糖尿病ワクチン開発 NPO、佐賀大に助成

1型根絶に期待

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目録を手渡した日本IDDMネットワークの井上龍夫理事長(左)と、受け取った佐賀大の宮﨑耕治学長(右)と永淵正法客員研究員(中央)=佐賀市の佐賀大

 生活習慣と関係なく、血糖を下げるインスリンを体内で作れなくなる1型糖尿病の患者や家族を支援するNPO「日本IDDMネットワーク」(井上龍夫理事長、佐賀市)は29日、1型糖尿病の原因とみられるウイルス感染を防ぐワクチン開発に取り組む佐賀大学に2100万円を助成した。

 ネットワークは2005年、患者や家族からの寄付を原資に研究基金を設けた。15年からは佐賀県のふるさと納税の仕組みも使い、これまでに41件、2億760万円の研究費を助成してきた。県内の研究機関への助成は初めてとなる。

 研究代表を務める佐賀大医学部の永淵正法客員研究員(67)=佐賀市出身=は九州大大学院在籍中の15年、1型糖尿病の発症に関係する遺伝子を発見した。16年4月からは佐賀大に拠点を移し、発症予防につながるワクチン開発を目指している。

 佐賀市の本庄キャンパスでの贈呈式で、宮﨑耕治学長に目録を手渡した井上理事長は「1型糖尿病の根治、根絶を一日も早く実現してほしい」と期待を寄せた。4月から特任教授になる永淵研究員は「多くの人から支援してもらい、責任を感じている。未知の遺伝子を探索するなど広い視点でアプローチしていく」と抱負を述べた。

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糖尿病の人が果物や野菜のジュースを飲むとどうなる?

意外な結果に

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 ヘルシーなイメージのあるフルーツや野菜のジュース。「1本で1日分の野菜を摂取できる」という謳い文句が付けられた商品もある。でも、実際に飲み続けると、体にどんな変化が起こるのか? 意外な事実が明らかになった。

果物や野菜のジュースに含まれる「糖質」は意外に多い

 コンビニやスーパーなどでさまざまな種類のフルーツや野菜のジュースが販売されている。健康的なイメージがあるが、炭水化物(糖質)の量をチェックすると、意外に多く含まれているものもある。

 オレンジジュース(濃縮還元ジュース)であると、100g当たりのカロリーは42kcal、糖質は10.7g、うち吸収の速い単糖が7.9含まれる。200mLのパックであれば糖質を20g以上摂取する計算になる。

 野菜ジュースも同様で、「炭水化物=糖質」と考えると、200mLのパックであれば15~20g摂取することになる。おにぎり1個のカロリーは180kcalで、炭水化物が40g含まれる。果物ジュースだけでその半分を摂ってしまうことになる。

 「健康的な食生活」を心がけていても、なかなか体重が減らないという場合は、果物や野菜のジュースを飲む習慣が影響しているかもしれない。

 フルーツジュースも野菜ジュースも、液体なので、固形物をしっかり噛んで食べる場合よりも、より吸収が速く、血糖値を急激に上げてしまうおそれがある。

果物や野菜のジュースは「果物と野菜の代わり」にならない

 もし果物を食べるのであれば、ジュースにせずに、そのまま固形で食べることが勧められる。果物には食物繊維も含まれ、よく噛んで胃で分解され、小腸に少しずつ流れていき、栄養素が少しずつ吸収されていく。この過程を経ていく方が体には良い。

 果物も糖質が多めに含まれるので、糖尿病の人にとって食べ過ぎは良くないが、有用な栄養が多く含まれているので、甘い物が欲しくなった時の間食として適量であれば、ほとんどの場合で問題はない。気になる人は、医師や管理栄養士に食べてもいいフルーツの適量を相談すると良い。

 

フルーツジュースを毎日飲むと糖尿病リスクが上昇

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 「健康のために良い」と思って飲んでいるフルーツジュースが、体重増加につながっているかもしれない。ハーバード公衆衛生大学院が18万7,382人を対象にした調査で、糖質の少ない果物をよく食べる人は糖尿病のリスクが低下することが明らかになった。

 調査の結果、ブルーベリー、ブドウ、レーズン、リンゴ、西洋ナシなどの果物を、週に3回食べていた人では、2型糖尿病を発症する割合が約10%低下したことが明らかになった。特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に2回以上食べていた人では、まったく食べない人に比べて糖尿病のリスクが23%減少した。

 逆に、フルーツジュースを毎日飲む人では、糖尿病リスクは21%上昇していた。また、1週間に飲むフルーツジュースのうちの3回分を、果物をそのまま食べるように変更すると、糖尿病のリスクは7%減少した。

 野菜ジュースでも同じような調査結果が出ており、どんなに健康に良い食品でも、ジュースとして加工することで効果が減少することが示されている。

体重増加の隠れた犯人は「フルーツジュース」

 ダイエットを試みても、なかなか体重が減らないという人は、野菜や果物をジュースにしないで摂取した方が良いかもしれない。米国のバージニア メイソン医療センターの研究で、1日当たりの果汁100%ジュースの摂取量がコップ1杯分(約180mL)増えるごとに、3年間に体重が0.18kg増加することが分かった。

 研究チームは、大規模な前向きコホート研究である「女性健康イニシアチブ」に参加した閉経後の女性4万9,106人を対象に、3年間追跡して調査した。「食物繊維が少ないジュースを飲むと、糖分がすぐに血液中に取り込まれてしまい、インスリンの効きが悪くなり、代謝に悪影響が及ぶおそれがあります」と、同センターのブランドン アゥアバック氏は言う。

 逆に、果物そのものを食べると体重が減少する可能性も示唆された。果物を1日1回食べると3年間で約0.45kgの減量を期待できることが分かったという。

野菜や果物をジュースで摂取するのは勧められない

 「果物や野菜は皮を含めてまるごと食べることが大切です。フルーツジュースなどは食物繊維があまり含まれていない点が気になります」と、研究者は述べている。

 果物や野菜のジュースに含まれるのは果汁のみで、また果汁に含まれる糖質は、単糖類である果糖(フルクトース)であり、短時間に血糖値を上げやすい。一方、果物や野菜をまるごと食べると、食物繊維が豊富なために、消化吸収のスピードが遅くなり、血糖値の上昇は緩やかになる。

 ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜と、キャベツ、レタス、タマネギなどの淡色野菜を約半量ずつ、これに食物繊維の豊富な根菜、海藻、キノコ類をプラスすれば、ビタミンやミネラル類、食物繊維などを満遍なく摂れる。

 これを機に、ジュースで一気に流しこんでしまうのではなくて、じっくり甘みを噛みしめながら、食べる楽しみを味わって、糖尿病から自分を守っていくようにしたい。 Skip the juice, go for whole fruit(ハーバード公衆衛生大学院 2013年8月29日)

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Cover Story: 生き抜く術:血糖値が高くても糖尿病にならずに成長するメキシコの洞窟魚

2018年3月29日

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Nature ハイライト

Nature 555, 7698

メキシカンテトラ(Astyanax mexicanus)の盲目の洞窟型個体が生息する暗い洞窟は、食物の極めて少ない極端な環境である。今回N RohnerとC Tabinたちは、この魚は、食物量が大きく変動する生活をする中で、驚くべき方法でこの極端な環境に適応したことを明らかにしている。この洞窟魚は、ヒトであれば重度の2型糖尿病を引き起こすと思われるインスリン受容体変異を持っているが、その結果生じる高い血糖値は悪影響を全く生じさせていないようであり、この魚は健康で寿命は正常である。著者たちは、この魚は、血糖の調節における代償機構を進化させたことで、困難な環境を生き抜くことができるのではないかと推測している。

News & Views p.595

doi: 10.1038/d41586-018-03242-0 | 日本語要約 | Full Text | PDF

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Nature ハイライト:生き抜く術:血糖値が高くても糖尿病にならずに成長するメキシコの洞窟魚 | Nature | Nature Research

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世界糖尿病デーに知る、糖尿病のいま

2018.03.28 Wed

大杉満×近藤克則×荻上チキ

かつて「贅沢病」と言われた糖尿病。今、貧困層の患者が増え、世界的な問題になっている。「自己責任」では片づけられない糖尿病の複雑な要因。社会的な対策の必要を、専門家が訴えます。2017年11月14日放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「世界糖尿病デーに知る、糖尿病のいま」より抄録。(構成/増田穂)

■ 荻上チキ・Session22とは

TBSラジオほか各局で平日22時~生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら →https://www.tbsradio.jp/ss954/

 

誰でもなりうる糖尿病

 

荻上 今夜のゲストを紹介します。国立国際医療研究センター病院、糖尿病情報センター長の大杉満さんです。よろしくお願いいたします。

大杉 よろしくお願いします。

荻上 大杉さんは糖尿病について、どういった活動をされているのですか。

大杉 国立国際医療研究センターは国の糖尿病など代謝疾患対策の中核として、糖尿病並びに関連する疾患の研究と啓発を進めながら、新たな治療法の開発をしています。具体的にはこうしたラジオでの啓発活動、基礎研究から臨床研究、国の政策にも関係する研究をおこなっております。

荻上 本日11月14に日は糖尿病の啓発デーとのことですが、この日はどういった位置づけになっているのでしょうか。

大杉 11月14に日はインスリン発見者のひとりであるバンティング博士の誕生日です。この 日を糖尿病の啓発デーとし、全世界で糖尿病についてよく知るための日として位置づけています。糖尿病は、感染症でない病気として初めて国連に重要な問題と認定された病気です。このままでは、世界中で6億近い人々が糖尿病になると予測されています。啓発を進め、病気を防ぐための活動として、10年以上前に制定されました。

荻上 世界中で糖尿病が問題になっているわけですね。

大杉 はい。文字通り世界的な問題です。よく糖尿病は裕福な国の病と思われがちですが、実は発展途上国など、貧困にあえいでいる国こそ重要な課題になっています。

荻上 そもそも糖尿病、どのような病気なのでしょうか。

大杉 人間の身体の中は、ブドウ糖が体中をめぐっています。これは人間にとって欠かすことのできない栄養素です。糖尿病になると、ブドウ糖もしくは血糖値と言われるものが必要以上に上昇し、それが慢性化します。初期の状態ではほとんど症状がなく、気づかずに放置されてしまうことが多いのですが、その間にさまざまな合併症を起こしてしまうのが糖尿病の恐さです。

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大杉氏

荻上 症状の出方はさまざまなのですか?

大杉 ええ。最初期のころは、ほとんど症状はありません。糖尿病の症状としてよく言われるような「のどが渇く」「体重が落ちる」「トイレが近くなる」といった症状は、平均すると6~10年状況を放置して、かなり血糖値が高くなった方々から出てきます。つまり、身体への障害として、何らかの症状が出ている場合、すでに病状は進行していることが多いのです。

荻上 日本での患者数はどの程度なのですか。

大杉 今年の9月に厚生労働省などからあった発表では1000万人という報告になっています。

荻上 確率として誰がなってもおかしくない病気なのですね。患者数は増加しているのでしょうか。

大杉 以前ほどではありませんが、今でもゆるやかに増加しています。

荻上 糖尿病になりやすい人というのはいるのでしょうか。

大杉 性別では、女性より男性の方がなりやすいです。さらに、これは日本で初めて確認されている状況なのですが、65歳、とくに75歳以上の年齢の高い方は、かなりの確率で血糖値が高い方が多いです。年を取ることで筋肉量が落ち、ブドウ糖を上手く消費できないことがひとつの理由と考えられます。

さらに、一般に誤解されがちですが、糖尿病は社会的な弱者、経済的に豊かではない方々にも多い病気です。高齢者の中にも、困窮していて健康管理に費やす時間などがとれず、糖尿病になられる方が増えていると推測されます。

早期発見が難しい

荻上 糖尿病の初期症状についてリスナーから質問が来ています。

「最近夫がやたら喉が渇くといって、ペットボトルをがぶ飲みしていて、糖尿病の初期症状ではないかと心配してます。糖尿病になると喉が渇くとよく聞きますが、こうした症状はなぜ起こるのでしょうか。」

大杉 血糖値が高くなると、身体の反応として処理できない分の糖を抱えることになります。その処理方法の一つとして、身体は尿の中に余計な糖分を出します。すると、糖分だけでなく水分も一緒に排出し、おしっこの量が増えます。そのために糖尿病の古典的な症状の一つとして、トイレが近くなる、おしっこが増えるという症状があるんです。ただ、ここまで症状が出ているとなると、血糖値はすでにかなり高くなっているかもしれません。

荻上 お話の中ではペットボトルをがぶ飲みしているとのことでしたが、飲み物に入っている糖分も避ける必要があるのでしょうか。

大杉 糖尿病の患者さんには、糖質の入っていない飲み物、具体的には水やお茶をお勧めしています。しかし、なぜか糖尿病になられてる方は冷たくて甘い飲み物を好まれます。理由ははっきりわかっていませんが、そのほうが喉が乾いた感じが癒されるというのがあるそうです。ただ、血糖値が高い方が糖質をたくさん飲むと、さらに血糖値が高くなり、あまり良い状態ではありません。

荻上 スポーツドリンクなどはいかがですか。

大杉 実はスポーツドリンクも、かなり糖質が含まれています。他のジュース類と同じか、控えめにいっても半分くらいの糖質が入っているので、糖尿病の患者さんにとっては警戒すべきもののひとつだと考えられます。

荻上 こんな質問も来ています。

「私は体重130キログラムの者です。もう10年ほどこの体重なのですが、幸いにして健康診断では糖尿病といわれたことはありません。おそらくは私も糖尿病予備軍で間違いないと思いますが、糖尿病と体重の関係はあるのでしょうか。」

大杉 一般に体重の重い方は、糖尿病のリスクが増えます。ただし、一定の肥満の方が全員糖尿病かというと、そうではありません。これは医学上の謎で、その率も民族ごとに違うのですが、ある程度の肥満があっても、その内せいぜい10%ほどしか糖尿病にはならないと言われています。

荻上 糖尿病には種類があるのですか。

大杉 糖尿病には大きく1型と2型があります。1型は少数ですが、何らかのウィルス性の感染が引き金となっていると考えられています。例えば風邪を引いた時に何かが引き金になって、免疫異常を起こし、体のなかのインスリンを分泌する細胞を障害して血糖値の以上が起こる場合などです。

より一般的な糖尿病は2型です。肥満などを原因、要因として発症します。大きく関係しているのが家族歴。ひとつは遺伝による糖尿病になりやすい素因があり、さらにその人に合わない体重が増えるような食生活をしていると糖尿病になりやすくなります。

その他に、その他の病気が引き金になって糖尿病になる場合、厳密な意味での遺伝性の糖尿病などがあります。糖尿病と一言でくくっても、原因は多岐に渡ります。

荻上 質問が続いています。

「糖尿病であまりに血糖値が高いと手術ができないそうですがその場合、どう対処したらいいのでしょう。そしてそれはどのぐらいの経済負担になるのでしょうか。」

大杉 確かに血糖値がある程度高いと手術にリスクがあります。例えば手術をしたあとに傷が治りにくい、術後に感染を起こしやすいなどです。そのため、外科の先生は手術前に血糖値を下げてほしいとおっしゃいます。どうしても急ぎ手術をしない場合は、入院をして1週間ほど血糖値が下がるのを待ち、手術を行うこともあります。

経済的な負担については、もちろんある程度のお金はかかりますが、日本は入院をしても個人の負担はそこまで大きくありません。内科の入院であれば1日1万円くらいの金額になります。そういったものはすぐに高額医療の上限などに引っかかり頭打ちになりますので、治療自体ではそれほどものすごい負担にはならないと思います。

荻上 糖尿病は症状が出るのは病状が進行してからとのことですが、健康診断などで早期発見することはできるのでしょうか 。

大杉 はい。ただ、初期の段階では症状がないので、深刻に考えず、忙しく過ごしているあいだに病状が深刻化してしまうケースがとても多いです。

荻上 早期発見だけではなくて、通院しやすい社会環境を作っていくことも重要な課題なのですね。

大杉 いかにもです。

荻上 体験者の方からは、四肢の壊死や網膜症などさまざまな合併症を発症しているというお話もありました。

大杉 目の症状は、血糖値の高さを放っておけばほぼ確実に出てきます。足の壊死、もしくは壊疽といわれる症状も、糖尿病の合併症です。壊疽の過程として、真っ先に出るのは神経障害で、徐々に感覚がなくなり、多少のケガがあっても自分では気づかなくなります。さらに、治癒の力も落ちるので、少し赤く腫れている程度の傷が治らず、どんどん広がっていくことなどもあります。

荻上 いろいろと合併症を併発しだすと、精神衛生上もよくないと思います。そうした精神的な面が影響してくることもあるのでしょうか。

大杉 糖尿病の場合は双方向の関係があります。糖尿病があって、例えば治療の負担がある。さらに合併症が進んでしまい、それを苦に感じてうつになる方というのは健康な方よりも増えます。一方で、うつを患っている方は活力が湧かずどうしても糖尿病の治療からも距離を置きがちです。結果、症状が悪くなる、ということも起こっています。悪循環が起こってしまいますね。

荻上 糖尿病は完治する病気なのでしょうか。

大杉 一定期間の治療後、まったく病気のことを忘れ去ることができるという意味での完治は残念ながら今はできません。糖尿病の影響が出ないように、病状をコントロールするという方法になります。今の医療では付き合い続けるのが最前の方法です。

荻上 それは毎日服薬したり、頻繁に通院したりということになるのでしょうか。

大杉 血糖値が高かったり、1型の糖尿病であると、生きていくためにはインスリン注射が必要になります。こうした方は通院回数も頻繁になり、治療も複雑になります。

荻上 さらに質問が来ています。

「通院の際、アルコール依存の患者さんの中に糖尿病を併発している方を多く見かけました。アルコールと糖尿病の関係が知りたいです」

大杉 これにはさまざまな議論があります。一説では、アルコールを摂取しすぎると、肝臓と膵臓に及ぼしまします。膵臓はインスリンという血糖値を下げてくれるホルモンを出している臓器です。そこがダメージを受けることでインスリンが出にくくなる。結果糖尿病になりやすくなる、ということが考えられます。同じく肝臓も血糖値をコントロールする上で非常に重要な役割を果たしているので、アルコールによる影響で調節ができなくなり、糖尿病になりやすくなるなるようです。

 

 

糖尿病は裕福な人の病気?

荻上 糖尿病の話の背景には遺伝や家庭環境が関わっているとのことでした。糖尿病の分析は、こうした遺伝要素や家族要素などを細かく見ていく必要があるのでしょうか。

大杉 そうですね。以前糖尿病は偏見で「食事を自由に食べられて、自分では身体を動かす必要がない人がなる病気」でした。しかし、先ほどの5億人6億人いう糖尿病の推計からもわかる通り、貧困に喘ぐ国でも糖尿病患者が増加しています。これは大きな謎であると同時に、今後の分析の課題とされています。

荻上 そのあたりの背景について新たなゲストの方に伺っていきたいと思います。『健康格差社会」を生き抜く』などの著書がある千葉大学予防医学センター教授の近藤克則さんです。よろしくお願いします。

近藤 よろしくお願いします。

荻上 糖尿病の印象と現実の違いについてお話がありましたが、この点近藤さんはいかがお考えですか。

近藤 糖尿病というと、かつては「贅沢病」と言われていました。今でも生活習慣が悪い人がなる病気だから自業自得といった声があります。しかし、こうした認識は科学的な知見から事実誤認ということがわかっています。

確かに糖尿病には生活習慣も影響する一つの要素です。しかしそれ以外にも、遺伝子や暮らしている環境などが関係してきます。さらに最近は、出生時体重が少ない人ほど糖尿病になりやすいという関係がわかってきて、話題になっています。

荻上 生まれながらになりやすい人がいると。

近藤 そうです。ですので、成人期以降の生活習慣だけで糖尿病になるというのは、明らかに事実に基づかない偏見です。

荻上 糖尿病は自業自得と認識され、偏見を持たれることもあるようですが、この点についてはいかがですか。

近藤 ふたつの大事な要素を見落としています。ひとつは環境の重要性です。例えば非正規雇用の人が正規雇用の人に比べて糖尿病の合併症が多いという点を捉えて、非正規雇用の人が生活に気をつけてないのではないか、という発言を聞くことがあります。しかし、例えばヘルシーメニューを出している社員食堂がある会社なのに、非正規社員は「正社員じゃないから」と入れてもらえない会社があるそうです。公園のそばに暮らしている人のほうが運動頻度が多いことがわかっていますが、そういう環境の方が家賃も高い。つまり、健康に良い環境へのアクセスの良し悪しも考える必要があります。

荻上 健康を気に掛ける余裕があるか、どのように健康を維持すればいいのか知識があるか、幼少期からそういったことが自然と学習できる環境にあったかなど、さまざまな要因が絡んできそうです。

近藤 その通りです。さらに付け加えますと、お母さんネズミのお腹のときにいるときに飢餓状態にさらすと、子ネズミのインスリン感受性が変わってしまうという研究があります。生まれる前に置かれた状況でも大きな影響があることがわかってきています。

荻上 生前の親の健康状態が、子どもの病気のなりやすさに関わってくる。こうした要因の複雑性は糖尿病以外の病気にも言えるのでしょうか。

近藤 糖尿病以外にも心臓病はじめ、多くの病気についてこうしたことが言えます。

荻上 糖尿病へのなりやすさについては、どのような研究があるのでしょうか。

近藤 糖尿病に関しては、先ほどの、出生時体重が小さい方ほどリスクが高いと言う人間を対象に追跡したイギリスの研究があります。そのリスクは64年間で5倍以上でした。オランダでも、第二次世界大戦期の1945~46年に大飢饉に襲われた冬に生まれた子どもたちは大人になってから心筋梗塞やコレステロール異常が多いなどの研究もあります。

荻上 経済状況の影響という点では、個人の経済状況だけではなく、その社会の経済状況も影響してくるのですか。

近藤 そうした研究も進んできています。社会経済的な格差が大きい国と小さい国、例えばアメリカと北欧を比べると、格差が大きい国のほうがお金持ちも含めて死亡率が高いという研究が出てきています。

荻上 格差が大きいと、お金持ちも含めてそういう病気になりやすい。

近藤 はい。いろいろな理由が議論されていますが、一説には格差が大きい社会のほうが競争が激しく、ハラハラやドキドキなど心理的な不安やストレスが大きいことが関係するのではないかと言われています。

いわゆる勝ち組の方も、激しい競争の中で勝ち続けないといつ転落するかわからない状況です。不安にさらされて、走り続けないといけない。一方で北欧のように「なんとかなる」という安心感の大きい国では心持が大きく違うのではないでしょうか。

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近藤氏

貧困と結びつく糖尿病

荻上 糖尿病は実は貧困な国ほどなりやすいとのことでしたが、この辺りはいかがですか。

近藤 時代によっても違うことがわかっています。途上国のような国ではお金持ちのほうがお腹いっぱい食べられて、車を乗り回して歩かないということで、富裕層のほうに糖尿病が多い傾向がありました。しかしある程度以上豊かになってくると、その状況が逆転してくる。さまざまなものが絡んでいますので、なかなか一筋縄では説明が難しいところです。

荻上 糖尿病の場合、貧しさはどのようにその発症につながっていくのですか。

近藤 食事と運動の影響があることは明確にわかっています。例えば食事でいうと低所得の方ほど野菜などの摂取頻度が少なく、炭水化物の摂取量が多く糖尿病のリスクが上がります。さらに子どもの頃に生活が苦しい経験をした人たちほど、高齢期になっても野菜の摂取頻度が少ないこともわかってきました。

運動についても、やはり社会経済的に豊かな人のほうが運動しています。フィットネスクラブに通ったり、健康を気づかって歩くように意識したりする人が多いようです。

荻上 食事、運動とくると睡眠も気になります。

近藤 睡眠も社会経済的な背景により大きく異なることがわかっています。明日の生活が不安では安眠できません。考えてみれば睡眠障害になるのも不思議ではありません。

荻上 糖尿病を巡る環境を改善していくためにはどのような対策が必要だとお感じですか。

近藤 これまで、知識を広めて,本人に気を付けてもらうということを中心に対策をしていきました。しかし、余裕のない方ほど、健康のことまで意識がまわりません。今後は、生育歴や環境に対するアプローチと組み合わせることが重要だと思っています。

荻上 貧困対策や教育、育児支援などさまざまな社会的インフラの整備も重要になりそうです。一方で、糖尿病は自己責任だから、医療費や生活保護をカットしようという議論も見受けられます。この点についてはいかがですか。

近藤 申し上げた通り、糖尿病は本人が選択した生活習慣だけで決まるものではありません。それ以外の要素が大きく影響している。自己責任以外の社会の側の責任も合わせて考えるべきではないでしょうか。

荻上 大杉さん、近藤さんのご指摘を受けていかがでしょうか。

大杉 戦後70年ほどの間に日本で起きたことは、今の近藤さんのご解説でほとんど説明つくと思います。さらに、今年ノーベル経済学賞をとったアメリカのリチャード・セイラーという行動経済学者がいますが、彼が唱えているの概念である、選択アーキテクトを視野に入れてもいいかもしれません。意志の力で物事を改善しようとするのではなく、合理的な判断をする結果としてよい結果に結びつくような構造をつくるということです。糖尿病に限らず、生活習慣病対策などもそういった視点から広め、進めていくべきではないかと思います。

理解を深め、糖尿病になりにくい社会へ

荻上 糖尿病の治療の面では具体的にはどのようなことが行われているのでしょうか。

大杉 その方の病気の成り立ちによりさまざまです。インスリンを使わないと生命に危険が及ぶ方もいれば、薬が必要なく、食事や運動に気を使うだけで十分血糖コントロールがつく方もいます。あとは、生活の改善ですが、これは本当に患者さんごとに異なる治療法になります。ただどのような治療をされていても、薬を使っていても、やはり食事に気を付けて、いくばくかの運動をすると、さらに糖尿病が良くなる方が多いです。

荻上 リスナーから小児糖尿病や妊娠糖尿病の体験談もいただいております。これらはどういったものなのでしょうか。

大杉 小児糖尿病は先ほど言った1型で、インスリン依存の糖尿病のことだと思われます。お母様が、自分のせいで子どもが糖尿病になったのではないかと罪悪感を持たれて、必死に治療される方は多いです。ただ、小児の糖尿病は大人の糖尿病と違い、合併症がどんどん進むということは少ないと言われています。

妊娠糖尿病は、実は今年の世界糖尿病デーのテーマで、啓発に力が入っている病気です。これは妊娠される女性の年齢が高くなっていることと関係があると考えられています。胎児は母体からの栄養に依存するわけですが、そうすると、さまざまなホルモンを出して、母体の血糖値を上げようとします。ある程度母体の年齢が上がると、そういったストレスにさらされたときに血糖値が上がってしまう方が一定数出るのです。

妊娠糖尿病は妊娠中であれば食事に気をつけることによって、ほとんどの場合お母さんにも子どもにも影響がないと考えられています。ただ、気をつけなくてはならないのが、これは一種、お母さんがストレステストにさらされている状況なので、残念ながら出産後、糖尿病になる方の確率が高いです。定期的な検診をお勧めします。

荻上 リスナーからの質問です。

「糖尿病の食事療法としてカロリー制限と糖質制限がありますが、健康雑誌を見ると意見が割れています。どちらが糖尿病の改善に有効なのでしょうか。」

大杉 二者択一でどちらが正しいかと聞かれると、実は両方とも正しいです。当然、糖質もカロリーですから、過剰な糖質を下げるイコール、カロリー制限になります。ただ、糖質脂質タンパク質とあるうち、どのようにカロリーをとったらいいかはわかっていない部分があり、実はこれも個人差が大きいと言われています。ですが、あまり過剰にどれか栄養素をとらなくするようなとり方、それから摂取エネルギー自体をものすごく低くするようなものはお勧めできません。

荻上 これからの課題はどうお感じになりますか。

大杉 まずは皆さんに糖尿病のことをよく知ってほしいです。糖尿病になると周囲から偏見をもたれたり、いろいろとうるさく言われるのではないかと気になって、検診などの一歩を踏み出せない方も多いのではないかと思います。ですから、選択アーキテクトなども踏まえて、こんなに簡単なんだ、こうすればよかったんだというふうな社会になっていけばいいと思います。

荻上 大杉さん、近藤さん、ありがとうございました。

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近藤克則(こんどう・かつのり)

社会疫学

大杉満(おおすぎ・みつる)

糖尿病研究

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1型糖尿病で国体王者…

自転車・田仲さん「マイナスにならないと証明したい」

2018年3月28日

 1型糖尿病を抱えながら、昨年秋の国体自転車競技で優勝した18歳の選手がいる。大分市出身の 田仲

駿太さんだ。今春、強豪の 鹿屋体育大学(鹿児島県)に進学して競技を続け、「五輪や世界選手権で活躍したい」と世界を目指す。

 田仲さんは小学2年のとき急に、のどが渇きやすくトイレが近くなった。体重も減っていく。血糖を調整するインスリンが、 膵臓から十分に分泌されない1型糖尿病だった。

 小3の夏、糖尿病の子どもが集まるキャンプに参加した。インスリンを打って元気に過ごす先輩と接し、「自分でコントロールすれば大丈夫」と気づいた。

 別府翔青高校(大分県別府市)で、興味があった自転車競技部に入部した。短距離が専門で、3年の国体では少年男子ケイリンで優勝。自転車競技で多くの五輪選手を生んだ同大に進学を果たした。

 練習前に血糖値を測り、力を最も出せる状態を手探りで見つけてきた。仲間に1型糖尿病を伝えており、「知らず知らず低血糖になり、仲間が気づいて助けられたこともある」と話す。

 インスリン製造販売で世界最大手の製薬会社「ノボノルディスクファーマ」(東京)に活躍が認められ、海外遠征費などの支援を受けることになった。

 田仲さんは「もっと強くなり、1型糖尿病は競技でマイナスにならないことを証明したい」と話す。

1型糖尿病で国体王者…自転車・田仲さん「マイナスにならないと証明したい」 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

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白鷹山、嘉風の言葉で奮起=大相撲

 大相撲夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議で新十両昇進が決まった白鷹山(22)=本名斎藤亨将、山形県出身、高田川部屋=が28日、大阪市内で記者会見し「ようやく上がれたという実感が湧いてきた」と喜びを語った。
 2016年夏場所以来となる2度目の東幕下筆頭で関取の座をつかんだ。この間、糖尿病に苦しみ体重が約40キロも激減した。転機は1年ほど前。連合稽古で幕内嘉風に弱音をこぼすと、「何を言ってるんだ。常に今が全盛期なんだ」と言われて目が覚めた。
 師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は、腕力や体の柔らかさ、腰の重さを特長に挙げ「末恐ろしい能力を持っている」と大きな期待を寄せた。 (2018/03/28-19:48)

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炭水化物もお肉もお酒もガマンしない!

1日3分の簡単エクササイズで健康を取り戻す!

 

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『食事をガマンしないで血糖値を下げる方法』(加藤雅俊/マガジンハウス)

 

 高血糖のリスクや予防法をまとめた『食事をガマンしないで血糖値を下げる方法』が、2018年3月15日(木)に発売された。

 著者は「予防医療」の第一人者としても知られる加藤雅俊。同書では、血糖値と糖尿病の関係や糖尿病に関する知識、“1日3分でOK”の血糖値を下げるためのエクササイズを紹介していく。

エア縄跳び

 眠っている筋肉を目覚めさせ、糖の燃焼を促すには「エア縄跳び」が効果的。まず縄跳びのロープを持っているイメージで、両足は軽く開いて立つ。そして手首を回しながら、はずみをつけて大きくジャンプしよう。これを20秒間続ければOK。リズムよく、スピーディに行うのがポイントだ。

ひざキック

「ひざキック」は、キックボクシングをイメージしたエクササイズ。はじめに、両腕を軽く曲げ、両足を肩幅くらいに開いて立つ。その後、右に上半身を大きくひねると同時に、太ももを蹴り上げて左ひじで右ひざに軽くタッチする。これを左右両方、20秒ずつ繰り返せば完了。

エアバスケ

 バスケットボールのシュートをイメージしたエクササイズ。両足を肩幅くらいに開き、手にバスケットボールを持っているイメージで腰を落とす。手を振り上げて大きく右側に伸びあがり、再び腰を落としたら、左側に向けて同じ動きをしよう。20秒間、テンポを意識しながら続けるのがポイント。

空腹時血糖値がぐんと下がったという報告が続々!

モニターがエクササイズを実践したところ、驚きの結果が明らかになった。

※カッコ内は実践した期間

Sさん52歳男性…191→112mg/dL(1週間)

Sさん58歳男性…116→92mg/dL(1週間)

Aさん49歳男性…134→115mg/dL(1週間)

Wさん65歳女性…137→126mg/dL(2週間)

Tさん58歳女性…108→100mg/dL(2週間)

 結果を見ると、短期間で明らかに血糖値が下がっている。しかも、みな食事制限は一切行っていないという。同書を参考に、高血糖を解消する簡単エクササイズを取り入れてみてはいかが?

※掲載内容は変更になる場合があります。

ダ・ヴィンチニュース

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糖尿病によるがんの増加警戒

2018/3/28付

日本経済新聞 夕刊

 肥満や糖尿病はがんのリスクを高めます。2017年末にも「全世界のがんの約6%は糖尿病と肥満が原因」とする研究結果を海外の研究チームが発表しました。とくに関連が深いがんでは比率は高く、男性の肝臓がんでは23.3%、子宮体がんでは38.4%が肥満や糖尿病に起因すると推計しています。さらにこの比率は35年にはそれぞれ34.3%、47.9%にまで上昇すると予測しています。

日本経済新聞

(がん社会を診る)糖尿病によるがんの増加警戒 中川恵一 :日本経済新聞

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ブラジルの糖尿病関連支出 2030年には現在の倍に

Nádia Sayuri

 

 ドイツのゲッティンゲン大学との提携により英国のキングス大学が実施した世界の糖尿病に関する調査結果が23日に公表された。調査結果では、ブラジルでは糖尿病患者の増加により、この疾患の直接的および間接的なコストが2030年まで倍増する可能性があると指摘されている。ニュースサイトG1が23日付で伝えた。

 同調査では180カ国のデータを収集し、糖尿病の医療治療費に加えて、労働者の生産性の低下や疾患による早期死亡、心臓病などの疾患との関連性といった経済活動への影響も考慮に入れている。

 この調査によると、2015年のブラジルにおける糖尿病に関連した支出は577億ドル(1900億レアル)となっている。調査ではこのコストが、30年までに、控えめに見積もって970億ドル、最悪のシナリオでは1230億ドル(4060億レアル)に上昇する可能性があるとしている。

 この調査の共著者で、キングス大学グローバルヘルスセンターのジャスティン・デイビス教授によれば、国内総生産(GDP)に占める割合でみると、ブラジルは糖尿病に対する支出が世界で最も高い国の一つだという。同教授は、「この疾患は、次の世界的な流行病として考えられており、大部分の国々で増加している。そして、誰もそれに対処する事ができていない」と付け加えている。

 世界保健機関(WHO)は、糖尿病について、失明、腎不全、心臓病、脳卒中、そして身体の部位切断の原因となりうると指摘している。

 デイビス教授は、ブラジル人のケースを特別に調査してはいないとしながらも、糖尿病の増加について、国民の肥満と関係している可能性に触れている。

 保健省の16年のデータによると、ブラジル人の肥満の割合は100人あたり20人となっている。こうした状況には、健康的な食生活の意識が高まっているにもかかわらず、ファストフードや超加工食品(ビスケット、清涼飲料水、スナック食品など)などの過剰な摂取が関連していると考えられる。同教授はまた、手軽な食べ物や車での移動といった生活環境や、人々が生活レベルの向上に伴ってより多くの加工食品を摂取するようになっていることも関係しているとの見方を示している。

2018年3月28日付け

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ブラジルの糖尿病関連支出 2030年には現在の倍に – サンパウロ新聞

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糖尿病・肥満が「うつ病」リスクを上昇させる 

日本人1万人を調査

 

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 糖尿病や肥満の人はうつ病の発症リスクが高いという、約1万2,000人の日本人を対象とした調査結果を、国立精神・神経医療研究センターなどが発表した。

うつ病の人には糖尿病や肥満、脂質異常症が多い

 国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループは、日本人を対象とした大規模なウェブ調査により、体格指数(BMI)による分類、メタボリックシンドローム関連疾患、食生活・運動といった生活習慣とうつ病との関連について調査した。

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 その結果、うつ病になったことがあると答えた人はそうでない人と比較して、2型糖尿病や肥満、脂質異常症が多く、間食や夜食の頻度が高いことが分かった。一方、朝食を食べる頻度や中等度と強度の運動をしている頻度が少ないことが明らかになった。

 体重コントロール、肥満やメタボリックシンドロームと関連する疾患の治療や予防、朝食をしっかり摂り、間食や夜食を控え、運動を心がけることが、うつ病の予防につながる可能性がある。

 これまでうつ病の治療や予防として、服薬やストレスの対処などが重要であることが指摘されているが、今回の研究により、それらに加えて栄養学的アプローチもうつ病の治療や予防において重要な役割を果たす可能性があることが明らかになった。

 

肥満や糖尿病がうつ病に関連

 うつ病は、気分の落ち込みや興味・関心の低下、不眠といった諸症状を呈し、休職や自殺などのリスクを高める重大な疾患だ。世界の時点有病率は4.4%で、およそ20人に1人がうつ病であるという報告がある。

 うつ病は脳の病気と考えられているが、近年、食事や運動といった生活習慣や肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病などの生活習慣病がうつ病の発症リスクと関連することが分かってきた。

 そこで研究グループは、うつ病患者と対照者を含む1万1,876人の日本人を対象とした大規模なウェブ調査な実施し、うつ病と体格、肥満、2型糖尿病などの生活習慣の関連について総合的に検討した。

 調査参加者のうち、うつ病に罹患したことがあると答えたのは1,000人で、残りの1万0,876人を比較対照群とした。

うつ病の人では糖尿病が1.48倍に上昇

 心理的ストレスレベルの簡易的な指標としては日本語版K6テスト値を用い、BMI値は身長と体重から計算、18.5未満を体重不足、18.5~25未満を正常体格、25~30未満を過体重、30以上を肥満とする欧米の定義を用いた。

 朝食や間食・夜食の頻度は4点評価(まれ、1~2日/週、3~4日/週、ほぼ毎日)によって行われ、軽度、中等度、強度運動および飲酒の頻度は、週当たりその活動に費やした日数で評価した。

 その結果、うつ病に罹患したと答えた人たち(うつ病群)とそうでない人たち(対照群)のK6テストのスコアの平均はそれぞれ14.1点と9.8点で、うつ病群は対照群と比較して、ストレス症状が強いことが分かった。

 さらに、うつ病群では対照群と比較して、BMI30以上の肥満の割合が対照者と比べ1.61倍に上昇し(95%信頼区間 1.25~2.08)、正常体格(BMI 18.5~25未満)の割合は0.76倍に低下した(同 0.67~0.87)。また、BMI 18.5未満の体重不足もうつ病群に多かったという。

 メタボリックシンドローム関連疾患のうち、脂質異常症の人の割合は、うつ病群では対照群と比べて1.53倍に増えた(同 1.27~1.84)。

 また、うつ病群では糖尿病も発症している人が1.48倍に増えた(同 1.06~2.06)。高血圧とうつ病との間に有意な関連はみられなかった。

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うつ病の人は「間食・夜食」「朝食抜き」「運動不足」が多い

 食生活習慣ついては、うつ病患者では、間食・夜食の頻度が有意に高く、朝食の頻度が有意に低くなった。

 うつ病群ででは、朝食をほぼ毎日食べる人の割合は、食べることがまれであると答えた人に比べ0.65倍と少なかった(同 0.54~0.77)。

 反対に、間食や夜食をほぼ毎日食べる人は、まれにしか食べない人に比べ1.43倍と多かった(同 1.20~1.70)。

 また、運動については、中等度の運動をしている人の割合は0.82倍(同 0.72~0.94)、強度の運動をしている人では0.78倍(同 0.68~0.90)と、有意に少なかった。

 うつ病患者では、ストレスによる食欲低下によって「やせ」となる群とストレス太りを示す群の両極があると考えられる。

生活習慣の改善がうつ病の病状改善につながる

 今回の調査で、うつ病患者のメンタルヘルスで、朝食や適度な運動が重要であり、余分な食事やそれに伴う肥満は有害である可能性が示された。

 「体重コントロール、メタボリックシンドロームや肥満への対処、生活習慣の改善がうつ病の病状改善につながる可能性があります。今後は、うつ病と関連する潜在的なリスク因子について、前向き研究で調査することが期待されます」と、研究者は述べている。

 研究は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部の功刀浩部長および秀瀬真輔氏、ジーンクエストの齋藤憲司氏らの研究グループによるもので、医学誌「Journal of Psychiatric Research」に発表された。 国立精神・神経医療研究センター

Association of depression with body mass index classification, metabolic disease, and lifestyle: a web-based survey involving 11,876 Japanese people(Journal of Psychiatric Research 2018年3月19日)

糖尿病・肥満が「うつ病」リスクを上昇させる 日本人1万人を調査 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

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長期間の授乳が糖尿病に保護的作用

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【海外短報】

 高齢女性を対象にした研究で、1年間の授乳歴で糖尿病発症リスクが3~15%低下することが示唆されている。しかし、これらの研究では患者の自己報告に基づく糖尿病を対象にしていた。同グループは、出産可能年齢の女性を長期間追跡。妊娠糖尿病(GDM)や糖尿病家族歴を含む種々の交絡因子を補正し、出産後の累積授乳期間と診断が確定した糖尿病発症との関係を検討した。

 対象はCoronary Artery Risk Develop­ment in Young Adults(CARDIA)試験に参加した18~30歳の米国人女性のうち、1985~86年の登録時に糖尿病がなく、登録後に1回以上の出産経験があり、2016年までの30年間に糖尿病の検査を最高で7回受けた1,238例(平均年齢24.2歳、黒人615例)。累積授乳期間により授乳歴なし(対照群)、6カ月未満群、6カ月以上12カ月未満群、12カ月以上群に分類。主要評価項目は、1,000人・年当たりの糖尿病発症率と補正相対ハザード(aRH)とした。

 2万7,598人・年の追跡期間中に182例が糖尿病を発症し、1,000人・年当たりの発症率は全体で6.6例、GDM歴がある群では18.0例、GDM歴がない群では5.1例だった。

 解析の結果、授乳期間は糖尿病発症と強い段階的な逆相関を示し、対照群に対するaRHは6カ月未満群が0.75(95%CI 0.51~1.09)、6カ月以上12カ月未満群が0.52(同0.31~0.87)、12カ月以上群が0.53(同0.29~0.98)であった(傾向性のP=0.01)。

(編集部)

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長期間の授乳が糖尿病に保護的作用|医療ニュース|Medical Tribune

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インスリン細胞移植法新たに開発 

太もも付け根に 糖尿病マウスが完治 福大と理研チーム

2018年03月26日 11時00分

 福岡大と理化学研究所のチームは、インスリン注射が必要な重症糖尿病患者への膵島(すいとう)移植治療について、従来の肝臓よりも効果的で安全な鼠径(そけい)部(太ももの付け根)への移植法の開発に、マウス実験で成功したと発表した。安波(やすなみ)洋一福岡大教授は「次はサルで実験し、ヒトへの応用を目指したい」としている。

 膵島は膵臓(すいぞう)にあり、体内の糖分調整を行うインスリンを分泌する。糖尿病になるとインスリンが働かずに高血糖となり、意識障害や腎不全などを引き起こす。重症の1型糖尿病患者が日々の注射から解放されるには移植しか方法がない。

 膵島移植は2004年から臨床試験として国内6病院で始まり、九州では福岡大のみで実施。点滴で行うため、膵臓そのものの移植より患者への負担が小さいと注目されるが、肝臓の拒絶反応で約6割の膵島細胞が死滅するため、完治には移植を2~3回重ねる必要がある。大きさ0・2ミリの細胞が肝臓内で分散するため経過観察もしにくい。

 チームは肝臓に代わる移植場所を研究。糖尿病マウスの左鼠径部に、別のマウスの膵島を移植したところ、1回で高血糖が改善し、完治。ヒトの膵島をマウスに移植しても完治し、経過も観察しやすいという。

 ただ、日本では臓器提供が少ない。対象となる重症患者は全国に10万人とされるが、膵島移植を受けた患者はまだ25人。鼠径部への移植技術が確立されても、広く患者を救えるかは未知数だ。

=2018/03/19付 西日本新聞朝刊=

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自転車に長時間乗らないほうがいいワケ

老化だけではなかった”EDの要因”

加齢が引き起こす体の不調。放置していれば、取り返しのつかない事態を招くこともある。「プレジデント」(2018年1月1日号)より、9つの部位別に、名医による万全の予防策を紹介しよう。第8回のテーマは「勃起不全」――。

生活習慣病と密接に関係している

年齢とともに勃起不全(ED、インポテンツ)の人が増加するのは統計上も明らかです。しかし、老化だけがEDの要因ではありません。

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写真=iStock.com/Dmytro Aksonov

 

EDには器質性と心因性の2つがありますが、器質性の場合はほとんどが、神経や血管の異常でこのメカニズムがうまく機能しなくなった結果だといっていいでしょう。

たとえば、動脈硬化や高脂血症で血管が詰まるとペニスへの血流が阻害されるので、正常な勃起ができなくなります。ペニスの動脈は直径1~2ミリと非常に細いため、動脈硬化が進むと真っ先に詰まるのです。次はもっと太い心臓や脳の血管が詰まって、心筋梗塞脳卒中を起こす可能性もあるのです。

糖尿病も血管や神経に障害を与えるので、EDが起こりやすくなります。糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときにはかなり進行してしまっていることも多い怖い病気です。

つまりEDは動脈硬化や糖尿病といった生活習慣病と密接に関係しています。日ごろから食べすぎ、飲みすぎを控え、適度に運動し、十分睡眠をとるという健康的な生活を送ることが、最も効果的なED予防なのです。

とくに、たばこは確実にEDのリスクファクターとなるので、吸わないほうがいいでしょう。たばこには末梢血管を収縮させ血流を悪くするニコチンや、海綿体やペニスの血管内皮障害を引き起こす有害物質が含まれています。さらに、たばこの煙には酸化ストレス(※)を高め老化を促進する活性酸素が多いことが知られています。実際、喫煙者は非喫煙者に比べてEDの発症率が高くなるという各種の調査結果も出ています。

(※)酸化反応により引き起こされる有害な作用。

PRESIDENT Online

自転車に長時間乗らないほうがいいワケ | プレジデントオンライン

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肥満・糖尿病でうつ病リスク…運動・食生活影響か

2018年3月24日

 肥満や糖尿病の人は、うつ病の発症リスクが高いとする研究を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)などのチームが発表した。運動や食事などの生活習慣がうつ病の治療や予防に重要な役割を果たす可能性があるという。

 チームは2014年9月~17年2月、インターネットを利用して1万1876人にアンケートを実施。このうち、うつ病を経験したという1000人と、残りの約1万1000人を比較し、発症リスクを高める要因を探った。その結果、体格指数(BMI)が30以上の肥満や、18.5未満の体重不足、糖尿病や高脂血症の人でうつ病のリスクが高かった。

 生活習慣では、間食や夜食をほぼ毎日食べている人でリスクが高かった一方、朝食を毎日食べている人はリスクが低かった。また、「ゆっくり泳ぐ」「カートを使わないゴルフ」など中等度以上の運動を習慣的に行っている人も、リスクは低かった。

 研究を進めた同センターの 功刀浩・疾病研究第三部長は「うつ病の一部は、体重のコントロールや生活習慣を見直すことで、病状が改善する可能性がある」と話している。

肥満・糖尿病でうつ病リスク…運動・食生活影響か : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

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照ノ富士「一番嫌な相撲」貴ノ岩事件脳裏よぎり8敗
[2018年3月24日16時18分]

<大相撲春場所>◇14日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪

 戦いの舞台を十両に移しての“因縁対決”で元大関が敗れた。西十両5枚目の照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が、同12枚目の貴ノ岩(28=貴乃花)と対戦。力なく押し出されて6勝8敗と負け越しが決まった。

 昨年10月25日夜、巡業先の鳥取市内で、貴ノ岩が横綱日馬富士(当時)から暴行を受けた傷害事件。現場には照ノ富士もいた。事件当時は番付で照ノ富士は大関、貴ノ岩は東前頭9枚目だった。照ノ富士はケガや糖尿病で、貴ノ岩は負傷がいえず2場所連続全休。そして迎えた今場所、事件やケガがなければ幕内後半戦で当たってもおかしくない両者が、十両の土俵で対戦した。

 照ノ富士の相撲は、明らかに力が入っていなかった。四つに組み止めるのか、突き押しで攻めるのか、中途半端なまま左腕をはね上げられると、あっけなく体を崩され土俵を割った。

 事件のことは触れにくい。だが、そんなデリケートな部分を照ノ富士は自ら切り出した。「いろいろなことを考えすぎた。相撲界に入って一番、嫌な相撲だった。土俵に上がるまでは、そうでもなかったけど、土俵に上がった瞬間からね。いろいろ入ってきた、頭にね」。モンゴル出身力士の先輩でもある被害者の貴ノ岩、思い出したくもないあの事件現場、加害者として責任をとった部屋の元横綱日馬富士関、事件発覚後に世間をにぎわせた騒動…。脳裏をよぎった、それらの人たち、事象に戦う力をそがれてしまったようだ。半年前までは大関だった力士とは別人のような相撲で、照ノ富士は敗れた。

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照ノ富士「一番嫌な相撲」貴ノ岩事件脳裏よぎり8敗 – 大相撲 : 日刊スポーツ

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