糖尿病患う父思い 糖質カット麺 苫小牧「味の大王」中江店長開発

 【苫小牧】苫小牧のラーメン店「味の大王」総本店(植苗)の中江友紀店長(30)が、市内の製麺業者と共同で糖質を3割カットした麺を開発、独自メニューとして提供を始めた。「糖尿病に悩む父親にもラーメンを食べてほしい」という思いを込めた。

 中江店長の父親は、道内を代表する彫刻家として知られる釧路の中江紀洋さん(69)。20年ほど前から糖尿病を患っているといい、中江店長は「一緒にレストランに行っても『食べられるものがないなあ』と肩を落とす父がかわいそうだった」という。8年前からラーメン店で働き始め、「父が安心して食べられるラーメンを作りたい」と考えていた。

 1年ほど前、小麦の代わりに大豆を使った糖質オフの麺があることを知り購入。しかし「パサパサしておいしくない」と感じ、苫小牧の製麺業者「こんの」(今野将秀社長)と独自に開発を始めた。

 苦労したのは小麦と大豆の配分。大豆が多いと糖質は減るが、麺のもっちり感が失われる。大豆独特の匂いを減らすのも課題だった。試作を重ねて最適な配分を見つけ、小麦も外国産からもっちり感が高い道産に変更。また、冷やすと大豆の匂いが薄まることが分かり、つけ麺にした。

 完成したメニューは「濃厚塩・大豆つけ麺」。みそ味などに比べ低カロリーの塩味で、肉は使わず大豆をトッピング、野菜を400グラム乗せた。長く温かく食べられるよう、熱した石鍋にスープを入れるなど工夫を重ねた。

 今野社長(48)は「糖質オフのビールなどもあり、健康を気にする人が多く、需要はあるはず」と期待する。

 中江店長は釧路に帰る機会がなく、まだ父親に食べてはもらっていないが、「今後もお客さんの反応を見ながら改良を重ね、将来は糖質ゼロを目指したい」と話している。

 「濃厚塩・大豆つけ麺」は980円で、「味の大王」総本店でのみ提供。問い合わせは同店(電)0144・58・3333へ。(松本悌一)

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糖尿病患者は認知症になりやすい? 通常の約2.5倍

 近年の研究で、糖尿病患者は認知症のひとつであるアルツハイマー病にかかりやすいということが分かってきた。世界からもさまざまな研究が報告されているという。

 東京都健康長寿医療センター内科総括部長の荒木厚医師が、ある海外の論文を見せてくれた。世界中から報告された16の論文をまとめ、解析し直したものだ。5千人の糖尿病患者と3万6千人の非糖尿病患者を比較している。

「この解析で、糖尿病の患者さんはそうでない人の2.48倍アルツハイマー病にかかりやすいことが明らかになりました。脳血管性認知症は1.46 倍。いずれにしても糖尿病になると認知症を発症しやすいということです」(荒木医師)

 日本の代表的な疫学調査に「久山町研究」がある。福岡県糟屋(かすや)郡久山町の住民を対象にした調査だが、やはり糖尿病があると、そうでない人の2.05倍アルツハイマー病にかかりやすいという結果が出ている。

 この研究では、研究開始から10~15年の間に亡くなった135人の脳の状態を調べている。その結果を、あらかじめ調べてあった町民の血糖値やインスリンの血中濃度などと照らし合わせると、「2時間後血糖値」(空腹時にブドウ糖溶液を飲み、2時間後に測った血糖値)が高い人や、「インスリン抵抗性」が強い(インスリンの働きが弱い)人ほど、アルツハイマー病で見られる異常なタンパクによる「老人斑」が形成されていた。

「インスリン抵抗性は糖尿病になる前、糖尿病“予備軍”の段階から発生しています。糖尿病になっていないから安心なのではなく、予備軍と指摘された時点で注意が必要です」(同)

 日本の糖尿病人口は約270万人。予備軍を含めると、国民の4人に1人にもなる。その人たちがみな「アルツハイマー病予備軍」でもあるわけだ。

「ところが、糖尿病やインスリン抵抗性がアルツハイマー病の危険因子であることを知らない人が多い」と明かすのは、大阪大学医学部付属病院老年・高血圧内科医学部講師の竹屋泰医師。同科では、「もの忘れ入院」や「もの忘れ外来」を開設し、これまでに2000人以上が利用している。受診者にはもの忘れ度を測る一般的な認知機能検査だけでなく、血糖値や脂質代謝異常などの検査もあわせて実施している。

「検査の結果、糖尿病やその予備軍に当てはまる人には、アルツハイマー病のリスクが高まることを説明しています。この話をすると、ほとんどの方が驚き、表情を曇らせます」(竹屋医師)

※週刊朝日  2013年9月27日号

    

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【現場の風】糖尿病治療には早期投与が効果的
2013.9.26

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安藤友彦さん【拡大】

 □サノフィ インスリンマーケティング部部長・安藤友彦さん(42)

 --調査・研究にあたっている糖尿病の現況は

 「日本人の患者は予備軍を含めて推定2000万人といわれている。そのうち治療しているのが約800万人。視力が極度に低下するといった合併症の症状が表れ、治療のきっかけになることが多い」

 --国の健康づくり運動を支援している産業界の「健康日本21推進フォーラム」と共同でまとめた調査内容は

 「糖尿病の治療にはインスリンが効果的で、早い段階での投与が良いということがポイントだ。血糖を下げるインスリンを外部から注入することで、血糖コントロールの改善やモチベーションの向上、生活の質の上昇にもつながる。インスリンの投与で細胞を回復させることが重要で、末期になると回復は難しくなる」

 --調査では糖尿病患者の家族にも焦点を当てた

 「糖尿病の治療は時間がかかり、生活習慣の改善には家族の支援がモチベーションの維持に重要なので、糖尿病患者を抱えたときの家族の行動に関心があった。糖尿病関連の調査で家族の動向を調べた例は過去にない。インスリンの投与で血糖コントロールができるようになると、患者はストレスから解放されて前向きな気持ちになり、家族や夫婦の仲が良くなったという結果も出た。もっと早く使うべきだったという声も多く寄せられた」

 --インスリンの投与には抵抗感がある人も多い

 「一昔前は、末期患者がインスリン注射を使うというイメージが強かった。注射を打つ作業も煩雑だった。今はもっと簡便で、早く投与した方が効果も高い。糖尿病治療には生活習慣の改善や適度な運動も必要だが、インスリン投与や用量調節によって血糖コントロールが改善すれば、あまり制限されずに普通の日常生活を送ることができる。実際にインスリンを投与している人の実態などをもっと広めていく必要がある」

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糖尿病の重症化予防 厚労省、国保・健保を支援

2013/9/24

日本経済新聞 電子版

 厚生労働省は生活習慣病の一つである糖尿病の対策で医療費を減らす。第1弾として来年度から、糖尿病の症状進行を予防する。合計で1000超の国民健康保険(国保)や健康保険組合へ助成し、保険加入者のうちデータに基づき選んだ患者への食事指導などを支援する。糖尿病が重くなりインスリン注射や人工透析といった治療で医療費がかさむのを防ぐ。

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中国で糖尿病人口激増、「警戒水準に」=米医学誌

【大紀元日本9月24日】米医学誌「米国医師会雑誌(JAMA)」に最近掲載された調査結果によると、中国の糖尿病人口が1億人を突破し、世界最大の「糖尿病大国」となった。

 同誌の論文によると、中国の糖尿病有病率は、1980年の1%から2010年の11.6%までに激増し、糖尿病大国アメリカの11.3%を超えた。もっとも憂慮すべきことは、中国には血糖値異常の糖尿病予備軍が、3.9億人以上(成人2人に1人)もいる可能性がある。

 中国の糖尿病専門家・紀立農氏の話では、毎年糖尿病予備軍の6~7%(約3千万)の人が、糖尿病を発症していると推定されているという。このペースで計算すると、中国の糖尿病人口は、すでに1.3億人を超えてしまっている。2010年「ニュー・イングランド・ジャーナル」の医学誌(NEJM))に発表された論文は、中国の糖尿病人口は2030年までに1.3億人に達すると予測している。

 糖尿病人口が中国で激増した最大の要因は、アジア人の遺伝的な性質と生活環境の激変である。西洋人の基準の体重指標が「標準」範囲内でも、アジア人なら糖尿病の発症率がより高くなる傾向がある。

 中国では近年、経済成長に伴って食習慣とライフスタイルが大幅に変化してきた。今は、人口の半数以上が都市部に生活していて(1980年には20%)、そして、人口の9%が65歳以上(1982年には5%)である。人々の食生活が急速に高カロリー、高脂肪、高塩分の傾向にある一方、運動不足やストレスの多い生活に変わってきた。中国疾病対策センター(CDC)が行った調査によると、中国人の毎日の食塩平均摂取量は10.6g(WHOの推奨量は5gまで/日)である。また、18歳以上の中で、12%の人だけが定期的に運動をしていて、32%の人が太りすぎで、12%の人が肥満である。

 糖尿病人口の激増に対して、行政が十分な予防対策等を立てていないことも大きな問題である。NEJMの調査によると、中国の現行の医療補償制度では、多くの地域において、糖尿病のスクリーニングと院外サービスは補償対象外となっているため、6割の自覚症状のない有病者が病気になっても気付かないままである。現状では、相当数の人達が早期治療の時期を逸しており、病状がかなり進行してやっと治療を受けるようになっている。

 世界保健機関(WHO)によると、中国政府による医療関連支出の80%超が国民の慢性疾患に関連した費用に回されているという。また、WHOによると、第1次予防に向けられているのは2%未満だ。

 JAMAの調査報告書は、「中国の一般国民の糖尿病が警戒水準に達している可能性があり、効果的な国を挙げての予防策なしには、近い将来に同国で循環器疾患や脳卒中、慢性腎疾患などの糖尿病関連の合併症がまん延しかねない」と警鐘を鳴らしている。

(翻訳編集・単馨)

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糖尿病の原因の1つに亜鉛の分泌量不足の可能性が浮上 – 順天堂大など

順天堂大学は9月19日、理化学研究所、杏林大学、慶應義塾大学との共同研究により、マウスおよびヒトを用いた研究結果から、インスリンと共に「膵β細胞」から分泌される亜鉛が肝臓でのインスリン分解を抑制することで、肝臓を通り抜けて全身に向かうインスリン量を十分に確保する新しい仕組みがあることを発見したと発表した。

成果は、順天堂大大学院 医学研究科・代謝内分泌内科学の藤谷与士夫准教授、同・綿田裕孝教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、米科学誌「Journal of Clinical Investigation」9月24日号に掲載される予定だ。

糖尿病患者では尿中の亜鉛排泄量が増えるなど、体内の亜鉛が失われる傾向にあることから、亜鉛不足が糖尿病発症リスクを高め、亜鉛の摂取が糖尿病に効くといった説が広がっているが、その科学的根拠は実は明らかではない。近年、膵β細胞のインスリン分泌顆粒内に亜鉛を汲み入れる「亜鉛トランスポーター(ZnT8)」のヒトの遺伝子の「一塩基多型」により、その機能が低下すると糖尿病の発症リスクが高まることがゲノム相関解析より報告された。

しかし、これまでいくつもの研究チームがZnT8の機能低下がなぜ糖尿病に結びつくのかを調べてきたが、どのチームもその理由をうまく説明することができていない。そこで、藤谷准教授と綿田教授の研究チームは今回、生体内の亜鉛の流れに着目し、今回の実験を実施した。

研究チームは、インスリンと共に蓄えられている亜鉛にどのような役割があるのか、ZnT8の機能が悪くなると、なぜ糖尿病のリスクが高まるのかについて調べた。まず、膵β細胞でZnT8を欠損するマウスが作製された。すると、このマウスではインスリン分泌顆粒内の亜鉛が枯渇するために、正常なインスリン結晶構造が作られず、また糖を与えると軽い耐糖能異常を示し、その時の末梢血中のインスリン濃度は正常マウスに比べて低い値を示すことが確認されたのである。

そこで、膵β細胞からのインスリン分泌を直接調べたところ、予想に反して、正常マウスよりも約2倍のインスリン分泌の上昇が認められた。さらにZnT8を欠損させたマウスの詳細な調査が行われ、膵β細胞からのインスリン分泌はむしろ高まっているのに、同時に亜鉛が分泌されないために、肝臓で過剰にインスリンが分解されてしまい、その結果、筋肉などの末梢組織に届く全身のインスリン量が減少することが判明した。

一方、正常なマウスでは、インスリンと共に分泌される亜鉛が門脈を介して肝臓へ流れ込む、いわゆる「亜鉛の流れ」があり、亜鉛の存在が肝細胞へのインスリンの取り込みと分解を抑え、末梢でのインスリン量を保つ新たなメカニズムの存在が明らかとなったのである。

ヒトにおいてZnT8遺伝子は一塩基多型により2つのタイプがあり、その内、機能が弱いほうのタイプを有するヒトでは、マウスと同様に肝臓でのインスリンの分解が亢進し、全身に送られる末梢血中のインスリン濃度が低くなってしまう。それゆえ、正常な人たちと同じ程度のインスリン量を保つためには、膵β細胞がより多くのインスリンを分泌する必要があることがわかったのである。すなわち、遺伝子変異による亜鉛の分泌量の低下が、インスリンを分泌する膵β細胞に慢性的に過剰な負荷をかけ、2型糖尿病のリスクを高めている可能性があるというわけだ。

これまで糖尿病の原因は、「膵β細胞からのインスリン分泌の低下」と「末梢組織でのインスリン感受性の低下」により説明されていたが、今回の研究により「亜鉛分泌が少ないことによって起こる肝臓におけるインスリン代謝の亢進」も糖尿病発症に関わることが明らかにされた。インスリンを無駄なく全身で働かせることができるように、膵β細胞での亜鉛トランスポーターの働きを高める薬の開発などをできれば、糖尿病の新しい治療法に大きく貢献する可能性があるとしている。

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ZnT8タンパク質は正常なインスリン濃度を保つために必要

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第17回コーヒーサイエンスセミナーを開催、コーヒーの抗糖尿病作用および抗肥満成分の効果を発表

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 全日本コーヒー協会は、コーヒーに関する理解を深めてもらうことを目的に、またコーヒーに関する知識の啓発普及を目的として、コーヒーサイエンスセミナーを例年開催している。今年は9月6日に、コーヒーと成分に関するテーマの2つの講演を実施。東京大学大学院 農学生命科学編休暇 博士課程在学中の高橋祥子先生が、コーヒーポリフェノールの抗肥満と抗糖尿病効果について発表した他、名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授の堀尾文彦先生が、コーヒーの抗糖尿病作用に関する研究成果を発表した。


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 「当協会では、コーヒーをもっと多くの人に楽しんでもらいたいとの思いから、10月1日を“コーヒーの日”と定め、認知拡大に務めるとともに、コーヒーの効果効能についてアピールしている」と、全日本コーヒー協会 広報・消費振興委員会の熊谷和宏委員長が挨拶。「コーヒーはホッとしたいときや、癒しを得たいときに楽しむ飲料として知られている。そんなコーヒーには、学術的にも健康に寄与することが明らかとなっている」と、コーヒーは私たちの健康にプラスに作用する効果が期待できるとのこと。「今回コーヒーサイエンスセミナーという機会を設けて、コーヒーの健康機能を伝えていきたいと考えている」と、コーヒーの健康効果について広く知らしめたい考えを示した。

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 続いて、神奈川工科大学応用バイオ科学部栄養生命科学科の石川俊次先生が挨拶した。「コーヒーには発がんの抑制や糖尿病発症機能の抑制などが明らかになりつつある。今回のセミナーでは、この抗糖尿病作用について深く学んでもらいたい」と、コーヒーの新たな知見について学習してほしいと話していた。

 そして、岐阜大学大学院医学系研究科 疫学・予防医学 教授の永田知里先生が「コーヒー摂取と糖尿病発症に関する疫学研究からの知見」と題した講演を行った。「エビデンスは、無作為臨床試験によって得られるものが高いとされている。しかし、規模や予算面などから疫学的に観察する手法を用いてエビデンスを得る手法がある」と、エビデンスを得る方法にはいくつかの種類があるという。「今回、コーヒーの抗糖尿病作用のエビデンスを疫学的に研究するのに用いた手法はコホート研究と呼ばれるもの。これは長期間データを蓄積し、リスクを算出していく研究となっている」と、研究方法について解説してくれた。「研究では、コーヒーの摂取量の他に、影響を及ぼす可能性がある飲み物の摂取量についても聞いている」と、蓄積すべきデータの内容について言及してくれた。

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 「このコホート研究の結果、1日に6杯以上コーヒーを飲んでいる人は糖尿病のリスクが低減することがわかった」と、米国で行われたコホート研究を紹介。「いくつかのコホート研究が集まったところで、メタアナリシスという手法を用いる。これは、いままでの研究の平均を導くものとして行われる」と、メタアナリシスについて説明してくれた。「メタアナリシスの結果、コーヒー摂取と糖尿病リスクについては、コーヒー1杯につき7%のリスク減少につながることがわかった。カフェイン抜きコーヒーもリスクが抑えられることもわかった。一方、お茶はコーヒーほどのリスク低減を示さなかった」と、カフェインあり、なしに関わらず、コーヒーには糖尿病リスク低減が期待できることが明らかとなった。「次の課題としては、糖尿病リスクを低減するメカニズムについて研究すること。この点については現在進行形で研究がなされている」と、原因の解明に取り組む研究がなされていると話していた。


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 次に、東京大学大学院 農学生命科学編休暇 博士課程在学中の高橋祥子先生が「コーヒーとポリフェノールの抗肥満、抗糖尿病効果の作用機序に関する系統的検討」について発表した。「当研究室では、ニュートリゲノミクスにおける網羅的解析を行っている。網羅的に見ることで、相対的な分子を発見することができる」と、研究方法について解説。「生活に溶け込んだコーヒーが糖尿病抑制に何らかの影響を与えるのではないかと考えられる中、そのメカニズムについてはいまだに不明であることから、今回、オミクス解析を用いて、生体応答を網羅的に把握し、さらに培養試験を行った」と、研究の背景とその手法について説明してくれた。

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 「マウスによる試験では、普通食を与えたマウス、高脂肪食を与えたマウス、高脂肪食プラス通常のコーヒーを与えたマウス、高脂肪食プラスカフェインレスコーヒーを与えたマウス、高脂肪食プラス未焙煎コーヒーを与えたマウスに分類し観察した。その結果、コーヒーを摂取していたマウスでは、体重が抑制されていた。脂肪重量についても抑制されていることがわかった」と、抗肥満作用が見られたとのこと。「肝臓の中性脂肪も同様だった。また、インスリン感受性を見た結果、コーヒー摂取したマウスでは、抵抗性が緩和されていた」と、糖尿病抑制効果についても確認することができた。


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 「これらの現象を網羅的に解説するべく、トランスクリプトミクス解析という方法で分析した。この解析法は、たくさんの遺伝子の発現をみることができる。その結果、コーヒー摂取することによって、高脂肪食が遺伝子発現し、プロファイルに与える影響を緩和する方向に遺伝子変動が引き起こされることがわかった」とのこと。「高脂肪食による影響では、これらの遺伝子群で発現。コーヒー摂取で発現量は減少していた」と、高脂肪食によって発現した遺伝子は、コーヒーの摂取によって、その量が抑制されることがわかった。「さらに、コーヒー摂取によってTCA回路に関わるたんぱく質が上昇していた。コーヒーによってTCA回路が促進されていることがわかった」と説明。「コーヒー群の中でも、とくに、GC摂取による代謝物変動への影響を与えていることがわかった。そして、GC摂取によって尿素回路に関連する代謝物の増加がみられた」と、尿素はエネルギーの消費に影響を及ぼすと述べていた。「コーヒー摂取群に、HFGC群において尿素回路が活性化されている可能性が示された。コーヒー摂取に対する生体応答の全体が見えることによって、統合解析から立体的な現象を示すことができた」と、今回の研究の成果をまとめていた。

 「培養試験では、ヒト肝臓由来の細胞を用いて分子レベルの検討を行った。ミトコンドリア活性測定では、コーヒーでミトコンドリアの活性が上昇した。クロロゲン酸はミトコンドリアのみ上昇させていた」とのこと。「クロロゲン酸でTCA回路の酵素の活性が上がることが確認できた」と研究結果を発表した。「iTRAQ法で網羅的に解析した結果、クロロゲン酸によって変動したたんぱく質を見ると、解糖系酵素とミトコンドリア酵素に変動があった」と、クロロゲン酸がある影響で、TCAサイクルの活性が上がり、エネルギー産生が上がると示唆していた。


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 2つ目の研究として、名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授の堀尾文彦先生が、「モデル動物を用いたコーヒーの抗糖尿病作用の解析」について発表した。「インスリン分泌不全とインスリン抵抗性が複雑に組み合わさることによって、2型糖尿病は発症する。そこで、2型糖尿病自然発症モデルマウスで実験を行った結果、コーヒーは高血糖発症抑制作用を発揮することが示された。また、コーヒーがインスリン感受性を改善することによって、高血糖発症抑制作用を発揮することが示された」と、実験データを用いて説明していた。「コーヒーの抗糖尿病作用機構の検討を行ったところ、脂肪肝も改善することがわかった。以上の点から、コーヒー摂取によって、脂肪組織では、炎症性サイトカインの発現低下および血中濃度の低下がみられ、肝臓では、脂肪肝の改善が見られた。これがインスリン抵抗性の改善につながり、高血糖発症を抑制しているものとみられる」との見解を示していた。

 「2型糖尿病自然発症モデルマウスにおいて、骨格筋と肝臓におけるインスリンによるAktのリン酸化は、コーヒー摂取によって促進された。つまり、コーヒー摂取は骨格筋と肝臓におけるインスリンの作用を増進させることが示唆された」と、実験結果をまとめていた。「また、コーヒーおよびカフェインの摂取は、高脂肪食誘導性2型糖尿病の耐糖能(糖代謝能)を向上させた。そして、インスリン抵抗性を改善した。つまり、インスリン作用を向上させた」と、2型糖尿病自然発症モデルマウスでみられた結果と同様であると解説していた。

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 「膵臓ランゲルハンス氏島(ラ氏島)β細胞の健常性を高め、ストレプトゾトシン(STZ)に対する抵抗性を高めることができれば、1型糖尿病の発症の防御にもつながる。さらに、2型糖尿病の発症をも抑制できる可能性があるとの考えから、コーヒー、デカフェコーヒー、カフェイン摂取が膵臓ラ氏島β細胞保護作用を発揮して、スプレプトシン誘発性糖尿病を抑制する可能性について検討した」と、1型糖尿病抑制についての研究も行ったとのこと。「コーヒー摂取は、STZ投与に対してラ氏島β細胞保護作用を示し、STZ誘発性糖尿病の発症を抑制した。カフェイン以外のコーヒー成分が、ラ氏島β細胞保護において有効である可能性が示された」と、研究結果をまとめていた。

全日本コーヒー協会=http://ajca.or.jp/

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ヘルシーリポート:コーヒーが糖尿病の発症抑制



毎日新聞 2013年09月23日 東京朝刊

 コーヒーを習慣的に飲むことと健康への影響に関する研究成果の発表会(全日本コーヒー協会主催)が6日、東京都内で開かれた。名古屋大大学院の堀尾文彦教授と東京大大学院の高橋祥子さんが、コーヒーが糖尿病の発症を抑える作用を持つことなどについて発表した。【佐藤浩】

 堀尾教授は、我が国の糖尿病の9割以上を占める「2型糖尿病」について、コーヒーの発症抑制作用を検証した。2型糖尿病を自然発症するマウスを、ブラックコーヒーを与える群と、水を与える群(対照群)に分け、5週間後の状態を比べたところ、コーヒーを与えた群のマウスの血糖値は、対照群に比べて明確に低い値を示した。

 マウスを絶食させて血糖値を下げるインスリンの注射をしたところ、コーヒーを与えた群は血糖値がより低下し、インスリンの効き目が向上していることが分かった。この実験から、コーヒーが、高血糖の発症を抑制する作用を持つ仕組みの一面が明らかになった。

 マウスの肝臓の中性脂肪の量も、コーヒーを与えた群が対照群に比べて低く、脂肪肝が改善されていた。コーヒーを摂取すると、肝臓での脂肪酸の合成を低下させ、脂肪肝の形成を抑制することが推測できた。

 コーヒーの主要成分のうちカフェインの効果も検討した。カフェイン溶液を与えるマウスの群と、水を与えるマウスの群を比べた結果、カフェイン群の血糖値は、コーヒー群と同様に低かった。

 別のタイプのマウスに脂肪の多い食事(高脂肪食)を与えることで2型糖尿病を誘発させる実験もした。

 高脂肪食に加え▽水を与える群▽コーヒーを与える群▽カフェインを与える群−−の三つのグループに分け、17週間後に比較したところ、血糖値は三つの群ともほとんど上がらなかったが、血中インスリン濃度をみると、コーヒーを与えた群は水を与えた群の半分程度。カフェインを与えた群も、水を与えた群の3分の1程度となった。

 高脂肪食を取るとインスリンの効き目が低下するが、コーヒーやカフェインを摂取すれば改善できることが分かった。

     □     □     □

 高橋さんは、マウスを使った実験と、培養細胞実験の結果を発表した。

 マウスを使った実験では(1)普通食を与える(2)高脂肪食を与える(3)コーヒーを添加した高脂肪食を与える−−の群に分け、9週間後を比較した結果、(3)は(2)と比べ、摂取カロリーに差はなかったが、体重の増加や肝臓の中性脂肪量の蓄積が抑えられていた。さらに肝臓の組織を解析すると、コーヒーを摂取することで、高脂肪食が遺伝子の発現に与える影響を緩和する方向に、遺伝子情報が変わっていることも分かった。

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【くらしナビ】 糖尿病「まずインスリン投与を」

 ■負担軽減 家族も患者も生活の質向上

 今や国民病ともいえる糖尿病。治療にあたって、血糖をコントロールするインスリンの投与が患者とその家族の生活の質を向上させることが、「健康日本21推進フォーラム」(東京都中央区)と、糖尿病治療薬の研究開発・販売を行っているサノフィ(同新宿区)が、実施した「糖尿病に関するQOL調査」で分かった。

 調査によると、患者家族の88・9%が患者の糖尿病治療を支援。一方で、家族の43・6%が治療支援にストレスを感じている。治療に関しては「精神的」「金銭的」な負担が大きいという。

 発症すると、インスリンの早期投与と用量調節が有効だが、患者本人は「投与をなるべく先延ばしにしたい」という傾向もみられる。しかし、実際に投与を受けた患者自身は「経口薬よりも確実に血糖コントロールができる」(86・8%)、「合併症の進展を防げる」(79・5%)など高く評価。さらに「食事ストレスの軽減」「気持ちが前向きに明るくなる」「家族仲がよくなる」など生活の質の向上も実感。さらに家族にも、投与による治療が負担になっていないことが明らかになった。

 東京医科大学内科学第三講座の小田原雅人主任教授は、「医師からインスリン導入を勧められても拒否反応を示す患者は多いが、早期投与を検討することは有用。『前向きに治療に向き合ってほしい』という家族の思いを無駄にしてはならない」としている。調査は今年3月、2型糖尿病患者550人とその家族450人にインターネットを通じて行われた。

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朗読の力で元気を!患者が交流
9月18日 15時20分
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同じ病気を患う患者どうしが本の朗読を通じて、交流を図ろうというワークショップが今月末から、東京などで開催されることになりました。
「朗読」には相手との心の距離を縮め、互いを理解するのに役立つ効果があると言うことです。
主催するNPOでは今回、ぜんそくと乳がん、糖尿病の患者をそれぞれ募集し、プロのアナウンサーとともに朗読に挑戦してもらうことにしています。

ぜんそく、乳がん、糖尿病患者対象

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この試みは、がん患者の生活支援などを行っているNPOキャンサーリボンズと元NHKアナウンサーの青木裕子さんが館長を務める「軽井沢朗読館」が主催しています。
ワークショップの規模は各回150人ほど。
ぜんそくと乳がん、糖尿病の患者を対象に、病気ごとに患者やその家族に参加を呼びかけています。

たかが朗読とあなどることなかれ

朗読には意外な効果があると言います。
主催したNPOによりますと、同じ文章を読んでも、一人一人の心のありようが違うので、その声音、目線、醸し出す雰囲気などにそれぞれの人間性がよく表れ、相手に対する理解を深める効果があるということです。
何より、ことばと声の力が、人を元気にしてくれると言うのです。
そこで去年8月、朗読のCDを制作して、患者やその家族などに試しに配ったところ、「自分でも朗読したい」という声が複数寄せられるなど反響があり、今回のワークショップ開催につながりました。
同じ病気で同じような悩みを抱えるであろう患者どうしなら、共感できる部分も多いはず。
朗読を通じて、互いの心の距離が縮まって、充実した交流が図れるのではないかと期待されています。

これからの生き方を考えさせる本の数々

ワークショップでは文芸や童話、ノンフィクションなどさまざまなジャンルから14冊が用意されます。
この中から、それぞれが読みたい本を選んで、本ごとのグループに分かれて順番に朗読し、感想などを話し合うことになっています。
用意される本は、人生の生き方を考えるきっかけになるような作品ばかり。
例えば、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」や、サンテクジュペリの「星の王子様」など王道の名作をはじめ、最近のものでは、サッカーの日本代表キャプテンの長谷部誠さんが明るく前向きな生き方を語って、ベストセラーとなった「心を整える」、何度も困難に見舞われながらあきらめない姿勢が感動を呼んだ小惑星探査機の秘話が書かれた「はやぶさ、そうまでして君は」などの本が入っています。
プロジェクトの代表の岡山慶子さんは「本を朗読して、人に感想を言ってもらうなかで、意外にも、新しい自分を発見できると思うので、ぜひ気軽に参加してほしい」と話しています。

東京、広島、大阪で開催

朗読のワークショップは▽ぜんそく患者を対象にした会が、9月29日(日)に東京都千代田区のサンケイプラザで、▽乳がん患者を対象にした会は10月19日(土)には広島市中区のアンデルセンで、▽糖尿病患者を対象にした会は11月10日に(日)に大阪市北区のブリーゼプラザで開催され、それぞれ、患者の家族も一緒に参加できます。
問い合わせは03-3546-6101、朗読で元気をつなぐプロジェクトA係まで。

看護師の書いた糖尿闘病記
夫の糖尿病と闘い、克服していった生々しい記録。勇気が出ます
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糖尿病患者の認知機能がカルシウムサプリで改善―豪研究

糖尿病治療薬「メトホルミン」では低下傾向

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 オーストラリア・メルボルン大学医歯学健康科学部のEileen M. Moore氏(精神科)らは、2型糖尿病患者の認知機能はカルシウムのサプリメント(栄養補助食品)で改善することを、9月5日発行の米医学誌「Diabetes Care」(電子版)に報告した。一方で、糖尿病治療薬「メトホルミン」では認知機能が低下傾向にあったという。これまでの研究で、メトホルミンにはがんや体重減少などのほか、アルツハイマー病を抑える効果があると示唆されていた。

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「活動量計」で糖尿病予防に好影響…群馬

 群馬県中之条町は2000年から、歩数や運動状況を計測する「活動量計」を使い、町民の健康に関する研究を東京都健康長寿医療センター研究所と共同で行っている。

 糖尿病など生活習慣病の治療効果を高め、あるいは予防することで医療費削減につなげる狙いがあり、実際に効果を上げているという。

 「よく歩いているし、規則正しい生活もできている。このまま続けてください」

 今月5日午後、町役場隣の町保健センターで、町の保健師らが、訪れた町民一人ひとりに活動量計の結果を説明していた。

 町は、希望する町民に活動量計を貸し出し、それぞれの病気や健康状態を考慮して設定した歩数と早歩きの時間を目標に運動してもらう。月に1度、各参加者に対し、町の保健師らが解説付きで分析結果を渡す。

 一般的な糖尿病患者は「1日8000歩、早歩き20分以上」が目標だ。同町西中之条の患者、宮崎貞子さん(73)は、友人の薦めで町保健センターに相談し、活動量計を借りることにした。気軽に始めたが「歩数が見られると、休まず歩きたいという意欲がわく」と話す。毎日1万3000歩を歩き、3年目の今では体重が10キロ・グラムほど減り、血糖値も正常値に近づいているという。

 町保健環境課によると、09年から3年間の5月の国民健康保険医療費を比較すると、活動量計を使った人の医療費は年々減少し、使っていない人の半額程度に抑えられた。11年には、40~65歳で使っていない人より1万7970円安く、70~74歳でも1万2530円安くなった。同課は「今では町民自身が効果を知っていて、生活習慣病予防として、下は20歳代から500人ほどが活用している」と明かす。

 糖尿病に限らず、生活習慣病全体の治療・予防に好影響をもたらす活動量計。同研究所によると、町の取り組みを知ったある県は、県を挙げて導入の準備を進めているという。青柳幸利・運動科学研究室長は「街ぐるみで協力し、継続できる体制ができれば、大きな効果が見込める」と話している。

 「医療ルネサンス前橋フォーラム」は10月11日午後1時~3時半、前橋市南町の市民文化会館で。聴講無料。申し込みは、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、〒371・0026 前橋市大手町3の7の1 読売新聞前橋支局「医療フォーラム」係へ。ファクス(027・232・2262)、メール(maebashi@yomiuri.com)でも可。問い合わせは読売新聞前橋支局(027・232・4311)へ。

(2013年9月17日 読売新聞)

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糖尿病治療 患者会で「楽しみながら向き合う」…群馬

 「なるべく多くのメンバーに参加してもらえればいいんだけど」
 前橋協立病院(群馬県前橋市朝倉町)の糖尿病患者会「コスモス会」会長の小池勝二さん(73)が、スタッフの深津章医師(55)や看護師、管理栄養士らと、毎年秋に日本糖尿病協会県支部が主催するウオーキングイベントについて話し合っていた。
 コスモス会は、このイベントに毎年参加するほか、イチゴ狩りとウオーキングを組み合わせたイベントや、バイキング形式で選んだ総菜について管理栄養士らからアドバイスをもらう食事会、低カロリーの菓子について学ぶ会など様々な行事を企画している。「医療スタッフからアドバイスももらえる。会員同士で悩みを共有しながら活動することが病気の改善にもつながる」と小池さんは説明する。
 小池さん自身、糖尿病患者だ。33歳で発病した当初は、自覚症状もなく仕事に夢中だったが、やがて歯周病で歯が抜けたり、手の指先の感覚がなくなるなど、ひどい合併症に苦しむようになった。働いていると飲酒や不規則な生活で体調管理が難しいと考え、59歳で退職。「長生きしたい」と同病院で治療と食事療法を始めた。
 コスモス会にも積極的に参加して適度な運動や情報交換の機会を増やすにつれ、発病時に600ミリ・グラム/デシ・リットルあった血糖値(基準は空腹時で110未満)も徐々に落ち着き、150以下にまで下がった。
 同支部によると、県内には患者会が46あるが、入会する若い患者が減って高齢化が進み、ほとんどが以前より縮小して数十人規模になっている。コスモス会も会員は18人。今は入会しなくてもインターネットで情報収集できる、働き盛り世代に患者が多いことなどが理由と考えられるという。
 深津医師は「患者にはできる限り自然体で治療を行ってほしい。楽しみながら病気と付き合うために、患者会の存在は大きい」と指摘している。
 ◆「医療ルネサンス前橋フォーラム」は10月11日午後1時~3時半、前橋市南町の市民文化会館で。聴講無料。申し込みは、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記して、〒371・0026 前橋市大手町3の7の1 読売新聞前橋支局「医療フォーラム」係へ。ファクス(027・232・2262)、メール(maebashi@yomiuri.com)でも可。問い合わせは読売新聞前橋支局(027・232・4311)へ。
 主催 読売新聞社
 後援 群馬県、前橋市、群馬県医師会
(2013年9月16日 読売新聞)

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糖尿病治療、病診連携でフォロー

 県内の40~74歳の糖尿病(※)患者数は2010年度で11万7000人と推計されている。日本糖尿病協会県支部などは、日常の運動不足が糖尿病の一つの要因になると指摘する。全国有数の“車社会”の群馬は、発病の危険と常に隣り合わせとも言える。糖尿病治療の最前線を追う「医療ルネサンス前橋フォーラム」を前に、治療や予防の取り組みを紹介する。

 「ヘモグロビンA1c(エーワンシー)の数値が上がりましたね。気を付けてください」。群馬大医学部付属病院の診察室で、山田正信教授(55)が、旅行後に数値が悪化したという60歳代の女性に注意を促した。旅行で外食が増えたことなどから悪化するケースは多いという。

 厚生労働省の07年の調査では、糖尿病が強く疑われる人は全国で約890万人、予備軍を含めると約2210万人。患者の95%は2型とされ、合併症で苦しむ患者も多い。糖尿病腎症で透析を導入した患者は、年間約1万6000人と新規透析者で最多。糖尿病による失明者や下肢切断者も年間約3000人ずつに上る。

 治療は基本的に食事療法と運動療法だ。重症でない患者が数か月取り組んで改善されない場合に薬物療法を行う。山田教授によると、経口薬では、インスリンの分泌促進と、血糖値を上昇させるホルモン「グルカゴン」の分泌抑制を同時に行う薬がここ数年で多く使用されるようになった。

 来年以降には、腎臓から糖を排出し、尿として体外に出す作用がある薬も認可される可能性があり「従来のインスリン作用薬以外にも注目が高まっている」と山田教授は指摘する。

 同病院では遺伝子診断などのほか、小型のポンプを装着してインスリンを注入し続ける治療法「CSII」も約20人に行う。24時間注入でき、打つ量も変えられるので、血糖値が安定する特徴がある。国内では、インスリンを分泌する膵島(すいとう)をiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作る研究も進んでいる。

 同病院で年間に診療する糖尿病患者約2万2000人のうち、1型患者は約400人。ホルモンバランスが崩れるなどして発症する「妊娠糖尿病」患者も、多く治療を受けている。そのため、産科や神経内科、整形外科など他科と連携するほか、改善傾向にある患者が地域の病院を受診できるよう病診連携を行っている。県を挙げた体系的なネットワーク作りの準備も進む。

 山田教授は、群馬は男性の肥満が全国平均よりやや多い懸念があるとし、「合併症を起こさずに日常生活を送れるようにするのが、糖尿病患者や予備軍の人にとっての目標」と語る。

※糖尿病 主に膵臓(すいぞう)のβ細胞から分泌されるインスリンの作用不足のため、血液中の糖が吸収されずに慢性的に高血糖状態となって起こる代謝疾患。眼底や神経、腎臓などで合併症を起こし、手足のしびれや壊死(えし)、失明、腎不全、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす。二つのタイプがあり、β細胞が破壊されてインスリンが分泌されない「1型」は死に直結するため、インスリン注射が欠かせない。一方、ほとんどの患者はインスリンの分泌が少なくなったり、効きが悪くなったりする「2型」で、遺伝に加え運動不足、食べ過ぎ、喫煙、ストレスなどの環境因子によって発症する。

(2013年9月15日  読売新聞)

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糖尿病予防 ジュースよりブルーベリー

 糖尿病発症の可能性を減らしたければ、フルーツジュースを飲むより、リンゴやブルーベリーを食べた方が良いことが、このほど発表された研究によって明らかになった。

 ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに8月29日に発表された論文によると、ブルーベリーやリンゴ、ブドウを摂取する量が多いほど、2型糖尿病を発症するリスクが低く、これに対し、フルーツジュースを飲む量が増えると、糖尿病発症のリスクが高まるという。

 この論文の著者で、米ハーバード公衆衛生大学院栄養学科のスン・チー氏は、電話インタビューに応じ「フルーツジュースを、より健康的な食品である固形の果物に置き換えて、同じエネルギーを維持する方が良い」と述べた。

 これまでにも、果物の摂取量と心疾患やメタボリックシンドローム、高血圧のリスク低減との関連性が報告されている。今回の研究結果によって、果物が健康に良いことがあらためて裏付けられた。

 この研究では、英米などの研究者が、種類の異なるさまざまな果物の摂取と糖尿病の関連について調査を実施。米国の看護師ら医療従事者、男女合わせて18万人を超える対象者3グループについて、食習慣や運動に関する約20年間のデータを分析した。

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 研究結果によると、ジュースではなく、ブルーベリーやブドウ、リンゴ、ナシを週に3回摂取した場合、糖尿病のリスクが7%低くなったことが分かった。

 スン氏によると、フルーツジュースはジュースにする過程で、フラボノイドや食物繊維など有効な栄養素が失われる。また果物よりも早く消化管を通過するため、食後に血糖値やインスリンレベルの急激な変化を招くという。

 研究では対象者に対し、ブドウやモモをはじめ全14種類の果物の摂取についてアンケートを行った。ジュースは、オレンジなど3種類を使用。4年ごとにアンケートを提出してもらい、食習慣を評価、各食品を摂取する頻度についても調査した。

 この結果フルーツジュースを飲む量が多いと、一般的な2型糖尿病の発症リスクが増加することが明らかになった。ジュースの代わりに果物を摂取した場合は、リスクが低下した。

 スン氏によれば「果物の種類によって、糖尿病の予防効果に違いがある。ブルーベリー、リンゴ、ブドウの摂取が望ましい」という。

 糖尿病は、体内で血液中のブドウ糖をエネルギー源に変えるインスリンの作用不足が引き起こす疾患。世界的なライフスタイルの変化で、世界の糖尿病人口は急増しており、国際糖尿病連合(IDF)によると、2030年には5億5200万人に達すると予測されている。(ブルームバーグ Albertina Torsoli)

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