薄毛が気になる…気をつけるべきは「血糖コントロール」

 糖尿病というと「のどがやたらと渇く」「おしっこが泡立つ」「食後すぐに眠くなる」などの自覚症状が知られているが、忘れてならないのが「かゆみ」「斑点」などの皮膚トラブルだ。実際、糖尿病患者の3人に1人は、糖尿病が原因の皮膚トラブルを抱えるという。とくに糖尿病による「頭のかゆみ」は普通に洗髪しても治まらず、ハゲの原因になりかねない。糖尿病専門医でAGE牧田クリニック(東京・銀座)の牧田善二院長に聞いた。

「そもそも糖尿病の人は薄毛になりやすいといわれています。人間の体を覆う皮膚は、心臓や肺、腎臓などと同じ臓器で最大のもの。糖尿病は酸素や栄養を各臓器に送る血液が固まり、血管が詰まるなどして臓器にダメージを与える病気ですから、皮膚はもちろん、そこに生えている毛髪もダメージを受けるのです」

 髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂することで成長していく。それには大量の酸素や栄養が必要だが、それを供給するための皮膚下の毛細血管が糖尿病で血流障害を起こせば、髪の毛が弱るのは当然である。

 これに拍車をかけるのが糖尿病が原因の皮膚トラブル。一般的には皮膚や皮下組織が死滅する「糖尿病性潰瘍・壊疽」が有名だが、他にも皮膚に何もできていないのに皮膚が乾燥してかゆくなる「皮膚掻痒症」や水虫に代表される「皮膚感染症」、前頚部に色のついた斑点が出る「NLD(糖尿病性リポイド類壊死症)」「糖尿病性水疱」などがある。

「血糖値が高いと細胞が水分を吸収しにくく、脱水症状になりやすいので皮膚が乾燥します。さらに、高血糖による自律神経障害から汗をかく機能が低下し、体全体に皮脂が行き届かなくなるので乾燥肌になりやすいのです。これが皮膚掻痒症で、そのかゆみから皮膚をかき、傷口から細菌が入って感染症を起こしやすくなる。夏は日焼けなどのダメージにより皮膚トラブルに拍車がかかるのです」

■カビやウイルスの繁殖も

 ちなみに、リポイド類壊死症は血管壁の肥厚と脂肪沈殿とコラーゲンの変性疾患のことをいう。最初はだいだい色で、徐々に黒ずんでいく。糖尿病が原因で起こることが多く、血糖値の上昇による動脈硬化などの血管の障害によって発症するといわれている。男性よりも女性の方が3倍近く多く、30歳くらいで発症することが多い。

 糖尿病性水疱は手足にやけどをしたときのような水疱ができる病気で、放っておくと血液が循環せず、細胞死してしまう。

 もちろん、これらの病気の早期発見・早期治療は大切だが、糖尿病で頭頂部が気になる人がとくに注意しなければならないのは「脂漏性湿疹」や「帯状疱疹」だ。

「糖尿病で頭皮がかゆくなる原因は皮膚掻痒症以外に、脂漏性湿疹があります。皮膚に元からいるマラセチア菌と呼ばれる真菌が皮膚をエサに増殖、毛穴や毛穴周辺に炎症を起こします。結果、かきむしって頭皮が傷つき、かさぶたがたくさんできてフケがたくさんできるだけでなく、毛根が傷んでしまうのです」

 帯状疱疹は水疱瘡と同じ原因ウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルスにより発症するが、糖尿病の人は免疫が低下して発症しやすい。治療も遅れがちだ。神経障害により、帯状疱疹の初期に表れるピリピリした痛みを自覚しにくいからだ。

「帯状疱疹の好発部位は肋間神経や顔面の三叉神経ですが、全身の知覚神経に起こることがわかっています。そのため頭皮に出ることもあります。体の片側に出ることが多く、50歳から増え始め60~70歳代でピークになりますが、過労やストレスにより若い人に発症することもあります」

 厄介なのは、どちらの頭のかゆみも、カビやウイルスが原因なので普通に頭を洗っても治まらないこと。

「かゆみがあり、かくとフケが出るので、抗真菌剤入りの薬用シャンプーを使って熱心に洗髪する人がいますが逆効果になることも。皮脂が取れて頭部が乾燥し、かゆみを増すことがあるのです」

 こういう人はまずは原因疾患を治さなければかゆみは取れないし、大前提として血糖値をコントロールしなければならない。解決するには下手に自己判断せずに、まずは糖尿病専門医か皮膚科の医師に相談することだ。

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【ゆうゆうLife】
脚切断は0.05% 糖尿病で年0.3%足潰瘍 
初の大規模調査で判明

2017.8.31 16:52

 糖尿病患者が合併症の一つである足の潰瘍を発症する率は年間0.3%、脚の切断に至るのは同0.05%であることが、福岡県での大規模疫学調査で分かった。調査を取りまとめた白十字病院(福岡市)の岩瀬正典糖尿病センター長によると、国内で糖尿病足潰瘍の発症率が明らかになったのは初めてという。
 調査は、16の医療機関が参加する「福岡県糖尿病患者データベース研究」の一環。平成20~22年に糖尿病で通院した男性2854人、女性2277人、計5131人を追跡調査した。
 約98%の患者を5年程度追跡した結果、79人が足潰瘍を発症し、うち12人が脚の切断を余儀なくされた。一度足潰瘍になったことのある患者では107人中24人が再発し、再発率が22%と極めて高いことも分かった。
 足が潰瘍になるリスクが高いのは、足潰瘍の既往歴のほか「うつ症状がある」「血糖値のコントロールがうまくいかない」「男性である」だったという。
 足潰瘍がある患者の年間の死亡率は2.8%。5年生存率は潰瘍がない場合は95%だったのに対し、潰瘍があると88%に下がった。潰瘍によって死亡リスクが1.77倍に上昇するとしている。
 岩瀬さんは「動脈硬化の程度や足の清潔さの差などが影響するとみられる」と指摘している。

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オンラインゲームで「2型糖尿病患者」の血糖コントロール値が改善された!

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オンラインゲームで「糖尿病」が改善(depositphotos.com)

  米ハーバード大学と米退役軍人省ボストン・ヘルスケアシステムのB. Price Kerfoot氏らの研究チームは、「2型糖尿病患者」が「糖尿病の自己管理について学習できるチーム対抗のオンラインゲーム」に参加すると、血糖コントロール値が長期にわたり改善する事実を確認し、『Diabetes Care』8月8日オンライン版に発表した。

 発表によれば、研究グループは、経口血糖降下薬を服用しているにもかかわらず、ヘモグロビンA1c (HbA1c)値が7.5%(58mmol/mol;NGSP値)以上の2型糖尿病患者456人を対象に、患者の半数を患者教育用のオンラインゲーム参加群に、残りの半数を一般的な教育ゲーム参加群(対照群)にランダムに割り付けて6カ月間続けてもらった。

 患者教育用のオンラインゲーム参加群は、血糖管理、運動、長期的な合併症、薬物療法などに関する問題をメールや携帯アプリで週に2回、2問ずつ受け取った。患者は、問題に解答すると、正解と解説を確認でき、正解ならチームにポイントが与えられ、個人戦にも参加できる。
 ゲーム開始時、6カ月後、12カ月後のHbA1c値を測定したところ、患者教育用のオンラインゲーム参加群のHbA1c値は、ゲーム開始時から12カ月後に0.74%(8mmol/mol)低下したが、対照群では0.44%(5mmol/mol)の低下にとどまった。特にHbA1c値が9.0%(75mmol/mol)を超える患者群のHbA1c値が最も低下した。

 論文筆頭著者のKerfoot氏は「自己管理教育用のオンラインゲームに少しの時間を費やすだけで、2型糖尿病患者の健康に大きな影響を与える可能性がある。新たに薬物療法を開始した場合と同程度のHbA1c値の低下が認められたからだ」と説明する。ただ、研究開始から1年後の血糖値は目標値に届いていないものの、オンラインゲームをさらに続ければ、臨床的に意義のある血糖値の改善につながる可能性が強いという。
 研究を指導した米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院内科副部長のPaul Conlin氏は、オンラインゲームは学習に役立つだけでなく、参加した患者はゲームの時間を楽しみ、約9割が今後も続けたいと希望していた。この新たな認知行動療法(cognitive behavior therapy:CBT)のアプローチは、糖尿病以外の慢性疾患にも応用できるだろう」とコメントしている。

認知行動療法が糖尿病患者のうつ症状を改善!

 このような認知行動療法が、糖尿病患者の「うつ症状」を改善したとする研究がある。

 糖尿病に特化した自己管理指向の認知行動療法プログラム「DIAMOS(Diabetes Motivation Strengthening)」の開発に携わったノルベルト・ヘルマンズ氏、アンドレアス・シュミット氏らの糖尿病の研究チームは、DIAMOSによって糖尿病患者に最も頻繁に見られ、長期の予後不良を示すうつ症状が改善されたとする論文を『Diabetes Care』オンライン版に発表した。
 発表によると、研究チームは214名の参加者(平均年齢30~56歳、女性56.5%、2型糖尿病患者34.1%、HbA1cレベル8.9±1.8%、BMI28.7±71kg / m2)を、糖尿病教育を受ける「DIAMOS群」と「能動的コントロール群(CG)」にランダムに分けて調べた。
 12ヵ月間のフォローアップの結果、DIAMOS群のうつ症状(うつ病尺度スコア)が能動的コントロール群(CG)より有意に高かった。だが、DIAMOS群の糖尿病の苦痛と受容、セルフケア行動、治療の満足度、HbA1c値、潜在的な合併症などに対しては、有意な治療効果を示した。さらに、DIAMOS群のうつ病の発症リスクは有意に減少した。

 つまり、DIAMOSは、「無症候性うつ病」を伴う糖尿病患者のうつ症状と、糖尿病に関連する苦痛を低減させ、うつ病の発生を予防する効果が高い事実を実証したことになる。
 さまざまな生活習慣病のなかでも、特に2型糖尿病は、患者本人のセルフケア行動が鍵になる。しかも、 セルフケア行動を継続的に実行しなければ、実効は望めない。したがって、患者にセルフケア行動の必要性を説明するだけでは十分ではないため、生活習慣を変容するための専門的介入法としての認知行動療法が重要になるのだ。
 冒頭の2型糖尿病患者の血糖コントロール値の改善も、DIAMOSによるうつ病の改善も、認知行動療法の大きな成果であるのは明らかだ。食事療法、運動療法、薬物療法とともに、認知行動療法、動機づけ面接(MI)、マインドフルネス(心のエクササイズ)などの心理療法研究の進展に大いに期待しよう。
(文=編集部)

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糖尿病予防レシピ 提供飲食店募集
2017/08/29

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 新潟市中央区は、糖尿病予防に役立つレシピを提供する区内の飲食店を、9月15日まで募集している。レシピは区主催のヘルシーランチコンテストの受賞作で、調理専門学校の学生らが考案した。野菜や海藻、キノコをふんだんに使い、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果が期待できる。市民に食生活を見直す機会にしてもらおうと、10月から参加飲食店での料理提供を目指す。

 市が力を入れる健康寿命延伸に向けた取り組み。中央区によると、区民は血糖値が高い傾向にあり、糖尿病予防が課題という。健康に配慮した食事を取り入れてもらうため、ヘルシーランチコンテストと、飲食店での受賞レシピの提供を企画した。

 コンテストは区内の学生を対象に7月下旬、市食育・花育センターで開いた。書類審査を経て6組22人が塩分3グラム以下、キノコや海藻を使うといった条件の中で手際よく調理。飲食店でメニュー化してもらう2点が選ばれた。最優秀賞は減塩しょうゆで味付けした手羽中とレンコンの照り焼き、海藻やオクラのサラダといった献立。アイデア満載賞は甘酒を使った夏野菜ちらしなどが並んだ。

 提供店舗は区内を対象に募り、提供期間は10月~来年3月を予定している。受賞レシピは一部をアレンジすることも可能。飲食店のほか、区が本年度開催する糖尿病予防の健康教室でも提供する。

 最優秀賞チームの代表で、新潟調理師専門学校2年の笠原悠さん(19)は「私たちの考えた献立を食べて、少しでも糖尿病予防を意識してもらえたらうれしい」と話している。

 申し込み、問い合わせは中央区健康福祉課、025(223)7246。

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採血不要の血糖値センサー 糖尿病患者対象、臨床研究へ
朝日新聞デジタル

 指にレーザーを当てるだけで血糖値を計測できる技術を、量子科学技術研究開発機構の研究チームが開発した。採血せずに血糖値を測定できるため、医療機器として認められれば糖尿病患者の負担の軽減につながる。来年度から本格的な臨床研究を始める計画を進めており、5年後の実用化を目指す。
 厚生労働省によると、国内で「糖尿病が強く疑われる」成人は約950万人と推計される。特にインスリン注射をしている患者は毎日、自分で血糖値を測る必要があり、現在は指先に針を刺して採血するのが主流。針の改良などで痛みは少なくなってきているものの、患者の負担は大きいという。
 研究チームは指に赤外線レーザーを照射し、吸収される光の強さをもとに、血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を計測できる技術を開発。採血せずに高精度で血糖値を把握することに成功した。

 実用化に向けて同機構発ベンチャー「ライトタッチテクノロジー」を設立。来年度から大学病院などの協力を得て、糖尿病患者約300人を対象にした臨床研究を始める計画だ。山川考一グループリーダーは「採血が不要になればより多くの患者が血糖値の自己測定に取り組むと期待できる。2022年に医療機器として販売を始めたい」と話している。(杉本崇

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食事に「舞茸(まいたけ)」をプラス!食後過血糖を予防しよう

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「食後過血糖」という状態をご存知ですか? 

文字通り、食後に血糖値が高くなることをいいます。

 空腹時の血糖値の正常値は100mg/dL未満といわれていますが、空腹時血糖が正常値であっても、食後1時間の値が180mg/dL、2時間の値が140mg/dLを越える場合、「食後過血糖」という状態になっていると、管理栄養士の足立香代子さんはいいます。

 足立先生によると、食後過血糖を数年から10年ほど放置すると、空腹時の血糖値も上昇することがわかってきたそうです。
 空腹時の血糖値が上昇する病気といえば、糖尿病がよく知られていますが、他にも、がんや認知症などのリスクがあるそうです。そうと知れば、できるだけ血糖値が上がりにくい食事をしたいですよね。

 そこで、足立先生がすすめているのが「舞茸」。おにぎりの前に舞茸を食べると、おにぎりだけの場合に比べて、食後の血糖値が抑えられたそうです。
 健康診断で、糖尿病はまだまだ大丈夫と思っている人も、もしかしたら予備軍の食後過血糖かもしれません。それが舞茸で回避できるとは驚きですね。
 ちなみに、舞茸の料理で注目なのが、モデルの小森純さんが「母の味」として自分でもよくつくるという、舞茸と豚バラと厚揚げの煮物。参考にして取り入れてみるのもよさそうです。

アサジョ

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糖尿病網膜症 出にくい自覚症状、定期検査を 
松山・ほりうち眼科クリニック、堀内院長に聞く

毎日新聞2017年8月27日 大阪朝刊 めっちゃ関西

 糖尿病の3大合併症の一つ、糖尿病網膜症は早期に治療を始めることで、失明のリスクを大幅に減らすことができる。日帰りの硝子体手術にも対応し、患者のクオリティー・オブ・ビジョン(視覚の質)を第一に治療を行っている、ほりうち眼科クリニック(松山市柳井町)の堀内良紀院長(42)に糖尿病網膜症の現状を聞いた。

成人の失明原因2位

 --糖尿病網膜症の患者さんはどのようなきっかけで受診されるのですか。

 ◆「糖尿病と診断されたので目は大丈夫かと思って」と、言って受診される患者さんが増えています。
 糖尿病網膜症に対する患者さんの意識が高くなってきたからではないでしょうか。また、内科の先生方から「眼科に診てもらっていますか」と言われて眼科を受診する例も増えています。また、健診の眼底検査で異常があり、受診される患者さんもおられます。
 以前は突然、視界に赤黒い影が広がってきたり、ものがゆがんで見えたり、目が見えにくくなってきたなど症状が表れてから受診される患者さんがほとんどでしたが……。糖尿病網膜症は自覚症状のない早期から治療を始めることが大切なので、早期受診はいい傾向です。

 --基本的なことですが、糖尿病網膜症とはどのような病気なのですか。

 ◆糖尿病の患者さんは高血糖が長期間続くことによって末梢(まっしょう)の細い血管が傷害されてしまいます。網膜には細い血管が張り巡らされており、傷ついた血管は水漏れを起こしたり、詰まったりします。水漏れがひどくなると、網膜の細胞が浮腫を起こし、機能が低下してしまいます。
 また、血管が詰まると、網膜細胞に十分な酸素と栄養が送れなくなり、それらの不足を補うために異常な血管(新生血管)が作られます。新生血管は正常な血管と違い、非常にもろくて、ふとしたきっかけで大出血します。そのようにして網膜が徐々に傷んでいきます。このように糖尿病によって網膜の機能が低下してしまうことを糖尿病網膜症と呼んでいるのです。

 --糖尿病になってからどのくらいで発症するのですか。

 ◆糖尿病の初期は自覚症状がありませんので、いつの間にか糖尿病になっていて、糖尿病網膜症の発見時にはすでに進行していることもあります。ですから、中年以降に多く、50、60代では視覚障害の原因のトップになっています。また、失明にまで至る患者さんは減ったというものの、成人の失明原因の第2位になっています。若いからと言って安心はできません。20代、30代でも発症することは珍しくありません。

 --どうして自覚症状が表れにくいのですか。

 ◆網膜はカメラに例えると、フィルムにあたります。一般に網膜全体でものを見ていると思われがちですが、そうではなく、目に入った光をレンズ(水晶体)で網膜の中心部の黄斑に集めて見ているので、周辺部の網膜に異常があっても自覚しにくいのです。逆に、黄斑部に病変があると、ものがゆがんで見えるなどの症状が早期から出やすいのです。

 --どのようになれば症状が出るのですか。

 ◆新生血管が破れて大きな出血を起こしたときや、黄斑部がむくんだときに、視力の低下の他、ものがゆがんで見える、目の中に蚊のような小さな虫が飛んでいるように見えるなどの症状が表れます。また、白内障を早く発症したり、ドライアイが起こることもあります。糖尿病の人が眼鏡で視力を調整できなくなったら糖尿病の影響の可能性があります。

 --診断はどのようにするのですか。

 ◆眼底カメラで網膜を撮影して出血の有無などを診ます。一般の眼底カメラや診察では網膜の後方部分だけしかわかりません。しかし、糖尿病網膜症は網膜の周辺から起こってくることがほとんどですので、検査用の目薬で瞳孔を開いて周辺部までを詳しく診察します。

レーザーで出血防ぐ

 --治療について教えてください。

 ◆病状がどれくらい進んでいるかによって対応が違います。糖尿病網膜症は大きく3段階に分けることができます。網膜に張り巡らされている細い血管にこぶができ、血管壁が壊れて血液の水分やたんぱく質などの成分が網膜にしみ出してくるのが第1段階の単純網膜症です。さらに進行すると、第2段階に入ります。成分の漏出が増えるだけでなく、血管が詰まって網膜に酸素や栄養が送られなくなります。これが増殖前網膜症です。
 そして、第3段階が増殖網膜症です。栄養不足になった網膜からさまざまな因子が放出され、新生血管が発生します。その新生血管同士をつなぐようにべったりと増殖膜が広がってゆき、やがてこの増殖膜が収縮してけん引性網膜剥離を起こします。
 黄斑部に浮腫が起きると糖尿病黄斑症と呼びます。これはどの段階でも起こる可能性があります。

 --では、単純網膜症の治療は。

 ◆内科での血糖値のコントロールがポイントです。眼科には定期的に検査を受けに来ていただくことになります。血糖値がコントロールされていれば、網膜症の進行は抑えられるので、半年に1回の検査でいいこともあります。内科、眼科、腎臓内科などの受診情報を書き込む糖尿病連携手帳を日本糖尿病協会が作成しています。患者さんがこれを持っておられると、血糖値がうまくコントロールされているかどうかがよくかります。

 --自覚症状がなければ定期的な検査に来なくなる患者さんもおられるのではないですか。

 ◆そうですね。検査では瞳孔を広げる薬を使いますので、検査後はしばらく車の運転ができません。ですから、働き盛りの忙しい患者さんはどうしても検査を中断されがちです。でも、急激に悪くなることもありますし、進行すれば失明に至ることもあります。患者さんには「一生、抑え込んで普通の生活を維持しましょう」と、前向きな気持ちを持っていただくようにしています。

 --目の見え方に影響が出てくるようになったら、どのような治療をするのですか。

 ◆増殖前網膜症では無血管領域にレーザー光線を照射します。レーザー光凝固は外来で点眼麻酔をして行います。10分程度で治療は行えますが、複数回に分けて行う場合も多いです。

 --レーザー治療で視力は回復するのですか。

 ◆レーザー治療は大出血を予防するためのもので、視力回復が目的ではありません。治療後に車を運転していてトンネルに入ったら目が慣れるのに時間がかかるなど暗さに慣れるのに時間がかかることがあります。

 --硝子体手術はどのようなときにするのですか。

 ◆新生血管が破れて、硝子体内に大きな出血を起こしたり、増殖網膜症でけん引性網膜剥離を起こしたりしたケースです。増殖網膜症では張り付いた増殖膜をガムテープを少しずつ丁寧に剥がすような大変な手術となりますし、網膜のダメージも大きいため期待できる視力もかなり厳しくなります。
 硝子体内の出血や増殖膜などを取り除き、その後、目の中から直接レーザー光凝固を行い治療します。外来で日帰り手術ができるケースについてはこのクリニックで行っています。手術時間は20分~1時間程度です。

 --黄斑部の治療は。

 ◆レーザー光凝固で進行を抑えられる局所性浮腫と、そうでないびまん性浮腫があります。びまん性浮腫に対しては炎症を抑えるステロイドを目の周囲や眼内への注射、レーザー光凝固、硝子体手術を組み合わせて治療します。硝子体内に炎症物質をブロックする注射をする治療法もあります。

 --患者さんへのアドバイスを。

 ◆血糖値のコントロールをしっかりすることです。網膜は脳細胞と同じむき出しの神経線維で、死んだ細胞は再生しません。服の布地が傷んでいくようなものです。眼科医にできることは布でいうとほころびを繕うだけで、内科的な治療をしっかりしないといずれ布地がボロボロになります。
 いつまでも快適な生活を送るためにも、眼科での定期的な検査で「視覚の質」を保つようにしましょう。

毎日新聞

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糖尿病検査を効率化 アークレイが新装置、28日発売
京都新聞
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アークレイが新たな主力製品に位置付ける糖尿病検査機器


 臨床検査用機器のアークレイ(京都市中京区)は、新たな主力商品に位置付ける医療機関向けの糖尿病検査装置を28日発売する。糖尿病診断の指標となる血中の「ヘモグロビンA1c」に加え、通常とはアミノ酸の構造が異なる「変異ヘモグロビン」も素早く自動検出できるのが特徴という。初年度200台の販売を計画している。

 ヘモグロビンA1cの測定時間は24秒で、同社の従来製品の半分に短縮した。従来は変異ヘモグロビン専用の検出方法を行うために手動による設定が必要だったが、自動化で使い勝手を良くした。検出時間も従来の90秒を58秒に早めた。測定の迅速化で、診断の効率を高められるという。

 採血管に貼った個人を特定するバーコードを自動で読み取る機能も搭載。別売りの同社製グルコース測定器と連結もできる。1台820万円(税別)。
 変異ヘモグロビンは日本人の2千~3千人に1人程度が保有し、外国人ではさらに多い。同社は「国内では外国人の糖尿病患者が増加傾向にあり、今後、都市部を中心に変異ヘモグロビンの検出需要が増える」と見ている。

【 2017年08月26日 17時00分 】

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飲酒後や起床時、泡立つ尿はアブナイ?
尿の泡や色からわかること

Mocosuku
執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)

ビールが美味しい季節になりました!
ついつい飲みすぎて、トイレへ駈け込んだら、尿がいつもより泡立つ気が…。
実はそれ、病気のサインの可能性も。
今回は、尿からわかる様々な病気のサインについて、ご紹介いたしましょう。

尿が泡立つのは、正常でもありえる現象

尿が泡立つと糖尿病の原因、と聞いたことはありませんか?
そもそも、尿には泡を立てやすい「ウロビリノーゲン」という成分が含まれています。
この成分は健康な状態でも尿に含まれており、体に異常がなくても、排尿時の角度などにより、一時的に尿が泡立つということはありえます。
そのため、「尿が泡立った=病気だ!」とは言い切れません。

泡立ちが「残る」場合には要注意!

では、尿が合わっても全く問題ないのかといえば、そうではありません。
尿の泡立ちについて注意したいのは、「泡立つかどうか」ではなく、「泡立ちが残っているかどうか」という点なのです。
ウロビリノーゲンによって泡立った場合、その泡はすぐに消えてしまいます。
よって、尿の泡が消えず、いつまでも残っている場合には、ウロビリノーゲンによるものではなく、他の原因によって引き起こされていると考えられるのです。

それでは、どのような原因が考えられるのでしょうか?
原因としてまず考えられるのが、腎臓になんらかの障害が起きているということです。
腎臓は血液をろ過し、不純物だけを取り除いて体の外に出す、という役割を果たしています。
尿が泡立ち、いつまでも残っている場合は、腎臓の機能が落ち、本来ならばろ過できるはずの蛋白質をろ過できずに、尿として出してしまっている可能性があるのです。
また、腎臓の機能は正常でも、血液の病気によって血液内に蛋白質が過剰に含まれている場合にも、尿に蛋白質が過剰に含まれ、泡立ちが残りやすくなります。

尿が泡立つ=糖尿病!?

尿が泡立つのは、糖尿病かどうかの指標だと一時期言われていました。
今はあまり関係ないといわれていますが、実は糖尿病によって泡立ちが残る、ということがないとはいえません。
糖尿病の症状の一つとして、血液中に糖分がたまりすぎてしまい、尿に糖分が漏れ出てしまうということがあります。
糖分がたくさん尿に含まれると、尿に粘り気が生まれ、泡立ちが残りやすくなることが考えられるのです。
ただし、尿に糖分が漏れ出る状態というのは、糖尿病の中でも重度な状態であり、尿以外にも様々な症状がすでに出現していることが考えられます。
よって、トイレで尿の泡立ちだけを見て「糖尿病だ!」とは判断できません。
尿の泡を見るときには、「泡立つかどうか」を見るのではなく、「泡立ちが残るかどうか」を観察し、残っていると感じた場合にも、「糖尿病かも」などと自己判断せず、医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

尿の色が濃い=腎臓が疲れているサインかも

尿を見るとき、注意していただきたいのは、泡立ちの他に、色も挙げられます。
尿の色は、様々な成分のバランスによって成り立っているのですが、いつもの尿よりも濃いということは、それだけ「濃い尿」が作られている可能性があります。
尿は元々、血液の中の不純物を体の外に出すものです。
尿が濃いということは、それだけ体の中に不純物が多くたまっているということを意味しているのです。
特に夏場の場合は、体内の水分が足りないために、少ない量にたくさんの不純物を詰め込まなくてはならなくなり、尿が濃くなるということもあります。
尿が濃いと感じた場合には、まずは水分を補給して、尿の濃度が変化しているかどうか、確認してみましょう。
他にも、いつもより色が赤・茶色・緑・青色っぽいと感じた場合には、腎臓をはじめとして、なんらかの病気の前兆である可能性があることから、医療機関を受診することをお勧めします。

「健康ツール」としての尿

尿は、自分自身で毎日チェックすることができる「健康ツール」の一つです。
日々の健康をチェックするためにも、毎日尿の色や泡の状態を観察し、自分の健康状態をチェックしてみましょう。
そうすることでが、体に起きている異常の早期発見も可能となるはずです。

<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中

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患者由来iPS細胞を用いて劇症1型糖尿病の病態メカニズムの一端を解明

京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、劇症1型糖尿病患者由来iPS細胞から、インスリンを産生する細胞を分化誘導することに成功し、この細胞が細胞傷害刺激に対して細胞死(アポトーシス)に陥りやすい可能性があることを明らかにしたと発表した。

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劇症1型糖尿病患者由来のiPS細胞から分化誘導して得られた膵β細胞様細胞(黄:インスリンを作っている膵β細胞様細胞、青:核)スケールバー;100μm.(出所:CiRAプレスリリース)

同研究は、細川吉弥研究員(大阪大学大学院内分泌・代謝内科、京都大学CiRA)、豊田太郎講師(京都大学CiRA)、今川彰久教授(大阪大学大学院内分泌・代謝内科、大阪医科大学内科学I)、下村伊一郎教授(大阪大学大学院内分泌・代謝内科)、長船健二教授(京都大学CiRA)らの研究グループによるもので、同研究成果は、8月10日にアジア糖尿病学会誌「Journal of Diabetes Investigation」で公開された。
劇症1型糖尿病は、急激に発症してインスリンが不足し血糖値が高い状態になる疾患で、特定の遺伝的素因をもつ人に、ウイルス感染が引き金となってほぼすべてのβ細胞が破壊されることで発症すると考えられているが、膵β細胞が傷害される詳細なメカニズムは不明だった。そこで同研究グループは、劇症1型糖尿病患者からiPS細胞を作製し、そこから分化誘導させた膵β細胞様細胞を用いることで、劇症1型糖尿病の病態解明を目指した。

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iPS細胞から分化誘導して得られた膵β細胞様細胞に細胞傷害を引き起こしたときの細胞死(アポトーシス)を起こした細胞の割合。 健常者のiPS細胞および劇症1型糖尿病患者のiPS細胞から分化誘導された膵β細胞様細胞に占めるアポトーシス細胞の割合(左)を比較すると、 劇症1型糖尿病患者のiPS細胞では有意にアポトーシス細胞の比率が高かった(右)。(出所:CiRAプレスリリース)

同研究チームはまず、劇症1型糖尿病患者3人の皮膚細胞に6つの初期化因子を導入することで、iPS細胞を作製。このiPS細胞は、化合物および成長因子の組み合わせ処理を行うことで、インスリンを分泌する膵β細胞様の細胞に分化させることが可能であることを示した。次に、劇症1型糖尿病において、どのように膵β細胞が破壊されるのかを解明するために、劇症1型糖尿病患者および健常者のiPS細胞から分化誘導させて得られた膵β細胞様細胞に、細胞傷害刺激としてサイトカインを投与した。すると、劇症1型糖尿病患者の膵β細胞様細胞では、細胞死(アポトーシス)を起こしている細胞の割合が高いことがわかった。また、この病態モデルを用いて、RNAシークエンスによる網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、いくつかのアポトーシス関連遺伝子や抗ウイルス関連遺伝子の発現に違いがあることがわかったという。

同研究では、劇症1型糖尿病患者由来のiPS細胞を膵β細胞様細胞に分化誘導し解析することで、患者の膵β細胞は細胞傷害刺激に対して細胞死を起こしやすい可能性があることを示した。この病態モデルは劇症1型糖尿病のさらなる病態解析に応用できることが期待されるということだ。

マイナビニュース

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「10月8日は、『糖をはかる日』」
今年も講演会、コンテストなど、“血糖”に関する啓発活動を実施

血糖を知る、はかる、コントロールする。
「10月8日は、『糖をはかる日』」 
今年も講演会、コンテストなど、“血糖”に関する啓発活動を実施

―“血糖”や”血糖値”の意味、正しく理解していますか…?―
糖尿病治療研究会(代表幹事:森 豊)により昨年制定された「10月8日は、『糖をはかる日』」では、糖尿病患者さん、保健指導・医療関係者のみならず、糖尿病予備群を含む一般の方に対しても、改めて「血糖」について考える機会として、今年もさまざまな啓発活動を実施します。

糖尿病治療研究会(代表幹事:森 豊 http://www.dm-net.co.jp/rgtd/は昨年、10月8日を「糖をはかる日」として、一般社団法人 日本記念日協会に登録しました。

国の統計では、近年、糖尿病患者さんとその予備群の方を合計すると2,000万人を超えると言われています。しかし、ヘモグロビン A1c値が6.5% 以上、または、医療機関や健診で「糖尿病」と言われた経験がある方のうち、「約3人に1人以上」が現在、未治療の状態と言われています。

糖尿病は、初期の段階では症状があまり出ません。のどの渇き、多飲・多尿、体重減少、疲れやすいといった症状に気付いたときには、すでに病気はある程度進行しており、この状態でさらに放置しておくと、糖尿病網膜症や糖尿病腎症、糖尿病神経障害といった細小血管障害や、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化等の大血管障害と言われる合併症も発症するようになります。

早期であれば多くの場合で、生活習慣の見直しや食事療法、運動療法を中心に血糖値の改善を目指すことができますが、糖尿病が進行すると、生活の質(QOL)を大きく下げる合併症の予防や治療の重要性が増し、薬物療法が欠かせなくなります。糖尿病患者さんの早期発見と、早期からの適切な治療の開始・継続は、いま国民全体の健康における喫緊の課題と言えるでしょう。

糖尿病は慢性的に高血糖の状態が続くことで体の様々な器官に不調をもたらす病ですので、まずは日頃から様々な事象により影響を受ける「血糖」に関心を持ち、自らの「血糖値」を把握しておくことが重要です。昨今、糖尿病予防を意識して糖質量等に注目した製品が増加しており、「血糖」「血糖値」という言葉を巷で目にする機会は増えましたが、社会全体でその健康との関わりや本来の意義がきちんと共有できているかというと、疑問であると言わざるを得ません。

そこで、糖尿病治療研究会は、血糖自己測定(SMBG)が提言されてから40年、またその健康保険適用から30年という節目の年に当たる2016年、10月8日を『糖をはかる日』と定め、「血糖」に関する啓発活動を開始いたしました。体調のバロメーターとしてすでに一般的な体温や血圧と同様に、血糖についても健康づくりに役立つ指標として認識を深めていただけるよう、関連団体/企業とともに、積極的な活動を行っています。

「糖をはかる日」(公式サイトhttp://www.dm-net.co.jp/10-8/)では、「血糖を知る、はかる、コントロールする。」を基本テーマに、糖尿病予備群を含む一般の方、糖尿病患者さん、糖尿病予備群を指導する保健指導関係者や、糖尿病治療にあたる医師や医療スタッフなど、それぞれに合わせた幅広い内容の情報を提供しています。

このほか、昨年に引き続き、「10月8日は、『糖をはかる日』」講演会、「血糖値アップ・ダウン100文字投稿コンテスト」等の活動が今年も実施されます。

報道関係者の皆様には、知らないうちに体を蝕んでいく高血糖やその結果引き起こされる、糖尿病やその合併症、脳梗塞、心筋梗塞といった疾患への正しい理解について改めてご理解いただき、各メディアを通じた情報発信にご協力をいただけますようお願い申し上げます。

▶「10月8日は、『糖をはかる日』」の対象と啓発内容:

①一般の方、糖尿病予備群
「血糖の動きを意識した健康生活」
血液の中の糖の役割と、どのようなときに上がりどのようなときに下がるといった血糖値の仕組み、食後高血糖や血糖の高い状態が続くと糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞といったリスクが高まることなどを啓発するとともに、血糖値を意識し、上げすぎない健康的な生活習慣を提言する。

②糖尿病患者さん
「血糖値を、上手にコントロール」
食後高血糖や血糖値の変動について改めて啓発するとともに、血糖値を上手にコントロールするための療養上のコツや、生活習慣を提言する。

③医師、医療関係者、保健指導関係者
「血糖コントロールを、上手にサポート」
糖尿病予備群を指導する保健指導関係者や、糖尿病患者さんの治療にあたる医師や医療スタッフに、血糖コントロールを改善するための様々な指導方法を提案する。

④報道関係者→一般の方
「血糖は健康のバロメーター」
血糖が高くてもほとんどの場合自覚症状がなく、本人の知らない間に動脈硬化や網膜症、神経障害などが進み、その結果、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病腎症といった悲惨な結果につながることを理解いただき、その防止には、健診結果の血糖値やHbA1c、尿糖などの検査結果に関心を持つとともに、食後血糖値を上昇させない生活習慣が大切であることを訴え、紙面を通じた情報発信にご協力いただく。

■「10月8日は、『糖をはかる日』」 2017年の主な活動
① 「糖をはかる日」公式サイトの運営と情報発信
② 非専門内科医等への啓発(内科クリニック、薬局での啓発ポスター掲示など)
③ 講演会等イベントの開催(10月3日(火)開催予定)
  ※詳細は下記をご参照ください
④ 「糖をはかる日」にちなんだ作品募集キャンペーンの実施
  ※詳細は下記をご参照ください
⑤ ニュースリリースの発信と関連サイトによる情報発信
⑥ 【医療、保健指導関係者向け】「血糖値を反映する指標とその測定機器 早見表201
7」、「血糖コントロールに役立つ 食品資料2017」、「インスリン製剤・インクレチン薬
・SGLT2阻害薬 早見表2017」の制作・配布

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賞金最高3万円と副賞を贈呈!! 血糖値アップ・ダウン100文字投稿コンテスト
<応募要項>
■応募資格
どなたでも可
(以下の分類のなかで、ご自身に当てはまる属性向けテーマの投稿文をご応募ください)
■応募作品規定
1投稿作品につき、100文字以内で、下記テーマについてお書きください。
■2017年の作品募集全体テーマ
「血糖値」×「あのときの私にひとこと」
応募者の方の属性ごとに下記のなかからテーマを選択、または、「血糖値」×「あのときの私にひとこと」という趣旨に合うテーマをご自身で設定いただき、テーマへの回答として100文字以内にまとめた短文をご応募ください。
【一般の方向けテーマ】
「血糖値に関心を持った頃の私にひとこと」
(例)去年の健康診断で血糖値高めと言われてから一念発起、いまも食生活の改善にチャレンジ中。たまに近くの薬局で食後血糖値も測るようにしています。あの頃の私に言いたいのは、「注意一秒、血糖値は一生」です。(97文字)
【糖尿病患者さん向けテーマ】
①「初めて血糖値が高いといわれた時の私にひとこと」
(例)健康診断で毎年、血糖値が高いと言われ続けていました。でも、仕事は忙しいし、運動もたまにしているし、と放っておいたことを今は後悔するばかり。「すぐ血糖値の勉強を!!」。数年前の自分に言いたい言葉です。(99文字)
②「糖尿病と診断されたときの私にひとこと」
(例)診断されたときは、いつも楽天的な私もさすがにだいぶ落ち込みました。でも、今では「血糖測定する生活」がだんだんと私の日常に。あの頃の私には「思い込みや変な情報に惑わされないで」と言いたいです。(95文字)
③「低血糖を起こしたことがなかった頃の私にひとこと」
(例)初めての低血糖は、真夜中に起きました。それまで一度もなかったのに、思い当たる理由もなく突然…。その後は体調も悪くて本当に最悪でした。「低血糖は突然起こる。備えをかならずしておくこと」。(92文字)
【医療・保健指導関係者向けテーマ】
 「糖尿病医療を志したときの私にひとこと」
(例)糖尿病の勉強を始めたのは、働き始めて5年目。悩んだこともありました。でも、ここ数年だけでも、血糖測定や治療では目を見張る変化・進歩が。「その選択は間違ってないよ」。あの頃の自分にそう言いたいです。(98文字)
■応募方法
ウェブ、郵送、FAXいずれかの方法でご応募ください。
・ウェブ:
下記リンク先の応募要項をよく読み、応募フォームに必要事項を記入のうえ送信し、
ご応募ください
【一般の方の応募要項・応募フォーム】
http://www.dm-net.co.jp/10-8/contest/outline/ippan.php
【糖尿病患者さんの応募要項・応募フォーム】
http://www.dm-net.co.jp/10-8/contest/outline/kanja.php
【医療・保健指導関係者の応募要項・応募フォーム】
http://www.dm-net.co.jp/10-8/contest/outline/pro.php
・郵送またはFAX:
下記宛先まで、お名前(受賞した際の投稿名)、ご住所、年齢、電話番号を明記のうえ、投稿文とともに郵送または送信ください
郵送:〒105-0003 東京都港区西新橋2-8-11 創新社内「糖をはかる日」事務局宛
※応募締切日消印有効
FAX:03-5521-2883 「糖をはかる日」事務局 宛
※応募締切日までに送信ください
■応募締切
2017年9月10日(日)
■賞品 優秀作品には以下の賞金・賞品を贈呈いたします
【一般の方】
最優秀賞(1名):現金3万円 & 健康運動シリーズDVD(3枚セット。11,400円相当/税抜)
優秀賞(2名):現金1万円 & 健康運動シリーズDVD(3枚セット。11,400円相当/税抜)
佳作(5名):健康運動シリーズDVD(3枚セット。11,400円相当/税抜)
【糖尿病患者さん】
最優秀賞(1名):現金3万円 & 糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
優秀賞(2名):現金1万円 & 糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
佳作(5名):糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
【医療・保健指導関係者】
最優秀賞(1名):現金3万円 & 糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
優秀賞(2名):現金1万円 & 糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
佳作(5名):糖尿病3分間ラーニング(1枚。25,920円相当/税込)
■選考方法
締切日までに応募された作品のなかから、「糖をはかる日」運営事務局での厳正な審査により受賞作を決定します。審査決定後、受賞者のみにメール連絡を行います。また、結果発表は後日公式サイトに掲載されます。
■受賞作品の発表
受賞者に通知するほか、「糖をはかる日」公式サイトほかで発表
■注意事項
・ご応募いただきました投稿内容は、受賞の有無にかかわらず、連絡なく 「糖をはかる日」ウェブサイト、ポスター、リーフレット等、事務局が認めたものに活用させていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
・応募作品は未発表で自作のものに限ります。他人の権利に触れる内容の投稿や二重投稿はご遠慮ください。
・応募いただいた100文字投稿の著作権について:投稿者は、「糖をはかる日」事務局に対し、投稿情報について、無償で利用(複製、複写、改変、第三者への再許諾その他のあらゆる利用を含む)する権利を許諾するものとします。この利用の許諾は永続的かつ取消不能のものとします。
・趣旨を損なわない範囲で表現を変更したり、一部削除することがあります。
・応募者の個人情報は、「糖をはかる日」事務局にて厳重に管理し、採用審査・受賞者への連絡用途に限り使用することとし、正当な理由のない第三者への開示や、譲渡および貸与等は一切いたしません。
■主催
糖尿病治療研究会(代表幹事・森 豊)http://www.dm-net.co.jp/rgtd/
■事務局・問合わせ先
「糖をはかる日」事務局 担当係(株式会社創新社内)
〒105-0003 東京都港区西新橋2-8-11 Tel.03-5521-2881 Fax.03-5521-2883 
お問い合わせフォーム http://www.dm-net.co.jp/koushin/info/
■「糖をはかる日」公式ウェブサイト http://www.dm-net.co.jp/10-8/

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「10月8日は、『糖をはかる日』」 講演会
10月3日(火)日比谷コンベンションホールにて開催予定です。「食後高血糖(血糖値スパイク)への徹底対応」をテーマに、予防と治療についてそれぞれ、糖尿病医療のエキスパートによる講演、パネルディスカッションが予定されています。
たくさんのお申し込みをお待ちしております!!

■日時:10月3日(火)19:00開演~21:00閉会(18:30開場)
■場所:日比谷コンベンションホール(大ホール)
千代田区日比谷公園1-4 千代田区立日比谷図書文化館・地下1F
http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
東京メトロ 丸の内線・日比谷線「霞ヶ関駅」B2出口より徒歩約3分
都営地下鉄 三田線「内幸町駅」A7出口より徒歩約3分
東京メトロ 千代田線「霞ヶ関駅」C4出口より徒歩約3分
JR 新橋駅  日比谷口より 徒歩約10分
■対象:一般の方・糖尿病患者さん(100名)ならびに、医療・保健指導スタッフ(100名)
(先着順受付。定員に達し次第、受付終了)
■参加費:無料
■参加申込:下記のお申込みフォームからお申込みください
http://www.dm-net.co.jp/10-8/seminar/registration/form.html
■プログラム:※講演タイトル・内容は予告なく変更する場合があります
 テーマ:「食後高血糖(血糖値スパイク)への徹底対応」
 司会: 阪本要一先生(東京慈恵会医科大学客員教授)
 ご挨拶:糖尿病治療研究会代表幹事 森 豊 先生
    (東京慈恵会医科大学附属第三病院 糖尿病・代謝・内分泌内科教授)
 講演1)「食後高血糖を防ぐための食事、運動」
      勝川 史憲 先生(慶応義塾大学 スポーツ医学研究センター教授)
 講演2)「食後高血糖(血糖値スパイク)と薬物療法」
      田中 逸 先生(聖マリアンナ医科大学 代謝・内分泌内科教授)
 パネルディスカッション

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家族、仲間支えに半世紀 
仕事も趣味も 1型糖尿病と闘う

仕入れた魚を市場でさばく荒井弘さん=富山県氷見市で(本人提供)
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 1型糖尿病は主に子どもに起こる原因不明の自己免疫疾患で、治療のためインスリン注射を続ける必要がある。昔は血糖値のコントロールがうまくいかず腎臓や目、足などの合併症になる人も多かったが、自分で血糖値を測り、適切に注射をすることで体調を維持し、この病気と半世紀以上付き合っている患者もいる。このうち二人に療養体験を語ってもらった。 (由藤庸二郎)
 製薬会社日本イーライリリーは二〇〇三年、こうした患者を対象に年一回の「リリー インスリン50年賞」を設け、百四人を表彰してきた。

 富山県高岡市の鮮魚商、荒井弘さん(70)はその一人。発病から五十六年たった今も週三日、市場で仕入れた魚を刺し身や切り身にさばき、行商する。お客さんの「おいしかったよ」の声が励みだ。
 十四歳でだるさと異常な喉の渇きを覚え、動けなくなった。その後五年間入院。「退院も仕事も一生できないと思っていた」と振り返る。
 精肉店主が同じ病院にいた縁で住み込みの仕事に就いたのが転機だった。朝晩の注射は近くの医院でしてもらう。自転車でご用聞きと配達に走り回ったのが「適度な運動になったのでしょう」と話す。元気を取り戻し、結婚して家も買った。自己注射が保険適用されるとすぐ使い始めた。
 四十歳が近づき、むくみが悪化して間もなく人工透析に。それから妻はノートを付けて栄養を管理し、本人は血糖値の測定器を買い、二人三脚で働いてきた。荒井さんは「痛くもかゆくもないのに突然、合併症で透析になった。医師の言うことを面倒がらずに聞いて、守っていたらよかった」と反省交じりに話した。

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 愛知県出身の主婦加藤敦子さん(63)は昨年の受賞者。十二歳で発病した。現在は糖質もしっかり摂取するのが基本とされるが、当時は、ご飯も甘い物も駄目と言われて苦しかった。退院後、近所の看護師に教わって自分でも注射した。使い捨て注射器が使えるまではガラスの注射器を毎回、煮沸消毒したという。
 結婚と同時に東京へ。子どもが産めるのか心配だった。そのとき「可能性に挑戦しないでどうするの! できる仕事はしなさい」と主治医が笑顔で叱咤(しった)してくれた。
 二人の子どもが生まれ、今は事務のパートをしながら息子夫婦、孫と暮らす日々だ。
 「同じ病気の人との出会い、交流が支えになった」と加藤さんは話す。
 同じ病院に通い、同時期に妊娠していた患者と悩みを打ち明け合った。50年賞の授賞式で、合併症を防ぐ努力を続けるほかの患者の話を聞いて「可能性に挑戦」の言葉を思い出し、書道や英会話を始めたという。
 東京女子医大糖尿病センターの三浦順之助講師(糖尿病内科)によると、子どもが1型糖尿病だと分かった親はとてもショックを受ける。そんなとき三浦さんは「しっかりコントロールすれば普通の人以上の活動もできます。一緒に頑張りましょう」と語り掛ける。
 多様なインスリン製剤が登場し、測定器も五、六秒で測れるまでに改良された。ただ、本人が病気を理解し、血糖値を測って必要なインスリンを注射する大原則は変わらない。
 三浦さんは「長年の間には老化も加わり、慢性合併症や血管障害の危険性も高まる。それでも、合併症にならない、進行させないように医師のアドバイスを受けながら自己管理を続けることが、体調維持には大切です。その努力は決して無駄になりません」と励ましている。
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就学前教育の充実と糖尿病予防に力点、
独立記念日大会で首相

〈シンガポール〉

技術教育学院で8月20日、開かれた独立記念日大会でリー・シェンロン首相は、就学前教育の充実、糖尿病予防、情報技術(IT)を最大限利用したスマート社会の構築、の3点を中心に演説し、強靭な国家造りを訴えた。
就学前教育の充実は、人生で最高のスタートをすべての子どもが切れようにするためで、保育園、幼稚園を増設する。教育省直属の幼稚園数を15から50に増やす。幼児期開発研究所を設置し、教師養成のための訓練計画、カリキュラムを統一する。就学前教育に対する予算を大幅増額する。

健康問題ではリー氏は、医療費増大の一因である糖尿病患者の増加を取り上げ、健全な生活を国民に求めた。清涼飲料メーカーは政府の要請に応じ砂糖含有量を減らす。政府としてさらに、砂糖税の導入も検討する。
居住者のうち糖尿病患者数は推定40万人で、うち3分の1は自分が糖尿病であることに気付いていないという。健康維持、増進のためとしてリー氏が勧めたのは、定期的健康診断、エクササイズまたはウオーキング、エレベーターでなく階段の利用。食事では、練乳入りでなく、砂糖抜きの紅茶、全粒粉のパン、玄米が望ましいという。

毎週の閣議前の昼食会には玄米がメニューにある。しかし玄米だけのご飯では食べづらいことから、白米に玄米を混ぜたご飯を国民に奨励する意向だ。

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妊婦の8人に1人がかかる!?
「妊娠糖尿病」とは
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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

それまで糖尿病の診断を受けたことのない人でも、妊娠中に「妊娠糖尿病(Gestational Diabetes Mellitus、GDM)」を発症することがあります。
どのような病気なのか、また、お腹の赤ちゃんには影響があるのかどうか、詳しく解説していきましょう。

糖尿病と妊娠糖尿病の違い

日本糖尿病・妊娠学会によると、妊娠糖尿病とは「妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常である」と定義されています(※1)。
そもそも糖尿病とは、食後に上昇する血糖値を下げる働きを持つインスリンが、作用を低下したり分泌量を減少することによって、糖の代謝に異常が起こり、血糖値の高い状態が続いてしまう病気です。
その原因は、1型糖尿病か、2型糖尿病かによっても異なりますが、多くの方がイメージするように、2型糖尿病の場合は、食事や運動不足などの生活習慣も発症に大きな影響を与えます。
一方、妊娠糖尿病の場合、その発症には妊娠中に分泌されるホルモンが関係しています。
妊娠すると、卵巣や胎盤からさまざまなホルモンが分泌されます。これらのホルモンは赤ちゃんが安定して育つために必要なものですが、中にはすい臓から出るインスリンの働きを抑制する作用を持つものがあります。
そのため、このようなホルモンが増える妊娠後期は、妊娠糖尿病になりやすいのです。
実際、妊婦さんの8人に1人(12.08%)は妊娠糖尿病になるとされています(※2)。

※1:一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会『妊娠中の糖代謝異常と診断基準(平成27年8月1日改訂)』(http://www.dm-net.co.jp/jsdp/information/024273.php)
※2:同上『糖尿病と妊娠に関するQ&A』(http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/c/q01/)

妊娠糖尿病になりやすい人

とはいえ、すべての妊婦さんが妊娠糖尿病になるわけではありません。
通常、ホルモン分泌によってインスリンが抑制気味になる時期には、ふだん以上にすい臓からインスリンを多く分泌して血糖値を上げないように調節する働きが備わっているからです。
ところが、何らかの原因でこの調整機能がうまく働かないと、血糖値が上昇し、妊娠糖尿病になってしまうと考えられています。
とくに次の因子は発症に関係しているのではないか、といわれているものです。
・肥満である
・高齢出産(35歳以上)である
・糖尿病の既往歴がある家族がいる
・尿糖が陽性となることが続いている
・妊娠高血圧症候群である、もしくは既往歴がある
・羊水過多といわれている
・流産や死産、早産の経験があり、原因がわからないといわれたことがある
・過去に大きな赤ちゃんを出産している
(参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター『妊娠と妊娠糖尿病』(https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/bosei/bosei-jsdp.html))

妊娠糖尿病の診断基準

妊娠糖尿病の診断は、「75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」の検査結果を用いて行います。
検査の結果、次の1つ以上を満たす場合に、妊娠糖尿病と診断されます。
・空腹時血糖値 ≧ 92mg/dl (5.1mmol/l)
・1時間値 ≧ 180mg/dl (10.0mmol/l)
・2時間値 ≧ 153mg/dl(8.5mmol/l)
(参考:一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会『妊娠中の糖代謝異常と診断基準(平成27年8月1日改訂)』(http://www.dm-net.co.jp/jsdp/information/024273.php))
先に述べたように、妊娠糖尿病は妊娠中にはじめて発見・発症された糖代謝異常のことをいいます。
そのため、糖尿病に至っている場合は、「妊娠中の明らかな糖尿病」と呼ばれ、区別されます。
また、妊娠前から糖尿病を発症していた場合は「糖尿病合併妊娠」と呼ばれ、妊娠糖尿病には該当しません。

妊娠糖尿病の危険性は?

妊娠糖尿病を放っておくと、次のようなリスクがあります。
母親へのリスク
・妊娠高血圧症候群
・感染症の併発
・流産や早産
・帝王切開
・羊水過多
など

胎児へのリスク

・巨大児(帝王切開になる確率が高まる)
・奇形児
・肩甲難産(胎児の肩が産道にぶつかるため)
・子宮内胎児死亡・発育遅延
など

新生児(誕生後)のリスク

・新生児低血糖
・高ビルビン血症(血液中のビルビンの値が増えすぎて、黄疸の症状が現れる)
・低カルシウム血症(血液中のカルシウムが減る)
・多血症(血液中の赤血球が増える)

このほかに気をつけたいものとして、「劇症1型糖尿病」があります。
重症化しやすく、放っておくと死に至ることもある危険な病気です。
確率自体は高くありませんが、妊娠をきっかけに発症する女性が多いといわれています。

妊娠糖尿病の症状と注意点

妊娠糖尿病は初期の自覚症状があまりありません。
ただし、進行すると、喉が渇いて水を大量に飲む、大量に尿が出る、疲れやすいなど、通常の糖尿病と似たような症状が現れます。
妊娠中は健康であってもいろいろな変化が起こりやすいため、これらの症状があっても妊娠糖尿病かどうかを自分で判断するのは難しいでしょう。だからこそ、気になる症状がある場合には、受診時に伝える習慣をつけておきましょう。
また、とくに先に述べた発症因子に該当する人は、食事に気をつけましょう。
妊娠後期はふだんよりもエネルギーの摂取量が増えますが、1度にたくさん食べると、食後の血糖値が上がりやすくなります。
そのため、おやつの時間をとるなどして、食事の回数を分けるのも方法もひとつです。
ただし、その場合は、1日の摂取カロリーの合計量が増えすぎないように注意する必要があります。
また、体重も目安のひとつとなります。
妊娠中の適正な体重増加量は、妊娠前の体格(BMI)によって異なります。個人差はありますが、とくに肥満(BMIが25以上)の人は体重の増加を5㎏以内に抑えるようにし、適正な範囲を超えている場合は、主治医に相談しながら、運動も取り入れましょう。
妊娠糖尿病と診断された場合は、産後にも検査が行われます。
また、ある程度経ってから糖尿病を発症することがあるため、経過観察も必要となります。楽しく育児をするためにも、産後の体調にも注意したいですね。

【参考】
・国立国際医療研究センター研究所 糖尿病情報センター『妊娠と糖尿病』(http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/080/030/13.html)
・公益社団法人 日本産婦人科学会『妊娠糖尿病』(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/ninshintonyobyo.html)

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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がんや糖尿病よりも精神障害になる可能性の方が高いと判明、「精神障害になりにくい人」は何が違うのか?

2017年08月20日

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by Caleb Woods

うつ病や急性ストレス障害といった精神障害について「自分とはあまり関係のないもの」と考えている人も多く、実際に自分が精神障害となった時に恥を感じてなかなか人に言えないということも起こり得ます。しかし、近年に行われた大規模な調査では、人が人生のある時点において精神障害になる確率は80%以上であり、がんや糖尿病よりも身近な病気であるということが示されています。一方で、中年の年齢まで一度も精神障害にかかならなかった人も存在することから、「これらの人は何が違うのか?」ということも調査されています。

Mental Illness Is Far More Common Than We Knew – Scientific American Blog Network
https://blogs.scientificamerican.com/observations/mental-illness-is-far-more-common-than-we-knew/
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これまでに行われた調査によると、アメリカの全人口の20~25%の人々が精神障害を患っており、学校や仕事、人間関係に支障をきたしているとのこと。アメリカで行われた国民調査の結果によると、1990年代中頃から2000年代初期にかけては特に精神障害の報告が多く、人生のある時期において精神障害を経験したという人は約半数にも上ったと言われています

上記の調査はさまざまな年代・性別・社会的地位・民族性を持つ人々を対象にした大規模なものですが、一方で、注意しなければならないのは、精神障害を報告した被験者はみな、自分の人生を振り返って「あのとき私は精神障害だった」と語っているということ。人間の記憶は変質しやすく、過去に精神障害を患っていたと語る人が、自分の状態をどれほど正確に把握しているのか?という問題があります。また、国民調査に対して3分の1もの人々は回答を行っていませんが、追跡調査を行った結果、これらの「回答しなかった人々」は、メンタルヘルスの状態がより悪い傾向にあることがわかっています

そこで、2017年2月に発表された研究は、「被験者に対して過去の精神障害の経験を問う」のとは別のアプローチで調査を実施。この調査では、ニュージーランドに住むある世代の人々を誕生から中年期まで追跡し、数年ごとに徹底的に調査して、「調査を行った時点から数年後に精神障害になる形跡があったかどうか」が評価されました。

数年ごとに証拠ベースで何度も人々を調査した結果、人々が人生のある時点において診断可能な精神障害になる可能性は80%以上にもなることが判明しました。この調査の結果、被験者のうち短期間の精神障害さえ引き起こさなかった人はわずか17%。調査と調査の間には数年の期間があいたので、その期間内、調査では計測できない時期にもわずかな精神障害さえなかった人は、さらに少数であると見られています。なお、ニュージーランドの別の地域やスイス、アメリカで同じ調査が行われた時も、同様の結果が見られたとのこと。これはつまり、人は糖尿病や心臓疾患よりも、精神障害を経験する確率が高いということです。
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by agressti vanessa

一方で、「精神障害になる」と聞くと、生涯にわたって患うもの、という印象を持つかもしれませんが、一般的に私たちが「精神障害」とするものの症状が出るのは短期間で、治療薬などを飲まなくとも完治することがあることも同研究でわかっています。クレアモント大学院大学の社会心理学者であるJason Siegel教授は、人は友人や同僚の健康上の問題が一時的である時に、より同情的になり助けになろうとする傾向があると主張しており、「一時的な精神障害も多い」という情報が広まることは有益だと考えられます。しかし、「一時的」とは言えども精神障害が患者の人生に大きな影響を及ぼすのは事実であり、精神障害の症状に該当する人であれば、かなりの機能に問題が生じているはずなので、人の助けが必要になるのです。

しかし、同研究結果は、精神障害について「人が人生のうちで経験する『当たり前のこと』を医療上の問題にしている」とも受け取られるという問題を含んでいます。

非営利組織のMental Health America代表であるPaul Gionfriddo氏は精神障害を「普通のこと」と考えており、「この調査結果には驚きません」と発言しつつも、「だからといって常に耐えられるものではありません」と語っています。3年前にMental Health Americaがウェブ上で自分が精神障害であるかどうかをチェックできるツールを公開したところ、現在では、1日3000人もの人がウェブサイトにログインして自分が精神障害かどうかや、治療によってメリットが得られるかどうかを調べているとのこと。

米国予防医療専門委員会は、11歳以上の人々に対して精神障害のテストを定期的に行うことを推奨していますが、定期的にテストを行う人はごくまれです。Gionfriddo氏は、がんや糖尿病のような病気に対して人は定期的な検査を行い早期発見を心がけているのに、精神障害についてはそうでないことを指摘。「精神障害かどうかのテストは、大人にとって血圧検査と同じくらいに一般的であるべきです」と主張しました。

一方で、今回の調査で、人生のうち一度も精神障害を患ったことのない「驚くべき人々」が報告されたのも注目すべきことです。これらの人々をより深く調査していくことで、精神障害の人々を助け、人が人生を楽しむための見識を共有することも可能だとみられています。

現時点では、これらの人々には「家族に精神障害の病歴がないこと」そして「5歳頃の時期においてネガティブな感情を示すことが少なく、仲間と上手につきあい、自己管理が上手である」という傾向があったことが判明しています。一方で、裕福さや知能、あるいは身体的な健康度について他の子どもたちと違いはなかったとのことです。
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by Mi PHAM

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