1型糖尿病を治せる可能性が浮上、大阪大学発見の「Tレグ」が防ぐ 自己免疫疾患の克服 西川伸一 THE CLUB

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 5月30日は日本IDDMネットワークが創立20周年のサイエンスフォーラムを開催した。日本IDDMネットワークは認定NPO法人で、寄付に対する税制優遇措置を受けることができる数少ない患者団体の一つ。活動を見ていると、間違いなく今後も発展が続くと確信する。

病気克服も可能か

 米国の同様な組織であるJDRF(若年性糖尿病研究財団)の活動に照らすと、おそらく次の一手として考えられるのは、ネットワーク自体が自前の科学諮問会議を持つことと思う。大いに期待している。

 この分野の面白い論文がないか目を光らせていたところ、イタリアのミラノ大学から制御性T細胞(Treg、Tレグ)を用いて1型糖尿病を治療する可能性についての論文が有力科学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌に掲載された。まだまだモデル研究段階で、1型糖尿病の本人を混乱させる懸念もあるのだが紹介することにした。

 タイトルは「肝細胞へ直接インスリンB鎖の9-23ペプチド遺伝子を導入することでFoxP3+Tregを誘導し1型糖尿病を防ぐことができる(Insulin B chain 9-23 gene transfer to hepatocytes protects from type 1 diabetes by inducing Ag-specific FoxP3+ Tregs.)」だ。


β細胞が殺される

 1型糖尿病のほとんどは自己免疫疾患で、自分の「β細胞」へのダメージが原因になる。

 血糖値を下げる臓器である膵臓。その膵臓の中にあるのがβ細胞。β細胞は「インスリン」というホルモンを出す。血糖値を下げているのはこのインスリンの働きだ。β細胞にダメージを及ぼすのは「免疫」の影響だ。免疫は本来異物に抵抗するが、自己免疫疾患と呼ばれる病気では自分自身を攻撃してしまい問題になる。1型糖尿病はこの自己免疫疾患の仕組みによって起こる場合が多い。

 β細胞を攻撃する「キラーT細胞」。多くの場合は発症までに時間がかかる。キラー細胞の反応を抑える「制御性T細胞」があるからと見られている。

 何かの原因でこのバランスが崩れてキラーT細胞が多くなると、β細胞が殺され病気が発症する。

免疫細胞のバランスを変える

 免疫システムのコントロールは1型糖尿病を研究する上で重要なテーマだ。

 今回の研究もJDRFのイノベーション助成を受けている。

 多くの方はご存じないと思うが、イタリアは遺伝子治療研究が進んでいる国の一つ。

 今回の研究は、1型糖尿病モデルマウスで、病気と関係する遺伝子を肝臓の細胞だけで表れるようにして、制御性T細胞を増やしている。免疫反応のバランスを変えるアイデアを検証している。

 なお、ウイルスを使って、「インスリンB鎖ペプチド遺伝子」という遺伝子を導入するという方法を使っている。

肝臓への遺伝子導入が奏効

 詳細を省いて結果だけを述べる。

 (1)肝臓だけに遺伝子を導入すると糖尿病の発症を止められる(2)1型糖尿病を防いだのは制御性T細胞。この細胞を糖尿病のマウスに移植すると発症を遅らせることができる(3)1型糖尿病になり始めたマウスも遺伝子の導入で病気を治すことができる。

 肝臓の細胞への遺伝子導入によって制御性T細胞が出てくる。そこから思いついたアイデアを証明している。ウイルスを使って安全か、何らかのきっかけでキラーT細胞が増えないかなど、まだまだハードルの高い治療法だと思う。

 予防と発症防止が1型糖尿病の本人にとって第一の目標と考えると、学ぶところの多い研究だと思う。

大阪大学に原点

 幸い、この制御性T細胞は現在大阪大学にいる坂口志文さんが発見したもの。今も世界をリードする研究を続けている。最近はガードナー国際賞に輝いている。日本で培ってきた研究の伝統を少し借りればハードルのより低い治療法の開発も可能かもしれない。

 ぜひ一度坂口さんにその辺りを聞いてみたいと思った。

 日本IDDMネットワーク20周年おめでとう。今後もできる限りの協力をしたいと思います。


文献情報
日本IDDMネットワーク創立20周年記念サイエンスフォーラム
http://japan-iddm.net/sympo_aichi_2015/

看護師の書いた糖尿闘病記
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コーヒーはやっぱり「善玉」らしい 糖尿病や脳卒中、「死亡リスク」まで低減

   コーヒーは「胃によくない」「カフェイン中毒になる」など、昔は健康に悪いというイメージが強かった。だが、ここ数年は「健康にいい」という研究結果が次々と明らかになっている。
   2015年5月7日に国立がんセンターが発表した報告によると、コーヒーによって死亡リスクが低下するのだという。

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1日3~4杯で24%の「全死亡リスク低下」
  

 コーヒーの健康効果を示唆する研究の成果は、日本を含め世界各国で発表されている。2009年に国立国際医療研究センターが実施した研究では、コーヒーを1日3~4杯飲んでいる人はそうでない人と比べると、2型糖尿病を発症するリスクが低下するという結果が出ている。2010年には米国や英国の脳卒中学会で、コーヒーを飲む量が多いほど脳卒中リスクが低下するという発表が相次いだ。

   コーヒーを飲むと死亡リスクが低下するという研究もある。2012年、米国立がん研究所は米国在住の40万人を13年間追跡調査し、1日4~5杯飲んでいる人は全死亡リスク(あらゆる死因を含めたリスク)が男性で12%、女性で16%低下したという。ただし、アジア人の集団を対象とした調査はなかった。
   今回の国立がんセンターの調査は「日本人も米国人と同じようにコーヒーで死亡リスクが低下する」ことを確認した形だ。

   40~69歳の男女約9万人を対象にアンケートを取り、「コーヒーをほとんど飲まない」「1日1杯未満」「毎日1~2杯」「毎日3~4杯」「毎日5杯以上飲む」という5つのグループに分類。1990年から2011年にわたって、コーヒーと全死亡リスク、さらに、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクとの関連をそれぞれ分析した。コーヒーの種類は問わず、缶コーヒーやインスタントコーヒーもまとめて「コーヒー摂取」と判断している。

   その結果、「コーヒーをほとんど飲まない」群を基準とすると、1~2杯で9%、2~3杯で15%、3~4杯で24%、5杯以上で15%の全死亡リスク低下が見られた。がん以外の疾患死亡リスクも低下が見られたが、全死亡リスク同様、3~4杯のリスク低下が最も大きく、5杯以上になると低下率が落ちており、研究者は「1日4杯までのコーヒー摂取が死亡リスク低下と有意な関連がある」とコメントしている。

クロロゲン酸とカフェインによる効果か?

   気になるのは、なぜコーヒーで死亡リスクが低下するかだ。完全に解明されたわけではないが、国立がんセンターの研究チームによると、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」の血糖値改善や血圧調整効果、抗炎症作用と、「カフェイン」が持つ血管の健康状態や呼吸器機能の改善効果が、死につながる疾患のリスクを低下させた可能性があるとしている。

   国立国際医療研究センターによる2009年の糖尿病の発症リスク低下研究でも、カフェインやクロロゲン酸の効果が説明された。カフェインは片頭痛や高血圧性頭痛の治療薬の成分に、またクロロゲン酸も特定保健用食品(トクホ)の成分として利用され、人体に対する一定の効果が確認されている。
   なお、緑茶の摂取量が1日5杯以上で全死亡リスクが低下する、という研究も発表されており、コーヒーが苦手な人は緑茶を飲むのもよさそうだ。

[アンチエイジング医師団 取材TEAM/監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]
参考論文

コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループ

J-CASTニュース

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糖尿病黄斑浮腫に、これまで知られていなかった原因、「PKal」と呼ばれる仕組み 新しい治療薬が開発される可能性がある

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 糖尿病黄斑浮腫を誘発する原因として、「VEGF(血管内皮成長因子)」と呼ばれる仕組みのほかに「PKal」と呼ばれる仕組みが関係していると新しく分かった。

 治療につながる可能性もありそうだ。

 世界最大の糖尿病研究施設である米国のジョスリン糖尿病センターの研究グループが、糖尿病の専門誌ダイアベティスのオンライン版で2015年5月15日に報告した。

視力喪失の原因に

 糖尿病黄斑浮腫は「DME」とも呼ばれる。糖尿病の影響で目の中の血管から血液の成分が漏れ出してしまう。物がぼやけて見えたりする。視力喪失の原因としては世界中でも主要なもので、長期にわたって糖尿病にかかっている人の5分の1が、その影響を受けている。

 糖尿病黄斑浮腫は、目の内部にあるVEGFタンパク質が原因とされ、治療には近年、VEGFを標的とする薬が開発されてきた。およそ半分の人には薬が効かないのが問題だ。

 研究グループは、糖尿病黄斑浮腫を伴う人と糖尿病黄斑浮腫を伴わない人の目からそれぞれ液体成分を取って調査した。

2つのタイプがある

 比較調査から、糖尿病黄斑浮腫の人は2つのグループに分かれると判明した。

 ここで注目されたのがPkal(血漿カリクレインキニン)と呼ばれるタンパク質だ。

 1つグループでは、PKalとVEGFタンパク質の両方がある。もう1つのグループでは、高レベルのPKalはあるが、VEGFがない。

 動物実験では、糖尿病のネズミにPKalに関連するタンパク質は多いがVEGFの少ない液体を注入すると、網膜の血管から血液の成分が漏れ出して病気のようになった。この異常を防ぐためには、PKalを邪魔する薬が有効で、VEGFを邪魔する薬は無力だった。

 要するに、VEGFを標的とする薬が効かない人では、PKalの仕組みが影響している可能性があるというわけだ。

 糖尿病黄斑浮腫の薬として、PKalを邪魔するタイプの飲み薬が有効であるかもしれないと研究グループは指定している。

 将来的に登場してくるかもしれない。
訂正(2015/6/2)・本文中、PKalについて「血漿カリクラインキニン」と記載しましたが、正しくは「血漿カリクレインキニン」となります。お詫びして訂正いたします。

文献情報
Kita T et al.Plasma Kallikrein-Kinin System as a VEGF-Independent Mediator of Diabetic Macular Edema.Diabetes. 2015 May 15. [Epub ahead of print]

Medエッジ「最先端を親切に」、医療と健康の情報サイト

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糖尿病の血液検査、HbA1cは太った人に厳しすぎ!?

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糖尿病の検査として、血液検査で「HbA1c」という物質を調べるのが、血糖値の検査と並んで標準的です。HbA1cは検査前1か月から2か月程度の血糖値を反映すると考えられ、持続的に血糖値が高くなっているかどうかの目安にされます。中国の研究班から、HbA1cによって糖尿病を見分けようとすると、肥満の人では間違いが多くなることが報告されました。

◆中国の4,325人を診断

糖尿病の診断は「経口ブドウ糖負荷試験」(OGTT)という検査によってなされます。OGTTはブドウ糖を飲んだ前後で血糖値を測ってその変化を見る検査です。HbA1cを測ってもOGTTの結果とある程度一致すると考えられていますが、この研究ではその正確さを調べました。
研究の対象者は下記の通りです。
中国のハルビンで行う、人口全体に対する横断研究として、以前に糖尿病と診断されたことのない20歳から74歳の人4,325人を対象とした。
以前に糖尿病と診断されたことのない人4,325人が対象となりました。
研究班は、HbA1cとOGTTのそれぞれで対象者を正常・前糖尿病状態・糖尿病の3段階に分け、HbA1cによって分けた結果がOGTTによる正しい診断と一致するかどうかを見ました。特に、肥満の程度を表すBMI(体重÷身長の2乗)によって結果に違いがあるかどうかを調べました。

◆BMIが高い人にはHbA1cの基準を上げたほうが当てはまる

統計解析の結果、HbA1cによる診断の正確さは、以下のようにBMIによって変わっていました。
BMIが大きいほど、HbA1cOGTTの診断結果は不一致が多くなった(正常体重でκ=0.359BMI25の過体重でκ=0.312BMI30の肥満でκ=0.275)。
前糖尿病状態に対して80%特異度、糖尿病に対して97.5%の特異度をクリアするHbA1cの最適なカットオフ値は、正常体重では前糖尿病状態に対して5.6%、糖尿病に対して6.4%であり、過体重では前糖尿病状態に対して5.7%、糖尿病に対して6.5%、肥満では前糖尿病状態に対して6.0%、糖尿病に対して6.5%だった。

BMIが25以上の「過体重」の人、BMIが30以上の「肥満」の人ではHbA1cによる診断がOGTTによる診断と一致しない場合が多くなり、次のようにBMIによってHbA1cの基準値を変えると、OGTTの結果に最もよく当てはまりました。

  • BMIが25未満のとき
    • HbA1cが5.6%以上を前糖尿病状態とする
    • HbA1cが6.4%以上を糖尿病とする
  • BMIが25以上30未満のとき
    • HbA1cが5.7%以上を前糖尿病状態とする
    • HbA1cが6.5%以上を糖尿病とする
  • BMIが30以上のとき
    • HbA1cが6.0%以上を前糖尿病状態とする
    • HbA1cが6.5%以上を糖尿病とする

日本で使われている、日本糖尿病学会による診断基準では、HbA1cの基準値をBMIによって変えてはいません(WHOの基準では、HbA1cを診断のための情報に含めていません)。
BMIが30以上だとOGTTが正常でもHbA1cが高めになりやすいという傾向が、もしどこででも再現されるものなら、健康状態の評価に影響があるかもしれません。糖尿病を専門にされている医師の方は、BMIとHbA1cの関係を感じたことがありますか?

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オランダの研究者、画期的な糖尿病治療法を発見

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オランダの研究者が1型糖尿病によるインスリン分泌破壊を元に戻すという活気的な治療法を発見した。すでに10年以上この病気で苦しんでいる患者にも、この治療法は効果があるという。本日発表されたこのニュースによれば、この自己免疫疾患が短期間で改善されたり、完治するという実験結果が出ている。

この研究を率いているのは、ライデン大学メディカルセンターに所属し国際的に有名な糖尿病研究者ループ博士である。(professor Dr. Roep)

「1型(2型も)糖尿病患者がインスリンを注射しているが、これは対処療法に過ぎない。我々が現在取り組んでいるのは破壊されたインスリン分泌機能を元に戻すというものである。」とループ博士は語っている。

オランダニュース

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【歴史マニアの女医コラム】あの平安時代の超有名貴族は糖尿病だったことが判明!

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こんにちは! 歴史好き女医の馬渕まりです。専門は代謝内科。脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病が得意分野です。

・実はある病気にかかっていたさて突然ですが「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」の作者は誰でしょう? 答えは「藤原道長」(966~1027年)。平安貴族の頂点、関白として栄華を極めた人ですね。そんな道長さんですが実はある病気にかかっていたのをご存知ですか? ズバリ「糖尿病」です。

・糖尿病に特有の症状糖尿病は膵臓から出るインスリンの作用不足により高血糖になる病気です。高血糖が長く続くと血管が傷み様々な合併症を併発。このうち微小血管障害によっておこる「神経障害」「網膜症」「腎症」は糖尿病に特有の症状であり「糖尿病の3大合併症」と呼ばれます。
そして道長さんに関する文献には糖尿病を疑わせる記述がいくつか認められるのです。

・『小右記』や『御堂関白記』に疑惑の記述同時代の貴族が書いた『小右記』の中に、道長は51歳頃から「口が渇きやたらと水を飲む」ようになったと書かれています。
ここで病気の話に戻りますが、血糖値が高い状態になると、血管内の浸透圧が高まり、細胞から血管の中へと水分が移動します。その結果、血管内の水分量は増え尿量が増えますが、細胞は脱水となるので口が渇き、多飲となります(詳しく知りたい方は「浸透圧利尿」で調べて下さい)。

・飲水病(糖尿病)道長の多飲はこの浸透圧利尿によるものと考えられます。実は小右記の作者さんは結構な実力者だったため道長のことも遠慮なく書いており。ずばり「飲水病(糖尿病)」と書いちゃってるんですね~。

・糖尿病による白内障の悪化『御堂関白記』には道長が目を悪くしていた記述が出てきます。「二、三尺相去る人の顔も見えず」これは糖尿病性網膜症ないし、糖尿病による白内障の悪化が疑われます。道長が「この世をば~」の歌を読んだのは50代。
もしかしたら「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 実は見えないんだよね!!」だったのかも知れません。

・兄も叔父も甥も糖尿病ですさてさて糖尿病の原因ですが「肥満や過食などの生活習慣」はもちろんですが「遺伝的素因」が大きいこともご存じでしょうか? 糖尿病で初診の方には「親や兄弟などの血縁に糖尿病の方はおられますか?」と必ず家族歴を聞きます。では道長さんにも家族歴を聞いてみましょう!

道長「兄の道隆、叔父の伊尹、甥の藤原伊周が糖尿病です」

めっちゃ家族歴濃厚ですね……。平安時代の食生活は現代と比べれば質素だった模様ですが、貴族のトップとなるとそれなりに贅沢な食事もしていたのではないでしょうか? 当時のお酒は今と違って大量の糖分を含む、あま~い濁り酒だった模様。当時は「贅沢病」とされ、患者数も現代と比べるものすごく少数でした。

・最近の糖尿病予備群の合計は2050万人しかし飽食の現代、糖尿病の患者数は増えに増え2010年の調査では糖尿病と糖尿病予備群の合計は2050万人、国民の5人に1人が該当します。お金持ちでなくても普通にかかっちゃう病気となりました。皆さまもわが世の春を謳歌するために糖尿病には気をつけて下さいね。ではまた♪

執筆: 武将ジャパン(馬渕まり)

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糖尿病、ワンストップで治療を受けられるの?

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 糖尿病では、地域の診療所と大きな病院が協力しながら治療するスタイルが進んでいることを知ったものの、患者は複数の医療機関を受診しなければならないため、ナオコさん(49歳・会社員)はすっきりしません。
 ワンストップで糖尿病治療を受けられる方法はあるのでしょうか。 

 休日に大学時代の友人とランチを楽しんだナオコさん。気持ちのいいテラス席で食後のコーヒーを飲みながらおしゃべりに花を咲かせました。この年齢になると、どうも健康の話題が多くなります。
 「そういえばね、ダンナが糖尿病になっちゃって……」とナオコさんは、夫のマサオさん(53歳)の糖尿病のいきさつについて友人のマリさんに話し始めました。「大学病院で糖尿病の合併症を半年に一度、チェックしてもらっているけど、あちこちの病院に行くのは面倒だから、私なら一つの医療機関で診てほしいわ。何でもワンストップで便利にしようという世の中の流れに逆行していると思わない?」とナオコさんは不満そうに言いました。
 すると、マリさんからは「あら、うちの母(76歳)は近所のクリニックで糖尿病の治療も合併症のチェックも受けているわよ」と意外な返事。
 「でも、そのクリニックの先生は糖尿病専門医じゃないのでしょう」
 「いいえ、それが糖尿病専門医で、とても親切な先生なの」
 1つの医療機関で糖尿病の治療と合併症のチェックを受けるには、マリさんのお母さんのように診療所(医院・クリニック)を開業している糖尿病専門医に最初からかかる方法があります。5月7日号で紹介したように日本糖尿病学会のホームページでは糖尿病専門医が検索できるようになっており、リストには勤務先も明記してあるので、診療所にいる専門医を簡単に見つけることができます。


●日本糖尿病学会HP 専門医検索
http://www.jds.or.jp/modules/senmoni/

 「その手があったのか!」とナオコさんが感心しているとマリさんは「でもね……」と言葉を続けました。「糖尿病性網膜症のチェックは眼科じゃないとできないから、年に1回、紹介してもらった眼科医院で眼底検査を受けているわよ。心電図は撮ってもらっているけど、脳のMRIやCTは撮れないし……。クリニックの場合も検査によっては他の医療機関に行くことになるわね」
 また、マリさんのお母さんが通院しているクリニックは糖尿病以外にも内科全般を診療しているため、糖尿病療養指導士などの専門スタッフもいないということでした。糖尿病専門医とはいえ、診療所を経営するうえで糖尿病に特化するのは採算が難しいので、マリさんのお母さんが通院しているクリニックの診療スタイルが一般的だといえるでしょう。
 ただし、近年は都市部を中心に、専門性を生かして「糖尿病専門クリニック」を開業する医師も出てきています。このような専門クリニックには、糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師や管理栄養士が在籍していることが多く、総合病院や大学病院とほぼ同レベルの治療や療養指導を受けることができます。なかには、料理教室や運動教室などのサービスを用意し、療養を支援してくれる専門クリニックもあります。インターネットなどを利用して一度、探してみるのもよいでしょう。

解決策①

  • ワンストップで治療を受けるには、診療所にいる糖尿病専門医に最初からかかる方法がある
  • ただし、合併症を調べる検査によっては他の医療機関を受診することもある
  • 近年は都市部を中心に、大きな病院とほぼ同レベルの治療や療養指導を受けられる糖尿病専門クリニックも登場している

 「クリニックでは検査機器が限られるといっても3大合併症や大血管障害はきちんとチェックしてもらっているようだし、その先生は在宅医療もやっているので、母の先々のことを考えるとかえって安心だと思っているのよ」とマリさん。
 同じ糖尿病といっても年齢によって医療機関を選ぶポイントがずいぶん違ってくることに、ナオコさんは改めて気づきました。糖尿病のように患者数の多い病気は、いろいろな医療機関で対応しているので、それぞれの特徴(メリット・デメリット)をよく理解したうえで、自分の年齢や生活スタイルなどの状況に合った医療機関を選ぶのがよさそうです。 
 一方、マリさんが一つ残念に思っているのは、クリニックでは管理栄養士による栄養指導が受けられないことです。「母の年齢になると好きなものを食べさせてあげてもいいように思うけど、高血圧症も抱えているから脳卒中のリスクがさらに高まるのよ。脳卒中で寝たきりになるのは本人も家族も困るから毎日の食生活にはやっぱり気をつけてほしいわ……」
 マリさんのお母さんの場合、糖尿病の栄養指導を受けられる方法は主に二つあります。

解決策②
地域のクリニックにかかっていて、管理栄養士による栄養指導を受けたい場合は

  • 総合病院や大学病院の「外来栄養指導」のサービスを利用する
  • 各都道府県栄養士会の「栄養ケア・ステーション」のサービスを利用する

 総合病院や大学病院の中には、地域の糖尿病患者を対象に「外来栄養指導」を実施している施設があります。手続きとしては、かかりつけ医から病院の地域医療連携室に依頼してもらい、栄養指導の予約を取ってもらうパターンが多いようです。このサービスを希望する場合は一度、かかりつけの医師に相談してみましょう。なお、外来栄養指導には健康保険が使えるので、患者さんの自己負担は1~3割ですみます。
 各都道府県の栄養士会では、地域住民を対象に管理栄養士・栄養士が食生活のサポートを行う「栄養ケア・ステーション」という事業を展開しています。例えば東京都栄養士会の栄養ケア・ステーションでは糖尿病患者の栄養指導に対応しており、個人からの依頼も受け付けています。ただ、この栄養指導は治療行為にあたるため、かかりつけ医の了解と指示が必要です。また、患者宅に管理栄養士が出向く場合は栄養指導の費用と交通費は全額自己負担になります。医療機関に管理栄養士が出向く場合は健康保険が使えるので、患者さんの自己負担は1~3割です。このサービスを希望する場合は、個人で依頼するよりもかかりつけ医に相談して、診療所に栄養ケア・ステーションから管理栄養士を派遣してもらうほうがよいでしょう。
 また、管理栄養士・栄養士に自宅で低カロリー食や減塩食などの作り方を教えてもらいながら、食事のポイントについてアドバイスを受けることも可能です。これは料理教室にあたるため、かかりつけ医の了解と指示は必要ありません。費用は2時間で5000~6000円+交通費で、調理に使用する食材は利用者が用意します。
 なお、栄養ケア・ステーションのサービスの内容は都道府県によって多少異なります。訪問サービスだけでなく電話相談を行っているところもあるようです。詳細については住んでいる地域の都道府県栄養士会の栄養ケア・ステーションに問い合わせてください。


●日本栄養士会HP 各都道府県栄養ケア・ステーションリンク
http://dietitian.or.jp/caring/index.html

 このほか保健所や保健センターでも管理栄養士が活動しており、健康相談の中で食生活の悩みを受け付けていますし、地域で行われている栄養相談の情報を教えてくれることもあります。また、最近は管理栄養士が栄養相談を行っている保険薬局も増えています。インターネットの検索サイトに「保険薬局」+「栄養相談」などのキーワードを入力すると、各地で活動している保険薬局がヒットしてきます。
 「探してみると、大きな病院にかかっていなくても地域の中で栄養指導や栄養相談を受けられる場所はけっこうあるものね」とマリさんは驚いていました。
「栄養ケア・ステーションの料理教室なんて、すごくいいじゃない? 私もマサオさんの食事づくりには苦労しているのよね……。あなたとあなたのお母さんと私の3人で受ければ材料費を含めても1人あたり3000円くらいですみそうよ」というナオコさんの提案で、さっそく2人は栄養ケア・ステーションのサービスを申し込んでみることにしました。
 さて、今回で糖尿病シリーズはいったん終了します。来月は、社会的問題にもなり始めている認知症について取り上げます。なかなか決め手となる解決策のない分野ですが、毎日の暮らしが少しでも楽になる方法を、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

アピタル編集部より
この連載は、架空の家族を設定し、身近に起こりうる医療や介護にまつわる悩みの対処法を、家族の視点を重視したストーリー風の記事にすることで、制度を読みやすく紹介したものです。
愛媛県生まれ。京都女子大学卒業。医療系出版社を経て、フリーランスに。1988年より医療・介護分野を中心に編集・執筆に携わる。共著に『日本全国病院<実力度>ランキング』『知っておきたい病気の値段のカラクリ』(共に宝島社刊)『がん―命を託せる名医』(世界文化社刊)などがある。東京大学医療政策人材養成講座1期生。現在、総合女性誌『家庭画報』の医学ページで、がんの治療をはじめ療養に伴う心や暮らしの問題に対してサポートしてくれる医療スタッフを紹介する「がん医療を支える人々」を連載中。

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糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?


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血糖値と脳の関係を調べるホルツマン医師 Robert J. Boston/Washington University School of Medicine

 血糖値が脳に影響を及ぼす可能性があることが、別々に行われた2つの試験の結果、明らかになった。この新しいデータは、糖尿病がアルツハイマー病などの認知症を発症する重要なリスク要因となる可能性を示している。

 ミズーリ州セントルイスのワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。アミロイドベータというたんぱく質はアルツハイマー病に重要な役割を果たす要因と考えられている。この研究は5月に米医学誌「ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション」に掲載された。

 これとは別にピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。この研究は4月に米神経学会の学会誌「ニューロロジー」のオンライン版に掲載された。

 いずれの試験の結果も決定的ではなく、さらなる調査が必要だ。 それでも医師らはこれらの所見が、糖尿病患者が血糖値を管理し、健康な数値内にとどめる必要性を強調していると指摘する。

 ノースカロライナ州にあるウェイクフォレスト大学医学部のスザンヌ・クラフト教授(老年学)は、インスリン非依存型(2型)糖尿病の患者にとって、運動はアルツハイマー病のリスクを減らすのに有望な方法だと語る。

 運動は体内でインスリンのさらに効率よい代謝を促す。インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

 2型糖尿病は遺伝などに加え、生活習慣が関わりインスリン受容体が低下して起きる。1型糖尿病はたいてい小児で発症し、体内でインスリンが生成されない。

 セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。「高血糖値は脳の機能の仕方に影響を与えているようだ」と語る。

ウォール・ストリート・ジャーナル

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テレビを見過ぎるから糖尿病になる?――米研究結果

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テレビを見る時間が増える毎に、糖尿病のリスクは高くなる。なんとなくそうだろうと思っていましたが、きちんとした研究結果を 無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』でお伝えしています。


糖尿病予備軍の人はテレビを見るのが最悪の選択なんだって?

今日は、糖尿病予備軍の人はテレビを見るのが最悪の選択なんだって?というお話です。糖尿病発症の境界線にある人がテレビの前に座り続けるのは“最悪の選択”である可能性が、示されました。糖尿病予備軍の場合、テレビ視聴に費やす時間が1時間増えるごとに、2型糖尿病発症のリスクが3.4%高まるそうです。

研究責任著者で米ピッツバーグ大学公衆衛生学大学院疫学Kriska教授は、肥満の蔓延が米国を悩ませ続けている現状を鑑みると、この結果は問題だと指摘しました。
「時代を追うごとに人々はより非活動的に、かつ過体重になっており、糖尿病リスクに直面する人は飛躍的に増加している。座りがちな生活習慣のために糖尿病リスクにさらされている人は決して少なくない」と述べています。
研究では、2002年に報告された米国政府助成による「糖尿病予防プログラム(DPP)」のデータを活用したそうです。

同プログラムの参加者は1996~2002年に過体重だった米国成人3,200人強です。糖尿病治療薬メトホルミンの服用、あるいは生活習慣の変更によって2型糖尿病ハイリスク者の発症を予防、あるいは遅らせることを目的に介入が行われました。
DPPの介入で2型糖尿病予防に最も効果的だったのは、食事量を減らし、運動をすることでした。食事と運動への介入は、何もしない場合に比べて糖尿病発症率を58%低下させたそうです。一方、糖尿病の治療薬であるメトホルミン投与群では、糖尿病発症率は31%しか低下させられなかったそうです。
このときに運動が糖尿病を予防するという結果が示されたことから、今回の解析では、逆に長時間座りがちであることが糖尿病リスクを高めるかどうかについて焦点をあてたそうです。

DPPの介入前、参加者は全員同じ時間(1日140分)をテレビ視聴に費やしていました。DPPの介入でライフスタイルを変更した群では、研究終了時までにテレビ視聴時間が1日あたり22分短縮していたが、メトホルミン投与群では3分、何も変更しなかった群では8分短くなっただけでした。

このデータを他の因子で調整すると、テレビ視聴が1時間長くなるごとに、2型糖尿病発症リスクは3.4%高くなることが判明したそうです。


この結果について、米国糖尿病協会(ADA)のMarrero氏は、代謝への影響に加えて長時間テレビの前に座っていることは過食を促進すると指摘しています。

「私自身も、テレビの周辺にいるとジャンクフードを口に入れやすい。消極的なテレビ視聴ではスナック菓子を食べる傾向がある」と話しています。

そうですよね。TVを見てたら、スナック菓子をつい食べちゃいますよね。糖尿病予備軍の皆様、なるべくTVを見ないようにしましょうね。

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糖尿病患者の半数近く、定期眼科受診の重要性認識せず

 国内では糖尿病の三大合併症の一つ「糖尿病網膜症」で失明する人が年間約3000人に上る。この眼疾患はかなり進行するまで視力への影響が出にくいため、糖尿病と診断されたら早期かつ定期的に眼科を受診することが大切だが、患者の半数近くが重要性を認識していないことがバイエル薬品などの調査で分かった。

 今年3月、糖尿病で通院治療している20~79歳の男女計1000人にインターネットを通じて聞いた。

 少なくとも年1回の眼科受診が必要だと知っていた人は53%止まり。認識の低さを裏付けるように、受診経験が一度もない人が24%もおり、診断から1年以上たって初めて受診した人も37%に達した。

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糖尿病はぽっちゃり型のほうが死亡率が低い?


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2型糖尿病は太ると起こりやすいと考えられています。心筋梗塞など重い病気の原因にもなる2型糖尿病がある人なら、痩せた方が健康に良いと思いがちですが、今回イギリスで大規模かつ長期間のコホート研究を行ったところ、なんと太り気味の方が死亡率が低い結果となりました。

2型糖尿病患者における体重と死亡率の関係を調査

著者らは以下の項目に関し、2型糖尿病患者の予後肥満の関係を調査しました。
心血管疾患の無い2型糖尿病患者について、肥満度指数(BMI)と予後に関する関連を調査した。総死亡率と心血管疾患罹患率(例えば、急性冠動脈症候群、脳血管障害、および心不全など)の情報が収集された。
つまり、2型糖尿病患者の肥満度指数(BMI、体重÷身長の2乗)と、心血管疾患にかかった人の割合、また死亡率との関係を調べました。

◆体重が重くても死亡率が高い訳ではなかった

著者らの調査の結果、以下の事実が観察されました。
10,568人の患者について平均10.6年間追跡調査をおこなった(四分位数範囲は7.8から13.4)。平均年齢は63(四分位数範囲は55から71)で、54%が男性であった。BMI25を越える過体重あるいは肥満患者はBMI18.5から24.9の通常体重の患者よりも、心疾患イベントを生じる可能性が高かった。しかしながら過体重(BMI25から29.9)の患者では死亡率が低く、肥満(BMI30を越える)患者では通常体重の患者と同等の死亡率であった。痩せている患者が一番予後が悪かった。
この調査において死因のデータは利用出来なかった。
この調査ではBMIで肥満度を分けています。BMIが25以上30未満の人を「太り気味(過体重)」、BMI30以上の人を「肥満」としました。
2型糖尿病治療後の患者において、肥満とは言えないけれど太り気味の患者が一番低い死亡率を示し、痩せている患者が一番死亡率が高かった事を報告しています。
著者らは、「この調査では、[…]過体重であると死亡率が低かったが、肥満ではそうではなかった」と述べています。
とにかく痩せれば良い訳ではないようで、とても興味深い結果ですね。心血管系の病気が起きるメカニズムについては、様々な研究をもとに今後も解明が続いていくのでしょう。

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「糖尿病なら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」

第4回臨床高血圧フォーラム、久山町研究を清原・九大教授が講演
2015年5月26日 橋本佳子(m3.com編集長)

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九州大学大学院医学研究院環境医学教授の清原裕氏。

 5月23日に福岡市で開催された第4回臨床高血圧フォーラムで、九州大学大学院医学研究院環境医学教授の清原裕氏は、「日本人の生活習慣病の時代的変遷―半世紀に及ぶ久山町研究からのメッセージ」と題して講演、「糖尿病患者を診たら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」などと述べ、糖尿病により、がんや認知症の発症リスクが高まることが、最近の研究により明らかになってきたと報告した。
 当初は脳卒中など心血管疾患の実態調査からスタートした「久山町研究」では、高血圧対策や喫煙対策などで心血管疾患は減少した一方、糖尿病など代謝性疾患が新たな健康上のリスクとなり、その管理が重要課題になっている。

 清原氏は、「昔の教科書には、糖尿病の合併症として、がんは書かれていなかった。今は、糖尿病の患者を診たら、がんを常に頭に置かないといけない」と指摘し、その理由について、競合リスクの考え方に基づき、「一つの原因が、二つ以上の結果をもたらすことがある。糖尿病患者は、以前は動脈硬化性疾患による死亡が多かったので、がんとの関係は見られなかった。しかし、動脈硬化性疾患による死亡の減少に伴い、今度はがんの罹患が問題になってきた」と説明。

 認知症患者の将来推計は、健康診断の受診率が高い久山町研究のデータで推計すれば、2040年には約1000万人、つまり国民全体の10人に1人という高率になる。久山町研究では、60歳以上の約2人に1人は死亡するまでに認知症を発症すると推定され、「今のままでは、夫婦が長生きしたら、どちらか一人は認知症になる時代が来るだろう。日本の最大の健康問題は認知症であり、国家的危機とも言える。この負担に耐えられるのか」と清原氏は警鐘を鳴らし、「がんと認知症を予防するために、糖尿病を治療する時代」における対策の重要性を強調した。

 剖検率75%、追跡率99%以上

 久山町研究は、1961年からスタートした、40歳以上の全人口を対象とする前向きコホート研究。久山町は、福岡市の東に隣接する町で、人口は現在約8400人。人口構成、職業構成、栄養摂取状況は、研究開始当時も現在も日本の平均とほぼ同じだ。
 1961年から対象者を順次追加しており、現在は6つの集団に分けて追跡している。いずれも、健診の受診率が約80%と高い。「受診率が低いと、健康な人が受診する割合が高くなり、結果として各疾病の罹患率が低く出てしまう。循環器系疾患の場合、受診率は70%を超えないと、バイアスがかかってくる」(清原氏)。通算剖検率は75%と高いため、死因のほか、隠れた疾患の有無も詳細に検討している。追跡率も99%以上と極めて高く、「世界で一番精度が高い疫学調査」と清原氏は誇る。

 心血管疾患の危険因子に変化あり

 男性について、1961年以降の心血管疾患の発症率を見ると、脳卒中発症率は当初は大きく減少したが、最近は頭打ちになっている。人口1000人年に対し、「1961年から1968年」の集団は14.3で、「1974年から1981年」の集団は7.0に半減したが、以降は4.2~5.5程度で推移している(いずれも追跡期間は7年)。

 その原因は「危険因子の変化」と清原氏は説明。研究の開始以降、高血圧予防や管理の徹底が進み、喫煙率は減少した。一方、増えているのは、肥満、高コレステロール血症、糖代謝異常であり、これらの増加が心血管疾患の減少を抑えている。

 その中で増加が著しいのは、糖代謝異常だ。40歳以上の男性の頻度は、1988年と2002年の比較で見ても、1998年の42.2%(糖尿病15.3%、耐糖能異常19.0%、空腹時血糖異常7.9%)から、2002年には59.7%(糖尿病24.0%、耐糖能異常21.4%、空腹時血糖異常14.3%)まで増えている。これらの数値は、2002年の厚生労働省の「糖尿病実態調査」の約2倍だが、同調査の健診受診率は67.0%であるのに対し、久山町研究は約8割と高いことが理由として挙げられるという。

 もっとも、高血圧、糖代謝異常、肥満、高コレステロール血症、喫煙はいずれも、心血管疾患の危険因子であることは久山町研究のこれまでの成果で証明されており、今後も対策が重要であることには変わりはない。


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 糖尿病で発がんリスク2倍

 清原氏が、新たな課題として提示した一つが、糖尿病とがんとの関係だ。耐糖能レベル別(WHO基準)では、悪性腫瘍による死亡の相対危険度は、正常に対し、IFG(カットオフ値100mg/dLに調整)1.5、IGT1.5、糖尿病2.1といずれも有意に高い(40~79歳の2438人、1988年から2007年の追跡。年齢、性、BMI、血清総コレステロール、喫煙、飲酒、がんの家族歴、運動、食事性因子を調整)。

 特に日本人に多い胃がん発症リスクと、HbA1cとの関係を見ると、5%台に対する相対危険度は、6.0%台2.1、7%以上で2.7に高まる(40歳以上の2603人、1988年から2002年の追跡、各種因子を調整)。空腹時血糖高値でも同様に、胃がんの発症リスクは高まる。そのメカニズムとして、高血糖が酸化ストレスになり遺伝子を障害し、正常細胞ががん化するInitiationに関与するほか、Promotion、Progressionの各段階においても、関係していることが想定されるという。

 糖尿病でアルツハイマー病発症リスク2倍

 認知症の患者数について、清原氏は、全国推計よりも実際にはより多いと見る。2010年の全国調査では、65歳以上の高齢者の健診受診率は68%で、有病率は15%(介護保険における日常生活自立度II度以上の認知症高齢者)。一方、久山町の受診率は9割を超え、2012年の有病率は17.9%。久山町のデータで推計すれば、2040年の認知症患者は約1000万人、つまり国民の10人に1人の割合になる。

 認知症の中でも最近特に急増しているのが、アルツハイマー病だ。耐糖能レベル別(WHO基準)では、アルツハイマー病発症の相対危険度は、正常に対し、IFG0.5、IGT1.6だが、糖尿病では2.1と有意に高い(60歳以上の1022人、1988年から2003年の追跡。年齢、性、学歴、脳卒中既往、心電図異常、BMI、血清総コレステロール、喫煙、飲酒、身体活動度を調整)。同様の対象集団において、糖負荷試験後2時間の血糖レベルで見ても、140mg/dL以上で、アルツハイマー病発症が有意に高い。

 糖尿病がアルツハイマー病発症に関与するメカニズムとしては、糖毒性、インスリン抵抗性などの関与が考えられている。「糖尿病治療に当たっては、細小血管症や大血管症を念頭に置くが、がんや認知症の予防という視点に欠ける」と清原氏は指摘。今後、久山町では、認知症発症予防のためのライフスタイルなども研究していくという。

「糖尿病なら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」|医療維新 – m3.comの医療コラム

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コーヒー・緑茶で死亡リスク低下!
飲まない人に比べて24~15%改善

「コーヒーや緑茶を飲む人の方が死亡リスクが低下する」

   今月7日(2015年5月)、国立がん研究センターの研究グループが発表した。この直後からおばあちゃんたちの人気スポット、東京の「巣鴨地蔵通り」のお茶屋さんは緑茶の売り上げが3倍になり、名古屋の珈琲店では3杯、4杯とお代わりする客が増えた。中谷文彦アナが「コーヒーや緑茶でどれだけ死亡リスクが低下するのでしょうか」と取り上げた。

気管支疾患、動脈硬化、糖尿病にはっきり効果

   研究グループは19年間で男女9万人を対象に調査を続けてきた。「コーヒー摂取と全死亡リスク」の比較では、コーヒーをまったく飲まない人の死亡リスクを1とすると、1日に1~2杯飲む人は0・85と15%低下し、3~4杯飲む人は0・76と24%も下がった。
   緑茶も1日1杯未満の人の1に比較すると、5杯以上飲む人は男性は0・87、女性は0・83と13~17%も開きが出る。

   なぜ死亡リスクを低下させるのか。理由はカフェイン、緑茶に含まれるカテキン、コーヒーのクロロゲン酸にある。国立国際医療研究センターの糖尿病研究・野田光彦部長はこう解説した。「コーヒーと緑茶のカフェインは喘息の気管支拡張を促すテオフィリンと同じ作用で、呼吸器疾患のリスクを減少してくれます。緑茶のカテキンは動脈硬化を防ぐので、心疾患や脳血管疾患のリスクを低下させてくれる。コーヒーのクロロゲン酸は糖尿病になるリスクを減少してくれます」

   ただ、コーヒーのクロロゲン酸には注意が必要と言う。コーヒーマイスターの今井俊夫さんは「生のコーヒーは黄土色です。これを黒くなるまで深煎りすると熱に弱いクロロゲン酸は飛んでしまうので、茶色の浅煎りの方が成分を多く摂れます」
   中谷アナ「この調査は今後も継続されます。ただし次の結果発表は5年後という事です」
(磯G)

J-CASTテレビウォッチ

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突然の喉の渇き…もしかして糖尿病かも!?


 運動したり、暑い場所に長時間いたりすると喉が渇きますよね。それは、汗をかいて体内から水分が失われるので、体内の水分を補おうとする身体の正常な反応です。しかし、特に何もしていないのに、突然喉が渇いてたくさん水を飲んでしまったという経験がある方はいませんか?

 そのような経験をしたことがある、もしくはそのような状態が続いているという方、もしかしたら糖尿病かもしれません。突然の喉の渇きは糖尿病を知らせる危険信号です! 今回は、健康医療情報メディア「いしゃまち」が、糖尿病の早期発見と治療方法についてご紹介します。

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糖尿病の症状とは?

 糖尿病は、インスリンの作用が不足するために体内でブドウ糖をうまく使うことができず、身体に十分な栄養を供給できなかったり、おしっこの中に糖が大量に出てきたりします。そのため、糖尿病では以下のような症状が現れます。

・突然喉がかわく
・おしっこがたくさん出る
・体重が減少する
・つかれやすい

糖尿病の人はどのくらいいるの?

 日本では、糖尿病が強く疑われる人は890万人、可能性が否定できない人を含めると2210万人(成人の約5人に1人)と推定されており、現在もその数は増えています。

 こんなに多いなんて驚きですよね!

糖尿病、何がそんなにこわいの?

 これまで、糖尿病の代表的な症状や日本の糖尿病患者数の多さについて述べてきました。でも、読者の皆さんのなかには、「これくらいの症状なら別に問題ないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖尿病が怖いのは、その合併症なのです。

 長期間高血糖の状態が続くと、全身の血管がダメージを受けてしまいます。手足の先や目の網膜、腎臓には細い血管が存在しているのですが、このような細い血管は特にダメージを受けやすく、以下の3つは糖尿病の3大合併症といわれています。

●末梢神経障害

 糖尿病発症後最も早くみられる合併症です。足先がしびれて感覚が鈍くなるため、刺激に対して鈍感になります。そのため、足にけがをしても気づかずに変形や潰瘍をきたし、傷口から感染を起こすと足が腐ってしまうこともあります。

●網膜症

 糖尿病を未治療のまま放置すると、7~10年で50%、15~20年以上で約90%の人が網膜症を発症します。

 網膜症は進行すると失明につながります。

●腎症

 糖尿病発症後5~10年以上経過した人に見られます。放置すると腎不全になり、透析をしないといけない状態になってしまいます。

 糖尿病を早く発見して早く治療しないといけないのは、上記のような合併症の進行を防ぐためなのです。

糖尿病の診断は?

 糖尿病を診断するためには、血糖値、HbA1cの値が必要となります。最近の健康診断の結果を見てみましょう。「糖尿病とは :公益社団法人日本糖尿病協会」に糖尿病の診断基準が掲載されているので、参考にしてみてください。

「糖尿病かも…」と少しでも思った場合は、すぐに病院を受診してください。

糖尿病の治療は?

 糖尿病の治療の目的は、良好な血糖コントロールを維持することで合併症の発症や進行を防ぎ、健常人と変わらない生活を送ることです。

 糖尿病の多くは生活習慣の乱れが原因となっているため、まずは食事療法と運動療法により生活習慣の改善を行います。食事療法・運動療法を適切に行えば、薬に頼らなくても十分に血糖をコントロールすることが可能です。

 健康的に長生きして老後を楽しむためにも、生活習慣を一度見直してみましょう。ただし、生活習慣の改善を一生懸命頑張ってもどうしてもよくならない場合は経口血糖降下薬を併用し、それでもうまくいかない場合はインスリンを使います。

最後に

 いかがでしたか? 今回は「突然の喉の渇き」という自覚症状から、糖尿病に早く気づくためのポイントをお話ししました。糖尿病は早期発見・早期治療がとても大切です。もう一度、自分の生活習慣や自覚症状などを見直してみましょう。

【いしゃまち】
いしゃまち(http://www.ishamachi.com/)は、「大切な人の健康を守りたい」というコンセプトから生まれた健康医療情報メディアです。愛する恋人、大切な家族のちょっと気になるカラダとココロの悩みを解決したい。 「大切な人」が健康で、幸せに生きていくために役立つ情報を伝えたい。そんな想い が込められた「場」、それがいしゃまちです。


※今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中

糖尿病はどうして危険!?見逃すと危険な初期症状と重大な合併症とは
腸内細菌を味方につける3つの糖尿病予防法
2050万人と推計される糖尿病の対策とは?

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家庭のエース野菜! 健康にいい玉ねぎの5大成分と効能

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【女性からのご相談】
最近、玉ねぎが高血圧や糖尿病に効果があるというのをテレビなどで見かけるのですが、玉ねぎのどんな成分が効くのでしょうか? 簡単に教えてください!

●A. 玉ねぎの主な健康成分は5つあります。

こんにちは。フリーライターの鈴木ハナコです。

「玉ねぎは健康にいい」と時折話題になりますが、何が効くのかと聞かれると難しいですよね。以下で玉ねぎの5大成分と効用について簡単にご説明します。

●玉ねぎの5大成分

●(1)高い抗酸化力! ケルセチン

ケルセチンは玉ねぎに含まれるポリフェノールの一種で体内の細胞や組織を守ってくれる効果があります。動脈硬化や生活習慣病の予防、発がん抑制、抗アレルギーなどのたくさんの効用があります。

●(2)おなかの調子を整えるオリゴ糖

加熱された玉ねぎの甘さはこのオリゴ糖によるものです。オリゴ糖は腸内環境を整える善玉菌のエサとなって善玉菌を増やす働きがあります。主には便秘の予防、解消に役立ちます。

●(3)血液をサラサラに! 硫化アリル

硫化アリルは玉ねぎの強い刺激とニオイのもとです。血栓の生成を抑制するので高血圧に効果的に作用します。そのほか、動脈硬化や疲労回復にも効果が期待できます。

●(4)血糖値を下げるグルコキニン

グルコキニンには血糖値を下げる働きがあり、糖尿病予防に効果があることが証明されています。水溶性で熱に強いので調理をしても効能が変わらないのもうれしい特徴です。

●(5)塩分取りすぎを抑制! カリウム

カリウムには塩分の取りすぎなどで増えたナトリウムを排出する働きがあり、ミネラルバランスを整えてくれます。これは高血圧の改善に役立ちます。

———-

いかがでしたか。必ずご家庭にあると言っても過言ではない玉ねぎ。特に注目したい薬効成分であるケルセチンは、加熱しても効能が失われないため気軽に料理に取り入れられて健康維持に役立ちそうですね!

【参考文献】
・『村上祥子の病気にならないぞ! 噂のたまねぎクッキング』村上祥子・著

●ライター/鈴木ハナコ(歯科衛生士)
幼い時から医師や歯科医師などの医療関係者に囲まれて育ち、反発したものの大学卒業後自身も結局医療関係職に就く。本職の傍ら医療分野のコラムを執筆。現在結婚し、これまた医療関係職の夫と2児と暮らす、母親業と子どものことはわからないことだらけながらも日々奮闘中。気になったらとことん調べたいという性格が影響するためか、調べ始めたら止まらない。専門家へのインタビューも積極的にこなします! “キチンと知りたい”をモットーに取材、執筆活動中。趣味はお手軽アウトドア。

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