治る!最前線 第40回 糖尿病を治す!

予備軍も含めると患者数が2,050万人にも上る糖尿病。心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる深刻な病気を引き起す糖尿病に、新しい治療法が登場しています。これまで糖尿病は薬を使った治療が一般的でしたが、四谷メディカルキューブは「スリーブ・バイパス術」と呼ばれる、手術による治療を行っています。小腸を短くして胃とつなぎ直すと、インスリンの分泌が促進され、血糖値が下がるといいます。これまでに手術をした患者の84%が薬を使った治療が不要になりました。また、糖尿病の合併症を治す新しい治療法も登場しています。

年間3,000人ほどが、糖尿病が原因で足が腐り、切断を余儀なくされています。日本医科大学付属病院は、そうした患者を救うための再生治療を始めました。患者の血液から「多血小板血漿(けっしょう)」と呼ばれる、組織や血管を再生させる成分を取り出し患部に注射します。すると、組織と血管が再生します。

取材先
・四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター
・日本医科大学付属病院 循環器内科

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看護師の書いた糖尿闘病記
夫の糖尿病と闘い、克服していった生々しい記録。勇気が出ます
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糖尿病予備軍の糖質管理 カルビだけなら「200人前」までOK

 予備群も含めれば2050万人いるとされる糖尿病は、日本の国民病と呼ばれて久しい。「糖尿病には糖質オフ」というのはよく知られた話だが、実際に何がどれくらい食べられるのか。それを見ていく前に、糖尿病のメカニズムを簡単におさらいしておく。

 糖質を摂ると血糖値が上がる。生きていくためにはある程度の血糖値が必要だが、上昇しすぎると余分な糖が血管や神経細胞、腎臓などに負担をかける。それを避けるために血糖値を下げる働きがある「インスリン」が膵臓から分泌されるが、糖質を摂り過ぎる状態が長く続いてインスリンを出す細胞の機能が低下すると、上昇した血糖値がなかなか下がらなくなる。これが「糖尿病」だ。
「空腹時血糖」が126ミリグラム(血液1デシリットルあたり、以下同)以上になると「糖尿病型」と判断される(110~125ミリグラムが境界型、109ミリグラム以下は正常型)。

 糖尿病には大きく分けて、免疫システムがうまく働かないことで発症するとされる「1型」と生活習慣などが原因とされる「2型」があり、日本人の糖尿病の95%以上は「2型」だ。だからこそ食事による「糖質管理」が重要であることは間違いない。
「『糖尿が気になる人』も含め、健康な人なら1食あたり糖質換算で『40グラム』まで食べても心配ないといえるでしょう。それくらいならば血糖値の上昇しすぎにはなりません。すでに発症した人の場合は『20グラム』以下。健康な人の半分の量となります」(高雄病院理事長・江部康二氏)
「糖質40グラム」といわれても、何をどれだけ食べられるかは分かりにくい。

 食事や食材に含まれる糖質の量に加え、どれくらい食べれば上限の「40グラム」に達するか。まずは焼き肉店の定番メニュー、カルビだ。1人前(約90グラム)あたりの糖質はわずか0.2グラム。つまりカルビだけ食べ続ければ200人前でようやく上限値に達することになる。
 ロースや牛タン、トントロなども糖質はカルビとほぼ同じ0.1~0.2グラム。ハラミやホルモンはなんとゼロ。糖尿病に関してはいくら食べても安心だ。
 肉の中で比較的数値が高いのが牛レバー。こちらは1人前の糖質が3.7グラムあるが、それでも10.8人前まで食べられる。どんなレバー好きでも10人前は食べられないだろう。ただしタレには1食分(20グラム)あたり4.9グラムの糖質が含まれる。気になる人は塩やレモンで食べるとよい。
※週刊ポスト2014年11月7日号

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遺伝子変異も原因のひとつ?糖尿病への新たなアプローチに期待

生活習慣以外に遺伝子も影響

2型糖尿病は、生活習慣病としてとらえられることが多い病気ですが、実は遺伝的な要素もその発症に強く関わっているといわれています。今回、病気のメカニズムをターゲットにした治療薬の効果検証をスウェーデンのルンド大学が発表しました。
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この画像はイメージです
スウェーデンでは、人口の30%が、変異したADRA2Aという遺伝子を持っており、糖尿病の患者さんの間では、特にその割合が高くなっています。2型糖尿病の患者さん40万人のうち、40%が変異型ADRA2Aを持っているのです。変異型ADRA2Aの影響は、ストレスによって現れやすいのが特徴で、細胞がインスリンを分泌する量が低下することにより、糖尿病の症状を起こすようになります。
これまでの糖尿病の研究や治療の多くは、症状に対して行われてきました。遺伝子情報が関わることは古くから知られてはいましたが、これに対する治療のアプローチは確立していなかったのです。

新たな可能性を秘める薬が臨床試験段階に
この遺伝子情報に対する薬として、可能性を秘めるのが「Yohimbin」というもの。動物実験では、遺伝子が原因となるインスリンの分泌を解消することが確認されており、人間の細胞についても実験室内では確認されています。
今回の報告は、実際の糖尿病の患者さんにYohimbinを使った臨床試験の結果です。2型糖尿病の患者さん50人を対象としており、このうち、29人が変異型ADRA2Aを持っていました。全員に対して糖負荷試験を行ってみると、予想通り、変異型ADRA2Aを持っている患者さんではこの遺伝子を持っていない人に比べ、インスリンの分泌が25%劣っていました。
この50人の患者さんにYohimbinとプラセボで試験を行ってみると、変異型ADRA2Aを持っていた患者さんのインスリン分泌は、変異型ADRA2Aを持っていない患者さんと同じレベルまで改善されたそうです。現在は、高血圧などの副作用が報告されているため、臨床で使われるようになるのは、まだまだ先になりそうですが、新たなアプローチとして注目が集まっています。

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激しい運動は不要 糖尿病改善には半年間の「速歩き」が効く


「今より多く歩けば、激しい運動をしなくても生活習慣病はよくなる」と言うのは、「ゼロから始める『医師が教える』ウォーキング」(KADOKAWA/メディアファクトリー)の監修者、東京山手メディカルセンター・西田潤子健康管理センター長だ。西田医師はウオーキング医学研究の第一人者のもとでウオーキングによる医学的効果を研究。初心者も熟練者も、知ると得する情報を聞いた。

■生活習慣病予防・改善に「ライフスタイル・ウオーキング」

 ウオーキングには3つの種類があるという。

「運動として行うエクササイズ・ウオーキング、時間をかけて長距離を歩くロング・ウオーキング、そして日常生活の中で意識的に歩くライフスタイル・ウオーキングです。“ライフスタイル”は仕事や家事の歩きも含め、強度は低くてもある程度の運動量を保つことができ、習慣化しやすい。だから、生活習慣病予防・改善にはベストです」

 歩くための時間を特別につくったり、速足で歩いたり……といったことは不要。昼食の店を会社からちょっと遠いところにするなどでOKだ。

■今よりプラス1000歩を目安にする

 それが難しければ、「1日あたりの平均歩数が5000歩未満の人は3カ月後に平均歩数が倍になるように、5000歩以上の人は1万歩になるようにすればいい」とのこと。チャンスをみつけ、ちょこちょこ歩くようにすれば、結構簡単に達成できる。

■効果を高めたければポイントは3つ

 ①体の中心軸をまっすぐ伸ばす②ひざをすっと伸ばして足を出す③ひざとつま先が正面を向くように着地――の3つだ。

■内臓脂肪型肥満対策は“ゆっくり歩き”から

 肥満は、内臓に脂肪がつく内臓脂肪型肥満が問題。動脈硬化を招いて脳卒中、心筋梗塞のリスクを上げる。
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 歩くための時間を特別につくったり、速足で歩いたり……といったことは不要。昼食の店を会社からちょっと遠いところにするなどでOKだ。

■今よりプラス1000歩を目安にする

 それが難しければ、「1日あたりの平均歩数が5000歩未満の人は3カ月後に平均歩数が倍になるように、5000歩以上の人は1万歩になるようにすればいい」とのこと。チャンスをみつけ、ちょこちょこ歩くようにすれば、結構簡単に達成できる。

■効果を高めたければポイントは3つ

 ①体の中心軸をまっすぐ伸ばす②ひざをすっと伸ばして足を出す③ひざとつま先が正面を向くように着地――の3つだ。

■内臓脂肪型肥満対策は“ゆっくり歩き”から

 肥満は、内臓に脂肪がつく内臓脂肪型肥満が問題。動脈硬化を招いて脳卒中、心筋梗塞のリスクを上げる。
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「食事制限だけでなく、ウオーキングで運動不足を解消することが必要。激しくするとひざや腰を痛める恐れがあるので、ゆっくり歩き、毎日少しずつ歩数を増やすように」

■糖尿病予防・改善には食後1~2時間がいい

「境界型糖尿病や軽症の糖尿病にウオーキングは効果を発揮します。インスリンの働きをコントロールできるようになるからで、血糖値が高くなる食後1~2時間の間に少し速めに歩くようにするといい。最低半年続ければ、血糖を取り込む筋肉の働きが強くなり、インスリンの働きもよくなるはずです。ウオーキングによる血糖値の改善例を見ると、開始から1年後に歩数がアップしている人は、みんな血糖値が下がっています」

■高血圧の人は速く歩いてはいけない

「心臓に負担をかけてしまう。笑顔をつくれるくらいのペースがちょうどいい。事前に医師の健診を受けることも忘れずに」


「心臓に負担をかけてしまう。笑顔をつくれるくらいのペースがちょうどいい。事前に医師の健診を受けることも忘れずに」
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■痛風なら水分補給を十分に

「痛風に効果的なのは、非常にラクなペースで歩くこと。血液循環がよくなり、尿酸の排泄効果が高まります。さらにクールダウンをしっかりすると、尿酸の排泄が促進されます。激しく歩くと尿酸値が上がる。また、汗のかきすぎで脱水気味になると、血液中の尿酸値が上がるので、水分補給を怠らないように」

 ウオーキングをするのに適した季節。やってみよう。

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光でコントロールできる糖尿病薬の研究が進む

Hodson氏は、現在の糖尿病治療は精密科学とは程遠いものだと説明する。たとえば、膵臓からのインスリン放出を誘発するようデザインされた薬剤が、インスリンの過剰放出を引き起こして血糖値を下げすぎたり、心臓や脳などの器官への副作用をもたらしたりすることもあるという。

今回の新たな研究では、スルホニル尿素薬と呼ばれる既存の糖尿病薬を改変することにより、青色光に曝露すると形が変化し、曝露していないときは不活性となるようにした。薬剤を活性化させるために必要な光量はわずかで、青色LEDを皮膚につければ十分だと考えられる。

「これまでのところ、実験室ではヒトの膵臓細胞に対して望ましい効果を発揮する分子を作ることに成功している。ただし、最終的な目標である患者が利用できる段階までには、長い道のりが必要だ」とHodson氏は強調している。

外部の専門家の1人であるDiabetes UKのRichard Elliott氏は、「スルホニル尿素薬は多くの2型糖尿病患者の治療に有用だが、他の薬剤と同じように副作用がある。光作動性の薬剤に関する研究は未だ初期段階だが、魅力的な分野であり、今後の研究によってさらに安全で綿密なコントールの可能な治療を実現できる可能性がある」と述べている。(HealthDay News 10月14日)

http://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/early-study-points-to-diabetes-drug-controlled-by-light-692688.html
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太陽の光を浴びると、肥満や糖尿病が抑えられる-英豪マウス研究

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最近は皮膚がんとの関連から、紫外線を浴びることが危険視されているが、この度、適度な日光浴による肥満や糖尿病を抑える効果について、研究機関から発表があった。

栄養を与えたマウスにUVライトを照射

西オーストラリアのテレソン児童機構、エジンバラ大学、サザンプトン大学の合同調査チームは、栄養を過剰に与えたマウスに、UV(紫外線)ライトを適度に照射した。

体重増加が緩やか、糖尿病の兆候もなし

その結果、ライトを照射されたマウスは、体重の増加の速度が遅くなった。また異常なブドウ糖の増加など、糖尿病とのつながりを警告するような兆候も見られなかった。

一酸化窒素のクリームでも体重が抑制

そもそも紫外線治療の効果は、一酸化窒素と呼ばれる化合物と関係がある。肌が太陽にさらされることで、一酸化窒素が血中に放出され、血圧を下げることも確認されている。
そこで研究チームは、一酸化窒素を含んだクリームを、太ったマウスの肌に塗ってみた。すると紫外線を照射した時と同じく、体重増加を抑制する効果が認められた。

これまでの太陽光線の効果

太陽を浴びると、人の骨や歯の形成に必要なビタミンDが体内に蓄積されたり、一酸化窒素で心臓や血管にも良い効果をもたらしたり、することも明らかになっている。
精神衛生面でも、うつ病には太陽の光を浴びるのが良いとされ、さらに日光浴をする人は、しない人に比べて寿命が長くなるという知見も得られている。

結果を人間に当てはめるには時期尚早

しかしマウスは本来夜行性の動物で、毛皮で覆われており、普段から多くの太陽光線を浴びてはいない。
そのため研究者は、日光が人間の体重増加や糖尿病のリスクに対し、マウスと同じ効果があるのか、今後も慎重に確かめていく必要があると語る。

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美容師は糖尿病、販売員は心筋梗塞…「仕事別・なりやすい病気」


「仕事によって、なりやすい病気は違います。最近のメタボ検診のデータでわかったのですが、たとえば同じ年代でも銀行員とシステムエンジニア(SE)の人たちでは、健康状態に差が出ています。それは仕事自体が悪いのではなく、仕事によって陥りがちな生活パターンによるものなのです」

そう教えてくれたのは、『早死にする仕事、長生きする仕事』(マガジンハウス)の著者で、医学博士の古井祐司先生。古井先生は、20代で地域医療を目の当たりにした経験から予防医学に目覚め、現在は東京大学政策ビジョン研究センターで、健康づくりに取り組む企業や自治体を応援する仕組みの構築に取り組んでいる。

健康リスクの高い仕事には、大きく2つの要因があると古井先生。1つ目は、食事の取り方と内容。寝る直前に食事を取る生活をしている人は要注意。2つ目は、緊張が連続する状態。出向先などでリラックスできない環境で、長時間の緊張状態が続く仕事は危険だという。それでは、具体的にどんな仕事がどんな病気になりやすいのか。古井先生に教えてもらった。

【糖尿病】運転手、美容師
「運転や接客に追われていると、昼食を取り損ねることもしばしば。まとまった食事の時間が取れないため、空腹を満たすために甘い清涼飲料水を一日に何度も口にしてしまいます。血糖値が高いことにも気付かず、糖尿病予備軍となってしまうのです」

【心筋梗塞】販売員、営業、保険外交員
「顧客の都合で動くため、食事のタイミングも毎日バラバラ。パパッと食べて、すぐに仕事に戻るため、丼物や麺類、菓子パンなど高カロリーの炭水化物で食事をすませがち。さらに、空腹時間が長いうえ、深夜に夕食を取るため太りやすくなり、メタボの原因に。メタボが動脈硬化を促進させ、心臓にも負担がかかります」

【高血圧】SE、デイトレーダー、編集者、イラストレーター、アニメーター
「緊張状態が続くと、自律神経のなかでも交感神経が優位になり、血管が縮みやすく、血圧が上がりやすいのです。デスクワークで同じ姿勢のまま作業するため、血流が滞って肩こりが生じやすいのも血圧を上げる一因になります」

【脂肪肝→肝臓病】医療関係者、介護関係者、コンビニ店員など、24時間シフト制で働く人
「シフト制で働く人たちは、仕事を終えると次の日業務まで間があるため、仕事後の飲食の時間が長くなりやすい。ゆっくりお酒を飲んだり、業務を終えた解放感から大量に食べてしまったり。寝る直前に食事を取る人も多く、体に大きな負荷がかかります」

生活習慣を改善して、健康で長生きできる生活を!

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血糖値を改善する緑茶カテキン

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 生活習慣病の代表といえば糖尿病。成人のなんと5人に1人は糖尿病か、その予備軍と言われます。残念ながら日本人は欧米人に比べると血糖を低下させるインスリンの分泌能力が弱く、糖尿病になりやすい体質なのです。過食や早食いでインスリンの分泌が追いつかず、さらに運動不足が顕著化したことが糖尿病を急増させた原因とされます。そんななか、緑茶に含まれるカテキンに、血糖上昇抑制作用があることが分かってきました。

 糖尿病が怖いのは、血管の中でだぶついたブドウ糖により血管が傷つき、動脈硬化(血管の老化)が速やかに進展、脳梗塞や心筋梗塞などを招いてしまうことです。糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害を引き起こします。最近、アルツハイマー型認知症や歯周病の原因にもなることも注目されています。

 症状は特徴的です。のどが渇いたり、尿の回数や量が増えたりします。糖尿病の名の如く、どんどん尿に糖が出ていきますので、食べても食べても体重が減少します。もっと食べてもいいと勘違いをしてしまいます。負のスパイラルに陥るのです。

 血糖値が急激に上がらないようにインスリンの働きに見合った量の食事をすることと、血糖値を急激に上げないことが何より大切です。そこで、消化管からの糖質の吸収を穏やかにする食品成分が注目されています。緑茶に含まれるカテキンには、糖質の消化吸収を遅らせる働きがあるので、糖が血液中に吸収されるのが遅れ、その結果、急激な血糖値の上昇が抑えられます。

 カテキンは糖尿病を改善するのです。実際に静岡県立大学での研究で、緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、血糖値が改善されたことが報告されました。毎日、飲む習慣を作りたいものです。

 ■栗原毅(くりはら・たけし) 医学博士。栗原クリニック東京・日本橋院長。慶應大学特任教授。「血液サラサラ」という言葉を提唱し、著書やメディア出演などを通じて予防医療の大切さを訴えている。

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糖尿病による体臭?加齢臭?気になるニオイどうにかしたい

40代になり、汗をかく季節には体臭が気になるという男性からの相談です。糖尿病を薬でコントロールしている状態であるため、加齢臭に加え糖尿病による体臭もあるのではないかと心配しています。

40代男性からの相談:「自分の体臭について悩んでいます」

『私は40代の男性です。現在は糖尿病の診断で飲み薬を処方されています。薬を飲んでいることで血糖値はヘモグロビンエーワン値6.7から7くらいの許容範囲以内で収まっているとのことなのですが、汗をかく季節になると体臭にとても気を遣うようになりました。年齢も40代になり、加齢臭も考えられると思ったのですが、糖尿病による体臭もあるとの話を聞いたことと、仕事で人と接し、かつ、身体を動かして汗をかいていて自分が臭うことを実感すると、対応には色々苦慮しています。消臭スプレーを使用する、汗ふきペーパーを携帯するなど行っていますが、他に良い方法はないか考えてしまいます。』

糖尿病による体臭は甘酸っぱいにおい。まずは糖尿病の治療をきちんと続けて。

糖尿病が原因となっている体臭は、独特の甘酸っぱいにおいです。糖尿病が悪化すると、発汗の調整にも体臭にも影響します。まずは糖尿病の治療をしっかりと行うのが先決です。

『糖尿病による体臭は甘酸っぱいにおいがします。もし、甘酸っぱい体臭がしているのならば、糖尿病を悪化させないことが大切です。HbA1cは約2カ月前の血糖状態を表しているため、内服薬は自己中断や自己調節はせず、必ず通院治療を継続してください。(看護師)』

『幸い、現在の数値では、糖尿病の体臭が出るほどではないと思います。糖尿病が悪化し、神経障害を起こすと、発汗の調整を行っている自律神経が障害されるため、暑いわけでもないのに異常に汗をかいたり、逆に暑いのに汗が全く出ないなど発汗異常が起こります。(看護師)』

意外なポイント:身体の洗いすぎに注意。

デオドラント製品を利用する場合は、香りの選び方に気をつけて。また、意外かもしれませんが、入浴時きれいさっぱり身体を洗ってしまうと、かえって体臭が悪化するようです。正しい洗い方を身につけましょう。

『シートやスプレーの両方を使用されている場合は、臭いがぶつかってしまい、まじりあうことで、さらに悪い結果になることがあります。どちらかを無香料のものにすると良いと思います。香りも、合成のものより、天然の香りに近いもの(ミントや、ユーカリなど)が良いと思います。(看護師)』

『消臭スプレーよりも塗るタイプの方が効果的ですので、現在使用されているスプレーがなくなりましたら、塗るタイプを試してみてください。(看護師)』

『日常的なケアは、よく泡立てた肌に優しい石けんやボディソープで、こすらず洗うことです。こすりすぎると、肌を守るバリア作用が低下していまいます。また、一日に何度も入浴するのもNGです。健康な皮膚には表皮ブドウ球菌という菌(体臭を防ぐ菌)が存在し、入浴やシャワーで、8割の菌は流されます。残された2割の菌をゴシゴシときれいさっぱり落としてしまうと、黄色ブドウ球菌と真菌(臭いのもとになる菌)が増殖し、その結果、体臭がキツくなってしまいます。ごしごしとタオルで洗うのではなく、柔らかなタオル、もしくは手で洗うだけでも十分です。(看護師)』

糖尿病を持っている人は、糖尿病の悪化が直接体臭につながるため、まずはしっかりと治療に努めましょう。そのうえで、甘酸っぱいにおい以外は加齢臭など通常の体臭ですから、デオドラント製品の利用や正しい入浴でケアしていくのが良いでしょう。

<こちらの記事は、看護師・薬剤師・管理栄養士等の専門家(以下、「専門家」)が回答するQ&Aサイト「なるカラ」の回答を元に作成されております。本記事における専門家のコメントはあくまで「なるカラ」で回答した各専門家個人の意見であることをご理解の上、お読みいただければ幸いです。>

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「寝すぎは“ボケ”と“糖尿”を招く」と専門家が語る理由


「秋の夜長はぐっすり眠りたい!睡眠不足が肥満や糖尿病につながることは有名ですが、実は中年以降は、寝すぎにも注意が必要です。イギリスのウォーリック大学の研究によると、長い睡眠は脳を老化させるが明らかになりました」

そう話すのは順天堂大学教授の小林弘幸先生。研究では、50~89歳の約9千人の男女を対象に睡眠と脳認知能力の関係を分析。すると、50~64歳では、睡眠時間が6時間以下の人だけでなく、8時間以上の寝すぎの人でも、記憶力と意思決定能力が下がることが判明したという。

「さらに、65歳以上で認知機能の低下がみられたのは寝すぎの人のみ。マドリードの大学病院とコロンビア大学が行った調査でも、60代、70代で9時間以上眠っている人は、6~8時間睡眠の人に比べ認知能力が倍近く低下していると発表されました」

影響があるのは、脳だけではない。

「マサチューセッツ大学の発表によると、糖尿病患者がもっとも少なかったのは7時間睡眠の人たちでしたが、5時間以下の睡眠になると糖尿病発症率は2.6倍に。さらに、8時間以上の睡眠だと3.6倍に跳ね上がっています」

こうした研究は世界中で行われ、中年以降の長すぎる睡眠は、心疾患やうつ症状の発症頻度も増加させると考えられている。長時間睡眠が悪影響を及ぼす明確な理由はわかっていないが、「ひとつには『睡眠の質』が関係していそうです」と小林先生は語る。

「睡眠には、浅いレム睡眠と深いノンレム睡眠がありますが、いわゆるロングスリーパーとショートスリーパーでは、ノンレム睡眠の長さに大差がないといわれています。ロングスリーパーは、総じて睡眠の効率がよくない傾向があり、そのため、一見、たっぷり眠っているようでも、実は細胞の修復やホルモンの分泌が十分ではないのです。結果、睡眠不足の人と同じように健康に悪影響が出てしまっていると推定されます」

厚労省が今年、11年ぶりに改定した「睡眠指針」でも、9時間以上寝床にいる人は、9時間未満の人よりも、中途覚醒を起こす割合が高いとしている。さらに血流が悪化している可能性も。長時間、体を動かさないでいると筋肉が緩み血管が拡張するが、それが過剰になると血流も悪くなるため、酸素や栄養素の供給が滞ってしまうのだ。

「休日、つい寝すぎてしまい頭痛がするのは、脳の血管が拡張しすぎて、血管の周りにある三叉神経を刺激してしまうことが原因。同様に、寝すぎで体がだるくなるのは、血流が滞っているからです。先の指針でも『健康な人の睡眠時間は加齢とともに自然と減る』としたうえで適度な睡眠時間を25歳では約7時間、45歳で6.5時間、高齢者で6時間としていますので、参考にしてみてください」

ライブドアニュース

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女性の脳卒中を減らす5カ条(大西睦子)

健康的な食事やライフスタイルを心がける女性は、脳卒中リスクを半分以下まで抑えられる可能性が示されました。2014年10月8日、医学雑誌「Neurology」にスウェーデンの研究者らが発表しました。禁煙や体重管理などを複合的に実践していくことがポイントです。寿命を伸ばす効果が数字で示されると、ただなんとなくやるより続けられる気がしてきますね。

女性の死亡原因第3位

脳卒中には、脳の血管が詰まって起こる脳梗塞と、脳の血管が破れて起こる脳出血があります。かつては高血圧に合併する脳出血が多く見られましたが、最近は降圧剤の普及もあって減少し、他方、脂質異常や糖尿病から引き起こされる脳梗塞が増加。国内でも脳卒中の死亡のうち、60%以上を脳梗塞が占めていると言います。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/nousottyu/about.html

厚生労働省のデータによると、脳卒中は1951年から1980年の間は死因のトップでしたが、最近は死亡率が減少。2013年には、がん、心疾患、肺炎に次いで死因第4位でした。ただ、女性だけで見ると、がん、心疾患に続く死因第3位ですし、保健統計を見ても、総患者数は2011年に約124万人(男性62万人、女性62万人)と、心疾患、がんに続く第3位となっています。女性は閉経後、動脈硬化を防ぐ働きのある女性ホルモンが減少して脳卒中リスクが上がるという報告もあります。

食事・飲酒・喫煙歴・運動・体重管理がポイント

今回の研究では、スウェーデンの疫学研究に参加した平均年齢約60歳(49~83歳)の女性3万1696人を対象に、1998年1月1日から平均10.4年間、追跡調査が行われました。

参加者は前年に、▽学歴▽体重▽身長▽喫煙歴▽運動▽アスピリン鎮痛剤の使用▽高血圧と糖尿病の病歴▽60歳未満での心筋梗塞の家族歴▽飲酒歴▽食生活、などの350項目にわたるアンケートに回答。その結果が統計的に解析され、健康的な、つまり低リスクのライフスタイルを構成する5つの要素が抽出されました。

1.健康的な食品の摂取:

96種類の食品の摂取頻度を尋ね、各食品について「健康的」から「不健康」までの評価分類ごとに割り振られた点数をもとに「推奨食品スコア」(RFS)を算定。研究者らの脳卒中リスク研究に基づき、RFSが上位50%以内に入っている参加者を、低リスクの「健康的な食事」を摂っているとみなしました。心血管の健康維持によいとされる様々な果物、野菜、全粒穀物、ナッツ類、豆類、低脂肪乳製品、魚が含まれます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10791502

2.適度なアルコール摂取:

アルコールの種類、摂取頻度、それぞれの摂取量から、年間摂取量を計算。適度な摂取量は、アルコール換算で一日5~15gとしました。350mlのビールにはおおよそ16.8gのアルコールが含まれていますから、小さい缶でも毎日1缶飲むのは、脳卒中予防の観点からは飲み過ぎの計算です。
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html

3.喫煙歴なし:
低リスクと言えるためには、喫煙歴は皆無であることとされました。

4.運動:

前年の運動歴と心筋梗塞の発生との関連性をあらかじめ分析し、低リスクと言えるためには、一日40分以上のウォーキングやサイクリングに加え、高強度の運動を週に1時間以上、と定義しました。

5.適切な体重指数(BMI):

BMIが25未満であれば低リスクとしました。
BMI=(体重[㎏])÷(身長[m]の2乗)
参加女性のほとんどは、2つないし3つの要素にあてはまりました。また、5つの要素すべてに当てはまったのは589人だけで、一方、一つも当てはまらない人も1535人いました。論文の著者らは、これまで脳卒中のリスクを下げるライフスタイルの個々の要素についての研究は多く行われてきたものの、複数要素の複合的な効果を検証する研究は今回が初めてだとしています。

5カ条そろえば54%リスク減

10.4年間の追跡期間中、1554人に脳卒中が発症しました。そのうち1155人は脳梗塞で、246人が脳出血、153人は未判別でした。5つの要素すべてに該当する女性は、どれにも当てはまらない女性と比較して、脳卒中のリスクが54%も低下しました。脳梗塞の発症リスクだけで見ると62%も低下し、当てはまる要素が多いほど着実に減少しました。一方、脳出血のリスクと5つの要素には特段の関係は認められませんでしたが、研究者らは、潜在的な関連性は否定できないと考察しています。

要素ごとに見た場合は、脳卒中リスクを最も高めるのは喫煙でした。特に喫煙歴のない女性の脳梗塞リスクは、喫煙歴のある女性に比べて17%も低くなりました。また健康的な体重の女性は、過体重や肥満の女性と比較して、脳梗塞リスクが13%以上低くなりました。健康的な食生活の女性も、健康的でない食生活の女性と比べて脳梗塞リスクが13%低下しました。
例外はアルコール摂取と運動です。一日あたりアルコール摂取量が5~15gの女性は脳卒中リスクが低下する傾向にありましたが、それ以上の摂取量ではリスクが上昇するのはもちろん、それ以下でもリスクはやや高くなることが示されたのです。運動については、「運動が増えるほど脳梗塞が減る」という傾向もやや認められましたが、統計学的には重要な数字とは言えませんでした。

自己管理が大事

ところで先日、約1年ぶりに一時帰国しました。今回は米国の医師らも一緒でしたが、彼らは日本の公衆衛生について非常に驚いていました。というのも、日本は長寿国、ヘルシー大国というイメージだったのが、実際に訪れてみると、タバコの自動販売機、コンビニや駅などで購入可能なアルコール、公共の場での飲酒、ファーストフードや加工食品の普及、痩せ過ぎの女性などを目にしたためです。
日本は、米国と比べて安全で、タバコやアルコールなどの規制も非常に緩く、様々な食品が簡単に手に入る文化です。ですから、自己管理がとても重要となります。是非、低リスクのライフスタイルの5要素を”5カ条”として心に留め、実践をお願いします!

大西睦子
内科医師、ボストン在住。医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月から7年間、ハーバード大学リサーチフェローとして研究に従事。著書に「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側 」(ダイヤモンド社)。
(2014年10月16日「ロバスト・ヘルス」より転載)

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看護師の書いた糖尿闘病記
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何事も過剰摂取は禁物、 腸のバランスが崩れて糖尿病に

 9月に発表された、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」の論文が議論を呼んでいる。糖分摂取を避けたい糖尿病患者や肥満の人などが摂ってきた人工甘味料が、逆に糖尿病リスクを高めるという研究結果が示されたからだ。

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「ゼロカロリー飲料」の原材料名表示に並ぶ人工甘味料

 前篇では、この論文をどう捉えればよいのかを、城西大学薬学部教授の中島啓氏に尋ねた。中島氏は生活習慣病の実験研究の第一人者で、人工甘味料が体に及ぼす影響も研究対象にしている。結論は「少量摂取なら問題ないだろうが、かなりの量を摂取していれば、影響の個人差もあるので健康診断を受けるとよい」というものだった。

 結論が出たところで、後篇では、今回の「ネイチャー」論文で取り沙汰されている、腸という器官に焦点を絞ってみる。論文には、人工甘味料が腸内細菌のバランスを崩すことで、糖尿病のリスクを高めるといった内容が書かれている。
 糖尿病というと、糖をエネルギーに変える糖代謝が異常をきたすために起きる病気だ。いったい腸内細菌が糖尿病とどう関わっているのだろうか。さらに詳しく、中島氏に聞いてみた。

細菌、酵素・・・腸内物質が代謝系の病気に関与

――今回の「ネイチャー」論文では、人工甘味料の摂取により腸内細菌のバランスが崩れることで糖尿病リスクが高まるとされています。腸内細菌と糖尿病の関係は研究者たちに注目されていたのでしょうか?
中島啓氏(以下、敬称略) ええ。腸内細菌が糖尿病や肥満といった代謝系の病気に影響を及ぼしているということは、10年ほど前から言われていました。腸内には何百種類もの細菌がいると考えられており、それらがなんらかの形で代謝の異常に関与しているのです。
 腸などの消化管は、消化や吸収のための器官と考えられてきました。ところが近年、消化管の中のいろいろな物質が、糖尿病をはじめとする代謝系の病気に関わっていると考えられるようになってきたのです。
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中島啓氏。城西大学薬学部医療栄養学科臨床栄養学講座教授。医学博士。内科専門医。防衛医科大学校医学研究科循環器病学専攻などを経て、2007年より現職。専門分野は臨床栄養学。研究分野は代謝、インスリン抵抗性、炎症、循環器疾患、肥満、栄養、嗜好飲料など。最近では、朝食の欠食と肥満やメタボリック症候群との関連性や、消化酵素アミラーゼと糖尿病の関連性などを研究している。

 例えば、私はいま、消化管の中で働くアミラーゼを研究しています。アミラーゼとは、膵臓や唾液腺などから分泌される消化酵素の一種です。消化管の中でアミラーゼが働くほど、消化はよくなります。ですので、太っている人のほうがアミラーゼの分泌量は高いと従来は思われてきました。
 ところが、研究結果はその逆で、肥満の人や糖尿病の人ではアミラーゼの分泌量が低く、痩せている人では高いということが分かったのです。今年の7月、「ネイチャー」の姉妹誌「ネイチャージェネティクス」に、私の研究と同様の結果を示す論文が、私の論文の引用も含めて報告されていました。
 どうしてアミラーゼの分泌量が低いことが糖尿病と関連するのかは今後の研究課題ですが、こうした物質が腸などの消化管で、積極的に代謝系に関わっていることが分かってきたのです。

腸内細菌の質によって痩せることも太ることも

――腸内細菌と肥満はどのような関連性がありますか?
中島 想像してほしいのですが、もし、腸内から腸内細菌がなくなったら、どうなるでしょうか? 腸内細菌を抗生物質などですべて殺してしまったら、どうなると思いますか?
――それなりに役割を持っている細菌もあると思うので、まったくないと困ってしまうのでは・・・。
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 腸などの消化管は、消化や吸収のための器官と考えられてきました。ところが近年、消化管の中のいろいろな物質が、糖尿病をはじめとする代謝系の病気に関わっていると考えられるようになってきたのです。

中島 ええ。腸内の細菌がなくなると、消化が不完全になるなどの障害が起きます。その結果、痩せることになります。
 では、腸内細菌の“量”ではなく、腸内細菌の“質”が変わるとどうなると思いますか?
――どうなるのですか?

中島 質が変わることにより、吸収の度合いが落ちる場合もあれば、吸収の度合いが高まる場合もあります。痩せることもあれば、太ることもあるということです。
 その点、肥満と無縁な健康人の腸内細菌の質は良く、細菌のベストバランスが保たれているのだと思います。例えば、肥満でない人の腸内細菌を、抗生物質ですべて腸内細菌を殺しておいたマウスに入れてみると、そのマウスは太りません。ところが、肥満の人の腸内細菌を同じくマウスに入れると、そのマウスは太ります。これは、人によって腸内細菌の質が異なることを意味しています。

人工甘味料でマウスの腸内細菌バランスは大きく変化

――腸内細菌の“質”が重要なのですね。「ネイチャー」論文にも、人工甘味料摂取で腸内細菌バランスが崩れるため血糖値が高くなるとの内容が書かれています。では、どうして腸内細菌のバランスが崩れることが血糖値の上昇につながるのでしょうか?

中島 通常、血糖値というものは、食事の後に上がって、その後、下がっていくものです。しかし、腸内細菌のバランスが崩れると、消化を助けるどころか、血糖値の急激な上昇を促進するのかもしれません。
 「ネイチャー」の論文を読んで、腸内細菌のバランスがこれほど変化するのかと、私も驚きました。例えば、このグラフを見てください。
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水、糖、人工甘味料(サッカリン)を11週間、摂取しつづけたマウスにおける各種腸内細菌の割合の変化。 (参考:Suez. J. et al. Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gutmicrobiota. Nature(2014)を元に筆者作成)
4/4 ページ

 水、糖、人工甘味料のサッカリンをそれぞれ与え続けたマウスの、0週目と11週目の腸内細菌の変化を示しています。0週のときは、もちろんどのマウスでも大した違いはありません。ところが11週目を見ると、サッカリンを摂取し続けたマウスでは、通常ほとんど存在しないバクテロイド(Bacteroides)のような細菌が増えています。
 このような細菌が、吸収を過度に促進して、逆に血糖値を下がりにくくさせているのではないかと考えられます。
 サッカリンの使用は日本では非常に少ないですが、これと同様のことが人の腸内でも起きていたらと考えると、怖いものがあります。お腹がごろごろになったり、あるいは便秘になったりするかもしれません。
 腸内細菌は、糖尿病関連でも、なにかしら悪さをするものだと推測されてきました。これほど腸内細菌叢の変化が具体的に示されたのは、今回の「ネイチャー」の論文が初ではないかと思います。

人工甘味料研究の難しさとは

――前篇では、人工甘味料と糖尿病などのリスクの関係について、「長期的な試験の結果も見てみないと分からない部分は多い」とのことでした。本当に人工甘味料は体にいいのか悪いのか、さらなる研究が期待されます。
中島 ええ、確かにそうなのですが、人工甘味料の研究には“壁”もあるのです。「人工甘味料は悪いもの」という研究成果が発表されると、みんな一斉に人工甘味料入りの飲み物や食べ物を摂らなくなってしまうでしょう。企業はそれで大ダメージを受けます。今回の「ネイチャー」の論文の著者たちは別としても、そういうことを考えて二の足を踏んでしまう研究者もいると思います。
 タバコのように、世界中で「悪いもの」と完全に認められている対象であれば、「やっぱり悪いものだ」という研究成果が加わっても、誰もなにも言いません。
 しかし、人工甘味料については、“健康のため”に砂糖の代替として摂取している人々がほとんどなので、現状が違います。研究者が、確固たるエビデンスを持って、統一した見解を言えればいいのですが、そのためには臨床研究の蓄積が必要とされます。肥満や糖尿病の発症率には人種差もあるので、海外の結果を鵜呑みにすることはできません。日本の大規模臨床研究も必要となるでしょう。
 そのような研究結果が肥満者や糖尿病罹患者の治療、そして小児、妊婦、高齢者などの健康管理に役立つ日がくることを期待します。

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遅漏だと思っていたら、他の病気だった!?


もともと早漏だったのが最近遅漏気味になり、射精する前に萎えてしまうとのこと。パートナーからの不満もあり、なんとか解決する方法はないかと悩んでいる男性からのご相談です。

40代男性からの相談:「最近遅漏気味で悩んでいます」

『私は仮性包茎ということもあってか、もともと早漏でした。以前は、彼女に挿入すると1分も保たずに放出していました。ところが、このところ性生活もマンネリ化してきたせいか、すっかり遅漏になってしまいました。40代後半という年齢もあって、長い間挿入していると疲れてきて、放出する前に萎えてくるのです。彼女も物足りないと愚痴をこぼすようになりました。いい解決策があれば教えてください。』

遅漏の原因は様々。他の病気が隠れている可能性も。

遅漏は何らかの精神的な問題によって起こるものがほとんどですが、身体的な疾患によって起こるケースも決して少なくはないようです。また、加齢や体調不良などにより、一時的に遅漏になることもあるとのこと。

『遅漏の原因には糖尿病、泌尿器疾患、心疾患などの慢性疾患や、鬱、神経症などの精神疾患、ストレスや加齢などが挙げられます。禁酒、禁煙、適度な運動、ストレス発散、十分な睡眠を心がけること。また、健康診断や人間ドッグなどで何か疾患が隠れていないか調べてみた方が良いと思います。(看護師)』

『遅漏とはストレスやトラウマや何らかの心の奥にある精神的な問題によって起こる場合がほとんどです。しかし、糖尿病などで皮膚感覚が鈍くなることによって起こることもあります。また、加齢や体調不良で一時的にこういう状態になることもあり、何も対処しなければ慢性化やEDを招く恐れがあります。(看護師)』

『自慰行為のしすぎも遅漏の原因となります。(看護師)』

『射精しなければならないといった精神的プレッシャーも症状の進行に関わってきます。(看護師)』

解決のためには、複数の医療機関を受診することも。

遅漏は身体、精神、双方からの影響を受けやすい疾患です。パートナーとよく話し合って精神的負担を軽減するとともに、原因に応じた科を受診することが必要です。また、性機能障害を扱う機関も増えていますので、こういった専門機関を受診してみるのも良いですね。

『パートナーと話し合い、今の悩みを受け止めてもらうことで精神的な負担を軽くするのも一つかと思われます。また普段とは違う刺激、パートナーから愛撫を受けることでマンネリ化を防ぎ、精神的に良い影響を得られる場合があります。(看護師)』

『身体的、精神的どちらからも影響を受けやすいため、原因によっては一つの科のみで症状を改善するのは難しい場合があります。身体的な面からでは泌尿器科、精神的な面からでは心療内科といったような形になります。(看護師)』

『最近ではセックスカウンセリングの行える性機能障害専門外来もできています。セックスカウンセリングとインターネットで検索したり、保健所や各都道府県にある医療安全支援センターに問い合わせることで情報が得られます。(看護師)』

性生活はカップルにとって大切なコミュニケーションの一つです。症状が慢性化してしまわないよう、早めに医療機関に相談してみるのが良いようです。

<こちらの記事は、看護師・薬剤師・管理栄養士等の専門家(以下、「専門家」)が回答するQ&Aサイト「なるカラ」の回答を元に作成されております。本記事における専門家のコメントはあくまで「なるカラ」で回答した各専門家個人の意見であることをご理解の上、お読みいただければ幸いです。>

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病気のリスクを軽減する! 食生活を改善するための5つの簡単ルール

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体に栄養を運んでくれるはずの食べ物&飲み物もチョイスを間違えると、病気のリスクを高める原因になってしまいます。今日は、病気のリスクを軽減するために気をつけたい食生活のポイントをご紹介します。

2か月乳製品を絶つ

消化器官が弱っているなと感じたらまず乳製品を絶ってみるのが効果的。乳製品は、消化しにくいうえ、消化器官に負担を与える原因の一つ。また、胃腸の不調により、ストレスや不安などを引き起こす可能性も。1、2か月乳製品を抜いた後に、チーズ、ヨーグルト、ケフィアなどの発酵乳製品を食事に取り入れるのが◎。発酵乳製品に含まれる乳酸菌と酵母が、胃腸の健康を整えてくれます。

主食を見直す

主食に白米や食パンばかり食べていませんか? 白米や食パンに比べて、ミネラルやビタミン、栄養が豊富な穀物は多く存在します。例えば、玄米。玄米にはマンガン、マグネシウム、セレンなど豊富なミネラルが含まれて、白米よりも栄養豊富。スペルト小麦は普通の小麦に比べて銅、鉄、亜鉛、マグネシウム、リンなどのミネラルを多く含んでいます。また、欧米で健康食品として人気のキノワには、鉄、マグネシウム、ビタミンB、食物繊維、さらに、すべての必須アミノ酸と抗酸化物質が含まれているため、健康促進だけでなく、お肌の老化を予防する効果があります。

食べてホルモンバランスを整える

ホルモンバランスが乱れてしまうと、お肌の荒れや気分のムラを引き起こす原因に。ホルモンバランスを整えるのには良質なたんぱく質と脂質、ビタミン、ミネラルが豊富な野菜をバランスよく摂取することが大切。アボカドにはマグネシウム、ビタミンE、ビタミンB、葉酸、食物繊維、カリウムなど、ホルモンを維持するのに大切な成分が豊富に含まれています。バターにはホルモンの構築に必要な脂溶性のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK2が豊富に含まれています。

植物性タンパク質で病気のリスクを軽減

毎日の食生活に欠かせないタンパク質。動物性タンパク質の代わりに植物性タンパク質を摂取する食事を心掛けると、高血圧、糖尿病、心筋梗塞などさまざまな病気のリスクを軽減するといわれています。レンズ豆、納豆、豆腐、タマゴなどは豊富な植物タンパク質源。肉や魚を摂り過ぎだと感じたら、植物性タンパク質でタンパク源を補って!

清涼飲料は原材料をよくチェック

ソーダーやジュース、スポーツドリンクなど、糖分がたくさん詰まった清涼飲料は生活習慣病のリスクを高める原因に。ヘルシーな飲み物として販売されているドリンクにも糖分が多く含まれていることがあるので、まずは原材料をきちんと確認することが大切。アメリカのリサーチによると、糖分のたっぷりの清涼飲料水を毎日飲んでいると、肥満&糖尿病になるリスクが高まることが報告されています。

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糖尿病編(4)1皿のサラダが食欲抑える


 生活習慣で糖尿病やその予備軍になっている人は、食欲から逃れることが難しい。生活指導で「間食を止めましょう」といわれても、ついケーキなどに手が伸びてしまう人はいる。ただし、食材を選ぶだけで、強烈な食欲から逃れられる術があるそうだ。

 【小腸を刺激する】

 一般的に、食後の高血糖を防ぐために、食事の最初に野菜類を食べると良いといわれる。食物繊維によって、他の食べ物の吸収が抑制されることで、血糖値は上がりにくくなり、便通も良くなってコレステロールも一緒に排出するなど、さまざまな効用があるそうだ。加えて、食物繊維の働きが、食欲と関係していることが最近わかってきた。

 東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科の小田原雅人主任教授が説明する。

 「食欲を抑える『GLP-1』というホルモンは、インスリンの分泌を促して血糖値を下げ、脳の中枢神経に働きかけて食欲を抑えます。GLP-1は、小腸から分泌されるのですが、食物繊維が腸にあるL細胞を刺激することで、GLP-1が増えるのです。食物繊維は、従来満腹感をもたらすといわれていますが、食欲を抑制する働きがあることも明らかにされたのです」

 GLP-1は、痩せるホルモンといわれ、糖尿病の治療薬としても、すでに実用化されている。しかし、薬ではなく日常生活の中でも、食事の前にサラダ一皿を食べると、自然にGLP-1を増やすことができるのだ。サラダの量は、両手のひらに山盛りになる程度が目安。少しの量では、効果がないのでご注意を。

 【サンマとコーヒーも】

 GLP-1を増やすのは、食物繊維だけではない。小腸にあるL細胞には、魚に含まれる脂肪酸の「EPA」の受容体があり、EPAがくっつくことでGLP-1を増やすという。

 「サンマ、イワシ、アジ、中トロなど、脂の豊富な魚は、GLP-1を増やすことに役立ちます。ただし、食べ過ぎはよくありません。刺身定食や焼き魚定食など、ほどほどの量が食べられる料理を活用してみてください」

 もうひとつ、小田原教授が勧めるのは、無糖のコーヒー。米国の疫学調査で、ブラックコーヒーを多く飲む人は、そうでない人と比べて、糖尿病の発症が抑制されることが明らかにされたという。

 「欧米人の場合は、1日6-7杯飲むと、糖尿病の発症が少なくなることはわかっています。日本人は、コーヒーを飲む習慣がない人もいるので、無糖のコーヒーを意識して食事のときに飲むと良いでしょう」(同)

 いずれにしても、食生活を少し見直すだけで、強い食欲を封じ込め、糖尿病の改善や予防が可能といえる。そのポイントを小田原教授に教えてもらった(別表)。

 「生活習慣だけで高血糖が改善しない人は、放置せずに、薬も適切に使用して合併症を防いでいただきたいと思います」と小田原教授は話す。 (安達純子)

 ■糖尿病を改善する食生活
・1日の総カロリーを適正化し標準体重に近づける
・毎食ごとに食物繊維たっぷりの野菜を食べる
・サンマやイワシなど脂の乗った魚をほどほどに味わう
・ケーキやアイスなどの間食や清涼飲料水はやめる
・ブラックコーヒーを1日3杯以上飲む
・1回30分以上週3回の有酸素運動を行う
*治療中の人は、主治医の指導に従うこと

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