臓器のなかでは病気も一番多い。その役割を一言で表すと「元気の源」。生まれてから亡くなるまで、ずっと一定量の「甲状腺ホルモン」を出し続けます。病気は大きく2種類。一つは分泌されるホルモンが多すぎたり足りなかったりする「働きの異常」で、もう一つはがんなどの「形態の異常」です。バセドウ病は「働きの異常」にあたり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまいます。

――なぜホルモンが多く出るのでしょう?

 バセドウ病は「自己免疫疾患」と呼ばれます。免疫とは、本来は自分の体を守るために外から侵入してきたバイ菌などを壊してくれる働きのことですが、自己免疫疾患ではこの働きが過剰になります。しかし、どういう人にどのような原因でこの自己免疫疾患が起きるかは、まだはっきりしていません。患者さんは圧倒的に女性が多く、甲状腺の病気全体で見ると女性が男性より約20倍も多くいます。バセドウ病に限れば男性の比率が高くなりますが、それでも4対1くらいで女性が多く、とくに20~30代の女性が多数を占めます。そこで、男性の場合は病気が見逃されがちな面もあります。

――どんな症状が出ますか

 ちょっとホルモンが高いくらいなら、「元気の源」が増える程度で問題ないのですが、高くなりすぎると、まるで燃料を空だきした状態になり、じっとしていても心臓が高鳴ったり、食欲があってよく食べているのに体重が落ちたりします。あるいは、目がとび出てきたり甲状腺全体が腫れたり、気持ちがいら立ったりもします。

 

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 難しいのは、「この症状だからバセドウ病だ」と明確に見分けられないことです。体重が減るのは糖尿病などに見誤られたり、動悸(どうき)が激しくなるのは心臓病高血圧症と間違われたりします。イライラしたり気持ちが落ち込んだりするのも、更年期障害や精神の病気に勘違いされがちです。病気を見過ごされないために、患者さん自身や周囲の家族・知人、かかりつけの医師が「もしかしたら」と疑いの目を向けて、専門的な検査を受けてください。

――どんな検査方法がありますか?

 いまは血液検査をすれば、簡単にわかるようになりました。5cc程度の血液で、甲状腺から出ているホルモンの量や、脳下垂体から甲状腺をコントロールするために出ているホルモンの量がはっきり数値で表れ、甲状腺が過剰に働いているかを見分けられます。

 さらに抗体検査という方法があります。異物を攻撃する「抗体」が血液中にどれくらいあるかを測定することで、バセドウ病の重症度を数値でつかめます。また、これらの検査で難しい場合でも、甲状腺にどれくらいヨウ素が集められているかを観察する「シンチグラフィー」がある。アイソトープ検査とも呼ばれます。

――バセドウ病の治療方法は?

 昔から3種類で、薬による内科治療、手術、放射線治療です。日本では最初はほとんど薬による治療をしますが、米国では放射線治療が主流です。欧州はその中間でしょう。

 薬による治療の利点は、「入院しなくてすむ」「痛みがない」「通常の社会生活を営める」などです。薬を飲みながら病状をコントロールして、じっくり治療する方法です。一方で弱点として、薬では治りにくく、時間がかかります。症状がよくなると薬の量を次第に減らしていく「漸減療法」をとり、最後は薬を飲まなくてもホルモンが正常な状態になる持っていくのですが、3年や5年続けても治らない人が半数くらいいます。また、人によっては副作用が出ますが、これは飲んでみないとわかりません。もし副作用が出たら、薬の種類を変更したり、ほかの治療法に変えたりもします。

――つまり手術や放射線による治療をするということですね。

 手術はいちばん古くからされている治療法で、通常は甲状腺をすべて取り除きます。ホルモン量をゼロにした上で、甲状腺ホルモン剤という薬を飲み続けます。薬は生涯飲まないといけませんが、短期間で非常にすっきりと病気を治せます。

 放射線治療は、アイソトープ治療とも呼ばれます。放射線が出る薬を入れたカプセルを飲みます。薬剤が甲状腺に集まって放射線を出し、甲状腺の細胞を壊してホルモンを出ないようにします。放射線治療は1946年にアメリカで始まりました。日本は10年ほど遅れましたが、長い歴史があります。「がんが心配で」といった声も聞きますが、安全性がしっかり確立されています。妊娠中や授乳中といった事情がない人には、積極的に放射線治療をしている。カプセルを飲むだけの簡単な治療法で、確実に甲状腺ホルモン値を下げられます。ただし、治療できる病院は限られます。

 このように、バセドウ病の三つの治療法にはそれぞれ一長一短があります。患者さんに合った治療法がどれかを、主治医とともにしっかりと選んでいくことが重要です。

 

 ◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comicon_mailto-2018-08-25-08-25.gifへお寄せください。

<アピタル:患者を生きる・スポーツ>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(聞き手・伊藤隆太郎)

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糖尿病引き起こす「脂肪肝」の恐怖…

予防にベストな運動法を伝授

記事投稿日:2018/08/24 16:00 最終更新日:2018/08/24 16:00

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今年5月、米国内分泌学会雑誌『Journal of the Endocrine Society』に発表された、順天堂大学大学院医学研究科・スポートロジーセンター長の河盛隆造名誉教授らの研究グループによる《やせて筋肉が少ない女性に糖尿病などのリスクがある》という論文がいま話題だ。

「ヤセすぎの女性であっても、標準体形の人よりも糖尿病のリスクが高くなる、という研究結果が出ました。体形がスリムだと自分は健康であると考えている女性が多いと思いますが、誤った糖質制限食や運動不足は、重大な異常を引き起こしていることが多いので注意が必要です」(河盛先生・以下同)

肥満と糖尿病の関係はよく耳にするが、ヤセていてもリスクが高まるとは!

論文では20代の31人、50~65歳で閉経後の30人、いずれもヤセた女性を対象に、骨密度、骨量や全身の筋肉量、筋力、肝臓や骨格筋にたまった脂肪量、そしてインスリンによる筋肉や肝臓のブドウ糖処理能力を詳細に測定した。

ここでいう“ヤセ”の基準は、BMI(体格指数)16以上18.5未満。特に若い女性たちの身長は160センチを超え、体重は平均45キロほどというのだから、うらやましいスレンダー体形だ。

「検査の結果、50歳以上の閉経後のヤセた女性群では、筋力低下がみられ、筋肉量も少なく、いわゆる“サルコペニア”と診断される方が多かったのです。サルコペニアはお年寄りの転倒や骨折の原因となるもので、近年注目されているフレイル(虚弱)の特徴の一つです。彼女たちのうち、糖尿病予備群の割合はじつに37%に上っていて、これは同年代の標準体重の女性の17%に比べてかなり高い数値でした。さらに、若い女性にも同様の状態になっている方が少なからずいました。日焼けしたくないからと外を歩かない、日光を浴びないので骨量が少なく、骨粗しょう症になっている例さえあったのです。ヤセ願望の女性が炭水化物を取らない一方、彼女たちの体内では筋肉が運動のエネルギー源として欠かせないブドウ糖を作るため、結果自らの筋肉のタンパク質を分解することになり、筋量が低下します。これに脂肪分の多い食事が相乗的に悪影響を及ぼし、脂肪肝・脂肪筋になっていることが判明したのです」

体内に取り込んだ栄養素の量が消費量を上回っていると、本来はそれほど多くの脂質を蓄えることのない肝臓や骨格筋にも余剰に脂質がたまってしまう。この状態が脂肪肝・脂肪筋だ。これを解消するためには「食事の適正化」「体を動かす」「十分な睡眠」が肝心だと河盛先生は話す。

「まず食事。ごはんやパンなど炭水化物をきちんと取って、無意識のうちに多く取ってしまっている脂まみれの内容を見直しましょう。運動する筋肉へのエネルギー源となるタンパク質をきちんと取ることが大切です。和食が最良ですね。食べる順番にも留意し、野菜やきのこ、海藻類を食事の前半に取り、それから肉、魚などのタンパク質やごはんを十分においしく食べるようにしましょう」

もちろん、食べた分だけ体を動かす習慣をこまめに取り入れることを河盛先生は推奨する。

「自宅から300メートル程度しか離れていないコンビニに車で出かけるという人が多いのですが、買い物は“最高の運動”と捉え、車や自転車を使わず歩いてみましょう。駅でも階段を使うなど、意識的に体を動かすことを習慣づけてほしいです」

さらに、食後に体を動かす習慣をつけると、筋肉がブドウ糖を取り込むことで血糖値の急な上昇を抑えるだけでなく、筋肉も付くという好循環が生まれるという。

まだまだ暑い日が続いて寝苦しい季節だが、睡眠不足はすい臓から分泌されるインスリンの働きを低下させて血糖値を高めてしまうとともに、日中の間食を招くことにもつながってしまうので要注意。

誤ったダイエット法は、脂肪肝・脂肪筋だけでなく、骨粗しょう症や無月経など体調不良のリスクを高めてしまう。きちんと食べて動き、健康的な美を目指そう!

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「糖質制限で老化する」は本当か

衝撃の研究結果を徹底検証する

鳥集 徹2018/08/24

 この4月、「週刊新潮」がセンセーショナルな記事を掲載した。なんと糖質制限を続けると老化が進み、寿命が縮まるというのだ(「糖質制限で『老ける』『寿命が縮まる』」「週刊新潮」4月5日号)。広告の見出しや記事を読んで、心配になった人も多かったのではないだろうか。

 2010年頃から始まった「糖質制限」のブームは、今やすっかり社会に定着した感がある。

 スーパーやコンビニに行くと、当たり前のように「糖質オフ」や「ローカーボ」あるいは「ロカボ」(低炭水化物)をうたうパン、麺類、発泡酒、お弁当などが並んでいる。

 言うまでもないが、糖質制限とは三大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質)のうち、糖質の摂取量を減らす食事療法だ。

糖尿病の改善や予防に効果的

 なぜ糖質を減らすと「健康にいい」とされるのか。それは三大栄養素のうち、食後すぐに血糖値を上げるのが糖質だけだからだ。糖質を減らせば血糖値を低くコントロールできて、糖尿病の改善や予防に効果的とされている。さらに、短期間で体重を減らせるエビデンスがあり、多くの医師がその効果を認めている。

 糖質は主食となるごはん、パン、麺類など炭水化物(主に糖質と食物繊維で構成される)に多く含まれている。また、甘いお菓子類やジュースはもちろんのこと、果物やアルコール類(とくにビールや日本酒など)にも糖質は多い。

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 糖質を減らす分は、野菜や肉料理、魚料理を満足するだけ食べていいとされることが多い。食べる量全体を減らす「カロリー(エネルギー)制限」のように、空腹に耐えなくてもいいところも人気の理由だ。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」は、一日の総エネルギーの摂取基準として、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%を目標値としている。これは、ごはんとおかず2、3品の定食的な組み合わせなら、毎食ごはんを茶碗一杯か、男性では昼か晩の一回だけ2杯食べる程度の量となる。

 糖質制限では、この中からまずごはんを減らす。減らし方には、朝昼晩のうち一食だけ抜く緩やかな方法から、2食抜く方法、そして3食徹底して炭水化物を避ける厳格な方法まで幅がある。ちなみに、お茶碗一杯のごはん約150gの中で、糖質の量は55gほどだ。

スーパー糖質制限を実践する医師は68歳でも若々しい

 国内でいち早く糖質制限の効用を広めた高雄病院(京都)理事長の江部康二医師は、糖尿病患者に対して3食徹底して炭水化物を避ける「スーパー糖質制限食」を指導している。江部医師自身も52歳で糖尿病を患って以来、68歳になる今日まで率先してスーパー糖質制限食を実践してきた。

「私の糖質の摂取割合は総エネルギーのうち10%足らず、一日30~40gほどです。52歳のときヘモグロビンA1cは6.7%ありましたが、糖質制限をして以来、薬を飲まずにずっと正常値です(ヘモグロビンA1cは1、2ヵ月前の血糖状態を表す糖尿病の指標で、4.6~6.2%が基準値とされる)。

 68歳になった今も歯は全部残っていますし、肌もこの通り若々しいでしょ。糖質を摂らないから老化しにくいんです。眼もよく見え、聴力も低下していない。医学部の同窓会に行くと、『お前だけ年をとってないのはおかしい』って言われます」

通常食に比べて30%も老化が進む? 

 そんな糖質制限で老化が進み、寿命が縮むというのは本当なのか。

「週刊新潮」の主張の根拠の一つとなっているのが、東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授が行った動物実験の結果だ。それによると、通常食を与えられたマウスは長生きしたが、糖質制限食のマウスは平均寿命より20~25%短命だった。さらに、老化の進度にも顕著な差があり、糖質制限食の個体は背骨の曲がりや脱毛などがひどく、通常食に比べて30%も老化が進んだという。

 どうしてこのような実験をしたのか。都築准教授に話を聞いた。

「私は10年以上前から日本人の食について研究しているのですが、むかしの平均的な食事と欧米化が進んだ現代的な食事を食べ比べる実験をすると、マウスでもヒトでも1975年頃の日本人が食べていた和食が最も健康にいいという結果になったのです。その頃の和食を食べると内臓脂肪が減って体形がスリムになり、悪玉コレステロールやヘモグロビンA1cが低下、炎症指標の値(CRP)も改善します。健康にマイナスの結果が一つも出ないのです。その当時、日本人は魚、豆腐など動物性以外のたんぱく質を多く摂り、野菜、海藻、キノコなど具材がたくさん入ったみそ汁などと一緒に、総エネルギーの70%にもなる山盛りのごはんを食べていました。それなのに糖尿病になる人は、今より少なかった。ところが、現代では糖質は健康に悪いとされ、摂取量も50%ほどに減っています。そこで本当に糖質はよくないのか、まずはマウスで確かめてみようと思ったんです」

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脱毛が進み、背骨が曲がり始めたマウス

 その結果、糖質制限のエサを食べたマウスは確かに内臓脂肪が落ちて体重が減り、ヘモグロビンA1cも上がらなかった。しかし、ヒトだと60歳に相当する月齢の頃から毛づやが悪くなって脱毛が進み、背骨が曲がり始めた。80歳にあたる月齢になると通常食のマウスに比べて老化の進み具合で大きく差がつき、糖質制限のマウスはどんどん死んでいったという。その理由を都築准教授は次のように考察している。

「糖質を減らすとたんぱく質や脂質の割合が増えます。摂取したたんぱく質はアミノ酸に分解され、筋肉などに再合成されますが、実は一定の割合で不良品のたんぱく質ができ、それが溜まると老化を促進するのです。若いうちは筋肉の代謝が盛んで不良品が出にくく、それを分解する『オートファジー』と呼ばれる能力も高いのですが、年を取ると不良品が増え、分解能も落ちます。とくにアミノ酸の摂取が多いとオートファジーが抑制され、不良品のたんぱく質がたまりやすいことがわかっています。私はこのメカニズムは人間でも当てはまるのではないかと考えています。糖質制限を否定しているわけではないのですが、高齢になると血糖値が高いことよりも、低栄養のほうが問題となります。壮年期は肥満や糖尿病予防のために糖質を減らしていいと思いますが、高齢者はむしろ炭水化物(エネルギー)をたくさん摂ったほうがいいのではないでしょうか」

動脈硬化が悪化した事例

「週刊新潮」の記事では、糖質制限を始めた3年2ヵ月後に脳梗塞を起こし、右半身が麻痺した60代男性のケースも紹介。心筋梗塞、脳梗塞などの予防に詳しい真島消化器クリニック(福岡県)院長の真島康雄医師が男性を診察すると、いつ再発してもおかしくないほど動脈硬化が悪化していたという。男性は炭水化物を摂取しない代わりに、トンカツなどの揚げ物をたくさん食べ、お酒も毎日飲んでいた。

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糖質の代わりに、脂肪を過剰に摂取

 真島医師が話す。

「糖質を控えると、その代わりに脂肪摂取が増える。それがよくないんです。私は3、4ヵ月に一度、患者さんの動脈8ヵ所をエコー(超音波)で測定していますが、糖質制限でやせたのに、プラーク(血管壁に脂肪の粒子が堆積したもの)が厚くなって動脈硬化が進み、いつ心筋梗塞や脳梗塞になってもおかしくない人を他に何人も見てきました。

 プラークが溜まる原因は脂肪です。動物性に限らず、魚でも植物性でも脂肪を摂り過ぎると、体内に摂り込めなかった余分な脂肪は6時間以上も血管の中をめぐります。血圧によって、指で擦り付けるような強い力で血管内皮細胞の隙間に押し込められるのですから、プラークが溜まるのも当然です。

 体重が減った、血糖値が下がったと喜んでいても、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞になり、早死にしてしまっては元も子もありません。糖質制限は脂肪を過剰に摂取しやすく、動脈硬化の進行に対するリスク管理の発想がありません。だから私は、糖質制限は危険な食事療法だと批判しているのです」

 さらに記事では、国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科医長(当時)の能登洋医師らが2013年に報告した研究も紹介。糖質制限食に関する多くの研究論文を集め、データを総合的に分析したところ、糖質摂取量の最も少ないグループの死亡率は、糖質摂取量の最も多いグループの1.31倍だった。 

ヒトを対象にしたデータはない

 だが、糖質制限を推進してきた医師たちは、この「週刊新潮」の記事に反発。北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟医師は「話にならない」と一蹴する。

「記事はマウスの実験を根拠にしていますが、動物実験の結果はそのままヒトには当てはまりません。なぜなら、動物とヒトは代謝経路が異なるからです。たとえばネコはチョコレートに含まれるテオブロミンという物質を代謝できないため、チョコを食べると神経毒となり動けなくなります。だからといって私たち人類も、チョコを食べてはいけないと言えますか?

 同様に、ヒトにはインスリン遺伝子が一つしかありませんが、マウスは2つ持っています。ヒトに比べ糖の処理能力が高い一方で、高脂質食には弱い性質がある。もし今回の実験結果をヒトに当てはめるなら、そのマウスがヒトのモデルとして適切か、エサが本当にヒトの食事を再現できているかといったことから検証する必要があるのです。それに今のところヒトを対象にした研究で、糖質制限で老化が進むことを示すデータは一つもありません。それどころか、血糖値、肥満、脂質異常症、血圧が改善し、メタボ解消になる可能性を示す研究がたくさんあります。それらを無視して、都合のいいデータだけで糖質制限の危険性を煽るのは大いに問題ありです」

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 EBM(科学的根拠に基づく医療)を準則とする現代の医療では、被験者(患者など)を無作為に数グループに分け、薬や治療などの効果を比較する「ランダム化比較試験(RCT)」や、それに次いで、何万もの人を長期に追跡し、生活習慣などの違いによる病気や死亡のリスクを比較する大規模な「コホート研究(住民集団の追跡研究)」が、信頼性が高いとされる。一方、個別の患者の症例や動物実験などは参考にすべきではあるが、臨床上の根拠としての信頼性は低い。

 したがって、それらだけでヒトの「老化が進む」「寿命が縮む」というのは無理があるだろう。

 動脈硬化が進むという真島医師の主張にも、江部医師が反論する。

「真島先生の患者さんのケースを見ると、糖質制限と言いつつ、トンカツなど揚げ物をたくさん食べ、ビールも毎日飲んでいたとありますよね。そんなことをしていたら血糖値が上がって、動脈硬化が進んでしまうのは当然です。揚げ物の衣やビールにも糖質がたくさん含まれているからです。

 それに、糖質制限を始めても心血管病を起こす人はいます。なぜなら、糖質を控えたことで現在の血糖値が改善したとしても、それ以前に高血糖が長年続いていた人は、『高血糖の記憶』によってすでに血管にダメージが蓄積しているからです」

欧米のデータばかり使われている

 さらに、国立国際医療研究センターの研究についても、山田医師が次のように指摘する。

「あの研究は、カロリー制限派による『糖質制限叩き』が盛んだった2000年代の住民研究を集めたものです。その当時は糖質制限に不利な結果ばかりが論文化されていました。しかも、欧米のデータばかりが使われています。逆に、10年代になってからは、日本人の住民研究でも世界18ヵ国の共同研究でも、糖質の割合が少ない食事を摂っていた人ほど総死亡のリスクが低いという結果が出ています。食習慣は民族差が大きいのに、日本での研究結果を無視するのはおかしいですよね」

炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高かった

 山田医師が指摘する通り、昨年8月、糖質制限派を勢いづかせる研究成果が報告された。

 世界的に権威のある医学誌「ランセット」のオンライン版に、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高かった」と報告されたのだ。この研究は5大陸18ヵ国の35歳~70歳の13万5335人を登録し、2013年3月末までに中央値で7.4年間追跡した大規模なコホート研究だ。

 それによると、炭水化物摂取量の多さは総死亡率の高さと関連しており、摂取量が最も多いグループは最も低いグループに比べ1.28倍リスクが高かった。炭水化物の摂取量と心血管病の発症および死亡リスクとは関係していなかった。

 一方で、総脂肪(脂肪全体)および脂肪の種類別の摂取量は総死亡率の低さと関連していた。とくに飽和脂肪酸(動物性の油脂に多い)の摂取が高いほど、脳卒中のリスクが低かった。総脂肪、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(植物性や魚の油脂に多い)の摂取量は、心筋梗塞あるいは心血管病死亡とは関連がなかった。

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 つまり、この結果に基づくと、糖質制限をしても心筋梗塞や脳卒中などのリスクが上がるわけではなく、しかも肉、魚、植物性に関わらず、脂肪の摂り過ぎを心配する必要はないということになるのだ。

脂肪を悪玉とするのは間違い

 研究について、江部医師は次のように評価する。

「この結果に驚いた人もいるかもしれません。ですが、脂肪を悪玉とする説は世界的にすでに否定されています。たとえば米国で5万人の女性のうち、半分を通常の食事、半分を脂肪の少ない食事にしてもらって、8年間の経過を追った研究がありますが、どちらも心血管病になった人の割合は変りませんでした。

 また、脂肪に含まれるコレステロールをたくさん摂っても、血中のコレステロールが増えるわけではないことが明らかになり、2015年以降、米国の栄養療法の指針や日本の食事摂取基準でもコレステロールの摂取基準は撤廃されています。

 体に脂肪がつくのは、炭水化物の摂り過ぎが主な原因なのです。血糖値が上がるとインスリンが分泌されて、血中のブドウ糖を筋肉内に取り込みます。そのうちの余ったブドウ糖が中性脂肪に変えられて、体脂肪として蓄えられるのです。また、動脈硬化は脂肪ではなく、高血糖が続いて血管が傷つくのが原因です。そこにコレステロールが溜まるのは傷を修復しようとした結果であり、コレステロールの多いことが動脈硬化の原因ではありません」

 つまり、糖質制限推進派の医師たちの主張を信じるならば、糖質制限で老化が進み、寿命が縮むのはあり得ないことになる。むしろ糖質を控えたほうが心血管病のリスクが下がり、寿命は延びるというのだ。「週刊新潮」と「糖質制限推進派」のどちらを信じたらいいのか。

 

たんぱく質を摂りすぎると老化が促進されるという研究も

 適切な食事療法のあり方について研究する金沢大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学分野教授の篁(たかむら)俊成医師はこう話す。

「糖質制限をすると、たんぱく質あるいは脂質の摂取量が必然的に増えることが懸念されます。そうした食事を長期的に摂り続けると人間はどうなるのか、実はまだよくわかっていないことが多いのです。

 たとえば、同じカロリーで糖質を減らして脂質の多い食事を摂るとどうなるか、エネルギーの出入りを厳格に測定した研究があります。それによると、同じカロリーの脂質制限食と比べて体重は減ったものの体脂肪は減少せず、体のたんぱく質の量が減っていました。つまり、糖質を控える分、脂質を摂り過ぎると筋肉がやせる可能性があるのです。

 次に、糖質を減らしてたんぱく質の多い食事を摂るとどうなるか。マウスの研究で、肝臓へのたんぱく質負荷によりインスリンの効きが悪くなって高血糖になり、脂肪肝にもなりやすい結果となりました。それだけでなく、たんぱく質を摂り過ぎると老化を促進する可能性があり、ヒトでもがんや糖尿病になって死亡するまでの期間が短くなるという研究があります。

 こうしたメカニズムが働きうることを考えると、やはり極端な糖質制限はおすすめできないというのが、私の考えです」

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 ただ、一方でこんなデータもあるという。

「長期間に亘って健常人を追跡した『北陸コホート研究』では、糖質摂取量が多い人ほど約10年後に糖尿病が増えるという結果でした。ただし全員ではなく、元々肥満のある人で糖尿病が増えていたのです。この研究は糖質制限の効果を示すものではありません。ただ、太っている人は、糖質の過剰摂取を避けたほうが糖尿病を予防できるかもしれません。こうした大規模な研究を行うと、動物実験や少人数の研究とは異なる結果が出ることも少なくありません。それに食習慣は民族差があるだけでなく、国内でも炭水化物摂取量に地域差があります。糖質摂取を減らせば本当に糖尿病の合併症や死亡リスクが減るのか、日本でも大規模な追跡調査をする必要があるでしょう」

日本人に糖尿病が増えた要因

 日本の糖尿病治療の指針を決めてきた本丸である日本糖尿病学会は、どう考えているのだろうか。同学会は糖質制限推進派の医師たちから、「日本の学会は頑なに糖質制限を否定し、エネルギー制限に固執してきた」と批判されてきた。それに対して同学会は、2013年に「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」を公表している。

「食事療法に関する委員会」の委員長として、この提言をまとめた東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授・宇都宮一典医師は、次のように話す。

「そもそも炭水化物の摂り過ぎが、日本人の糖尿病が増えた主な要因とはみなせない事実があるんです。日本人のエネルギー摂取量は昭和30年代がピークだったのですが、その頃、総エネルギー量の70~80%を炭水化物から摂っていました。むかしは身体活動量が多く、すぐエネルギーになる炭水化物を中心に摂取する必要があったのでしょう。それでも、今より糖尿病患者数はずっと少なかったのです。

 しかし現在、炭水化物の摂取割合は総エネルギー量の60%を切っています。一方で脂質の摂取量が増えており、25~30%にもなりました。しかも、魚や植物よりも肉類から脂質やたんぱく質を摂ることが多くなり、食物繊維が減っています。

 象徴的なのが沖縄県です。かつては長寿県と言われたのに、若くして心血管病を起こす人が増えて長寿県から転落し、『沖縄クライシス』と呼ばれています。原因を調べてみると戦後の欧米化の影響を受け、明らかに脂肪摂取量が増え、欧米のような内臓脂肪型肥満になる人が増えました。

 内臓脂肪型肥満の要因は炭水化物ではありません。脂質の摂り過ぎこそ、日本人の糖尿病が増えた要因だと私たちは考えているのです」

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「エネルギー制限」は批判の的になってきた

 内臓に脂肪が蓄積すると、血糖を体内に取り込むホルモンのインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が高くなる。それが、日本人に糖尿病が増えた主な原因だというのだ。それに宇都宮医師は、「血糖値さえ抑えれば、糖尿病は進まないという単純な話ではない」と力説する。

「糖尿病はインスリンの作用不足によって起き、その原因は、インスリン分泌が低下しているか、インスリンの効きが悪くなることにあります。インスリンの作用は多彩で、高血糖は体内でのインスリン作用不足を示す指標であって、この病気の一つの局面を見ているのに過ぎません。糖尿病治療は、血糖値だけを改善すればいいというものではないのです。

 だからこそ、人それぞれのインスリンの量や効きに応じた適正なエネルギーを摂取する必要がある。太った人は内臓脂肪が原因でインスリンが効きにくくなるので、やせるために摂取エネルギーを減らす必要があります。一方、やせているのに糖尿病になった人は、それ以上やせてはいけないので、エネルギーを減らす必要はありません」

 これまで糖尿病の食事療法と言えば「エネルギー制限」だった。しかし、食材や料理ごとのカロリー計算が面倒なうえに満足な量を食べられず、ストレスで続けられない人も多かった。それが糖質制限推進派の医師らの批判の的にもなってきた。

糖質制限とエネルギー制限は対立するものではない

 だが、意外なことに宇都宮医師は、「エネルギー制限が続けにくいのは確かで、一律にエネルギー制限と言ってきたことについては学会としても反省がある」と言うのだ。しかも、学会は糖質制限を否定しているわけではないという。

「糖質制限の効果を示したDIRECTという有名な研究があります。それによると、エネルギー制限食と魚介類が多い地中海食、糖質制限食を比べたところ、糖質制限食が最もすみやかに体重が落ちました。ただし、研究を詳しく見ると、糖質制限と言っても結局は炭水化物が減る分、エネルギー摂取量が減っている。つまり、糖質制限も実質上、エネルギー制限と同じなのです。したがって私は、糖質制限とエネルギー制限は対立するものではないと考えています。ただし、栄養バランスへの注意は必要。現在、学会としても、『その人に合った食事療法を共に考える』というメッセージを発信しており、適切な範囲であれば、糖質制限も一つの手段としてはアリだと考えています」

 実は、今回の取材で糖質制限を頭から否定する専門家はいなかった。ただし、ほとんどの専門家が、「厳しい糖質制限食はリスクがあるかもしれない」と考えていた。

 その理由は、ここまで述べてきた通り、糖質を制限する分、脂質やたんぱく質の摂取が増えるからだ。ただし、それらの栄養素が増えると人体に悪影響があるかは、専門家の間でも主張が分かれていた。つまりは、「老化」や「寿命」も含め、「明確な答えはまだ出ていない」のだ。

一日の摂取量の目安は?

 脂質やたんぱく質の摂取量が増えるだけでなく、厳しい糖質制限を続けると、エネルギー源として十分なブドウ糖を確保できなくなった人体は、脂肪酸などからつくられる「ケトン体」という物質をエネルギー源として利用するようになる。

 このケトン体が増えることについて「問題ない」とする専門家がいる一方で、懸念を示す専門家がいる。とくに糖尿病患者では血液が酸性に傾き、脱水状態になる「ケトアシドーシス」という重篤な急性合併症になる人がいる。それもあって、糖質制限に慎重な専門家が多いのだ。

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 こうしたことを踏まえて、前出の山田医師は糖質摂取量を一日70g~130gとする緩やかな糖質制限を提唱している。これは、一食あたりごはんを半膳ほど食べられる量だ。山田医師が言う。

「ケトン体が大幅に増えて大丈夫なのかどうかも、実はよくわかっていません。江部先生のようにずっと問題のない人もいれば、一部にケトン体を代謝できず、危ない人がいるのかもしれない。それに、そもそも食事療法は楽しくないと続けられません。糖質制限がストレスになってしまったら、カロリー制限と変わらないことになる。

 ですから私たちは、安全で楽しく続けられるように、緩やかな糖質制限食を提唱しているのです。食品企業と協力して、おいしく食べられるロカボのパンやお菓子の開発も進めているので、ぜひそうした商品も利用してほしいと思っています」

 なお、宇都宮医師によると、糖質制限食を始めて勝手に薬やインスリンをやめたために、重篤な高血糖となって病院に運ばれる糖尿病患者が後を絶たないという。糖尿病の人は糖質制限をするとしても、くれぐれも医師と相談して行ってほしい。

 糖尿病予防やダイエット目的の人も、リスクがありうることを頭に入れたうえで、緩やかな糖質制限から段階的に取り組むのがいいだろう。

 科学的に見るとまだ不明なことも多い――それが糖質制限の「真実」なのだ。

(出典=文藝春秋2018年8月号)

「糖質制限で老化する」は本当か | 文春オンライン

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京大 糖尿病患者対象に農作業の効果研究

 

科学&新技術

2018/8/9 16:43

 京都大学農場(京都府木津川市)は9日、京大病院と協力して糖尿病患者に軽い農作業をしてもらう研究プロジェクトを始めたと発表した。体を動かすことによる筋肉や脂肪量のバランス改善、植物を育てることによるストレス緩和などがみられるか調べる。心身の健康度の向上に役立つか検証する。

 農場の中崎鉄也教授と病院の池田香織特定病院助教らが始めた。研究期間は2年。京大病院に通う中高年の患者を対象に週1回のペースで4カ月間、軽い農作業をしてもらう。質問表や血液検査などで体や心への影響、食習慣に変化があったかなどを調べる。肥満や高齢者に多い虚弱の対策として農作業の効果を総合的に評価する狙いだ。

京大 糖尿病患者対象に農作業の効果研究  :日本経済新聞

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中年期も危ない「フレイル」
バランス食&運動習慣で予防を (1/2ページ)

安達純子 健康寿命UP術

2018.8.22

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  2. 荒木厚内科総括部長
 年を重ねて生活習慣による高血糖を放置していると、心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスクが高まる。さらには、心身機能の低下によって寝たきりにつながる「フレイル」(=体が虚弱な状態)にも陥りやすい。

 厚労省は、2016年度からフレイル対策を実施している。フレイルは高齢者に起こりやすいため、「自分にはまだ関係ない」と思われがちだが、中年期からもフレイルになる人がいる。

 「糖尿病は老化を進めるので、フレイルとの関係が深いといえます。高血糖状態の放置は、筋肉が減ることで、容易にフレイルにつながるのです」

 こう警鐘を鳴らすのは、東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科の荒木厚内科総括部長。2015年、同センターの糖尿病や高血圧受診者向けに、フレイル外来を開設している。

 フレイルは、(1)筋肉量の減少など身体的な機能低下、(2)もの忘れやうつなど精神的な機能低下、(3)外出しないなどの社会的な機能の低下-の3つから成り立つ。

 中年期でも、筋力が衰えて体力がなく疲れやすいと、休日は家でゴロゴロとしてしまいがちだ。放置していると、何をするのも、おっくうになってやる気も起きない→やがて出勤するのもつらくなる→筋力低下などに拍車がかかり、家の中で転倒骨折-という悪循環に陥る。中年期でもフレイルは起こりえるのだ。

 「中年期からバランスのよい食事と運動習慣を取り入れることが、フレイル予防として重要です。特に動物性脂肪の割合が多いと内臓脂肪がたまり、糖尿病にもなりやすく、野菜不足でビタミンやミネラルが少ないと、低栄養でフレイルになりやすい。緑黄色野菜を十分に摂り、タンパク質(肉類、魚類、豆類)や炭水化物(穀類など)も含むバランスのよい食事を適量食べるように心掛けてください」

 フレイルは、カロテノイド(ビタミンA)やビタミンB群などの摂取不足が関係し、高齢の糖尿病患者では、同様にビタミンAやビタミンB群が含まれる緑黄色野菜の摂取不足で認知機能低下のリスクも高くなるという。さらに、カルシウム吸収に関わるビタミンDの不足で、筋力低下のサルコペニアにも陥り、フレイルに拍車をかけるそうだ。

 「近年、高齢の方の糖尿病患者は増え、それにも栄養バランスの偏りが関係しています」

 厚労省の2016年「国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病が強く疑われる男性の割合は16・3%だが、60代以降は20%以上と右肩上がり。糖尿病はフレイルにもつながるだけに、中年期からのバランスのよい食事習慣を身につけておくことがなにより重要だ。

 「健康的にいつまでも元気で過ごすには、高齢期を迎える以前からの生活習慣の見直しが大切です。食事も運動も、将来の健康のために今から改善に取り組んでいただきたいと思います」

 中年からのフレイル予防は、健康寿命を伸ばすための生活の礎だ。(安達純子)

 

 ■中年期から始めるフレイル予防6か条

 (1)緑黄色野菜、タンパク質(肉類、魚類、豆類、乳製品など)、炭水化物(ご飯などの穀類)をバランスよく食べる

 (2)1日3食を食べ過ぎない(1人分にとどめる)

 (3)間食習慣は止める

 (4)1日30分以上速歩きする

 (5)週に2回は、筋トレなどを行う(ジムなどでトレーナーの指導を受け、ケガをしないように)

 (6)生活習慣病を放置しない。医療機関を受診する

【健康寿命UP術】中年期も危ない「フレイル」 バランス食&運動習慣で予防を (1/2ページ) – zakzak

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1型糖尿病の子らが心鍛える 

福岡県でサマーキャンプ

朝日新聞デジタル

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 「小児糖尿病」とも呼ばれる1型糖尿病の子どもたち約50人が、グループ討論や登山などを通じて心を鍛える「福岡小児糖尿病サマーキャンプ・ヤングホークス」が、福岡県筑前町の夜須高原で開かれている。ボランティアの医療関係者、大学生らが運営を支えている。

 児童から大人までの約百人が21日、宿舎から歩き始めた。サマーキャンプの参加者やスタッフたちだ。自然の中をハイキングし、2時間後に戻ってくる。どこからともなく歌声がわき、元気よく大声で歌いながら列は進む。

 高校1年生の男子(15)は今年で8回目の参加という。「一体感があり、とても楽しい。同じ病気の多くの人とふれあうのは、ここでしかできない経験」と笑顔で話した。

1型糖尿病の子らが心鍛える 福岡県でサマーキャンプ:朝日新聞デジタル

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糖尿病予防で行動指針 

熊本県健康づくり県民会議

 熊本県健康づくり県民会議(会長・蒲島郁夫知事)の会合が20日、熊本市中央区のホテル熊本テルサであった。糖尿病予防を県民運動として、年1回健康診断を受診し、毎日の食事に野菜1皿(100グラム)、運動は1日千歩をプラスする行動指針を了承、周知を申し合わせた。本年度から6年間、継続して啓発普及に取り組む。

 県民会議は2002年、くまもと21ヘルスプラン(県健康増進計画)の推進母体として保健医療や福祉、事業者、行政など43団体で組織。県内では40~74歳の4人に1人が糖尿病・糖尿病予備軍とみられ、行動指針は第4次プラン(18~23年度)の目標値に対する不足分から設定した。

 県は糖尿病予防のキャッチコピーを公募。県内外から326点が寄せられ、浦部せつこさん(熊本市)の「見直そう食生活 はじめようウォーキング」が最優秀賞に選ばれた。この日は自主的な健康づくりに取り組む団体の表彰などもあった。(高本文明)

 表彰された団体は次の通り。▽光南開発TSUTAYA天草店(天草市)▽K発プロジェクト(熊本市)▽KDSグループ(同)▽天草生活習慣病研究会(天草市)

 

(2018年8月22日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

糖尿病予防で行動指針 熊本県健康づくり県民会議 | 医療 | くまコレ | 熊本日日新聞社

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