“幸せ料理研究家”こうちゃん、1型糖尿病で入院した1年前を振り返る「放心状態だった」

2019.01.09 19:30

 1型糖尿病を発症している幸せ料理研究家・こうちゃんこと相田幸二氏が8日にブログを更新、1年前に糖尿病で入院した当時を振り返った。

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こうちゃん公式ブログよりスクリーンショット

 相田氏は昨年1月に1型糖尿病のため入院、その後退院をしたものの、「1型糖尿病」は体からインスリンが分泌できない病気であるため、インスリン注射などの治療を自宅で続けている。

 この日は「私もはれて1型糖尿病1年生になりました。去年の1月6日に入院になり1年前の今頃は放心状態だったと思います。」と当時を振り返り、「1年がたち、この病気ともうまく向き合えるようになってきたかな~って思います。まだまだトライアンドエラーです。もしかすると永遠にトライアンドエラーかもしれません。」と心境をつづった。

 また、「しかしそれがこの病気なのかな ことし一年も病気に負けないように頑張りたいと思います 年始早々イベントや特番のロケなどがありますのでお正月ボケしてられないな~。がんばりま~す」とつづって“クレソンと油揚げのサッと煮”のレシピを紹介しブログを締めくくった。

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「糖質制限で老化する」は本当か――2018下半期BEST5

衝撃の研究結果を徹底検証する

鳥集 徹2019/01/08

 

2018年下半期(7月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ライフ部門の第4位は、こちら!(初公開日 2018年8月24日)。

*  *  *

 この4月、「週刊新潮」がセンセーショナルな記事を掲載した。なんと糖質制限を続けると老化が進み、寿命が縮まるというのだ(「糖質制限で『老ける』『寿命が縮まる』」「週刊新潮」4月5日号)。広告の見出しや記事を読んで、心配になった人も多かったのではないだろうか。

 2010年頃から始まった「糖質制限」のブームは、今やすっかり社会に定着した感がある。

 スーパーやコンビニに行くと、当たり前のように「糖質オフ」や「ローカーボ」あるいは「ロカボ」(低炭水化物)をうたうパン、麺類、発泡酒、お弁当などが並んでいる。

 言うまでもないが、糖質制限とは三大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質)のうち、糖質の摂取量を減らす食事療法だ。

 

糖尿病の改善や予防に効果的

 なぜ糖質を減らすと「健康にいい」とされるのか。それは三大栄養素のうち、食後すぐに血糖値を上げるのが糖質だけだからだ。糖質を減らせば血糖値を低くコントロールできて、糖尿病の改善や予防に効果的とされている。さらに、短期間で体重を減らせるエビデンスがあり、多くの医師がその効果を認めている。

 糖質は主食となるごはん、パン、麺類など炭水化物(主に糖質と食物繊維で構成される)に多く含まれている。また、甘いお菓子類やジュースはもちろんのこと、果物やアルコール類(とくにビールや日本酒など)にも糖質は多い。

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この記事の画像(8枚)

 

 糖質を減らす分は、野菜や肉料理、魚料理を満足するだけ食べていいとされることが多い。食べる量全体を減らす「カロリー(エネルギー)制限」のように、空腹に耐えなくてもいいところも人気の理由だ。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」は、一日の総エネルギーの摂取基準として、たんぱく質13~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%を目標値としている。これは、ごはんとおかず2、3品の定食的な組み合わせなら、毎食ごはんを茶碗一杯か、男性では昼か晩の一回だけ2杯食べる程度の量となる。

 糖質制限では、この中からまずごはんを減らす。減らし方には、朝昼晩のうち一食だけ抜く緩やかな方法から、2食抜く方法、そして3食徹底して炭水化物を避ける厳格な方法まで幅がある。ちなみに、お茶碗一杯のごはん約150gの中で、糖質の量は55gほどだ。

 

スーパー糖質制限を実践する医師は68歳でも若々しい

 国内でいち早く糖質制限の効用を広めた高雄病院(京都)理事長の江部康二医師は、糖尿病患者に対して3食徹底して炭水化物を避ける「スーパー糖質制限食」を指導している。江部医師自身も52歳で糖尿病を患って以来、68歳になる今日まで率先してスーパー糖質制限食を実践してきた。

「私の糖質の摂取割合は総エネルギーのうち10%足らず、一日30~40gほどです。52歳のときヘモグロビンA1cは6.7%ありましたが、糖質制限をして以来、薬を飲まずにずっと正常値です(ヘモグロビンA1cは1、2ヵ月前の血糖状態を表す糖尿病の指標で、4.6~6.2%が基準値とされる)。

 68歳になった今も歯は全部残っていますし、肌もこの通り若々しいでしょ。糖質を摂らないから老化しにくいんです。眼もよく見え、聴力も低下していない。医学部の同窓会に行くと、『お前だけ年をとってないのはおかしい』って言われます」

通常食に比べて30%も老化が進む? 

 そんな糖質制限で老化が進み、寿命が縮むというのは本当なのか。

「週刊新潮」の主張の根拠の一つとなっているのが、東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授が行った動物実験の結果だ。それによると、通常食を与えられたマウスは長生きしたが、糖質制限食のマウスは平均寿命より20~25%短命だった。さらに、老化の進度にも顕著な差があり、糖質制限食の個体は背骨の曲がりや脱毛などがひどく、通常食に比べて30%も老化が進んだという。

 どうしてこのような実験をしたのか。都築准教授に話を聞いた。

「私は10年以上前から日本人の食について研究しているのですが、むかしの平均的な食事と欧米化が進んだ現代的な食事を食べ比べる実験をすると、マウスでもヒトでも1975年頃の日本人が食べていた和食が最も健康にいいという結果になったのです。その頃の和食を食べると内臓脂肪が減って体形がスリムになり、悪玉コレステロールやヘモグロビンA1cが低下、炎症指標の値(CRP)も改善します。健康にマイナスの結果が一つも出ないのです。その当時、日本人は魚、豆腐など動物性以外のたんぱく質を多く摂り、野菜、海藻、キノコなど具材がたくさん入ったみそ汁などと一緒に、総エネルギーの70%にもなる山盛りのごはんを食べていました。それなのに糖尿病になる人は、今より少なかった。ところが、現代では糖質は健康に悪いとされ、摂取量も50%ほどに減っています。そこで本当に糖質はよくないのか、まずはマウスで確かめてみようと思ったんです」

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脱毛が進み、背骨が曲がり始めたマウス

 その結果、糖質制限のエサを食べたマウスは確かに内臓脂肪が落ちて体重が減り、ヘモグロビンA1cも上がらなかった。しかし、ヒトだと60歳に相当する月齢の頃から毛づやが悪くなって脱毛が進み、背骨が曲がり始めた。80歳にあたる月齢になると通常食のマウスに比べて老化の進み具合で大きく差がつき、糖質制限のマウスはどんどん死んでいったという。その理由を都築准教授は次のように考察している。

「糖質を減らすとたんぱく質や脂質の割合が増えます。摂取したたんぱく質はアミノ酸に分解され、筋肉などに再合成されますが、実は一定の割合で不良品のたんぱく質ができ、それが溜まると老化を促進するのです。若いうちは筋肉の代謝が盛んで不良品が出にくく、それを分解する『オートファジー』と呼ばれる能力も高いのですが、年を取ると不良品が増え、分解能も落ちます。とくにアミノ酸の摂取が多いとオートファジーが抑制され、不良品のたんぱく質がたまりやすいことがわかっています。私はこのメカニズムは人間でも当てはまるのではないかと考えています。糖質制限を否定しているわけではないのですが、高齢になると血糖値が高いことよりも、低栄養のほうが問題となります。壮年期は肥満や糖尿病予防のために糖質を減らしていいと思いますが、高齢者はむしろ炭水化物(エネルギー)をたくさん摂ったほうがいいのではないでしょうか」

動脈硬化が悪化した事例

「週刊新潮」の記事では、糖質制限を始めた3年2ヵ月後に脳梗塞を起こし、右半身が麻痺した60代男性のケースも紹介。心筋梗塞、脳梗塞などの予防に詳しい真島消化器クリニック(福岡県)院長の真島康雄医師が男性を診察すると、いつ再発してもおかしくないほど動脈硬化が悪化していたという。男性は炭水化物を摂取しない代わりに、トンカツなどの揚げ物をたくさん食べ、お酒も毎日飲んでいた。

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糖質の代わりに、脂肪を過剰に摂取

 真島医師が話す。

「糖質を控えると、その代わりに脂肪摂取が増える。それがよくないんです。私は3、4ヵ月に一度、患者さんの動脈8ヵ所をエコー(超音波)で測定していますが、糖質制限でやせたのに、プラーク(血管壁に脂肪の粒子が堆積したもの)が厚くなって動脈硬化が進み、いつ心筋梗塞や脳梗塞になってもおかしくない人を他に何人も見てきました。

 プラークが溜まる原因は脂肪です。動物性に限らず、魚でも植物性でも脂肪を摂り過ぎると、体内に摂り込めなかった余分な脂肪は6時間以上も血管の中をめぐります。血圧によって、指で擦り付けるような強い力で血管内皮細胞の隙間に押し込められるのですから、プラークが溜まるのも当然です。

 体重が減った、血糖値が下がったと喜んでいても、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞になり、早死にしてしまっては元も子もありません。糖質制限は脂肪を過剰に摂取しやすく、動脈硬化の進行に対するリスク管理の発想がありません。だから私は、糖質制限は危険な食事療法だと批判しているのです」

 さらに記事では、国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科医長(当時)の能登洋医師らが2013年に報告した研究も紹介。糖質制限食に関する多くの研究論文を集め、データを総合的に分析したところ、糖質摂取量の最も少ないグループの死亡率は、糖質摂取量の最も多いグループの1.31倍だった。 

ヒトを対象にしたデータはない

 だが、糖質制限を推進してきた医師たちは、この「週刊新潮」の記事に反発。北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟医師は「話にならない」と一蹴する。

「記事はマウスの実験を根拠にしていますが、動物実験の結果はそのままヒトには当てはまりません。なぜなら、動物とヒトは代謝経路が異なるからです。たとえばネコはチョコレートに含まれるテオブロミンという物質を代謝できないため、チョコを食べると神経毒となり動けなくなります。だからといって私たち人類も、チョコを食べてはいけないと言えますか?

 同様に、ヒトにはインスリン遺伝子が一つしかありませんが、マウスは2つ持っています。ヒトに比べ糖の処理能力が高い一方で、高脂質食には弱い性質がある。もし今回の実験結果をヒトに当てはめるなら、そのマウスがヒトのモデルとして適切か、エサが本当にヒトの食事を再現できているかといったことから検証する必要があるのです。それに今のところヒトを対象にした研究で、糖質制限で老化が進むことを示すデータは一つもありません。それどころか、血糖値、肥満、脂質異常症、血圧が改善し、メタボ解消になる可能性を示す研究がたくさんあります。それらを無視して、都合のいいデータだけで糖質制限の危険性を煽るのは大いに問題ありです」

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 EBM(科学的根拠に基づく医療)を準則とする現代の医療では、被験者(患者など)を無作為に数グループに分け、薬や治療などの効果を比較する「ランダム化比較試験(RCT)」や、それに次いで、何万もの人を長期に追跡し、生活習慣などの違いによる病気や死亡のリスクを比較する大規模な「コホート研究(住民集団の追跡研究)」が、信頼性が高いとされる。一方、個別の患者の症例や動物実験などは参考にすべきではあるが、臨床上の根拠としての信頼性は低い。

 したがって、それらだけでヒトの「老化が進む」「寿命が縮む」というのは無理があるだろう。

 動脈硬化が進むという真島医師の主張にも、江部医師が反論する。

「真島先生の患者さんのケースを見ると、糖質制限と言いつつ、トンカツなど揚げ物をたくさん食べ、ビールも毎日飲んでいたとありますよね。そんなことをしていたら血糖値が上がって、動脈硬化が進んでしまうのは当然です。揚げ物の衣やビールにも糖質がたくさん含まれているからです。

 それに、糖質制限を始めても心血管病を起こす人はいます。なぜなら、糖質を控えたことで現在の血糖値が改善したとしても、それ以前に高血糖が長年続いていた人は、『高血糖の記憶』によってすでに血管にダメージが蓄積しているからです」

欧米のデータばかり使われている

 さらに、国立国際医療研究センターの研究についても、山田医師が次のように指摘する。

「あの研究は、カロリー制限派による『糖質制限叩き』が盛んだった2000年代の住民研究を集めたものです。その当時は糖質制限に不利な結果ばかりが論文化されていました。しかも、欧米のデータばかりが使われています。逆に、10年代になってからは、日本人の住民研究でも世界18ヵ国の共同研究でも、糖質の割合が少ない食事を摂っていた人ほど総死亡のリスクが低いという結果が出ています。食習慣は民族差が大きいのに、日本での研究結果を無視するのはおかしいですよね」

炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高かった

 山田医師が指摘する通り、昨年8月、糖質制限派を勢いづかせる研究成果が報告された。

 世界的に権威のある医学誌「ランセット」のオンライン版に、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高かった」と報告されたのだ。この研究は5大陸18ヵ国の35歳~70歳の13万5335人を登録し、2013年3月末までに中央値で7.4年間追跡した大規模なコホート研究だ。

 それによると、炭水化物摂取量の多さは総死亡率の高さと関連しており、摂取量が最も多いグループは最も低いグループに比べ1.28倍リスクが高かった。炭水化物の摂取量と心血管病の発症および死亡リスクとは関係していなかった。

 一方で、総脂肪(脂肪全体)および脂肪の種類別の摂取量は総死亡率の低さと関連していた。とくに飽和脂肪酸(動物性の油脂に多い)の摂取が高いほど、脳卒中のリスクが低かった。総脂肪、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(植物性や魚の油脂に多い)の摂取量は、心筋梗塞あるいは心血管病死亡とは関連がなかった。

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 つまり、この結果に基づくと、糖質制限をしても心筋梗塞や脳卒中などのリスクが上がるわけではなく、しかも肉、魚、植物性に関わらず、脂肪の摂り過ぎを心配する必要はないということになるのだ。

脂肪を悪玉とするのは間違い

 研究について、江部医師は次のように評価する。

「この結果に驚いた人もいるかもしれません。ですが、脂肪を悪玉とする説は世界的にすでに否定されています。たとえば米国で5万人の女性のうち、半分を通常の食事、半分を脂肪の少ない食事にしてもらって、8年間の経過を追った研究がありますが、どちらも心血管病になった人の割合は変りませんでした。

 また、脂肪に含まれるコレステロールをたくさん摂っても、血中のコレステロールが増えるわけではないことが明らかになり、2015年以降、米国の栄養療法の指針や日本の食事摂取基準でもコレステロールの摂取基準は撤廃されています。

 体に脂肪がつくのは、炭水化物の摂り過ぎが主な原因なのです。血糖値が上がるとインスリンが分泌されて、血中のブドウ糖を筋肉内に取り込みます。そのうちの余ったブドウ糖が中性脂肪に変えられて、体脂肪として蓄えられるのです。また、動脈硬化は脂肪ではなく、高血糖が続いて血管が傷つくのが原因です。そこにコレステロールが溜まるのは傷を修復しようとした結果であり、コレステロールの多いことが動脈硬化の原因ではありません」

 つまり、糖質制限推進派の医師たちの主張を信じるならば、糖質制限で老化が進み、寿命が縮むのはあり得ないことになる。むしろ糖質を控えたほうが心血管病のリスクが下がり、寿命は延びるというのだ。「週刊新潮」と「糖質制限推進派」のどちらを信じたらいいのか。

 

たんぱく質を摂りすぎると老化が促進されるという研究も

 適切な食事療法のあり方について研究する金沢大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学分野教授の篁(たかむら)俊成医師はこう話す。

「糖質制限をすると、たんぱく質あるいは脂質の摂取量が必然的に増えることが懸念されます。そうした食事を長期的に摂り続けると人間はどうなるのか、実はまだよくわかっていないことが多いのです。

 たとえば、同じカロリーで糖質を減らして脂質の多い食事を摂るとどうなるか、エネルギーの出入りを厳格に測定した研究があります。それによると、同じカロリーの脂質制限食と比べて体重は減ったものの体脂肪は減少せず、体のたんぱく質の量が減っていました。つまり、糖質を控える分、脂質を摂り過ぎると筋肉がやせる可能性があるのです。

 次に、糖質を減らしてたんぱく質の多い食事を摂るとどうなるか。マウスの研究で、肝臓へのたんぱく質負荷によりインスリンの効きが悪くなって高血糖になり、脂肪肝にもなりやすい結果となりました。それだけでなく、たんぱく質を摂り過ぎると老化を促進する可能性があり、ヒトでもがんや糖尿病になって死亡するまでの期間が短くなるという研究があります。

 こうしたメカニズムが働きうることを考えると、やはり極端な糖質制限はおすすめできないというのが、私の考えです」

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 ただ、一方でこんなデータもあるという。

「長期間に亘って健常人を追跡した『北陸コホート研究』では、糖質摂取量が多い人ほど約10年後に糖尿病が増えるという結果でした。ただし全員ではなく、元々肥満のある人で糖尿病が増えていたのです。この研究は糖質制限の効果を示すものではありません。ただ、太っている人は、糖質の過剰摂取を避けたほうが糖尿病を予防できるかもしれません。こうした大規模な研究を行うと、動物実験や少人数の研究とは異なる結果が出ることも少なくありません。それに食習慣は民族差があるだけでなく、国内でも炭水化物摂取量に地域差があります。糖質摂取を減らせば本当に糖尿病の合併症や死亡リスクが減るのか、日本でも大規模な追跡調査をする必要があるでしょう」

日本人に糖尿病が増えた要因

 日本の糖尿病治療の指針を決めてきた本丸である日本糖尿病学会は、どう考えているのだろうか。同学会は糖質制限推進派の医師たちから、「日本の学会は頑なに糖質制限を否定し、エネルギー制限に固執してきた」と批判されてきた。それに対して同学会は、2013年に「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言」を公表している。

「食事療法に関する委員会」の委員長として、この提言をまとめた東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授・宇都宮一典医師は、次のように話す。

「そもそも炭水化物の摂り過ぎが、日本人の糖尿病が増えた主な要因とはみなせない事実があるんです。日本人のエネルギー摂取量は昭和30年代がピークだったのですが、その頃、総エネルギー量の70~80%を炭水化物から摂っていました。むかしは身体活動量が多く、すぐエネルギーになる炭水化物を中心に摂取する必要があったのでしょう。それでも、今より糖尿病患者数はずっと少なかったのです。

 しかし現在、炭水化物の摂取割合は総エネルギー量の60%を切っています。一方で脂質の摂取量が増えており、25~30%にもなりました。しかも、魚や植物よりも肉類から脂質やたんぱく質を摂ることが多くなり、食物繊維が減っています。

 象徴的なのが沖縄県です。かつては長寿県と言われたのに、若くして心血管病を起こす人が増えて長寿県から転落し、『沖縄クライシス』と呼ばれています。原因を調べてみると戦後の欧米化の影響を受け、明らかに脂肪摂取量が増え、欧米のような内臓脂肪型肥満になる人が増えました。

 内臓脂肪型肥満の要因は炭水化物ではありません。脂質の摂り過ぎこそ、日本人の糖尿病が増えた要因だと私たちは考えているのです」

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「エネルギー制限」は批判の的になってきた

 内臓に脂肪が蓄積すると、血糖を体内に取り込むホルモンのインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が高くなる。それが、日本人に糖尿病が増えた主な原因だというのだ。それに宇都宮医師は、「血糖値さえ抑えれば、糖尿病は進まないという単純な話ではない」と力説する。

「糖尿病はインスリンの作用不足によって起き、その原因は、インスリン分泌が低下しているか、インスリンの効きが悪くなることにあります。インスリンの作用は多彩で、高血糖は体内でのインスリン作用不足を示す指標であって、この病気の一つの局面を見ているのに過ぎません。糖尿病治療は、血糖値だけを改善すればいいというものではないのです。

 だからこそ、人それぞれのインスリンの量や効きに応じた適正なエネルギーを摂取する必要がある。太った人は内臓脂肪が原因でインスリンが効きにくくなるので、やせるために摂取エネルギーを減らす必要があります。一方、やせているのに糖尿病になった人は、それ以上やせてはいけないので、エネルギーを減らす必要はありません」

 これまで糖尿病の食事療法と言えば「エネルギー制限」だった。しかし、食材や料理ごとのカロリー計算が面倒なうえに満足な量を食べられず、ストレスで続けられない人も多かった。それが糖質制限推進派の医師らの批判の的にもなってきた。

 

糖質制限とエネルギー制限は対立するものではない

 だが、意外なことに宇都宮医師は、「エネルギー制限が続けにくいのは確かで、一律にエネルギー制限と言ってきたことについては学会としても反省がある」と言うのだ。しかも、学会は糖質制限を否定しているわけではないという。

「糖質制限の効果を示したDIRECTという有名な研究があります。それによると、エネルギー制限食と魚介類が多い地中海食、糖質制限食を比べたところ、糖質制限食が最もすみやかに体重が落ちました。ただし、研究を詳しく見ると、糖質制限と言っても結局は炭水化物が減る分、エネルギー摂取量が減っている。つまり、糖質制限も実質上、エネルギー制限と同じなのです。したがって私は、糖質制限とエネルギー制限は対立するものではないと考えています。ただし、栄養バランスへの注意は必要。現在、学会としても、『その人に合った食事療法を共に考える』というメッセージを発信しており、適切な範囲であれば、糖質制限も一つの手段としてはアリだと考えています」

 実は、今回の取材で糖質制限を頭から否定する専門家はいなかった。ただし、ほとんどの専門家が、「厳しい糖質制限食はリスクがあるかもしれない」と考えていた。

 その理由は、ここまで述べてきた通り、糖質を制限する分、脂質やたんぱく質の摂取が増えるからだ。ただし、それらの栄養素が増えると人体に悪影響があるかは、専門家の間でも主張が分かれていた。つまりは、「老化」や「寿命」も含め、「明確な答えはまだ出ていない」のだ。

一日の摂取量の目安は?

 脂質やたんぱく質の摂取量が増えるだけでなく、厳しい糖質制限を続けると、エネルギー源として十分なブドウ糖を確保できなくなった人体は、脂肪酸などからつくられる「ケトン体」という物質をエネルギー源として利用するようになる。

 このケトン体が増えることについて「問題ない」とする専門家がいる一方で、懸念を示す専門家がいる。とくに糖尿病患者では血液が酸性に傾き、脱水状態になる「ケトアシドーシス」という重篤な急性合併症になる人がいる。それもあって、糖質制限に慎重な専門家が多いのだ。

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 こうしたことを踏まえて、前出の山田医師は糖質摂取量を一日70g~130gとする緩やかな糖質制限を提唱している。これは、一食あたりごはんを半膳ほど食べられる量だ。山田医師が言う。

「ケトン体が大幅に増えて大丈夫なのかどうかも、実はよくわかっていません。江部先生のようにずっと問題のない人もいれば、一部にケトン体を代謝できず、危ない人がいるのかもしれない。それに、そもそも食事療法は楽しくないと続けられません。糖質制限がストレスになってしまったら、カロリー制限と変わらないことになる。

 ですから私たちは、安全で楽しく続けられるように、緩やかな糖質制限食を提唱しているのです。食品企業と協力して、おいしく食べられるロカボのパンやお菓子の開発も進めているので、ぜひそうした商品も利用してほしいと思っています」

 なお、宇都宮医師によると、糖質制限食を始めて勝手に薬やインスリンをやめたために、重篤な高血糖となって病院に運ばれる糖尿病患者が後を絶たないという。糖尿病の人は糖質制限をするとしても、くれぐれも医師と相談して行ってほしい。

 糖尿病予防やダイエット目的の人も、リスクがありうることを頭に入れたうえで、緩やかな糖質制限から段階的に取り組むのがいいだろう。

 科学的に見るとまだ不明なことも多い――それが糖質制限の「真実」なのだ。

(出典=文藝春秋2018年8月号)

 

 

 

 

 

 

 

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糖尿病にもつながる睡眠障害。ぐっすり眠る方法は?

知恵子2019.01.08

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睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が低かったり。睡眠不足は、イライラや落ち込みを招き、心身ともに不調に陥ってしまいます。

睡眠の質の低さは、無意識に蓄積するストレスも大きな原因。長時間のデスクワークによる頭の疲れや、PCやスマホのブルーライトによる体内時計の乱れといったストレスによって自律神経が乱れると、ホルモンの分泌も乱れ、血行不良で体温調節が難しくなり、さまざまな睡眠障害を引き起こすのです。

ただ、そうは言っても生活習慣を改善させるのは簡単ではありません。睡眠の質を改善するよい方法はないのでしょうか?

良質な睡眠は、美と健康のカギ

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image via Shutterstock

睡眠の質を上げるためには、まず「睡眠のどのような悩み」を改善したいのか、改めて考える必要がありそう。睡眠の5大悩みと言えるのがこちらです。

  1. 寝ても疲れがとれない
  2. 夜中に何度も目が覚めてしまう
  3. 朝、すっきり起きられない
  4. 寝つきが悪い
  5. 眠りが浅く、睡眠時間が少ない
睡眠専門医である白濱龍太郎先生によると、このような睡眠障害は、5大疾病(※)の原因となる可能性が非常に高く、逆に深い睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、美しい肌を作り出すのだとか。

そこで、睡眠障害を軽減するために活用したいアイテムが、「精油」です。精油の専門家でもある医学博士の塩田清二先生によると、睡眠の質の向上や睡眠障害の軽減には、芳香療法が有効だそう。また睡眠中に精油の香りを継続的に吸引できるディフューザーには大きな可能性があるのだとか。

(※がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)

 

スペシャリストたちによる共同開発

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睡眠に徹底フォーカスし、白濱先生と塩田先生、植物療法士がタッグを組んだ「ザ パブリック オーガニック スーパーディープナイト ホリスティック精油ディフューザー」。約800種の精油を保有する専門のラボで企画・開発された、睡眠の5大悩み別に香りを選べる、“寝室用”の精油ディフューザーです。

疲れを癒す快適な睡眠がほしいなら「レストフルスリープ」。爽やかなベルガモット精油と清涼感のあるユーカリ精油のブレンドです。夜中に何度も目が覚める人には「クオリティスリープ」。睡眠ホルモン・メラトニンの分泌を促し、脳のはたらきを鎮めます。

たっぷり寝ても朝すっきり起きられないのは、交感神経が優位になりにくいからかも。朝、心地よく目覚めたい人にオススメなのは「クリアアウェイク」。体を休めつつ脳を徐々に覚醒します。

心身の興奮・緊張状態を緩和し、リラックスさせてくれるのは「フォールアスリープ」。自然と健やかな眠りへ誘います。眠りが浅く、睡眠時間が少ないときは、自律神経の調節機能が低下している状態なので、「ディープスリープ」がおすすめです。

 

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日本を「糖尿病」から救った男!

インスリン研究の知られざる天才・福屋三郎と大日本帝国軍の闇

 

【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】

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画像は「Getty Images」より引用

 

世界一の高貴薬

 インスリンが量産されるようになるまで、糖尿病には有効な治療法がありませんでした。発売当時のインスリンは最高価な薬の一つでした。

 昔の日本で糖尿病が「金持病」と呼ばれたのは、贅沢三昧している金持がかかる病気という意味ではなく、毎日、高い薬を死ぬまで打ち続けなければならないので金持しか治療できない、金持しか生き残れない病気だったことに由来します。実際に当時の新聞はインスリンのことを「世界一の高貴薬」と表現しているのです。

 

■インスリン治療の始まり

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画像は「国立国会図書館デジタルアーカイブス」より引用

 インスリンが発見され量産が始まって広まるまでの時間は、当時としてはかなり早く、イーライリリー社からインスリンが発売されたのが大正11年末、ベクトン・ディッキンソン社から1目盛が1単位になっているインスリン専用注射器セットが発売されたのが大正13年です。

 日本でも大正13年3月に現代之医学社から平川公行著「糖尿病のインスリン療法」という治療マニュアルが発売され、アメリカからのインスリン輸入も始まっています。書籍の巻末に輸入インスリンの広告がありますが、50単位4円50銭、100単位8円とかなり高価な薬でした。1日30単位必要な患者なら毎月72円かかる計算になります。

 大卒初任給50円の時代に毎月72円です。その他に注射代や血糖測定検査に医者の診察料なども必要ですから、医療費だけで毎月、死ぬまで何十年も、庶民の月収の3倍以上を食いつぶすわけで、年間医療費は軽く千円を超えたでしょう。つまり、まともな医療を受けられたのは平均所得の10倍以上の年収がある人間のみということになります。今で言えば糖尿病患者は年収三千万円以上無いと死ぬ病気だったと言うことで、「金持病」とか「世界一の高貴薬」と呼ばれたのも納得です。

 当時インスリンを生産できる国はアメリカ一国のみで、アメリカから運ぶ輸送費は高く、円がドルに対して弱く、1ドル=2円強だった当時の為替相場ではどうしても高価になってしまいました。

 そこで、国産化の取り組みが始まりました。帝国臓器から昭和10年に国産初のインスリン製剤が発売されますが、ウシやブタの膵臓から抽出精製した物だったので、非常に高価で生産量も少なく、輸入品と比べても安くはなかったため、他社は輸入した方が安いと思い国産化しませんでした。

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画像は「Getty Images」より引用

中略

天才現れて革命始まる

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インスリン研究室。木造平屋建て50.75坪の小さな建物だった。画像は「清水製薬五十年史」25頁より引用

 昭和14年3月28日、静岡県清水市で魚の食品加工を営んでいた清水食品に1人の男が入社しました。彼の名は「福屋三郎」。水産講習所を卒業したばかりの新卒であった。入社後すぐに清水食品インスリン研究室室長に任命され、3人の助手と共に研究を始めました。

 清水食品が扱っていた魚をインスリンの原料としたことは、哺乳類の家畜より大きな利点がありました。哺乳類のランゲルハンス島が臓器の中に分布した細胞片であるのに対して、魚類のそれは密集して独立した臓器です。コリコリとしてつまみやすく、コツさえ掴めば非熟練の女子工員でも簡単に魚のハラワタからランゲルハンス島を分離することができました。また、タラ一匹から20単位のインスリンが抽出できたので極めて効率の高い素材でもありました。

 ちなみに、当時のインスリン20単位の値段は魚屋で売っているタラ一匹の40~50倍です。

 福屋は廃棄される魚のハラワタから、ピクリン酸とアセトンを使ってランゲルハンス島からインスリンを抽出する方法を編み出しました。大規模な工場も高価な設備もいらず、戦時下の日本で入手困難な原材料も大量のマンパワーも必要無い完璧な抽出法でした。

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福屋三郎氏と研究スタッフ。右側の人物が福屋三郎、一緒に写っているのは助手の加藤重二、中村富美、大川すみ子。画像は「清水製薬五十年史」24頁より引用

 昭和16年5月14日に清水食品と武田薬品と三菱財閥から資本金19万円の出資を受けて清水食品製薬部は独立し、魚を原料にした純国産インスリンを製造するため社員14人の小さな会社「清水製薬」を設立しました。

 

 設立後、すぐに生産ラインが稼動を始め、昭和16年7月には出荷を開始しました。インスリンは武田薬品の流通網によって全国販売されました。

 魚から抽出されたインスリンは当時の漁獲高から計算して、当時の日本の必要量年間730万単位の66倍ものインスリンが生産できることになります。しかも、小さな工場で安価に大量生産が可能で、庶民にも手の届く完璧な薬でした。ついに糖尿病は「金持病」ではなくなったのです。

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イスジリンの広告。画像は「清水製薬五十年史」57頁より引用

 

 昭和16年7月~昭和17年5月までの営業報告によれば、50単位で77銭、出荷数13,999本、100単位で1円28銭、出荷数7,050本とのことです。大正13年の8円から一気に1円28銭にまで値下げに成功しています。この当時のインフレ率の高さから考えれば、実質10分の1以下にまで値下げされたといえます。そして、インスリンの生産量は伸び続け、頂点となる昭和19年には1社2工場で国内需要の57%にもなる420万単位を供給するまでになりました。

 まさに、戦火の中で清水製薬のインスリンは糖尿病患者の命綱となったのです。

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公式サイト http://asai-laboratory.sakura.ne.jp/

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糖尿病対策

カロリー制限と糖質制限のどちらが有効か

 

NEWSポストセブン2019年01月08日 16:00

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【糖尿病対策の食事は?】

 生活習慣病をはじめ、高齢者がかかりやすい病気の治療にはさまざまな場面で二択が現われる。

 たとえば、糖尿病は食事によって上がった血糖値が下がらなくなる病気である。何らかの原因により、血糖値を下げるホルモンを分泌する「膵臓」の働きが悪くなることで発症する。

 カロリー制限は、摂取カロリー量を減らすことで、糖尿病を引き起こす危険因子である「肥満」を解消するやり方だ。一方の糖質制限は、“血糖値は糖質を摂取すると上昇する”ということに着目し、糖質の摂取量のみを減らすことで血糖値の上昇を抑える。

 糖尿病対策にどちらが適しているかの医学的なエビデンスはいまだ存在しない。だが、生活スタイルによってそれぞれ“向き不向き”がある。

「1日3食、食事を摂りたい人は、どうしても糖質の摂取量が増えやすいため『カロリー制限』のほうがやりやすいでしょう。その際、夜はどうしてもカロリー過多になりがちなので注意してください」(にしだわたる糖尿病内科の西田亙医師)

 夜遅くに食事をすることの多い人は「糖質制限」が有効だ。

「午後9時以降に炭水化物を摂取すると、寝ている間に血糖値が上昇してしまいます。すると睡眠時に膵臓を休められなくなり、血糖値を下げる機能が低下して糖尿病が発症しやすくなる。寝る前にお腹がすいてしまう人は、糖質を減らすのが有効です」(西田氏)

※週刊ポスト2019年1月11日号

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糖尿病ネットワーク 2018年に読まれた記事ランキング・ベスト20

2019年01月07日

カテゴリー: 医薬品/インスリン 医療の進歩 運動療法 食事療法 

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 2018年に公開した糖尿病ネットワークの記事のうち、ページビューが上位の20本の記事をご紹介します。
 2018年に多く読まれた記事の上位20本中11本が食事療法に関するものでした。食事療法に多くの方が悩まされていることが覗えます。
 糖尿病の新しい治療法を開発する研究についても注目が集まりました。多くの方が、明日からの療養生活を革新してくれる、新しい医療の到来を待ち望んでいます。
※集計期間は2018年1月1日~12月31日まで。

1 朝食で「牛乳」を飲むと1日を通じて血糖値が低下 糖尿病の食事改善

2 「オメガ3脂肪酸」が糖尿病リスクを低下 悪玉コレステロールに注意

3 パッチを貼るだけで血糖測定 糖尿病患者を「痛み」から解放

4 「コーヒーは糖尿病に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか?

5 ビタミンDをつくるのに日光浴が必要 4つの方法で紫外線に対策

6 糖尿病の人が果物や野菜のジュースを飲むとどうなる? 意外な結果に

7 食事を「朝型」にすると糖尿病が改善 体重が減り血糖値も安定

8 やせていても糖尿病に? 筋肉が少なく脂肪がたまると高血糖に

9 糖尿病の最強の薬はどれか? 最近10年間に開発された薬を比較

10   「糖尿病の飲み薬」を知って効果的に治療 HbA1cは改善している

11 インスリン産生細胞を「再起動」 2型糖尿病は「完治」できる?

12 ヨーグルトが心血管疾患リスクを低下 糖尿病リスクも減少

13 たった一晩の「睡眠不足」が糖尿病を悪化 睡眠改善のための7ヵ条

14 「低糖質 vs 低脂肪」どちらの食事療法が優れている? 議論に決着

15 チョコレートが閉経後女性の糖尿病を改善? インスリン抵抗性が改善

16 人工透析の原因1位は「糖尿病腎症」 「日本腎臓病協会」が設立

17 大豆から食べる「大豆ファースト」で食後の血糖値の急上昇を改善

18 糖尿病の人が「卵」を食べても血糖やコレステロールに影響しない

19 「アルコール」は糖尿病に悪い? 総合的にみて安全な飲酒量はない

20 糖尿病の食事療法と運動療法は「薬」より優れている 薬は減らせる

[ Terahata ]

日本医療・健康情報研究所

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糖尿病の「冷え」を6つの改善策で克服 動脈硬化が隠れていることも

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 寒い冬につらさが増す「冷え性」。適切に対処せずに我慢していると、さまざまな症状や病気を引き起こすことがある。衣食住を中心に生活習慣を改善すれば、冷え性を予防・改善できる。

手足の冷えやむくみの原因

 冷え性には、「入浴後すぐに手足が冷える」「手足が冷えて眠れない」「体が温まりにくい」などの症状がある。冷えだけでなく、むくみ、腹痛、頭痛、抑うつ感、女性では生理不順など、さまざまな体や精神面のトラブルを伴うことがあり、切実な問題となる。

 米国のクリーブランド医療センターによると、冷え性は男性と女性の両方で起こるが、とくに女性で深刻化しやすい。その理由は、一般に男性より女性のほうが筋肉量が少ないこと、月経・出産・閉経などに伴ってホルモンのバランスが崩れやすいことなどがあげられる。

冷え性を克服するための6つの改善策

 寒さを感じると体内の熱を外に逃がさないように末梢の血管が収縮し、体が緊張状態になり、冷えにつながる。次に、血行が悪いと体内の熱を末端までうまく運べず、手足に冷えを感じるようになる。また、筋肉の量が少ない人は体内で十分な熱がつくられず、体の芯から冷えを感じるようになる。

1 栄養バランスの良い食事

 体には37度より低い温度の飲食物を摂取すると体熱放散を少なくし体温を上げ、37度より高い温度の飲食物を摂取すると、皮膚表面の血管を拡張させ体熱放散を増やし、体温をもとに戻す仕組みが備わっている。

 こうした体温の恒常性を保つメカニズムを良好に維持するために、栄養バランスの良い食事が必要だ。

 体を冷やす食品を控え、体を温める食品を積極的にとると冷え性を解消できるという考え方があるが、実際には冷えをすぐに解消できる食品はない。

 例えば体を温める食材として知られるトウガラシは、その主成分である力プサイシンが体温を上げる作用をもつ。しかし、トウガラシを含むカレーなどを食べて一時的に体温が上昇しても、発汗により体温が下がってしまう。

 また、体を温めるといわれているショウガは、成分にジンゲロールを多く含み温感を高め血流を増加させるが、その働きは一時的なもので大量に摂取しても冷え性は改善しない。

 特定の食品にこだわらず食事全体の栄養バランスを整えることが、冷え性を解消するために効果的だ。例えば野菜や果物は葉・茎・皮など丸ごと食べると、その食材がもつ栄養素を無駄なくとれる。

 ただし、冷たい食品や飲料を大量にとると、内臓が冷やされ一時的に胃腸障害が起きることがあるので気を付けよう。

2 温度差を調整しやすい衣類の選び方

 スカートやストッキングなどの女性の衣類の多くは保温性が低く、薄着も多いので冷えやすい。

 指先やつま先などの体の末端が冷える人は、靴下を重ねて保温したりカイロで温めても、全身の交感神経の緊張がゆるまず血管が広がらないため冷え性は改善しにくい。体の中心(体幹)の熱を手足に届ける工夫が必要となる。

 下着は腕・胸・背中・お腹を覆う面積の広いものを着用して体幹部の深部を温めると、熱放散が増え交感神経の緊張がゆるみ、体の末端である手足への血流も増え温かくなる。

 ただし、厚着をしすぎると汗をかきやすくなり、体を圧迫して血流が悪くなる場合もあるのでご注意を。低温には重ね着で対応すると温度差を調整しやすい。

 皮膚に直接触れる下着など衣類は、吸湿性が良く乾燥しやすい素材のものを使うと体が温まりやすい。吸湿性は良いが乾燥しにくく汗が冷えやすい綿などの素材は冷え性の対策に向いていない。

 最近は保温や速乾といった機能性のあるインナーも出ているので、上手に利用すると良い。

3 生活に運動を取り入れて筋肉を鍛える

 冷えの原因は「筋肉量が少なく、体の熱を多くつくることができない」「血流が悪いため熱をうまく運べない」こと。

 体の熱の約6割は筋肉によってつくられるため、背中・お腹・お尻・太股などの大きな筋肉を鍛えると、冷え性を改善できる。また、血液を心臓に戻すポンプのような働きをしているふくらはぎの筋肉を鍛えると、効果的に血流を改善できる。

 運動を続けると体の代謝が向上し、自立神経バランスが整えられ、筋肉のこりを解消する効果も得られる。

 「冷え性だから」と諦めず、生活に運動を取り入れて筋肉を鍛え、冷えない体づくりに取り組もう。

 歩幅を拡げて歩くウォーキングを1日30分、毎日行うと足腰の筋力を強化でき、下肢の静脈の流れを改善できる。

4 タンパク質を十分にとる

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 食事で摂取したエネルギーのおよそ8割は熱になるが、食事の量が少ない場合や、胃腸が虚弱で栄養吸収が悪い場合は、熱産生が不足して体温が低下しやすい。

 栄養素によりカロリーは異なるが、食品の1g当たりのカロリーは、脂肪が9kcal、タンパク質が4kcal、炭水化物が4kcalとなっている。このうち熱として消費される量を示す「食事誘発性産熱量」がもっとも多いのはタンパク質だ。

 タンパク質は、脱アミノ反応やアミノ基から尿素を生成する反応の過程で運動とは関係なく熱を産生する。これに対し、炭水化物は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、筋肉を動かすとグリコーゲンが産熱する。

 このため、炭水化物の摂取の多い人は体を動かすと熱が発生し、運動量の少ない人ではタンパク質の摂取量を増やすと熱が発生しやすくなる。

 タンパク質は、肉・魚・卵・牛乳などに多く含まれる「動物性タンパク質」と、大豆や穀物などに多く含まれる「植物性タンパク質」に分けられる。両方をバランス良く摂ることが大切だ。なお肉を食べるときには、脂肪分の少ない赤身の肉が勧められる。

5 長時間の入浴は逆効果

 入浴は体を温めるのに効果的だ。半身浴だけだと、冬には上半身が温まりにくく、肩や首のこりも改善しにくいため、全身浴が勧められる。

 一般的に冷え性には湯温40~42度の全身浴が良いとされている。全身浴はただ体を温めるだけでなく、筋肉のこりをほぐし、体の細胞が熱にさらされると増える熱ショックタンパク質による体の修復作用も期待できる。

 ただし、入浴が長時間続くとのぼせるため、湯船に肩まで浸かるのは5分間まで、全体は10分を目安にすると安全だ。入浴しながらの足のストレッチも効果がある。

6 アルコールを飲み過ぎない

 アルコールには体を温めると思われがちだが、冷たいビールも燗をした日本酒でも、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドが血管を拡張させるため、皮膚から熱が大量に放散される。

 そのため、お酒を飲み過ぎると体温が低下しやすくなる。飲み過ぎにはくれぐれも注意したい。

深刻な病気が隠れている場合も

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 足の「冷え」などの症状に、実は足の血液の流れの低下が関係している場合がある。

 冬に多い足の悩みは「冷え」「かかとのヒビ割れ」「むくみ」「足全体の乾燥」などだ。「冷え性で布団に入っても足が温まらず眠れない」「慣れない靴を履くとすぐに靴擦れを起こす」「部屋が臭うなと思ったら、自分の足の臭いだったことがある」といった声も聞かれる。

 足先からしびれや痛み、冷感などがあり、なかなか改善しない場合には、深刻な病気が隠れているケースもあるので、注意が必要となる。治療法は進歩しているので、まずは検査を受けることが大切だ。

足の血管の動脈硬化が原因で症状が

 足の動脈の病気で多いのが、動脈が途中で狭くなったり詰まってしまう動脈硬化によって、酸素不足や栄養不足を起こす「末梢動脈疾患(PAD)」だ。

 「血管は酸素を運んでいく重要なルートです。末梢動脈疾患(PAD)は、足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり、詰まったりして、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です」と、クリーブランド医療センターのナタリー エヴァン氏は言う。

 下半身に向かう動脈は、骨盤の部分で枝分かれし、太もも・ふくらはぎを通って、足の指先に向かって血液を送っている。このふくらはぎ、太もも、骨盤の中を通る太い血管そのものが狭くなったり詰まったりすると、血液が十分には流れず、酸素不足、栄養不足となる。

 PADの症状としては、ます冷感やしびれが起こり、やがて「間欠性跛行」(しばらく歩くと痛みが出る、休むとまた歩ける、という症状)があらわれ、それが進行すると安静時にも疼痛が起こるようになる。

足の症状が改善しなければ医師に相談

 「足の冷えや痛みがなかなか改善しないときには、PADを疑ってみる必要があります。足に酸素や栄養がいきわたらないと血流が途絶えた部分が壊死してしまうおれそがあります。さらに、足に動脈硬化がある場合は、心臓や脳の血管にも動脈硬化が進行している危険性もあるのです」と、エヴァン氏は言う。

 なお、糖尿病のある人では、足の冷えや痛みは、神経障害が原因である場合もあるので注意が必要だ。

 糖尿病神経障害の症状はさまざまだが、手足の痛みを訴える患者も多い。糖尿病による神経障害は、高血糖による神経細胞の変化と、動脈硬化による神経細胞への血流不足から生じる。

 そのため神経障害を予防するために、血糖コントロールと動脈硬化予防の両方を行うことが重要となる。

 PADの治療は進歩している。PADを重症化させず、また、合併症を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要だ。足の症状がなかなか改善しない場合には、かかりつけの医師に相談しよう。

How to Get Your Body Ready for Exercise in Cold Weather(クリーブランド医療センター 2016年10月28日)

My Hands and Feet Are Always Cold ― Should I Worry?(クリーブランド医療センター 2016年2月5日)

Hot and cold of growing old(ペンシルベニア州立大学 2016年7月26)

「PAD」(末梢動脈性疾患)(米国糖尿病学会 2014年9月24日)

[ Terahata ]

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健康づくり、社会で支援 糖尿病減少に効果

2019/1/5付

日本経済新聞 朝刊

 

「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」は、21世紀をめざして国民の健康をいかに増進するかということで始まった。健康を保つことで医療費を抑制しようという狙いもあった。米国で1979年から専門家の協力を得ながら具体的な目標をたてて国民の健康を増進する「ヘルシーピープル」という取り組みが始まり、注目されていた。健康日本21はその日本版といえる。

健康日本21でもそれぞれの分野の専門家に…

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健康づくり、社会で支援 糖尿病減少に効果 高久史麿 地域医療振興協会会長 :日本経済新聞

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「尿タンパク」は陰性でも…糖尿病の人が追加するべき検査

【検査数値 裏読みナナメ読み】

 尿タンパクは、おなじみの検査でしょう。タンパクの有無を調べる定性検査とタンパクの量を調べる定量検査があって、定性検査は陽性(+)と陰性(-)で判定し、陰性が正常。定量検査は、1日100㎎/デシリットル以下です。

 消化管で吸収された水分や栄養素などは血液の流れにのって全身をめぐります。

 その途中で腎臓にある糸球体のろ過装置を通過。そこで老廃物や余分な水分が取り出されたのが尿のもととなる原尿です。原尿には、体に必要な電解質やタンパク質なども含まれています。尿細管という排水管を通る際、そういう必要な成分や水分が血液中に取り戻されるのです。

 その仕組みが再吸収。健康な人なら尿にタンパク質が漏れることはありません。ですから、尿タンパクは陰性が正常なのです。

 ところが腎炎や尿路感染症、尿路結石、膀胱炎などで腎機能が低下すると、タンパク質が尿に漏れることがあります。その場合は病気の発見に役立ち、それぞれの治療に結びつける手がかりになるのでいい。激しい運動や発熱、女性なら生理や妊娠、精液や膣分泌液の混入などそれほど深刻でないこともありますが、そうだと分かれば問題ありません。

 では、陰性だから大丈夫かというと、そうでもないのです。

 糖尿病の合併症のひとつの糖尿病腎症だと、尿タンパクの定性検査で陰性であるにもかかわらず、アルブミンというタンパク質がわずかに含まれていることが少なくありません。その状態を放置すると、糖尿病腎症が悪化し、腎不全を起こし、人工透析を余儀なくされます。

 糖尿病の人は、尿タンパク検査だけでは不十分ということです。そこで欠かせないのが、わずかなアルブミンも検出できる「尿中微量アルブミン」を定期的に受けることが無難でしょう。

 腎不全を招く病気はいくつもありますが、その1位が糖尿病腎症。糖尿病の人は3割ほどが糖尿病腎症を合併しているといわれますから、決して油断できません。

 糖尿病で「尿中微量アルブミン」を調べたことがなければ、すぐに受けることをおすすめします。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

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うつ病と糖尿病は合併しやすい

糖尿病患者さんがうつ病も持っていると、どちらの病気も悪化しやすいと言われています。こころの病気と生活習慣病はどのように関わっているのでしょうか。東京女子医科大学東医療センターの大坪天平先生が第39回荒川糖尿病セミナーで講演した内容を紹介します。

こころの病気と生活習慣病は関わりが深い

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こころの病気と言われるうつ病は、さまざまな体の病気に関わっています。うつ病と体の病気も持っている患者さんは、うつ病が体の病気を悪化させ、体の病気がうつ病を悪化させるという相互作用が問題になっています。

東京女子医科大学東医療センター精神科部長・臨床教授の大坪天平先生は、糖尿病とうつ病との関わり合いを検討した研究成果について、2018年6月に開催された第39回荒川糖尿病セミナーの講演で解説しました(同セミナーの講演内容をもとに本記事を作成しました)。

うつ病で食生活などライフスタイルが変わることで糖尿病になりやすい

大坪先生によると、うつ病によって食行動の変化や身体活動の減少などライフスタイルが変わりやすくなります。一方で、糖尿病を改善するために食生活の習慣を変えざるを得ないことによるストレスや糖尿病の症状によって精神的な負担が大きくなります*1

海外の研究報告では、うつ病をすでに発症した患者さんでは、うつ病がない患者さんに比べて糖尿病が発症しやすいことや、糖尿病患者さんでは健康な患者さんに比べてうつ病を発症しやすいことがいわれています*2

うつ病患者では血糖コントロールがよくない

糖尿病になると、体内で血糖コントロールに関わるインスリンがうまくはたらかなくなり、インスリン抵抗性があがります。つまり、インスリンは十分な量が分泌されても、本来の血糖コントロールに関わる作用を発揮できない状態です。

うつ病と健康な人を対象に糖尿病診断の際に行われる糖負荷試験の結果を比較した研究では、うつ病患者さんのインスリンの分泌は十分なのに、血糖値は高いという結果でした*3

うつ病患者の治療前と治療後の経過を検討した研究では、うつ病の治療に伴い抑うつが改善すると同時に、インスリンに対する感受性が改善することや、血糖値も低下したとの報告*4、またヘモグロビンA1cが低下するなど血糖コントロールが改善した報告もあります*5

うつ病と糖尿病が関わることにより、体内で起こっている変化として以下が考えられます。

うつ病の治療により生活習慣の改善や血糖コントロールが改善

うつ病と糖尿病を合併すると、それぞれの病気によって起こる体内の変化がお互いに関わって悪循環が続くことにより、うつ病と糖尿病の悪化につながります(図)。

図:糖尿病とうつ病の悪循環

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提供:東京女子医科大学東医療センター精神科部長・臨床教授・大坪天平先生

うつ病が改善することで生活習慣やライフスタイルが良いほうに向かい、食事や運動など生活習慣が改善すると、糖尿病の改善につながることがあります。

大坪先生は、「うつ病が重症になるほど、糖尿病も重症になりやすいとの研究報告や*6、うつ病治療により生活習慣が改善したとの研究報告もあります*7。糖尿病患者を診るうえで、うつ病の有無に注意しましょう。うつ病があった場合、うつ病の治療にも注意することが糖尿病の改善にもつながります」としています。

  1. *1:Diabetes Care 2004;27(9): 2154-60
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15333477
  3. *2:Diabetes Care. 2012;35(5):1171-80
  4. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Pan+A+et+al%3A+Doabetes+Care+2012
  5. Diabetes Care 2001 ;24(6):1069-78
  6. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Anderson+RJ+et+al.+Diabetes+Care+2001+%EF%BC%9B24(6)%EF%BC%9A1069-78
  7. Diabetologia. 2010 ;53(12):2480-6
  8. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Nouwen+A+et+al.+Diabetologia+2010+Dec%3B53(12)%3A2480-6
  9. Diabetes Care 2008 ;31(12):2383-90
  10. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Mezuk+B%2C+et+al.Diabetes+Care+2008+%EF%BC%9B31(12)%3A2383-90
  11. *3:Am J Psychiatry. 1988;145(3):325-30
  12. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Andrew+Winokur+et+al.+Am.+J.+Psychiatry+145%2C+No.3%2C+325-330%2C+1988
  13. *4:本郷道夫,内海厚,糖尿病 2000;43 (1): 17-19
  14. Metabolism 2000;49(10):1255-60
  15. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=okamura+F%2C+et+al.Metabolism+2000%EF%BC%9B49%EF%BC%8810%EF%BC%89%EF%BC%9A1255-60
  16. *5:Arch Gen Psychiatry. 2006;63(5):521-9.
  17. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Lustman%2C+P.+J.+et+al.+%EF%BC%9AArch+Gen+Psychiatry+63%EF%BC%885%EF%BC%89%EF%BC%9A521%2C+2006
  18. *6:J Gen Intern Med. 2005;20(5):460-6.
  19. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Gross%2C+R.+et+al.+%3A+J+Gen+Intern+Med+20(5)+%3A+460%2C+2005
  20. *7:Psychopharmacol Bull. 1997;33(2):1261-4
  21. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Goodnick%2C+P.+J.+et+al.+%3A+Psychopharmacol+Bull+33%EF%BC%882%EF%BC%89+%3A+261%2C+1997

うつ病と糖尿病は合併しやすい | 疾患・特集 | HelC+(ヘルシー)

看護師の書いた糖尿闘病記
夫の糖尿病と闘い、克服していった生々しい記録。勇気が出ます
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年末年始は糖尿病のコントロールを乱しやすい 

乗り切るための8ヵ条

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 年末年始は、ふだんの生活スタイルを維持するのが難しく、血糖コントロールを乱しやすく、体重も増やしやすい時期だ。米国糖尿病学会(ADA)や英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、この時期を上手に乗り切るために、簡単に実行できる8項目の対策をアドバイスしている。

食事の偏り、運動不足、ストレス・・・

年末年始には注意が必要

 年末年始は、忘年会や新年会、パーティーなどが続き、ふだんの生活スタイルを維持するのが難しくなる。家族や親戚、仲間が集まり、リラックスして過ごせる機会が増えるが、そのため食事に偏りが出たり、運動不足になり、余分なストレスをためこむおそれがある。

 「休日が続くと、食べ過ぎと運動不足が重なり、体重を増やし、血糖コントロールを乱す人が多く出てきます。とくに食事では注意が必要です」と、テキサス大学看護学部学部長のガイル ティメルマン氏は言う。

 「休日にはふだん通りの食事を続けるのが難しくなります。そんなときでも食べるスピードを意識的に遅くし、一口一口をよく味わって食べることが必要です。重要なことは、食物をよく噛んで、味わって食べることです」と、ティメルマン氏はアドバイスしている。

 米国糖尿病学会(ADA)などは、ホリデーシーズンを健康的に過ごすために、次の対策をするようアドバイスしている。

1 年末年始をどう過ごすか計画を練る

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 年末年始は生活が不規則になりがちで、ふだん通りの食生活を続けるのが難しくなる。仕事の片付け、忘年会や新年会などのパーティー、子供の相手をして過ごす時間が増えるなど、ストレスがたまりやすい時期でもある。

 事前に「いつ・どこで・何をするか」という予定を、カレンダーや手帳に書き留めておくと、健康的な食事や運動のための時間を確保できるようになる。

2 食事はシンプルに計画的に

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 休日にいろいろな予定が入ると、食事が単調になりがちになり、外食や調理済み食品を利用する頻度も増える。

 食事の時間はなるべく通常の生活に合わせるようにするのが理想的だ。食事の時間が遅れるときは、通常の食事の時間に軽食を摂り、その後に食事を摂るときはなるべく軽く食べるなどして調整しよう。

 インスリンや血糖降下薬を使っている人は、低血糖を防ぐために通常の食事の時間に軽食をとる必要がある場合がある。事前に医師や薬剤師に確認しておこう。

 健康的な食事のためには、自宅で食事の支度をするのがベストだが、それが難しい場合は、台所に健康的な食品を買い置きしていこう。カット野菜や低脂肪の乳製品、玄米や全粒粉のパンなどであれば、手軽に準備できる。

3 運動を続ける

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 運動や身体活動は自然なストレス解消法になる。血糖コントロールや血圧コントロールにもつながり、多くの健康上のメリットがある。

 30分の適度な運動を週に5日行うのが理想だが、それが難しい場合は、1日に10~15分のウォーキングなどの運動を1日に2回取り入れるようにする。

 ウォーキング以外でも、掃除などの家事、家族との散歩、フリスビーやサッカーなどの遊び、子供や孫と遊ぶなど、生活活動はすべて運動になる。

 運動を続けるために、一緒に運動する仲間をつくり励ましあったり、家族と一緒にウォーキングしたり、冬でも利用できる場所を確保するなどして対策しよう。

4 食べ過ぎたカロリーを運動で燃焼するのは大変

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 会食やパーティーが続くと、自分がどれだけ食べたかを把握するのが難しくなる。パーティーでは多くの料理が出るので、つい食べ過ぎてしまうという人は多い。

 1日の食事で脂肪の多い食品を500kcal分余計にとる生活が続くと、とり過ぎたカロリーは1週間で3,500kcalになり、2週間で体重が1kg増える計算になる。

 増え過ぎたカロリーを運動で燃焼するのは大変だ。食べ過ぎを防ぐことが、肥満を避けるためのもっとも有効な手段となる。

 パーティーなどの予定があるときは、食欲をコントロールしやすくするために、野菜サラダや低糖質の全粒粉パンなどを軽く食べてから出かけるようにし、空腹の状態では行かないようにしよう。

5 自分が何を食べたいのか考えよう

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 ビュッフェ形式の立食パーティーでは、食品をお皿に取る前に、一瞬だけ間をおいて、自分が本当に何を食べたいのか考えよう。

 揚げ物やバターたっぷりの高カロリーの食品を避けて、肉や魚でも、できるだけシンプルに調理されたものを選ぼう。サラダはヘルシーと思いがちだが、油分たっぷりのドレッシングをかけると高カロリーになるので注意が必要だ。

 脳が満腹であると感知するために、食べはじめてから20分以上の時間が必要だ。パーティーなどでは、なるべくゆっくり食べよう。

 料理を皿に盛るときはなるべく小さいお皿を選ぼう。皿が小さいと食事の量を抑えられ、満足感も得やすいという研究結果がある。

 パーティーの目的は、食べることだけではなく、人との会話や交流だ。片手にお皿、もう片方に飲み物となると、人と話すのも大変になる。そう意識しておけば、食べ過ぎや飲み過ぎを防げる。

6 食物繊維を十分に摂る

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 食物繊維が豊富に含まれるカット野菜などを、台所のすぐ手が届く場所に置いておくと、野菜の不足を補うことができる。

 食物繊維は、食物が胃から小腸へ移動する時間を遅らせ、栄養素の吸収を遅くする。炭水化物を含む食品がゆっくり吸収されるようになるので、インスリンの分泌が食べた分に追いつかない体質の人でも、食後の血糖値上昇をある程度抑えることができる。

 食物繊維が豊富に含まれる野菜を食べれば、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを抑えられる。100gの生の野菜に2~3gの食物繊維が含まれている。茹でてかさを減らせば、野菜をたくさん食べられる。

 また、マッシュポテト、サツマイモ、詰め物、ディナーロール、クランベリーソース、カボチャパイ、デザートなどには多くの炭水化物が含まれる。

 3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂肪)の中で、血糖を上昇させるのは炭水化物だ。食後の血糖値の上昇を抑えるために、玄米や全粒粉など食物繊維が豊富に含まれる精製されていない穀類を摂ったり、炭水化物をタンパク質や脂肪と同時に摂り、炭水化物の消化・吸収を遅くするなどの方法が効果的だ。

7 ストレスをためない

 ストレスによって、血糖や血圧のコントロールに悪影響が出てくるおそれがある。ふだん通りの食事を続けられなくなったり、アルコールを飲み過ぎたり、運動不足が続くことも、ストレスの原因になる。

 年末年始の休暇には、想定外の用事が入り忙しくなり、さらに生活が乱れやすくなる。この時期に外せない予定を作り過ぎないようにし、余裕をもって計画をたてよう。 たとえ計画通りに1日を過ごせないときでも、くよくよと悩まないようにし、家族や仲間とともに過ごす時間を楽しもう。次の日から、食事や運動、血糖自己測定などの日課を取り戻せば、休日を有意義に過ごせる。

 睡眠を十分にとることも大切だ。睡眠不足になると、高脂肪・高糖質の食品を食べたくなり、血糖コントロールを良好に保つのが難しくなる。7~8時間の睡眠時間を目安に、余裕をもって1日を過ごそう。

8 体重を毎日はかる

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 年末年始は、体重コントロールが難しい時期だ。「食べ過ぎ」がもっとも起きやすいのがこの時期であることが、ハーバード公衆衛生大学院の調査で明らかになっている。 多くの人がこの時期に体重を平均1.5kg以上増やすという。体重を増やさない人でも、平日は食べ過ぎないようにしても、週末には食べ過ぎてしまい、食事のコントロールを相殺するというサイクルを繰り返すことが多い。

 「少なくとも、今よりも体重を増やさないようにしよう」という気持ちを強くもつことが大切だ。体重を決まった時間に毎日はかることを習慣にすれば、体重をコントロールしやすい。体重計を台所や冷蔵庫のそばに置いて体重を毎日はかり、減量に成功した人もいる。

おせち料理はカロリー・塩分が多い

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 2型糖尿病などの生活習慣病の食事療法では、「食べてはいけないものはない」とされている。しかし、一般的なおせち料理の多くは味が濃く仕上げてあり、1食でカロリー1,000kcal、塩分10gを超えることもあるので注意が必要だ。  おせち料理は保存性を高めるために味付けが濃く、糖分・塩分・酢などを多く使ってあるのが特徴。「栗きんとん」「伊達巻き」「黒豆」は特にカロリーが多い。

「田作り」「数の子」「かまぼこ」「エビの煮物」も塩分が多いので、1回に全種類を無理に食べないことが大切だ。  「紅白なます」「煮しめ」などの野菜料理を自分で作るときは、だしや柑橘類の香りを効かせて減塩しよう。  おせち料理は、3日続けて食べなければいけないわけではない。お祝い膳を気持ち程度にとどめて、ふだんの食事に早く戻した方が無難だ。

餅は高カロリー  餅は、もち米をふかして突き固めた保存食で、ご飯に比べると水分量が少なく密度が高いのが特徴。  ご飯1杯(150g)のカロリーは252kcalなのに対して、切り餅1個(50g)のカロリーは117kcal。つまり餅2個とご飯一杯のカロリーは同じくらいになる。餅は2個までにとどめた方が無難だ。

 もちを使ったメニューのお勧めは、野菜をたっぷり使ったお雑煮だ。きなこもちやぜんざいなどは砂糖を多く使っているが、野菜を一緒に摂れるお雑煮は食物繊維も摂れるので、血糖値の上昇を抑えられる。

冬の鍋料理は栄養面でも優れている  鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を使ったものがあり、味付けも多彩にある。これに野菜類を加えれば、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることができる。

 野菜をたっぷり入れ、きのこ、こんにゃく、昆布などを使った鍋料理を食べるのは、寒い冬には堪えられない。

 鍋料理は短い時間で調理でき、大勢で食べても、1人や2人で食べても楽しめる。水と昆布で野菜などを煮る「常夜鍋」は、いたって簡単に作れる。小ぶりの土鍋に昆布を引き、醤油で薄味にして(あれば日本酒を加える)、ほうれん草や小松菜、白菜と、豚肉の薄切りをゆでながら、ゆったりとした時間を楽しめる。

 

Holiday Meal Planning(米国糖尿病学会)

Christmas and diabetes(英国糖尿病学会)

6 tips for reducing holiday waste and waist(ハーバード公衆衛生大学院 2015年11月23日)

5 Healthy Eating Tips for the Holidays(米国疾病予防管理センター 2017年11月30日)

Try Mindful Eating This Holiday Season to Keep Off the Pounds(テキサス大学 2018年1月4日)

[ Terahata ]

日本医療・健康情報研究所

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 腸内細菌によってつくられる「D-アミノ酸」が、腎臓を保護する働きをしていることを、金沢大学らの研究グループが世界ではじめて突き止めた。健康な食生活で腸内環境を整えることが、腎臓の健康にとっても有用であることが示された。

腎臓が体のホメオスタシス(恒常性)を維持

 最近の研究で、腸内にはさまざまな細菌生息しており、集団で生態系をつくり互いに作用したり、生体に影響を及ぼしていることが分かってきた。腸内に生息する細菌の集団は「腸内細菌叢」と呼ばれている。

 ヒトの体は約60兆個の細胞でつくられているが、腸内にはそれを超える数百兆個もの多様な細菌が共存している。腸はこうした細菌への反応を通じて、体の免疫をかたちづくる中心的な場所と考えられている。

 一方、腎臓は尿をつくり老廃物を体外へ排出するのに加え、全身の臓器と連携して生体のホメオスタシス(恒常性)を維持する働きをしている。たとえば、さまざまなホルモンを産生することで、骨髄から赤血球を産生させたり、ビタミンDを活性化して骨を丈夫にしたり、血圧の調整なども行っている。最近では、寿命そのものにも影響することも分かってきた。

 研究グループは今回の研究で、腸内細菌叢と腎臓の連関について解明しようと考えた。そのカギとなるのが、腸内細菌によってつくられる「D-アミノ酸」の働きだ。

 タンパク質の構成要素となるアミノ酸には、「L-アミノ酸」と「D-アミノ酸」の2つがある。これらの分子構造は左手と右手のような関係にあり、構造は同じだか性質は異なる。

 「L型アミノ酸」は体でタンパク質合成に利用されるに対し、「D-アミノ酸」はタンパク質合成には使われない。限られた生命現象で利用されていると考えられているが、その機能などはよく分かっていなかった。

腸内細菌叢が腎臓を保護している 「D-アミノ酸」の働き

 近年の分析技術の発達により、生体内の約20種類全てのアミノ酸を「L-アミノ酸」と「D-アミノ酸」に識別できるようになり、「D-アミノ酸」が哺乳類の腸内細菌によって作り出されており、哺乳類が分泌する酵素によって腸内で調節されていることが分かってきた。

 金沢大学らの研究グループは、マウスに腎障害を誘発する処置を行い、腸内細菌叢がどのように変化するかを調べ、特定の腸内細菌が変化することを確かめた。さらに、腸内細菌をもたない無菌マウスに同じ処置を行うと、通常のマウスよりも腎障害が悪化することから、腎臓に対する何らかの保護的因子が腸内細菌から産生されていることが分かった。

 続いて、腸内細菌から産生される腎臓病に関連する因子を同定するために、アミノ酸網羅解析を行った。その結果、腸内細菌からさまざまな「D-アミノ酸」が検出され、腎臓ではそのうちのD-セリンが検出された。

 無菌マウスからはD-セリンが検出されなかったことから、D-セリンは腸内細菌によって産生され、血液を介して腎臓へ到達することが分かった。また、腎臓では腸内細菌由来のD-セリンに加えて、腎臓によるD-セリンの合成亢進も起きており、Dセリン濃度が上昇することを明らかにした。

 最後に、D-セリンの腎臓への作用を調べた。D-セリンを投与したマウスは、投与していないマウスに比べて、腎障害が軽減することが分かり、D-セリンが腎臓に対して保護的に働くことが明らかとなった。

 ヒトの急性腎障害の患者でも、血液中のD-セリンが健常者に比べて高い値を示し、腎臓病の指標であるクレアチニンと高い相関を示すことを確認した。ヒトの体でも、腸内細菌がD-アミノ酸を産生し、血液を介して腎臓を保護する仕組みが働いていると考えられる。

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「D-アミノ酸」は発酵食品に多く含まれる

 最近の研究で、「D-アミノ酸」が生命現象のさまざまな局面で重要な働きをしていることが分かってきた。「D-アミノ酸」を合成できるのは細菌だけだ。

 発酵食品にも「D-アミノ酸」は多く含まれる。チーズやヨーグルト、納豆などに加え、味噌や醤油、漬物など、日本の伝統的な発酵食品にも多種類のD-アミノ酸が含まれることが報告されている。

 機能性だけではない。「D-アミノ酸」は、少量でも甘みやまろやかさを増す、食品のおいしさの元でもある。

 今回の研究は、「D-アミノ酸」が腸内環境を維持しているのに加え、腎臓を保護し、免疫システムや病気の成り立ちにも関わっていることを明らかにしたものだ。「D-アミノ酸」を通じた感染症の新たな治療法の開発が期待されている。

 研究は、金沢大学医薬保健研究域医学系の和田隆志教授と大学院医薬保健学総合研究科医学博士課程の中出祐介氏が、早稲田大学理工学術院の服部正平教授、理化学研究所の須田亙研究員、岡山大学大学院環境生命科学研究科の森田英利教授、九州大学薬学研究院の浜瀬健司教授、北里大学薬学部の本間浩教授の研究グループと共同で行ったもの。 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科

Gut microbiota–derived D-serine protects against acute kidney injury(Journal of Clinical Investigation Insight 2018年10月18日)

[ Terahata ]

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「糖質オフ」のお酒なら、糖尿病でも大丈夫?

日本人は比較的やせていても糖尿病になりやすい特質を持っているので「糖尿病予防は節酒が基本」。

佐々木敏

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Manmarumaki via Getty Images

 

「糖質ゼロ」や「糖質オフ」のお酒が人気です。特にビールや発泡酒でよく見かけます。もちろん、それだけ血糖値や体重を気にする人が多いということでしょう。

 でも、本当に「糖質オフ」ならダイエットに有効で、糖尿病の人でも飲んでも心配ないのでしょうか? 

 さまざまな健康情報の信憑性を、世界中の膨大な栄養学の論文から読み解いて解説した話題の本『データ栄養学のすすめ』の著者の佐々木敏さんに、「飲酒」と「糖尿病」の関係について、意外な話を教えてもらいました。

「お酒」を飲めば、必ず血糖値は上がる?

――しばらく前から、お酒売り場で「糖質ゼロ」「糖質オフ」という表示をよく見かけるようになりました。それだけ糖質、つまり血糖値や体重を気にしている人が多いのでしょう。そもそもお酒を飲むと、どのくらい血糖値が上がるのですか?

佐々木 お酒の種類によって違います。

 お酒の「エネルギー(カロリー)」は、お酒に含まれる「糖質」と「アルコール(エタノール)」の合計です。太るかどうかはこれで決まります。一方、「血糖値」に関してはアルコール(エタノール)はほとんど影響がなくて、お酒の中の「糖質の量」だけで決まります。

――その「糖質の量」が、お酒の種類によって違うわけですね。

佐々木 はい。お酒のエネルギーのなかでの「糖質(炭水化物)の割合」は、下の図の通りです。

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――ずいぶん差があるんですね。とくに焼酎の0%に対して、ビールで割合が高いのが目立ちます。

佐々木 焼酎と同じ蒸留酒なら、ウイスキーでもウオツカでも糖質の割合は0%です。ビールは飲む人が多く、糖質の割合が高いので、「糖質ゼロ」「糖質オフ」のビール系飲料が人気なのでしょう。

――「糖質ゼロ」や「糖質オフ」なら、血糖値が気になる糖尿病の人でも安心して飲めるというわけですよね。

佐々木 いや、そういう単純な話ではないのです。

「お酒の種類」によって差がある

佐々木 お酒の種類別に、習慣的な飲酒量と糖尿病の発症率との関連を調べた研究を、まとめたのが次のグラフです(※1)。

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――これは、「糖質」を含まない蒸留酒よりも、「糖質」を含むワインを飲んでいる人のほうが、糖尿病にならない、ということですか?

佐々木 はい。「糖尿病を予防してくれるお酒」の筆頭は「ワイン」という結果だったのです。ビールでも少し下がっていますが、水色の部分が1.0を下まわっていないので、統計学的には下がる、つまり予防してくれるとはいえません。

 そして、蒸留酒には予防効果はほとんどなく、飲み過ぎると逆に糖尿病になりやすくなることもわかります。

――「糖質」から予想された結果とは、ずいぶん違いますね…。

佐々木 ここで思いつくのは、「糖尿病を予防してくれる何か」が、ワインに入っているのではないか、という推測です。たとえば、強い抗酸化力を持った「レスベラトロール」が候補物質の一つとしてあげられるなど(※2)、研究が進められています。

――レスベラトロールは、よく話題になる「ポリフェノール」の一種ですよね。

佐々木 でもここは、ちがう側面からも考えてみたいのです。

予防できたのは「お酒を飲んだから」ではなくて…

佐々木 ワインは食中酒です。レスベラトロールなどの「ワインの中の秘密の物質」のおかげではなく、ワイン好きの人たちがよく食べる「ワインに合う料理」や、ワイン好きの人たちの「食べ方」のほうに秘密があるのかもしれません。

――ワインそのものではなく、「ワインを飲む人の習慣」に着目するわけですね。

佐々木 じつはこれについては、前著の『佐々木敏の栄養データはこう読む!』の中で、ワインによる循環器疾患、特に心筋梗塞の予防効果を考えたときにも推測しました。これからの研究に期待したいところです。

――ワインを飲めば即、健康に…などという単純な話ではないわけですね。

佐々木 お酒は嗜好品です。宴会やパーティに象徴されるように、社会的な役割も担っています。そのために、お酒を飲む人と飲まない人、少しだけ飲む人と大量に飲む人の間には、アルコールの摂取量以外にも、日々の生活習慣や健康に対する意識など、異なる社会的要素がたくさんあり、それらが複雑にからみ合っているであろうと想像されます。このことが、お酒と糖尿病との関連を、とても複雑なものにしてしまっているのです。

太っている人は、お酒を飲んでも糖尿病にならない?

佐々木 ワインの摂取量と糖尿病の発症率の関連の強さは、研究によってかなり差があるようです。たとえば、フランスで女性およそ7万人を対象に行なった研究では、次のような結果でした(※3)。

●ワインを飲んでいた人たちは、お酒を飲まない人たちに比べて、糖尿病の発症率が4割以上も低い

●ただし、これは肥満女性に限った話で、太っていない女性では、ワインは糖尿病の予防になっていない

――ワインで糖尿病になりにくくなったのは、「太った女性だけ」ということですか?

佐々木 そうです。この研究は女性だけを調べたので、「男性ではどうか」まではわかりませんが、少なくとも、「ワイン⇨糖尿病予防」と考えてはいけないということはわかります。現時点では、ワイン好きはなぜ糖尿病になりにくいかの答えも、ワインで糖尿病が予防できるかどうかの答えも、結論はまだ出ていないのです。

 最後に一つ、日本で行なわれた研究を紹介しましょう。飲酒習慣と糖尿病の発症について、肥満度の違いで比較しました(※4)。こちらには男女とも含まれています。

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佐々木 日本人では、太った人もそうでない人も、飲酒は糖尿病を予防してくれませんでした。しかも、太っていない人は、飲酒量が増えるほど糖尿病の発症率が増えています。

――肥満ではない、やせぎみの人ほど、飲酒に気をつけなければいけない、ということですね。

お酒は「糖質オフ」でも、ほどほどに

佐々木 以上の話から言えるのは、次のようなことでしょう。

●糖尿病になりたくなかったら、やせぎみの(太っていない)人はできるだけお酒を控えるべき

●太っている人も、お酒では糖尿病の「予防」はできないと考えるのが無難

●飲みすぎ食べすぎでさらに太れば、その結果として糖尿病になる

 そもそもヒトの体は、「糖質が少ない⇨血糖が上がりにくい⇨糖尿病にかかりにくい」というような単純なものではありません。さらに、糖尿病には危険因子(リスク要因)も予防因子もたくさんあります。その合計が、あなたの「糖尿病発症確率」です。

 たまにしかお酒を飲まない人なら、何を飲んでも、糖尿病の発症率は事実上ほとんど変わらないでしょう。一方、お酒好きで毎晩楽しんでいたり、飲み始めたらかなりいけてしまったりする人だったら、無視できないかもしれません。

 そして、後者の人が「糖質が少ない⇨血糖が上がりにくい⇨糖尿病にかかりにくい」と考えてしまったら、たいへんなことになりかねません。糖質を含まない蒸留酒でも糖尿病のリスクは上がりますし、そもそも日本人では、飲酒は糖尿病を予防しませんでした。

 ぼくもお酒は好きなので、ちょっと残念な幕切れですが、やはりお酒は健康を求めて飲むものではなく、料理を引き立て会話を盛り上げてくれる名脇役として楽しむものなのでしょう。

 日本人は、比較的やせていても、糖尿病になりやすい特質を持っています。「糖尿病予防も節酒が基本」と考えるのが、現時点では最も確かなようです。

◎実験の詳細については、佐々木敏『データ栄養学のすすめ』(女子栄養大学出版部)も参照してください。

構成/鈴木充

出典 

※1 Huang J, et al. Specific types of alcoholic beverage consumption and risk of type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis. J Diabetes Investig 2017; 8: 56-68.

※2 Chiva-Blanch G, et al. Effects of red wine polyphenols and alcohol on glucose metabolism and the lipid profile: a randomized clinical trial. Clin Nutr. 2013; 32: 200-6.

※3 Fagherazzi G, et al. Wine consumption throughout life is inversely associated with type 2 diabetes risk, but only in overweight individuals: results from a large female French cohort study. Eur J Epidemiol 2014; 29: 831-9.

※4 Waki K, et al. Alcohol consumption and other risk factors for self-reported diabetes among middle-aged Japanese: a population-based prospective study in the JPHC study cohort I. Diabetic Med 2005; 22: 323-31.

 

佐々木敏(ささき・さとし)医学博士。国立がんセンター研究所支所、国立健康・栄養研究所などを経て2007年より現職。女子栄養大学客員教授。「科学的根拠に基づく栄養学」を提唱し、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」策定において中心的役割を担う。著書は『わかりやすいEBNと栄養疫学』、『佐々木敏の栄養データはこう読む!』『佐々木敏のデータ栄養学のすすめ』ほか。月刊誌『栄養と料理』で「佐々木敏がズバリ読む栄養データ」連載中。

くわしくはぜひ本書をお読みください。ツイッターでも情報発信を行なっています。

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ」(女子栄養大学出版部 定価 本体2600円)

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姉妹書『佐々木敏の栄養データはこう読む!』(定価 本体2500円)

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ゼロカロリー系食品の懸念、

人工甘味料を「肥満剤」と呼ぶ人も

 

NEWSポストセブン2018年12月23日 16:00

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【「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」、本当のところは?】

 甘いものが大好きで、趣味はケーキの食べ歩きという会社員のA子さん(35才)。だが健康診断で「血糖値が高くなっている」と指摘されてからは、すっかり心を入れ替えて食生活を改善した。

「このまま甘党を続けていたら糖尿病になるので、気をつけるようになりました。今は健康のためゼロカロリーゼリーなど、糖質やカロリーの少ないダイエット系の食品の購入を心がけています」

 そう胸を張るが、アメリカで食生活と病気の関係性について研究する医師の大西睦子さんは、「残念ながら、それは逆効果の可能性が高い」と警鐘を鳴らす。

「ダイエット系の食品や飲料には、砂糖の代わりに人工甘味料が使われています。現在、日本で認可されている人工甘味料はサッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、アドバンテームの6種類。これらは、砂糖に比べてカロリーこそ少ないものの、注意すべきは、世界中の研究で人工甘味料の“副作用”が指摘されていることです」(大西さん・以下同)

 2013年、フランスで約6万6000人の女性の飲料習慣を14年間にわたって追跡調査した結果が報告された。

 調査によれば、ダイエット飲料を1週間に500ml飲む人は、普通の砂糖入り飲料を1週間に500ml飲む人に比べて、糖尿病のリスクが15%高かった。

 さらに、ダイエット飲料を週1.5リットル飲む人にいたっては、砂糖使用の飲料を週1.5リットル飲む人より、糖尿病リスクが59%増加した。

 米・テキサス大学が成人6814人を8年間にわたって追跡調査した2009年の研究でも、ダイエット系の炭酸飲料を毎日飲んだ人の36%にメタボリック症候群のリスクがあったことが報告されている。

「人工甘味料には、ホルモンに影響を及ぼして体内に脂肪をたくわえる、腸内細菌に作用して代謝異常を引き起こすなどの作用があります。また人工甘味料には砂糖の約200倍から4万倍もの甘みがあります。日本ではあまり知られていませんが、これらを定期的に摂取すると、甘みに対する味覚が鈍ってしまい、“甘み中毒”になるリスクもあります。これは麻薬や覚せい剤、アルコールなどと同じ依存症です」

 これらの人工甘味料は“糖質ゼロ”と銘打つゼリーや炭酸飲料にも含まれている。冒頭のA子さんのように、健康に気を配ってわざわざ糖質やカロリーの少ない食品や飲料を選んだはずの人が、気づかないうちに人工甘味料を大量に摂取してしまい、肥満や糖尿病になる可能性があるのだ。このため人工甘味料を「肥満剤」と呼ぶ食品業界関係者も多い。リスクはそれだけではない。

「米国国立衛生研究所により、ダイエット飲料は成人のうつ病リスクを増加させる恐れがあるとの研究結果が発表されました。さらに米・ハーバード大やコロンビア大学の研究では、人工甘味料入りの炭酸水を毎日飲むと、腎機能障害や脳卒中、心筋梗塞、血管系疾患の発症リスクが高まることもわかっています」

 脳卒中や心筋梗塞は命の危険に直結する。カロリーオフで体重を減らすつもりが、寿命を縮めるのではシャレにならない。

 

◆カロリーゼロのジュースが実は25kcal

 驚くべきはほかにもある。そもそも、パッケージに「ノンカロリー」や「カロリーゼロ」とうたわれていても、実際のカロリーはゼロではないことがあるのだ。消費者問題研究所代表の垣田達哉さんが指摘する。

「厚労省の栄養表示基準では、100mlに含まれるのが5kcal未満ならば、『ゼロ』と表示できます。つまり500ml入りペットボトルの場合、25kcal未満なら『ゼロkcal』と表示できる。カロリーゼロだと思って飲んだはずのダイエット飲料に、実は24.9kcal含まれていたというケースも起こり得ます」

 それだけではない。「カロリー控えめ」「低カロリー」「カロリーライト」という表示は、100mlあたり20kcal以下なら使用が認められている。

「つまり、『カロリーライト』と表示されたダイエット飲料の500ml入りペットボトルを飲んだら、実は100kcal近く摂取していたということがあるのです」(大西さん)

「糖質ゼロ」も同様に100gあたり糖質が0.5g以下、「糖質オフ」なら100gあたり2.5g以下であれば、表記することができる。さらに、「糖質」はでんぷんなど、砂糖以外も含む総称であり、「糖類」はその中の一部を指している。つまり、

「糖類ゼロ」と銘打たれていても、「糖質」は含まれている可能性があるのだ。

 まさに“看板に偽りあり”のように見えるが、法律で許されているため、メーカーに責任はない。

 レストランなどで外食する際のカロリー表示はさらなる“偽り”が生じる可能性がある。一般的なカロリー表示は、文部科学省が作成する「日本食品標準成分表」(食品成分表)をもとに計算される。しかしレストランなどでは、店や作る人によって調理時に使う油の量や調味料の種類により、できあがった料理のカロリーに大きな差が生じるのが実情だ。

 よって、まさに“どんぶり勘定”でカロリーを表示する飲食店もある。2005年、大手ファミリーレストランの宅配サービスで「253kcal」と表示されたポテトフライを食事制限していた糖尿病患者が食べて、体調を崩す事故が発生した。のちに調べたところ、実際には「645kcal」であったことが判明した。垣田さんが話す。

「消費者は、安易にカロリー表示を信じるべきではありません。健康を守るためには、実際に表示されているカロリーよりも多めに見積もってメニューを選ぶ方が賢明です。また、カロリーゼロの商品でも聞き心地のいいキャッチコピーをうのみにせず、パッケージの裏側の栄養成分表示をきちんと確認して、人工甘味料やカロリーとなる成分が含まれているかを、チェックしたい。わからなければ、本当にカロリーはゼロなのかをメーカーにたずねるのが確実です」

 同時に前出の大西さんは「カロリーに固執する今の風潮にも問題がある」と指摘する。

「現代の日本人の食生活は、カロリーに振り回されすぎです。人間の体はたんぱく質や脂質からできていて、生きるためにある程度のカロリーは必要なはずです」

 過度にカロリーを悪者にするよりも、それがたんぱく質によるものなのか、脂質なのか、それとも糖質なのかに気を配るべきだろう。

※女性セブン2019年1月3・10日号

ゼロカロリー系食品の懸念、人工甘味料を「肥満剤」と呼ぶ人も

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岩盤浴が癌や糖尿病に効果

~岡山大・上者郁夫名誉教授が発表

糖尿病ねっと2018/12/21 11:00

岩盤浴施設「岩盤健康革命」を運営する株式会社ミツバファクトリー(岡山県倉敷市)は、岩盤浴が癌や生活習慣病にもたらす効果について、日本岩盤温熱医学研究会会長、岡山大学の上者郁夫名誉教授と共同研究を行い、研究事例を発表しました。

インスリンの分泌量を減少させつつ血糖値を改善

岩盤浴は遠赤外線マイナスイオンの相乗効果、熱ショックタンパク質HSP)により効能を生み出します。38.5℃程の熱によって熱ショックタンパク質を増加させ、傷ついた細胞のタンパク質を修復します。細胞のほとんどはタンパク質からできており、人間の身体は細胞が傷つくと自ら熱ショックタンパク質を生み出して治そうとします。しかし、1週間後には元に戻ってしまうため、岩盤浴により継続することで、自己治癒力が高い状態になります。

継続的な岩盤浴により進行癌が縮小したという事例もあり、良好な治療法として注目されています。さらに、岩盤浴はインスリンの分泌量を減少させつつ血糖値を改善させてくれることから、遠赤外線マイルド加温療法が糖尿病に限らず種々の生活習慣病や慢性疾患に対する代替医療として応用されることが期待されています。入浴の頻度としては、週2回、1回45分間の岩盤浴を続けることで、種々の異常値の改善に有効であると考えられています。

岡山県倉敷市にある岩盤浴施設「岩盤健康革命」は、医学的研究施設として使用されていた岩盤浴施設を開放したもので、岡山県内で採掘された、1億3千年前の白亜紀の石である皇輝石(こうきせき)を使用しています。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

岩盤健康革命公式HP

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糖尿病にならないために、今日から実践できること4

MYLOHAS編集部

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糖尿病の中でももっとも一般的なのが「2型糖尿病。長い期間にわたって血糖値(血中ブドウ糖)が高い状態が続いてしまう病気です。

この2型糖尿病の原因や症状、治療、合併症のことなど、知っておきたいことすべてを医師に聞きました

基礎知識編原因・症状編診断・治療編

2型糖尿病の予防方法とは?

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2型糖尿病は、遺伝があったとしても、基本的な生活習慣で発病を防ぐことができます

糖尿病予防プログラム(アメリカ国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所による助成を受けている)に参加した人は、対照となる人々と比べると、3年間で2型糖尿病のリスクが58%減ることがわかっています(※1)

このプログラムのゴールは、体重を減らすこと。そのため参加者はカロリーを減らし、運動するのです。同じやり方をすれば、糖尿病のリスクを減らせます。

糖尿病を防ぐために取り入れたい生活習慣は、以下。

01. カロリーを減らす

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カロリー制限だけに取り組んでも、糖尿病に対してすぐに大きな効果が現れるのです。カロリーを減らすだけで、身体はよりインスリンを作れるようになり、インスリンに反応しやすくなります」と話すのは、メイヨー・クリニック内分泌学研究所所長で、糖尿病内科医のアドリアン・ベラさん(医学博士)(※2)

「前糖尿病(糖尿病予備群)の場合にも効果的です」。どの方法が一番、ということではなく、続けられる食事をすることが大事。「最終的には、カロリーが切り札なのです」とベラさん。

02. 減量する(必要な場合)

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糖尿病予防プログラムの15年間のフォローアップによると、5~7%の減量が、糖尿病の発症を遅らせたり予防したりするといわれています。

03. 運動する

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1週間のうち少なくとも5日は、30分の運動をします。

04. 定期的な検査をする

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Adrian Vella, MD, head of Mayo Clinic endocrinology research

2型糖尿病は自覚症状なく進行する可能性があるので、45歳になったら定期的に血糖値検査をすること。遺伝の可能性があれば、すぐにでも検査を受けることをすすめます。

※1 National Center for Biotechnology Information ※2 Mayo Clinic

もっと知りたい糖尿病のこと

Brittany Risher/Type 2 Diabetes: Every Important Fact to Know About Causes, Symptoms, and Treatments

訳/STELLA MEDIX Ltd.

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