認知症とわたしたち

■糖尿病と深い関係/食事が重要

 福岡県中部の町、久山(ひさやま)町。4月、70~80代の男女7人が川沿いの道を歩いていた。地元の高齢者でつくる「歩こう会」のメンバー。月に3回ほど集まる。耳を澄ますと猪野川のせせらぎが聞こえ、振り返ると犬鳴山がそびえる空が見えた。
 季節や趣味の話も交わしながら約1時間。健康のためにと、5年前から参加する巌谷(いわや)満夫さん(80)は「1人ではなく大勢でしゃべりながら歩くのが楽しい。みんなで笑えば気分もすっきりする」。
 適度の運動やバランスの取れた食事が、日本人の糖尿病の9割を占める2型糖尿病など生活習慣病の予防に役立つことはよく知られている。
 でも、それだけではない。糖尿病の発症を抑えれば、認知症の予防にもつながる可能性がある――。そんな研究成果を九州大のグループが2011年に発表したのだ。根拠になったのは、福岡市に隣接する人口8千人のこの町の住民調査だった。
 これまでも、糖尿病になると動脈硬化が進んで脳出血や脳梗塞(こうそく)などを引き起こし、脳血管性の認知症の原因になると考えられてきた。
 ところが、60歳以上の住民1017人を1988年から15年間追跡調査したら、糖尿病の人は、アルツハイマー型認知症になるリスクは健康な人の2.1倍だった。

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 糖尿病の発症には、血糖値をコントロールするホルモン、インスリンの効きの低下などが深く関わっているが、それがアルツハイマー型認知症になりやすい脳の変化も引き起こす可能性などが指摘されている。
 同町は85年から、65歳以上の全住民を対象に認知症の有病率も調べている。85年には6.7%だったが、05年には12.5%に跳ね上がった。この上昇は高齢化の進行だけでは説明できないレベルで、研究グループは糖尿病の増加が背景にあるとみている。
 「糖尿病も認知症も生活習慣病。予防しましょう」
 今月18日。町の小さな会館に集まった高齢者約80人を前に、九州大の清原裕教授(環境医学)が研究成果を説明した。食事と認知症の関連を調べた別の追跡調査をもとに、「ご飯の量を減らし、その分、野菜や果物、大豆製品、海藻類、芋類、魚などを増やすといい」「バランスのとれた和食メニューに牛乳などの乳製品を加えると理想的」などの説明も加えた。
 耳を傾ける住民のなかに、認知症の母(92)と暮らす吉村勝明さん(68)もいた。
 「認知症はいま、多くの住民の一番の関心事のひとつ。予防のために、少しでもできることを探したい」
■役割の自覚、効果期待
 「やったー。できたー」。10人ほどで組んだグループの輪のなかで歓声が上がった。
 今月13日、茨城県つくば市の筑波大病院。認知症予防のためのデイケアに、深刻ではない程度のもの忘れなどがある30人以上が集まった。

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デイケアで、ゲーム形式の運動療法に参加する人たち=茨城県つくば市の筑波大病院、川村直子撮影

 椅子に座ったまま足にはいたスリッパを、手は使わず足だけで隣の人へとはかせていくスピードを競う。ゲーム形式の運動療法だ。足の筋肉を使うことに加え、どうすればうまくできるのか、コミュニケーションをとりながら考えていくねらいもある。
 認知症になった人のためのデイケアは一般的だが、予防に特化したものは多くない。大学病院としては先進的なとりくみだ。
 米国の医学誌に2010年、認知症予防に関する過去の研究についての検証が報告された。その結果、一定の効果が確認できたのは運動と認知トレーニングだった。筑波大ではこうした科学的根拠に基づきメニューを組む。コンピューターゲームのような認知トレーニングのほか、絵画などの芸術療法、昔のニュース映像などを使った「回想法」なども入っている。
 病院を受診している人が対象。筑波大の朝田隆教授は「決定的な予防法はまだないが、いまの時点でいいと思われる心身の刺激法をメニューに取り入れ、効果を検証しなければならない」と話す。
 米国立保健研究所(NIH)は、認知症予防に役立つ可能性があるものとして、運動の習慣、果物と野菜の多い食事、社会交流と知的な活動、2型糖尿病の管理、高血圧や高脂血症の改善、適正体重の維持、禁煙、うつ病の治療などを挙げている。
 東京都健康長寿医療センター研究所は、認知症予防のプログラムづくりに取り組んでいる。その一つが「絵本の読み聞かせ」の活動だ。
 ボランティアとして、保育園などで園児に絵本を読み聞かせるほか、図書館などで絵本を選び出したり、練習のために熟読したりする。適度な緊張感や「社会貢献をしている」という意識も認知機能の低下を抑える効果があるのでは、と期待されている。
 東京都大田区の鈴木佳寿江さん(73)は区の公報を見て参加した。88歳で亡くなった母は、パーキンソン病だった父が亡くなると心に穴があいたようになり、うつ症状が出て、やがて認知症になった。
 「人は役割を失ったとき、歯車が狂っていくのかもしれない」と感じる。2週間前、初めて園児の前で絵本を読んだ。「これも読んで」と園児たちは、絵本を手に次々に駆け寄ってきた。「かわいくて、元気が出ました」
 群馬大の山口晴保教授(リハビリテーション学)は「認知機能の低下は老いのひとつの症状。むやみに恐れるのではなく、豊かに生き生きと毎日を過ごすことが認知症の発症を遅らせることにもつながる」と話す。

(武田耕太)

◆ご意見や体験をお寄せ下さい。お名前、住所、電話番号、年齢を書いて〒104・8011(住所不要)朝日新聞文化くらし報道部「認知症とわたしたち」係へ。メールは seikatsu@asahi.com、FAXは03・5540・7354。

(朝日新聞 2013年5月31日掲載)

看護師の書いた糖尿闘病記
夫の糖尿病と闘い、克服していった生々しい記録。勇気が出ます
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国民病ともいわれる糖尿病― 医療レポート
まずは自分の状態を知ること wpid-pr-2013-05-31-12-09.png
取材協力/伊勢原協同病院

2013年5月31日号
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医療スタッフ(栄養士・薬剤師・検査技師・看護師)佐藤弘樹医師 梅園朋也副部長

 国民病の代表ともいわれる糖尿病―。予備軍を含めると2002年の1620万人が07年には2210万人と、増加傾向にある。地域の中核病院である伊勢原協同病院(高畑武司病院長)では、4月から糖尿病の診療体制を強化。内科副部長で糖尿病の治療にあたる梅園朋也医師に話を伺った。

 「糖尿病で最も多い2型糖尿病は、血糖を調整するインスリンを作るすい臓が疲弊することで、徐々に血糖が上昇して発症します。自覚症状が少ないことが怖いところです」と梅園副部長。実際の患者数の半数以上が診察を受けていないという。さらに、「糖尿病は『血管の病気』。脳・心筋梗塞、網膜症、神経障害などの合併症があり、早期発見により、これらの予防を含めたQOL(生活の質)を向上することができます」と話す。

 根治が難しい糖尿病では、食事・運動・薬物が治療のベースとなる。梅園副部長は「カロリーとバランスに気をつければ、食べていけないものはありません。現在では簡単にチェックもでき、薬も進歩しています」という。同院では糖尿病の治療として、自己管理の方法を学ぶ「教育入院」を行っている。期間は1~2週間ほど。「説明よりも体験すること。教育入院経験者は、退院後の血糖コントロールが良好な方が多いです」と話す。予防を含め、2日以上空けずに週150分の軽い運動を推奨している。「糖尿病は自分が知ることが第一歩。医師だけでも本人だけでもダメ。様々な医療スタッフと協力して治療にあたります。気になる方はお気軽に相談してください」と梅園副部長は話す。
 

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スマホに医療アプリ…救急対応、データ共有に効果
 スマートフォン(高機能携帯電話)の普及と共に、医療関連のアプリ(ソフト)が相次いで開発されている。常にそばにある携帯電話の特徴を生かし、医療者と患者の新たなコミュニケーションの手段として注目される。
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 慈恵医大(東京都港区)とNTTドコモは、アプリ「MENU
メニュー
119」を共同開発した。これを使った場面を想定してみると――。
 5月のある日。会社員のAさん(55)は帰宅途中、歩道で突然倒れた。近くにいた同僚がAさんのスマートフォンを確認すると、こんな画面が現れた。
 「救急で医療機関にかかる状況で、私自身でダイヤル操作ができない場合は、このボタンを押して下さい」
 ボタンを押すと、Aさんの生年月日や血液型、かかりつけ医、既往症、内服薬などが一覧で表示された。
 Aさんは高血圧に悩まされており、かかりつけ医がいる。同僚はこれらの情報を救急隊員に伝え、搬送病院が即座に決まり、Aさんは一命を取りとめた――。
 このアプリは、利用者が情報を事前に登録しておくと、緊急時に第三者が閲覧できる。スマートフォンは、他人が勝手に使えないよう暗証番号を入力する利用者が多いが、このアプリは暗証番号なしで起動でき、家族など複数の緊急連絡先に一斉にメールで知らせることもできる。救急隊員が到着するまでの間、呼吸や意識確認など緊急時の対応方法も表示できる。
 昨年10月からドコモの社員約1900人のスマートフォンに導入、実験中で、慈恵医大脳神経外科医師の高尾洋之さんは「通常の携帯より多機能なスマートフォンは、医療で使える可能性が広がるはずだ」と話す。
 国立保健医療科学院研究情報支援研究センター上席主任研究官の水島洋さんによると、数年前までアプリは医療者間など業務上の利用が多かったが、最近は患者と医師がコミュニケーションする手段として開発される例が目立つ。
 水島さんたちもアプリの研究を進めている。登録した薬の服用時間にアラームなどで通知が届き、服用後に返事すると、服用時間などを医師が確認できる。まずは難病患者を対象に開発している。
 糖尿病患者を対象としたアプリを開発したのは、医療情報会社「メディエイド」(東京都千代田区)だ。
 「血糖値を毎日測っても記録を忘れる」「一目で数値の変化を確認できずに傾向が分かりにくい」
 そんな患者や医師の声を反映し、自動的に測定値がグラフ化されたり、インスリン投与量が表示されたりする機能を開発した。患者は、測定器とスマートフォンをUSBケーブルでつないでデータを移すだけでいい。
 利点は、測定値を電子メールで医師に送り、医師と患者が同じデータを共有できること。医師は迅速に患者の状況を把握し、適切に治療できる。今は特定の測定器が対象だが、ダウンロード(無料)件数はすでに約100件に上る。
 社長の杉山博幸さんは「医師は一目で患者の状態が分かり、患者は病状や治療について理解を深めることができる。医師と患者のデータ共有は、双方にメリットをもたらす」と話す。(酒井麻里子)

(2013年5月30日 読売新聞)

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糖質制限 学会提言…「第二の食事療法」に理解

 主食を控える糖質制限食について、日本糖尿病学会が一部に道を開く提言を出し、先週開かれた学術集会でも活発な議論が交わされた。

 患者の立場に立って、継続可能で安全な食事療法の選択肢が広がるよう、建設的な検証が必要だ。

 糖質制限は食後の血糖値が急激に上がるのを防ぎ、血糖値の安定を目指す食事療法だ。血糖値を下げるために分泌されるインスリンには、脂肪をため込む作用もあるため、減量にも効果があるとされる。

 熊本市で16~18日に開かれた日本糖尿病学会の学術集会では、いくつものセッションで糖質制限がテーマに。なかでも「カロリー制限と糖質制限を考える」討論会は、前向きに課題を語り合う議論が行われた。

 カロリー計算の基本となる「食品交換表」編集委員の福井道明・京都府立医大講師は、「継続率が低く、長く続けると心筋梗塞や脳卒中の発症率を増加させる」とリスクを指摘しつつ、減量や血糖値安定の効果は認め、「野菜や食物繊維を十分取り、脂質やたんぱく質の質を考えることが必要」と安全に行う方法を提案した。

 糖質制限を勧めている山田悟・北里研究所病院糖尿病センター長は、長期的な安全性は完全には証明されていないと認めたうえで、「カロリー制限では無理な人を、どう救うのかという議論が必要」と二次的な食事療法として採用すべきだと訴えた。

 このような状況が実現したのは、3月に学会が出した糖質制限に対する提言の影響も大きい。

 糖質制限の歴史は100年近いが、糖尿病の食事療法はカロリー制限が主流で、異端視されてきた。しかし近年、減量や血糖値安定に効果があるとの報告が海外で相次ぎ、2008年には米国糖尿病学会が食事療法の一つに認めた。また、国内では一部の医師の影響で、カロリー計算に挫折した患者の間で、簡単ですぐに効果が出る極端な糖質制限が急速に広まった。

 一方、長く続けると死亡率などが高まるとする報告も増加。カロリー制限に固執する医師に不信感を募らせ、薬や通院を勝手にやめたり、肉や脂を無制限に取ったりする危険な方法も広がりを見せたことから、学会は、国内外の論文を検証して提言をまとめた。

 提言には二つのポイントがある。一つは、極端な制限は長期的な安全性などの証拠が不足しており「現時点では勧められない」と歯止めをかけたこと。もう一つは、逆に腎症などの合併症に配慮しながら、患者の好みや病態に応じて、推奨されている糖質の摂取比率(50~60%)より減らすこともありうると、一定の理解を示したことだ。

 提言を検討した宇都宮一典・慈恵医大教授は、「糖質制限は、実質的に総カロリー制限につながることが多い。カロリー制限が基本という考えは揺るがないが、食生活の変化や個人の好みにも柔軟に対応する必要がある」と話す。

 だが、学会が否定する「極端な制限」とはどれぐらいなのか、安全に減らせるとしたらどれぐらいかという基準は具体的に示されず、提言内容に疑問を抱く患者もいる。カロリー制限が続けられず、糖尿病網膜症で視力が落ちた男性(55)は、3食主食を抜き、ヘモグロビンA1cを10・2%から5・9%の正常値にした。「将来の心臓発作より、どんな方法でも目の前の失明を回避する方が大事。どこまでの制限なら効果的で安全なのか患者の立場に立った評価研究をしてほしい」と願う。

 欧米とは食生活も体質も違う日本人で、糖質制限を検証した研究はまだない。提言は「学会として積極的に調査・研究の対象とすべき課題」と明言しており、今後の動きが注目される。(医療部 岩永直子)

(2013年5月30日 読売新聞)

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すい島細胞と間葉系細胞の融合細胞が糖尿病治療に有望 – 京大

京都大学は5月29日、すい島細胞と間葉系幹細胞を融合させた細胞が糖尿病治療に有望であることを発見したと発表した。
成果は、京大 再生医科学研究所の角昭一郎准教授、同・柳井伍一研修員らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、5月28日付けで米オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。
低侵襲の重症糖尿病治療法として期待される「すい島(すい臓でインスリンなどを分泌する細胞塊)」移植だが、従来の方法では移植早期に多くのすい島細胞が失われ、1人分のすい島でインスリン治療が不要になる確率は低く、また複数回の移植によってインスリン治療が不要となった場合でも、この状態を長期に維持することは容易ではなかった。
このような問題を解決するために各種の方法が検討されているが、炎症・免疫制御機能や血管新生誘導機能、アポトーシス(プログラム細胞死)制御機能などを有する「間葉系幹細胞」をすい島と共に移植することで、すい島移植の成績を向上させる試みも報告されている。
そこで研究チームは今回、ラットのすい臓からすい島を単離し、これをさらに単細胞に分散させたものと、ラットあるいはマウスの骨髄を培養して作成した間葉系幹細胞を混合し、電気的に細胞融合を行って融合細胞を作成した。融合細胞は培養20日後も「ブドウ糖反応性インスリン分泌能」を発揮したが、この時期にはすい島単独あるいはすい島細胞と間葉系幹細胞とを共培養したものではこの機能は廃絶していることが確認されたのである。
なお、ブドウ糖反応性インスリン分泌能とは、すい島細胞の非常に重要な機能であり、血糖(血中のブドウ糖濃度)が高くなるとインスリンを分泌するが、低い状態では分泌しない働きのことをいう。
次にストレプトゾトシンの注射によって、糖尿病とした同系ラットを用いて糖尿病治療実験を実施。2000個のすい島を腎被膜下に移植すると、血糖はほぼ正常値まで低下したが、同様のすい島1000個では、すい島単独あるいはすい島と間葉系幹細胞との共移植では血糖改善効果が認められないことが判明した。一方、1000個のすい島から作成した融合細胞を移植したところ、血糖は少しずつ持続的に低下し、3カ月後には正常値には至らないものの、ほかの糖尿病ラットに比べて明らかに低い値まで低下したのである(画像)。

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黒線が正常、青線がすい島2000個、赤線が1000この融合細胞(発表論文より抜粋)

これを受け、ラットすい島細胞とマウス間葉系幹細胞の融合細胞を作成して遺伝子発現を検討したところ、融合細胞ではマウスのインスリンやラットの間葉系幹細胞特異的遺伝子が新たに発現していることが確かめられた。この結果は、融合細胞で間葉系幹細胞核がすい島細胞様にリプログラミングされる一方、すい島細胞の核も間葉系幹細胞様にリプログラミングされることを示しているという。このことから、融合細胞は、すい島機能を維持しつつ間葉系幹細胞の特徴も有する新たな細胞であると解釈することができるとした。
今回の成果から、研究グループは、より少量のすい島細胞を利用して、より効果的な糖尿病治療が行える可能性が見えてきたとする。具体的には、ドナー1人分の単離すい島を用いて複数人を治療できる細胞資源を作成できる可能性があり、また移植後の長期成績においても著明な改善が期待できると考えられるとしている。
さらに、再生医療推進法の成立によって、日本の再生医療環境が劇的に改善することが期待されるが、すい島細胞と間葉系幹細胞との細胞融合の臨床応用に道が拓ければ、これを作成する技術は再生医療における画期的なイノベーションの1つとなり得るのではないかと期待されるとしている。
ただし、融合細胞の細胞生物学的検討を深化させて、すい島機能維持の機構や腫瘍形成などの危険性を評価する研究が必要としており、ブタなど大型の動物でも今回と同様の検討を行った後に、将来の臨床応用に向けた研究を展開したいと考えているとしている。

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長時間座っていることは喫煙並にあなたの寿命を縮める

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by sciencesque

座りすぎが死につながる症候群セデンタリー・デス・シンドロームは2002年にアメリカ大統領の諮問委員会によって作られた言葉ですが、糖尿病、肥満、心血管系の疾患などを引き起こす「座りすぎ」の害は、喫煙並であるそうです。

Don’t just sit there. Really. – latimes.com

http://www.latimes.com/health/la-he-dont-sit-20130525,0,3673157.story

人類はもともと歩くように設計されており、事実数千年の間よく歩いてきました。しかし、近年においてはそうではなく、調査によると、アメリカ人の多くは目覚めている時間の半分以上を座って過ごし、体に負担をかけているようです。一見快適に見える「座る」という行為ですが、座り続けることによって人の体には血行不良や体の痛みなどが生じています。

座っている時、私たちはあまりエネルギーを必要としません。これは疑いようのない事実ですが、言い換えると「座っている時、私たちはあまりカロリーを燃焼しない」ということ。つまり、太りやすいのです。デスクワークをしている人は1日に300kcalしか消費しない一方で、肉体的な仕事を行う人は2300kcalも消費。この件に関してメイヨー医大大学院の内分泌学者James Levineさんは「肥満率を増加させたのはイスかナイフか」と2012年に公開された記事の中で書いています。

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by Nancy Ward

朝から晩まで一生懸命に働くことはあなたの昇進のチャンスを増やしていますが、しかし糖尿病や心臓病、短命になる機会も増やしています。2012年の11月に発行されたDiabetologia誌では約80万人の患者について調べた18の研究結果を分析したところ、最もイスに座る時間が長かった患者は最もイスに座る時間が短かかった患者に比べて糖尿病のリスクが112%高く、心血管系の疾患は147%、心血管疾患を理由とした死因は90%、原因を特定しなかった場合の致死率は49%高かったそうです。

これまで喫煙癖は致死率を高め健康を損なうものの代名詞となっていましたが、「座っていること」は喫煙癖と置き換わる新たな習慣であると研究者であり内科医のAnup Kanodiaさんは指摘します。2012年10月に発行されたBritish Journal of Sports Medicineで公開された内容によると、タバコ1本を吸うことで喫煙者は寿命を11分短くしているのですが、1時間テレビを座って見ていることは、当人の寿命を22分縮めているそうです。これは座ることでカロリーを燃焼しないだけでなく、体内で悪玉コレストロールを体に害のないものに変えるリポ蛋白リパーゼと呼ばれる酵素の生産を抑えてしまうのが原因とのこと。また、肥満や心臓病・糖尿病を起こしやすくするインスリン抵抗性とも結びつきます。

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by Nattu

それでは座って作業をしている分エクササイズを行えばいいのでしょうか?

2008年に発行されたDiabetes誌によると、例えば1日中座って作業する代わりに毎朝100回の腹筋を行ったとしても、問題は解決しないそうです。一度の運動でカロリーを燃焼しても、効果は長く続かず、リパーゼの生成について言えば1時間以内に90%もダウンします。

そこで、David Kahlさんは「アクティブ・シッティング」という方法を提案しています。これは座りながらの作業を行っている人でも歩く量を増やすというもの。単純なことですが、2012年の調査では20分ごとに2分間歩くだけでもグルコースの代謝を良くすることが可能という結果が出ました。Levineさんは「イスは私たちを殺そうとしています」と語っています。デスクワークでは姿勢が悪くなっていることを意識しつつも歩く時間を作れない、ということも多いのですが、歩きながら会合したり、あるいは立っているだけでも長時間座っていることの弊害を減らすことができるそうです。

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by Gianluca

看護師の書いた糖尿闘病記
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一緒くたでないスタチンの糖尿病リスク
カナダ・後ろ向き研究

 JUPITER※1でスタチンの服用により糖尿病の発症リスクが増加したことが報告され,同薬のリスクと心血管疾患イベント抑制のベネフィットをめぐる報告が散見されるようになった。一方,WOSCOPS※2ではスタチンの服用により糖尿病のリスクは減少している。そのような中,今回,カナダ・トロント総合病院のAleesa A. Carter氏らが報告したのは,同じスタチンでも糖尿病発症リスクに差があるというものだ(BMJ 2013; 346: f2610)。高齢の新規スタチン投与例で糖尿病未発症例を対象にした後ろ向き研究から得られた。

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亜麻の実、フラックスシードは糖尿病フレンドリー

フラックスシードが欧米で人気急上昇

日本ではまだ、あまりその地位を確立していないフラックスシード。亜麻という植物の種で、もったいないことに(?)日本ではペットフードなどに使われていたそうです。

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(亜麻の花 Wikiコモンズより)
このフラックスシードは、オメガ3を天然に含み、オリーブオイルやアボカドのように、身体の老化や酸化を防ぐとされています。海外の研究によれば、特に糖尿病の人にお勧めしたいとのこと。

血糖値を下げて、インスリンへの感受性をアップ??

フラックスシードの糖尿病に対する効果を試すのに、25人を3つのグループに分けて、それぞれが1日0グラム、13グラム、26グラムのフラックスシードを12週間摂ってもらいました。

すると、13グラム摂った人では、血糖を下げる働きのあるインスリンの量が低下しているにもかかわらず、血糖値が開始前よりも低くなりました。このことから、フラックスシードの成分が、血糖値を下げ、同時にインスリンに対する感受性を高めるのではないかと解釈されました。

この調査は対象が25人と少ないこともあり、治療として用いられるレベルではありませんが、ちょっとした間食と置き換えるなどで、安心して口にすることができそうです。なじみのない食品ですが、クッキーやパンに入れるレシピが多いようです。

ただし、調査でも、13グラム摂った人では効果が見られましたが、26グラム摂った人では目立った効果が見られなかったため、食べれば食べるだけ効果があるものではありません。あくまでも、かかりつけの医師からアドバイスされている食事療法の範囲で取り入れるようにしましょう。(唐土 ミツル)

▼外部リンク

Daily flaxseed consumption improves glycemic control in obese men and women with pre-diabetes: a randomized study
http://www.sciencedirect.com/science/article/

フラックスシードhttps://ja.wikipedia.org/wiki/アマ_(植物)

クックパッド;フラックスシード
http://cookpad.com/search/フラックスシード

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九大、糖尿病抑える天然還元水の評価法を開発

 【福岡】九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門の白畑實隆教授は、日田天領水(大分県日田市)との共同研究で、糖尿病を抑制する効果を持つ天然還元水の機能評価法を開発したと発表した。従来のインスリン測定法に比べて、測定コストは10分の1、時間は9分の1となる。

 天然還元水である日田市の地下水・日田天領水と独ノルデナウ水のほか超純水、市販のナチュラルミネラルウオーターをそれぞれ用いて評価。ハムスターの膵臓(すいぞう)β細胞内でインスリンを分泌するアデノシン三リン酸(ATP)物質の増加を指標にして抗糖尿病効果を調べた。

 測定では2種類の天然還元水が細胞内の活性酸素を消去する効果やインスリン分泌と細胞内のATP量の増強効果を示した。天然還元水はがん予防などへの利用も期待されており、白畑教授は「日本の機能水を新産業として発信したい」としている。

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牛豚食べ過ぎ 男性の糖尿病リスク4割高まる
2013.5.26

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 牛肉や豚肉を1日当たり83グラム前後と多く食べる男性は15グラム前後と少ししか食べない男性より、糖尿病になるリスクが42%高くなるとの研究結果を、国立国際医療研究センターと国立がん研究センターのチームが21日発表した。女性ではリスクの増加は見られなかった。チームは、1990年代後半に全国の11保健所管内に住んでいた45~75歳の男女約6万4千人を平均で5年間追跡。その間に約1200人が糖尿病と診断された。

 開始時に行った食事に関するアンケートを基に、肉の推定摂取量で4グループに分類。糖尿病に関連する他の要因を除いて解析すると、男性で1日当たりの牛豚肉の摂取量の中央値が83グラムと最も多いグループは、15グラムと最も少ないグループに比べて発症リスクが42%高かった。

 結果をまとめた国際医療研究センターの黒谷佳代上級研究員は「牛肉や豚肉を多く食べている人は、一部を鳥や魚に置き換えてみてはどうか」と話している。

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糖尿病、無呼吸は隠れ生活習慣病

 普段の生活習慣が発症や進行に関係する生活習慣病。日本人の多くが、生活習慣病が原因で亡くなっているという。そこで、同病の研究・治療を行う横田雅史院長に話を聞いた。

 「生活習慣病は食生活や運動習慣の他、休養、喫煙、飲酒、ストレスなどが原因です。また、糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満、脳卒中、腎臓病も含まれます。しかし、糖尿病や高血圧、高脂血症は自覚症状が出にくいため放置されてしまいがちです。結果、動脈硬化や心疾患の原因になります」と横田院長。

 糖尿病は40歳以上の7人に1人が該当するといわれる。10年以上放置すると最悪の場合、失明に至る網膜症や脳梗塞、心筋梗塞など様々な合併症を引き起こす可能性が高くなる。

いびき・無呼吸症候群は糖尿病を悪化させる原因に

 「いびき・睡眠時無呼吸症候群も広い意味での生活習慣病に含まれます」。無呼吸は高血圧の発症や、糖尿病・腎臓病を悪化させる悪循環を招くため、積極的な治療が必要となる。「ご自身やご家族のいびき・無呼吸に気づいたら、早めの受診をお勧めします」

 生活習慣の改善を含め、心当たりのある人は専門医の診断を受けてみては。

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糖尿病患者のうつ病合併は重篤な低血糖のリスクに
5年間で緊急受診・入院が34%増加

 糖尿病患者の低血糖発症には,心理社会的,臨床的要因が関連するとされるが,うつ病と重篤な低血糖エピソードの関連を調べた研究はほとんどなかった。米・ワシントン大学のWayne J. Katon氏らは,糖尿病患者4,117人を5年間追跡。ベースラインでうつ病がある場合,ない場合と比べて,緊急受診・入院を必要とする重篤な低血糖が34%増加しており,発症までの期間も短かったことを明らかにした(Ann Fam Med 2013; 11: 245-250)。

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高い専門性で糖尿病を治療 早期インスリン投与の誤解に警鐘

 小田急線・愛甲石田駅前に今月開業した「すずき糖尿病内科クリニック」(神奈川県厚木市)は、名前通り、糖尿病治療専門の診療所。院長の鈴木大輔医師は、長年にわたり東海大学医学部付属病院で糖尿病治療の最前線に立ってきた専門医だ。

 日本糖尿病療養指導士という有資格者のスタッフ5人を擁しての船出。糖尿病治療における専門性の高さに自信を持つ。

 「糖尿病治療は日々進化しているのに、多くの医師はその進化に付いていけていない」と警鐘を鳴らす。

 その一例を挙げてくれた。鈴木医師が学生時代、毎食前と睡眠前の1日4回インスリンを注射する「インスリン強化療法」は、他に治療法がない糖尿病患者にのみ行う最後の手段-という考えだった。

 だが、その後の研究で、「早期でインスリンを投与することで膵臓(すいぞう)機能が回復し、いずれインスリン投与を離脱できる可能性もある」とわかってきた。

 しかし、糖尿病専門医が早期患者にインスリン投与を勧めると、怖がって拒絶するケースが少なくない。

 「今でも、『これ以上悪化したらインスリンだ』と、脅し文句として使う“専門ではない医者”が少なくない。この状況が、患者の誤解を助長しているんです」

 専門医の正しい指導の下で、的確な治療を確実に実践すれば、たとえ糖尿病患者でも生活の質を維持して長寿を全うできると、鈴木医師はいう。それだけに、診療に当たる医師には“高い専門性”が求められる。

 神奈川の県央部に誕生した糖尿病治療の最前線。指揮を執る鈴木医師にかかる地域の期待の大きさは、計り知れない。 (長田昭二)

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ノンカロリー飲料で肥満がすすむ? ダイエット飲料の甘い罠

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ここ数年でノンカロリー飲料のラインナップは大いに増えている。コンビ二やドラッグストアでもウェイトコントロールに役立つ商品として大々的に販売しており、消費者もノンカロリー飲料にはおおむね肯定的な姿勢をもっているようだ。ところが、ダイエットに役立ちそうなノンカロリー飲料を飲むことによって糖尿病になるリスクが高まるという研究がある。ここでは、ノンカロリー飲料を飲むことによって糖尿病になるリスクが高まるという研究結果を発表した金沢医科大学の桜井勝准教授の説を紹介していきたい。
 
ノンカロリー飲料を飲むと糖尿病になるリスクが1.7倍?
桜井准教授の行った研究は富山県の工場に勤務する35~55歳の男性2037人を対象に、ノンカロリー飲料を飲むペースや量を2003年の健康診断から毎年継続してヒアリングしたものである。その結果、2010年までに170人が生活習慣が原因で発症する2型糖尿病になった。そして、糖尿病になった人たちの生活習慣を詳しく調べたところノンカロリー飲料を週に1回飲む人の方が、ほとんど飲まない人に比べて2型糖尿病を発症するリスクが1.7倍になるという結果が報告された。
 
なぜ、ノンカロリー飲料を週に1回以上飲むと糖尿病のリスクが高まるのか?
ノンカロリー飲料の継続摂取によって糖尿病のリスクが高まる背景について桜井准教授は(1)ノンカロリー飲料を飲むことによってカロリーを減らした気分になり、躊躇(ちゅうちょ)せず食べすぎてしまっている可能性がある、(2)清涼飲料に含まれる人工甘味料が甘いものへの食欲を増進させている可能性がある、という2つの仮説を挙げている。
 
ノンカロリー飲料自体にはカロリーがないので、単品で摂取する分には肥満の引き金にはならないのかもしれない。しかし、ノンカロリー飲料は「カロリーゼロだからちょっとくらい食べる量を増やしても大丈夫」「カロリーが無いから少しくらい甘いものを食べても大丈夫」という、肥満につながるメンタルを形成する危険性が他の飲料に比べて高いだろう。ウェイトコントロールをするために選んだ飲料で体重が増加しては元も子もない。皆様にはくれぐれも上手にノンカロリー飲料を利用していただきたい。

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《ゆがんで見える》 加齢で障害、糖尿病の場合も

【佐藤建仁】 片方の目を塞いで、障子の桟やカレンダーのマス目など、格子状の線を見てみましょう。「中心部がゆがんで見える」という症状はありませんか。もしかすると、視力低下や失明につながる目の病気が原因かもしれません。

 

 最も典型的なのが「加齢黄斑(おうはん)変性」。網膜の中心にある黄斑部に、加齢によって障害が起きる病気だ。50歳以上の約80人に1人が発症しているという。患者は社会の高齢化に伴って増えている。

 黄斑部には視細胞が集まっている。日本人に多い「滲出(しんしゅつ)型」は、新生血管という非常にもろい血管が黄斑部にでき、出血やむくみを起こす。その結果、視野がゆがんだり、見ようとしている部分が暗くなったりする。別のタイプの「萎縮型」は、網膜の一番外側にある網膜色素上皮などが萎縮する。

 滲出型は進行すると、視力を矯正しても文字が読みにくくなる「社会的失明」になることもある。

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