睡眠不足は糖尿病・高血圧を招きやすいってホント?

日経Gooday

2018/9/29
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現代人は睡眠を削りがちだが、睡眠不足は病気のリスクまで高めるのだろうか(c)Somsak Sudthangtum-123RF

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 この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
【問題】睡眠時間が短いと、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすい。これはホント? ウソ?
(1)ホント
(2)ウソ

ーーー

 正解は、(1)ホントです。

■睡眠は生活習慣病と密接に関係している

 睡眠不足になると、“太りやすくなる”ことをご存じの方は多いと思いますが、問題はそれだけではありません。

 実は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病になるリスクも高くなることが分かっています。つまり、生活習慣病対策のために、食事や運動に気をつけていても、睡眠不足がその効果を台無しにしている可能性があるわけです。

 睡眠不足が糖尿病のリスクになるという報告は多数あります。スウェーデン在住の45~65歳の男女1170人(うち男性550人)を対象とした研究では、肥満(BMI≧30[注1])、高血圧、喫煙、いびきなどの危険因子の影響を解析したところ、睡眠障害の相対リスクは4.8と、肥満の6.6に次いで高くなっています(Diabetes Care.2005;28:2762-2767.)。

 また、アメリカの45歳以上の5万4269人を対象にした調査では、睡眠時間が6時間以下の人は糖尿病や心臓病の有病率が高いという結果も出ています(Sleep. 2013 Oct 1;36(10):1421-1427.)。

 高血圧との関係についても報告があります。米シカゴ大学の研究チームは2009年に、睡眠時間が不足している中高年は高血圧になる可能性が高まるという調査結果を発表しています。その研究では、5年間にわたり33~45歳(平均年齢40歳)までの578人を対象に睡眠時間と質を調べています。対象者を睡眠時間が、4時間未満、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7時間以上の5群に分けて比較したところ、睡眠時間が1時間減るごとに高血圧になるリスクが37%上昇するという結果になっています(Arch Intern Med. 2009;169(11):1055-1061.)。

 なお、厚生労働省は2014年3月に「健康づくりのための睡眠指針 2014」を発表しています。その第3条には「良い睡眠は、生活習慣病予防につながります」とあります。そこでは、「いくつかの縦断研究では、短い睡眠時間や不眠が、肥満、高血圧、耐糖能障害、循環器疾患、メタボリックシンドロームを発症する危険性を高める」ことが示されており、適切に対処できれば、生活習慣病の予防につながる可能性があるとあります。

 このように、睡眠は生活習慣病と密接に関係しています。健診結果で異常値を改善したいと思ったとき、まず取り組んでいただきたいことの1つが「睡眠の見直し」なのです。

[注1]BMI(Body Mass Index)は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値のこと
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday2018年9月10日付記事を再構成]

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糖尿病や婦人科系疾患など、慢性疾患と戦うセレブたち

MYLOHAS編集部2018.09.28

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慢性的な病気には、キリのない治療や周囲の陰口など、いくつもの困難がともなうもの。

アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の約半数が少なくとも1つの慢性的な症状をかかえているそう。ハリウッドも例外ではありません。

何人かのセレブが糖尿病や多発性硬化症のような慢性疾患をカミングアウトしてきました。彼、彼女らの絶望、自信、その間にあるすべてを見ていきます。

糖尿病

ハル・ベリー(糖尿病)

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「当時私は19歳でしたが、糖尿病とのつき合い方を学ぶと、より健康になれました」(2015年8月、『ロサンゼルスタイムズ』で)。

「食事を変えるのには6カ月かかりましたた。変えるべきなのは生活習慣なんだと受け入れるまでには、つらい状況もあったけど、2年かかりました」

ニック・ジョナス(1型糖尿病)

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1型糖尿病を抱える125万人のアメリカ人のうちのひとりです。

2017年4月、ラジオ・ディズニー・ミュージック・アワードで「私が診断されたのは13歳で、兄弟たちと音楽を作ってツアーを始めようとしていたころ。だから活動を始める前、ためらいました」と話しています。

トム・ハンクス(2型糖尿病)

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「医師が言うんです。“この高い血糖値と36歳から付き合ってきたんですね? ついに2型糖尿病になりました”」(2013年10月、トーク番組『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』で)

アンソニー・アンダーソン(2型糖尿病)

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ドラマ『ザ・ブラキッシュ』主演のアンソニーは2001年2型糖尿病と診断されました。

2017年雑誌『パレード』に、「糖尿病には乗り越えるべきハードルがたくさんあります。病気を真剣に、第一に考え、治療するために真面目になるのです。時間がかかりますし、計画を立てる必要もあります。ですが、一度きちんと計画を立てれば、よりヘルシーな行動をとれるようになり、アクティブに動けるようにもなる。医師が作ったプログラムにも励めるでしょう」

 

婦人科系疾患

ホールジー(子宮内膜症)

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「子宮内膜症がわかったときは、苦々しくもあるけど楽しい気持ちにもなった瞬間でした。私はクレイジーじゃなかったから!」(ツイッターで)。

「でも子宮内膜症だと知るのはこわいことだったわ」。

サーシャ・ピーターズ(多嚢胞性卵巣症候群)

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「何が起きているのかわからず、どうすればよいのかもわかりませんでした」。

ドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』で有名なサーシャは、2017年9月、テレビ番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』で語りました。

「ごく最近、多嚢胞性卵巣症候群、ホルモン不均衡と診断され、ようやく何が起きているのかがわかりました」。

レナ・ダナム(子宮内膜症)

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長年の子宮内膜症との戦いを終わらせるため、レナは今年早い時期に子宮摘出手術を受けたことを告白。通常は、子宮の内側にしかできない組織が、外側で増えてしまう病気です。

子宮内膜症は命を脅かすものではありません」(2015年11月、女性向けサイト『レニー・レター』に寄せたエッセイで)。「私はしっかりした医療制度の下にいられて幸運だと思う。ただし、幸福を求めながらも、身体の裏切りとたたかっているひとりなのです。つらいときは、診察してくれる医師にすら疑いの思いを抱きながら、笑顔で飲み込んでいる多くの女性のひとりなのです」

 

デイジー・リドリー(子宮内膜症と多発性嚢胞卵巣症候群)

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スターウォーズにも出演したデイジー。初めて病気について語ったのが2016年。

また、2017年12月、オーストラリアの雑誌『エル』では、「ストレスで肌の調子が優れませんし、腸壁には穴が空きました。気分が落ち込み何をすべきかもわからないくらいです」。

 

パドマ・ラクシュミ(子宮内膜症)

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「子宮内膜症なのを知らず、万事快調だと思っていました」(2009年4月、雑誌『ピープル』で)

症状が厳しいのがわかり、手術を受けました。今は調子がいいですが、それは本当に試練でした」

 

サラ・ハイランド(異形成腎)

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サラは、胎児のときに子宮内で腎臓が異常に発育して、異形成腎となりました

2012年には腎臓移植を受けたのです。「慢性的な病気や痛みを抱える人へ。医師が話を聞いてくれない経験はない? そんな人たちは、素手で殴ってやりたくもなるよね」(今年3月ツイッターで)

 

30 Celebrities Who Are Fighting Chronic Illnesses

訳/STELLA MEDIX Ltd.

セレブたちの健康事情

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糖尿病をアプリで管理 

中央大研究チーム、いわきで新事業

2018/09/29 10:17

 

 糖尿病患者の重症化予防に向け、中央大の医療研究チームはスマートフォンアプリとポイントカードを活用した健康増進事業をいわき市で始めた。患者がアプリに体重や体脂肪、食事の内容、服薬記録などを入力すると、市内で買い物に利用できるポイントがもらえる仕組みで、生活習慣改善の意識を高めてもらう狙い。同大によると、アプリを使った健康管理にポイントを与える取り組みは全国的に珍しく、効果を検証した上で県内外に普及させたい考えだ。

■重症化予防を支援

 事業は「MEHICA(メヒカ)プログラム」と名付け、いわき市の総合磐城共立病院と福島労災病院の協力で実施している。両病院に通院する三十五~六十九歳の血糖値が一定以上の2型糖尿病患者で、インスリン投与の治療をしていない人を対象とし、希望者が参加できる。生活習慣次第で症状の改善が見込める患者に利用を促す。二十六日に最初の患者一人にアプリとポイントカード(いわき健康支援カード)を提供した。

 医療機関のオンライン予約システムを手がける「メディカルメンバーシステム」(本社・東京)が、個人の健康情報を記録するスマホ用アプリを開発した。希望者にはアプリとポイントカードを無料で配布する。アプリには、薬剤師が患者一人一人の薬の種類や服薬時間を設定アラームで通知し、薬の飲み忘れを防ぐ。アプリを通じて管理栄養士がバランスの取れた食生活や適正な運動量などより良い生活習慣も指導する。

 患者は通院時の検査結果や服薬記録、朝昼晩の食事の写真、体重や血圧の測定値などを入力したり、目標を設定した一日の歩数をクリアしたりするとポイントがもらえる。ポイントは一ポイント一円で、くすりのマルト「みまや共立病院前店」と「つづら店」の市内二店舗で買い物に利用できる。さらに、スーパーなどで使える電子マネー「CoGCa(コジカ)」のポイントにも交換できる。

 参加は原則無料(通院費や薬代は自己負担)で、生活習慣の指導期間は六カ月。同大は今後、参加者を百人まで増やし、健康情報の統計データを集計・分析して糖尿病治療に生かす。

 研究チームは中央大理工学部人間総合理工学科、同大研究開発機構糖尿病予防システム研究室の研究者らでつくる。福島市出身で研究チーム代表の大橋靖雄同大教授(64)=福島高出身=は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後、浜通りの被災地の仮設住宅で栄養指導や無料の血圧測定などのボランティアに取り組んでいる。大橋教授は「糖尿病が重症化すると腎症や神経症などの合併症を引き起こし、心筋梗塞や認知症など他の病気の要因にもなる。プロジェクトを普及させ、地域の健康増進に貢献したい」と話している。

 事業の問い合わせは事務局 フリーダイヤル(0120)762229(平日午前十時~午後五時)へ。

■糖尿病患者増加傾向に 県内

 厚生労働省によると、県内の糖尿病患者は増加傾向にある。二〇一七(平成二十九)年の人口動態統計によると、糖尿病による人口十万人当たりの死亡率は一五・一人で全国の都道府県で七番目に高い。いわき市は総医療費における疾病別割合で糖尿病が県平均を上回っており、県内でも糖尿病患者が多い地域となっている。

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ブラッド・ウィルク、糖尿病との生活を語る

2018.9.28 17:24

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レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/プロフェッツ・オブ・レイジのドラマー、ブラッド・ウィルクが、20年以上患う糖尿病に関するメッセージをインスタグラムに投稿した。

◆ブラッド・ウィルク画像

ウィルクは1997年、ツアー中に身体に異変が起き、1型糖尿病と診断された。以来、病気にコントロールされるのではなく、病気をコントロールするとの姿勢で、ハードな音楽活動を続けている。

彼は今週、ジムで運動中に撮影した写真と共に、こんなメッセージを寄せた。「俺は、20年近く1型糖尿病を患っている。嘘つくつもりはない。くそとは思うが、対処しやすい病気だ。遺伝や環境に関わりがある2型とはずい分違う。でも、ちゃんと管理したければ(もしくは君が2型を治したければ!)、食生活と運動から始めろっていうのは事実だ。この病気を抱えている人なら、病気に自分の生活をコントロールさせてはいけないってわかってる。自分が病気をコントロールする必要がある。俺は、この状態で20年間、思い通りの生活を送り。世界中を旅してきた。この病気に、自分のしたいことを妨げさせてはダメだ。パイ大食いコンテストに出場したいっていうんじゃない限り。それはやめとけ!!!! 俺を正しい状態に保ってくれる@jordanfperform(トレイナー)に感謝! #fuckyoutodiabetes #fucksugar」

 

 

ウィルクは2010年、アメリカ糖尿病協会が発行する『Diabetes Forecast』誌のインタビューで、症候についてこう語っていた。「1997年、初めて1型だって診断された。ツアー中のある夜、寝てたら、4~5回トイレに起きた。寝る前になんか飲んだわけじゃない。で、朝になったら40%くらい視力が落ちてた。3メートル先がほとんど見えなかった。全てがぼやけてた。それに、すごくだるかった」

Ako Suzuki

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痛風、糖尿病、心臓病、がん、認知症……

「果糖」が健康に最悪な11の医学的理由

ロバート・H・ラスティグ  中里京子2018.9.28

「低炭水化物ダイエットは正解か?」

「脳が砂糖をやたら欲しがるのはなぜか?」

「食べた分だけ動けば確実にやせるのか?」

「カロリーを減らせば体重は減るのか?」

 

これらの「食事の疑問」に答えつつ、「人が太るメカニズム」を医学的に徹底解明したNYタイムズベストセラー『果糖中毒』が9/13に発売された。

アメリカの一流メディカルスクール教授が229の医学論文から「食事の正解」を導き出し、「健康な脳と体」に戻るための処方せんをあざやかに提示したとして、原書はアメリカで12万部を超え、アマゾンレビュー987件、平均4.6と高評価をたたき出した。

最新のWHO統計によると、現在世界で約19億人が「体重過多」、約6億5000万人が「肥満」だという。これは世界中の人々が運動を怠けて、食べ過ぎた結果なのか? 『果糖中毒』では、「肥満は自己責任論」を全面否定し、現在の「肥満の世界的大流行」は糖分、特に「果糖」が主な原因だと結論づけている。

ここで『果糖中毒』の一部を特別に無料で公開する。

 

果糖の代謝プロセスは

酒とそっくり

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 自然界では、果糖は決して単体では存在しない。無害な姉妹分子であるブドウ糖とつねに一緒だ。この2つの分子の化学組成は同じだが(C6H12O6)、同じものとはとても言えない。果糖はブドウ糖よりずっと多くの悪さをする

 まず、メイラード(褐色)反応について考えてみよう。これは赤血球のヘモグロビンをヘモグロビンA1c(エーワンシー)に変えるのと同じ反応だ。医師たちはこの反応を利用した検査によって、特定の時間内に糖尿病患者の血糖値がどこまで上がるかを知る。

 反応生成物の色は褐色だ。だから、時間が経つとバナナは茶色くなり、熱を加えるとバーベキューソースにおおわれた肉がカラメル化される。あなたは自分の体の肉を摂氏190度で1時間焼くことによってメイラード反応を起こすこともできるし、摂氏37度で75年間焼くことによってメイラード反応を起こすこともできる。結果は同じだ。

 そして果糖はメイラード反応をブドウ糖より7倍速く発生させることがわかっている[1]。この差異は一見すると微々たるものだが、体中の細胞をより速く老いらせ、老化現象、がん、認知機能の低下など、さまざまな退行変性プロセスを引き起こしかねない。今では、果糖がメタボ症候群の主要原因になっていることを示唆する研究がたくさんある。

 実のところ、果糖の代謝はエタノール[酒の主成分]の代謝によく似ている。それを見ていくために、ここで120キロカロリー分のショ糖(ブドウ糖60キロカロリーと果糖60キロカロリー)を摂取した場合について考えてみよう。

 たとえば、237ccのグラス1杯分のオレンジジュースがそれにあたる(ジュースは清涼飲料水より悪いとは言わないまでも、それが与えるダメージは同じぐらい悪い)。

 60キロカロリー分のブドウ糖は、20%対80%に分かれ、12キロカロリー分のブドウ糖が肝臓に行く〔48キロカロリー分はほかの臓器で代謝される〕。しかし、あらゆる臓器で代謝されるブドウ糖とは違い、果糖はほぼ肝臓でしか代謝されない(ごく稀なケースでは腎臓も少量の果糖を代謝する能力を持つことがある)。

 こうして、そのほとんどすべてが肝臓に行きつく60キロカロリーの果糖に、この12キロカロリー分のブドウ糖が加わり、肝臓には合計72キロカロリーが押し寄せることになる。

 これは、ブドウ糖だけの場合に比べると3倍の量だ。この果糖独特の代謝方法は、メタボ症候群に関連付けられている現象を引き起こす可能性がある。

果糖はどのように

体に入っていくか

果糖の代謝プロセス1  尿酸が生まれ、痛風をもたらし、血圧が上がる

 処理量が3倍になるということは、ブドウ糖だけだったときに比べて、肝臓が代謝のために必要とするエネルギーも3倍になるということだ。こうして、肝臓細胞からアデノシン3リン酸(ATP、細胞内でエネルギーを運ぶ重要な化学物質)が奪われる。ATPが欠乏すると、老廃物である尿酸が生成され、痛風をもたらすとともに、血圧を上昇させる。

果糖の代謝プロセス2 直接ミトコンドリアに入り、パンクさせる

 果糖はグリコーゲンの生成過程には入らずに、直接ミトコンドリアに入る。するとアセチルCoA(コエー)が過剰に生成され、それを代謝するミトコンドリアの能力を超えてしまう。

果糖の代謝プロセス3 脂肪になり、心臓病を押し進める

 余ったアセチルCoAはミトコンドリアを離れ、代謝されて脂肪になり[2]、心臓病を押し進める原因になる。

果糖の代謝プロセス4 肝臓がインスリン抵抗性になる

 果糖は、肝臓内で炎症を引き起こす肝酵素を活性化する。これによりインスリン作用の主要メッセンジャーが不活性化され、肝臓はインスリン抵抗性になる。

果糖の代謝プロセス5 血糖値が上がり、糖尿病につながる

 肝臓でインスリンの作用が欠乏するということは、ブドウ糖を低く抑える手段がまったくなくなるということだ。そのため、血糖値が上がり、究極的に糖尿病が引き起こされる。

果糖の代謝プロセス6 内臓脂肪が増える

 肝臓にインスリン抵抗性があると、膵臓が余分なインスリンを分泌しなければならなくなり、余分なエネルギーを脂肪細胞に送ることになって、最終的に肥満になる。エネルギーが最も多く詰めこまれる先は、代謝性疾患に関連付けられている内臓脂肪細胞だ。

果糖の代謝プロセス7 がん発症の可能性が高まる

 インスリンの血中濃度が高いと、さまざまながんが発症する危険性がある[3]。

果糖の代謝プロセス8 空腹感が高まる

 インスリンの血中濃度が高いと、レプチンシグナルがブロックされて、脳の視床下部に「飢えている」という誤った考えを抱かせ、空腹感が高まる。

果糖の代謝プロセス9 腸壁のバリア機能を奪い、インスリンレベルを上げる

 果糖はまた、腸壁のバリア機能を損なっている可能性がある。正常な場合、腸は血流にバクテリアが侵入するのを防いでいる。だがこのバリア機能が損なわれると、腸壁に穴があく。その結果は「リーキーガット」〔腸管壁浸漏症候群〕[4]で、体は炎症や、より多くの活性酸素にさらされるようになる。この状況はインスリン抵抗性を悪化させて、インスリンレベルをさらに押し上げることになる[5]。

果糖の代謝プロセス10 メイラード反応が生じ、がんの発症を加速させる

 果糖は、細胞に直接ダメージを与えかねないメイラード反応をブドウ糖より7倍速く引き起こす。研究はまだ初期の段階にあるものの、予備実験の結果、影響を受けやすい環境下では、果糖は老化とがんの発症を加速させると示唆されている。

 

果糖の代謝プロセス11 認知症が起こる

ヒトにおける果糖と認知症の結びつきに関するデータは現在のところ相関してはいるが、直接的なものではない。とはいえ、インスリン抵抗性と認知症に関するデータには、はっきりした因果関係がある。アフリカ系とラテン系のアメリカ人は、アメリカ最大の果糖消費グループで、胴回りも最大だ(インスリン抵抗性を示す)。それと同時に、この2つのグループは、認知症のリスクも最も高いグループになっている。

 

[1] W. L. Dills, Jr. (1993) “Protein Fructosylation: Fructose and the Maillard Reaction,” The American Journal of Clinical Nutrition, 58 (5 Suppl): 779S-87S.

[2] V. T. Samuel (2011) “Fructose Induced Lipogenesis: From Sugar to Fat to Insulin Resistance,” Trends in Endocrinology and Metabolism, 22 (2): 60-5.

[3] R. J. Shaw et al. (2012) “Decoding Key Nodes in the Metabolism of Cancer Cells: Sugar & Spice and All Things Nice,” F1000 Biology Reports, 4: 2.

[4] S. Thuy et al. (2008) “Nonalcoholic Fatty Liver Disease in Humans Is Associated with Increased Plasma Endotoxin and Plasminogen Activator Inhibitor 1 Concentrations and with Fructose Intake,” The Journal of Nutrition, 138 (8): 1452-5.

[5] M. Maersk et al. (2012) “Sucrose-Sweetened Beverages Increase Fat Storage in the Liver, Muscle, and Visceral Fat Depot: A 6-Mo Randomized Intervention Study,” The American Journal of Clinical Nutrition, 95 (2): 283-9; N. K. Pollock et al. (2012) “Greater Fructose Consumption Is Associated with Cardiometabolic Risk Markers and Visceral Adiposity in Adolescents,” The Journal of Nutrition, 142 (2): 251-7.

(本原稿は書籍『果糖中毒』からの抜粋です。訳者による要約はこちらからご覧になれます)

 

著者について

ロバート・H・ラスティグ(Robert H. Lustig)

1957年ニューヨーク生まれ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校小児科教授。マサチューセッツ工科大学卒業後、コーネル大学医学部で医学士号を取得。2013年にはカリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールで法律学修士号(MSL)も取得。小児内分泌学会肥満対策委員会議長や内分泌学会肥満対策委員会委員などを歴任。「果糖はアルコールに匹敵する毒性がある」と指摘した講義のYouTube動画「Sugar: The Bitter Truth(砂糖の苦い真実)」は777万回以上視聴されるほど大きな話題になった。

中里京子(なかざと・きょうこ、訳者)

翻訳家。訳書に『依存症ビジネス』(ダイヤモンド社)、『ハチはなぜ大量死したのか』(文藝春秋)、『不死細胞ヒーラ』(講談社)、『ファルマゲドン』(みすず書房)、『チャップリン自伝』(新潮社)ほか。

痛風、糖尿病、心臓病、がん、認知症……「果糖」が健康に最悪な11の医学的理由 | 果糖中毒 | ダイヤモンド・オンライン

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【エンタメよもやま話】

低炭水化物ダイエットで「寿命4年縮む」、

ケトジェニックも「糖尿病に…」

2018.9.28 11:00

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欧米でも日本でもブームの低炭水化物ダイエットを続けると、寿命が4年縮まる可能性があるとの研究結果を報じる英紙ガーディアン(電子版8月16日付)

 

 さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、本当に久々となる健康に関するお話でございます。

 日本でも数年前から、肥満や糖尿病を予防するため、炭水化物の摂取比率や摂取量を制限する食事療法である「低炭水化物ダイエット」( Low-Carb Diets → ローカーボ・ダイエット)がブームになっています。

 書店に行けば、それに関するダイエット本が山積みされ、女性誌だけでなく、最近では週刊●春や週刊●潮といった、硬派の週刊誌までこの話題について取り上げています。

 炭水化物( carbohydrate →カーボハイドレート)を多く含む白米や麺類(パスタやうどんなど)、パン、ジャガイモといった食べ物や、糖質を多く含むお菓子などの摂取量を減らし、代わりに野菜をはじめ、タンパク質や脂質を多く含む肉や卵、チーズ、豆類、魚介類などの摂取を増やすというダイエット法なのですが、炭水化物を多く含む食べ物を減らすのではなく、こうした食べ物を一切摂取しないという極端なダイエット法を勧める人も出るなど、ブームはやや過熱気味。

 実際、このダイエットにハマった、とある有名芸能人が人気のラーメン店で「味噌ラーメン、麺抜きで」と真顔で注文したという都市伝説も…。

 というわけで最近は、加熱するブームへの反動からか、このダイエット法への疑問の声も出始めているわけですが、そんななか、最近、欧米で「炭水化物ダイエットは早死につながる可能性がある」という衝撃的な研究結果が話題になっているのです。今週の本コラムは、この話題についてご説明いたします。

■20カ国超43万人を調べると…

 8月16日付の英紙ガーディアンや同月17日付の英紙デーリー・テレグラフ、同月20日付の英BBC(いずれも電子版)などが一斉に、低炭水化物ダイエットを続けることによって、寿命が最大、4年も短くなる可能性があるなどと報じています。

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 欧米の各メディアが、8月16日付の公衆衛生誌「ザ・ランセット・パブリック・ヘルス」が掲載した研究結果を引用しているのですが、それによると、45歳~64歳の米国人で、アテローム性動脈硬化症に関する研究に被験者として参加していた1万5428人について、摂取した食べ物や飲み物に加え、その量(サイズ)や食事の頻度(ひんど)などを調査しました。

 具体的にはまず1987年、被験者たちが配られた質問票に前述した食事の内容などを回答。それから6年後の93年、被験者たちは再び、同じように食事の内容などを質問票に回答。研究チームはその後、これらの被験者たちを25年間にわたって追跡調査しました。

 同時に研究者たちは質問票の回答から、被験者たちの摂取カロリーやその内訳、つまり、1回の食事における炭水化物やタンパク質といった各栄養素の割合などを調査・分析したのです。

 その結果、1日に摂取した全ての食べ物のうち、50%~55%が炭水化物だった50歳の人は、その食生活を続けた場合、平均で83歳まで生きると予想されましたが、炭水化物の率が40%より少なかった人の場合、平均予想寿命は79歳でした。つまり4歳、早死にする可能性が明らかになったのです。ちなみに炭水化物の率が70%以上と多かった人の平均予想寿命は82歳でした。

 さらに、炭水化物を極端に抜き、代わりに肉類(チキン、ラム肉、牛ステーキ)やバター、チーズをたくさん食べていた人は、タンパク質や脂肪をこうした肉類からではなく、アボカドや豆科の植物、ナッツ類で補っていた人より死亡リスクが高かったというのです。

 つまり、炭水化物を過剰に抜くよりも、炭水化物を適度に摂取するか、抜いた炭水化物を肉やチーズといった動物性のタンパク質や脂肪ではなく植物性のタンパク質や脂肪に切り替えるほうが、健康的に年を重ねることができると結論づけたのでした。

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 さらに、今回の調査結果を、20カ国以上の43万2000人について調査済みの同様の研究結果と比較したところ、ほぼ同じだったというのです。

 今回の研究を主導した中心的人物で、米ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院に勤務する研究者、サラ・サイデルマン博士は、声明で「炭水化物をタンパク質、もしくは脂肪に置き換える低炭水化物ダイエットは、健康的に体重を減らす戦略として広く知られている」と前置きしたうえで、こう警告しました。

 「とはいえ、われわれの(研究)データでは、北米や欧州で普及している、減らした炭水化物を肉やチーズといった動物性のタンパク質や脂肪で補う低炭水化物ダイエットは寿命を縮める可能性が示唆(しさ)されており、推奨されるべきではない。これを植物性のタンパク質や脂質に置き換えるなら、長期的なタームで健康的に歳を取ることに役立つかもしれない」

 また、英国の国営医療サービス事業である「国民保険サービス(NHS)」の栄養士、キャスリーン・コリンズ氏は前述のデーリー・テレグラフ紙に「低炭水化物ダイエットをカルト的に支持する人々は今回の研究結果に間違いなく反発するだろうが、そうした姿勢は、世界保健機関(WHO)や英国政府の保健機関が推奨(すいしょう)する、1日に必要とされるカロリー摂取量の半分は炭水化物で補いなさいというアドバイスにも反する」と明言し、今回の研究結果を支持しました。

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 無論、この研究の元になる調査は1987年と93年の2回だけで、25年という長い間に食生活が変わった被験者も少なくないはずで、研究者たちも、そのあたりの“不正確さ”については認めています。

 とはいえ、日本でも少し前から“私は炭水化物は全く摂取いたしません”と豪語する人や、“炭水化物さえ抜けば、ステーキでもハンバーグでもとんかつでもガンガン食べていいんだぜ”的なことが書かれたロカボダイエット指南書や週刊誌の記事をたびたび目にしました(記者も血糖値が高いので)。

 しかし、今回の研究結果では、全く摂取しないなどというのは論外。抜くとしても、代わりにステーキやハンバーグではなく、植物性のタンパク質や脂肪に置き換えるべきということがはっきりした訳です。

 そして、欧米でこの研究結果が話題になった頃の8月15日付のオーストラリアの経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(電子版)などによると、“糖質制限と肉食で健康的に痩せる”との触れ込みで、日本でも話題になっている「 Ketogenic Diets → ケトジェニックダイエット」が、スイスのチューリヒ大学によるマウスでの実験で、2型糖尿病のリスクを高める可能性があることが判明したのでした…。

 このダイエット、炭水化物はもちろん、果物、根菜類、マメ科の植物、お菓子、乳製品など、全ての糖質をカットし、肉、魚、卵、ナッツなどに置き換えるという過激なもので、短期間に痩せられると、欧米では女性セレブ(有名人)の間で話題らしいのですが、冷静に考えると、健康にいいはずがないですね。

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 低炭水化物ダイエットも、ケトジェニックダイエットも、実際にこれに挑んだ人たちが25年後にどうなっているかを調査しないと、真相は分からないでしょうねえ…。   (岡田敏一)

 

 

【岡田敏一のロック講座】男性社会の権威や慣習に挑み続けた米文化のアイコン…10月27日「女性の生き方を変えたマドンナ」

 「ライク・ア・ヴァージン」(1984年)の大ヒット以降、世界最高の女性スターとなった米女性歌手マドンナ。その威光は今も絶大で、8月に60歳を迎えた際は、欧米の主要メディアがこぞって異例の特集記事を組みました。

 ドラマ顔負けの劇的な成功物語を歩んできた彼女は、男性社会の権威や慣習に反発し続け、女性の生き方を変えたと評価されています。そんな彼女について、音楽誌「レコード・コレクターズ」( http://musicmagazine.jp/rc/ )の常連執筆者で、文化部の岡田敏一編集委員が解説します。

     

 ■時と場所: 10月27日(土)午後2時~3時半、サンケイカンファレンス大阪桜橋(西梅田)

(大阪市北区曽根崎新地1-4-12 桜橋プラザビル9階 http://www.sankeiconference.com/sakurabashi/ )

 ■参加費: 3000円

 ■問い合わせ・申し込み: ウェーブ産経(電)06・6633・9087(平日の午前10時~午後5時 http://wave.sankei-kansai.com/ )

      

 【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。

      

 ■毎週、日本を含む世界のエンターテインメントの面白情報などをご紹介します。ご意見、ご要望、応援、苦情が toshikazu.okada@sankei.co.jp までどうぞ。

【エンタメよもやま話】低炭水化物ダイエットで「寿命4年縮む」、ケトジェニックも「糖尿病に…」(1/5ページ) – 産経ニュース

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アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」だった 

治療の最前線

ライフ週刊新潮 2018年9月27日号掲載

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ようやく分かってきた発症メカニズム(写真はイメージ)(他の写真を見る)

根本治療が見えてきた「アルツハイマー」(1/2)

 

 人の名前が出てこない度に心配になるが、健康診断で発症リスクが分かるわけではない。アルツハイマー型認知症は身近なようで身近でない病だ。9月21日は「世界アルツハイマーデー」。今、治療の最前線では何が起こっているのか。そこにこそ自衛のヒントがある。

 ***

 認知症を扱った有吉佐和子の小説『恍惚の人』には、こんな場面がある。

〈痴呆。幻覚。徘徊。人格欠損。ネタキリ。/茂造は部屋の隅で躰を縮め、虚ろに宙を眺めている。人生の行くてには、こういう絶望が待ちかまえているのか。昭子は茫然としながら薄気味の悪い思いで、改めて舅を見詰めた〉

 1972年にこの小説が世に出てから46年。あらゆることを忘れてしまい、自分で自分がコントロールできなくなってしまう哀しさ。それを支える周囲の人の苦労は今も昔も変わらない。しかし、認知症そのものを巡る状況はこの46年間で大きく変化した。そもそも、『恍惚の人』には、医療行為によって〈痴呆〉の進行を遅らせようとする場面は出てこない。無論、現在は検査によって脳の状態を詳しく調べた上で、投薬治療など、様々な医療行為が施されることになる。果たして、その最前線では何が起こっているのか――。

 2025年には患者数が700万人を超えると言われている認知症には、脳血管性認知症やレビー小体型認知症などもあるが、全体の8割を占めるのが、アルツハイマー型認知症だ。

「おくむらクリニック」院長で『ねころんで読める認知症診療』の著者・奥村歩氏が言う。

「たんぱく質の老廃物であるアミロイドβが脳内に溜まることによって起こる認知症をアルツハイマー型認知症と言います。1906年、ドイツのアルツハイマー博士が世界で最初に報告したのでその名が付けられました」

 実は、アルツハイマーの発症メカニズムはいまだ解明されていない。

「脳は極めて複雑な部位なので、なかなか他の病気のように創薬や治療が上手くいかない。今使われているアルツハイマーの薬は、脳の残った神経細胞の働きを応援してあげるような種類のものばかりです」(同)

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「脳の糖尿病」

 そんな中、十数年前から注目を集めているのが、「アルツハイマーは脳の糖尿病」という考え方である。九州大学生体防御医学研究所教授の中別府雄作氏はこう語る。

「アメリカのブラウン大学のスーザン・デラモンテ教授は、アルツハイマーを3型糖尿病と表現しました。ただ、そのネーミングが1型2型の糖尿病と似た3番目の糖尿病のように誤解されてしまったので、最近は『脳の糖尿病』という言葉が使われています」

 糖尿病がアルツハイマーのリスク因子であることは以前から分かっていた。糖尿病患者がアルツハイマーを発症するリスクはそうでない人の2倍以上にもなる。

「最近分かったのは、糖尿病と深い関係のあるインスリンがアルツハイマーの発症と密接に関わっているという事実です」(広島大学名誉教授の鬼頭昭三氏)

 インスリンは血液中のブドウ糖が細胞の中に取り込まれたり、エネルギーとして消費されたり、蓄えられたりするのを促す重要な橋渡し役で、その結果として血糖値を下げる作用を持っている。そのインスリン作用に障害があることで、血糖値が上昇するのが糖尿病だ。

「インスリンの量に見合ったインスリン作用が発揮できない状態のことをインスリン抵抗性と言います。インスリンを出しても効かない状態になると、大量のインスリンが分泌され、高インスリン血症になります。この高インスリン血症が、アルツハイマーの大きなリスクとなっている」

 と、鬼頭氏は語る。

 

「健康な状態では、膵臓で作られたインスリンは、血液脳関門という、脳にある“関所”を通過して脳で作用する。ところが、インスリン抵抗性の状態だと、インスリンは血液脳関門を越えられず、脳まで届かない。インスリンは記憶を司る海馬などにブドウ糖を取り込む働きがありますが、インスリンが届かなければそれが出来ず、記憶力が低下する。また、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンはブドウ糖で作られるため、インスリンが脳で上手く作用しないと、アセチルコリンの機能低下にも繋がるのです」

 

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“最善の治療薬”

 鬼頭氏が話を続ける。

「糖尿病になると、インスリン分解酵素の活性が低下します。インスリン分解酵素はインスリンだけではなく、アミロイドβも分解する。が、高インスリン血症の状態では、インスリン分解酵素は、インスリン分解のために大量に消費されるので、アミロイドβの分解が出来なくなる。これがアルツハイマー病の発症に拍車をかけるのです」

 目下、鬼頭氏が“最善のアルツハイマー治療薬”と考えているのは、

「経鼻インスリン吸入薬。鼻から吸入すると、鼻静脈叢、嗅皮質を介して脳内にインスリンを効率良く取り込める。アメリカでは、経鼻インスリン吸入薬はすでにアルツハイマーの治療薬として発売されています」

 ちなみに、経鼻インスリン吸入薬の日本での使用は認められていない。

 脳とインスリンを巡る最新の研究は他にもあり、東北大学脳科学センター教授の福永浩司氏は、

「私たちは、11年に認可されたアルツハイマー治療薬のメマンチンが、脳インスリンシグナルを改善することを発見しました」

 と、語る。

「メマンチンには、インスリンを増やす糖尿病治療薬と同じ作用があり、それが脳に働いてアルツハイマーが改善していたことが分かったのです。この研究により、アルツハイマーが脳の糖尿病であるという説が実証されました」

 実際、メマンチンを投与したマウスの実験では、アルツハイマーと糖尿病の両方が改善したという。

「今ある糖尿病の薬も、アルツハイマーに生かせないかどうかを今後見ていくべきです。脳に選択的に行く糖尿病の薬を誰かが作り、糖尿病ではないアルツハイマーの患者さんに投与して症状の改善が見られれば大きな業績になる」(同)

 先の中別府氏も言う。

「私たちが福岡県の久山町で亡くなった88人の脳の遺伝子発現を調査したところ、アルツハイマーの患者の脳では、脳内のインスリンに関わる遺伝子の発現が低下していました。人だけではなく、アルツハイマー型のマウスを作って検証したところ、やはり同様にインスリンに関わる遺伝子の発現に低下が見られました。アルツハイマーの患者は脳内でインスリンがうまく働いていない。まさに脳の糖尿病なのです」

特集「根本治療が見えてきた『アルツハイマー』」より

アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」だった 治療の最前線 | デイリー新潮

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「全粒穀物」が糖尿病リスクを低下 

玄米を食べやすくする提案も

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 未精製の「全粒穀物」(ホールグレイン)を食べると、糖尿病リスクを低下できることが、大規模な調査で明らかになった。

 日本でも玄米に血糖値を下げる効果があることが明らかになっている。玄米を食べやすくする提案もされている。

 

全粒穀物は食物繊維が豊富

 全粒穀物(ホールグレイン)とは、精白などの処理で、糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物のこと。

 食事で全粒穀物を多く摂ると、精白した穀物の多い食事よりも、2型糖尿病や心臓血管疾患のリスクを低く抑えられることが、多くの研究で示されている。

 全粒穀物が体に良いことが知られるようになり、全粒穀物を使ったパンやパスタ、オートミール、玄米、全粒コーンミールなどは店頭で買いやすくなってきた。

 精白の過程で失われる部分にミネラル、ビタミンB群、マグネシウム、鉄分などが豊富に含まれている。

 主食を精白度の低い胚芽米や麦飯、全粒粉のパンなどにすると、食物繊維も多く摂取できる。

 

全粒穀物は血糖が上昇しにくい

 ブドウ糖を摂取した後の血糖上昇率を100としたときの、食品ごとの血糖上昇率を表す指標を「グリセミック指数(GI)」という。

 全粒穀物はGI値が低く、食後の血糖変動が小さく、インスリンの過剰分泌を抑え、血管にダメージを与えにくい。

 全粒穀物が、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗を改善し、中性脂肪(トリグリセリド)の上昇も抑え、メタボリックシンドロームが改善するという研究も報告されている。

 また、全粒穀物に含まれるフィトケミカルには抗酸化作用があり、細胞の老化を防いだり、血管の若さを保ち、動脈硬化の予防に役立つ。

 さらには、全粒穀物に含まれる食物繊維により、満腹感を長時間持続しやすくなり、摂取カロリーを抑えられる。全粒穀物は体重コントロールにも有利だ。

全粒穀物を食べると糖尿病リスクが低下

 全粒穀物を食べている人では2型糖尿病の発症が少ないという研究を、スウェーデンのチャルマース工科大学やデンマークがん学会研究センターなどが発表した。

 この研究は、全粒穀物、フスマ、胚芽といった食品の摂取と、2型糖尿病の発症の関連を調べたもの。

 穀物は、小麦、米、ライ麦、オーツ麦、トウモロコシ、オオムギ、キビ、モロコシといった種類がある。

 研究チームは、デンマークの食事・がん・健康コホートに参加した50~65歳の男女5万5,465人のデータを解析。

毎日のパンを全粒穀物に代えることを推奨

 その結果、全粒穀物を毎日50g(1日に3皿分)以上摂っていたグループでは、ほとんど摂らないグループに比べて、2型糖尿病の発症リスクは、男性で34%、女性で22%それぞれ低下した。

 全粒穀物を使っていれば、ライ麦ブレッド、パスタ、オートミール、シリアルなど、どんな食品であっても、2型糖尿病のリスクを低下させる効果を期待できるという。

 「今回の研究は、全粒穀物を推奨する食事ガイドラインを裏付ける結果になりました。精白された穀物を、精白されていない全粒穀物に代えることをお勧めします」と、チャーマーズ工科大学のリカード ランドベリ教授は言う。

全粒穀物を食べると心血管疾患リスクが低下

 米国ハーバード大学公衆衛生大学院が約12万人を対象とした研究によると、全粒穀物を1日28g以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、死亡率が5%低下する。

 とくに心筋梗塞や心臓発作などの心血管疾患で死ぬリスクは9%も低下するという。

 約16万人を18年間追跡した調査では、全粒穀物が多い人では2型糖尿病の発症リスクが最大で35%低下することが判明した。

玄米が2型糖尿病リスクを低下

 玄米にも糖尿病を予防する効果がある。1日の摂取量の3分の1に相当する50gの白米を、同じ量の玄米にかえると、2型糖尿病のリスクは16%低下する。

 「全粒穀物を食べることで糖尿病や心血管疾患を予防でき、寿命を延ばせることが示されました。精製されていない穀類を食べ続ければ、長期間で大きな差が出てきます」と、ハーバード大学公衆衛生大学院のキ サン准教授は言う。

 米国の食事ガイドラインでは、成人は全粒穀物を1日あたり少なくとも3~5サービングを食べることを推奨している。

 全粒穀物のパン1切れがおよそ1サービングに相当し、食物繊維は2g以上含まれる。

玄米に血糖値を下げる効果

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 玄米は、稲の果実である籾から籾殻のみを取り除いたもの。玄米の外皮は栄養価が高いため、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれる。

 琉球大学の研究チームは、玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)-オリザノール」に、インスリンの分泌を促進し、血糖値を下げる効果があることを明らかにしている。

 この栄養成分が脳の中枢に作用し、食欲を抑えることも解明。玄米を食べると、自然に食事の好みが変化し、食べ過ぎを抑えられるという。

 このように健康に良い効果のある玄米だが、一般的には好んで食べられていない傾向がある。

 玄米が好まれない原因はいくつかある。そのひとつは硬さ(食感)。えぐみや匂いが気になるという人も少なくない。

「もち米玄米」は玄米の欠点を解消

 そうした玄米の欠点を解消する方法がある。それは、「もち米玄米」を使うというものだ。

 「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するという研究が発表された。米を主食とする日本人にとって嬉しい情報だ。

 聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科は、2型糖尿病患者37人を対象に、「もち米玄米」を8週間摂取してもらう研究を行った。

 その結果、24時間平均血糖値および食後血糖値が改善することが明らかになった。

 研究チームは、参加者を精白米を摂取するグループと、「もち米玄米」を摂取するグループに無作為に分けた。

 24時間の平均血糖値は、「白米」を摂取したグループでは144.2mg/dLだったのに対し、「もち米玄米」を摂取したグループでは126mg/dLに低下した。食後血糖値も改善した。

 嗜好性に関するアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示した。

 「玄米食のパサパサとした食感を好まない人も多いが、もち米玄米のしっとりと柔らかな食感は日本人の好みに合っている」と、研究者は述べている。

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「魚」を糖尿病の食事療法に活用 

魚の脂肪が不安症状を軽減

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 アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸を摂取することで、不安症状が軽減されることが、国立がん研究センターなどの研究で明らかになった。

 糖尿病患者の多くが不安を抱えている。また、魚は悪玉のLDLコレステロールを増やさず、中性脂肪を減らすなど、糖尿病の食事療法でも勧められる食材だ。

不安は多くみられる症状 魚を食べると改善

 不安はもっとも多くみられる精神症状で、生涯において何らかの不安症状を抱える人はおよそ3人に1人に上る。不安は生活の質や社会機能を低下させ、死亡リスクの上昇にもつながる。

 糖尿病とともに生きる人も、「糖尿病による合併症は怖い」(73%)、「低血糖を起こしたくない」(49%)、「血糖値の変動が気になる」(43%)と、多くが不安を抱えていることが調査で示されている。

 不安や心の負担に対処することが、糖尿病医療におけるまだ満たされていないニーズのひとつだと指摘されている。

 青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸を摂取すると不安症状が軽減することが明らかになった。とくに身体疾患や精神疾患などの臨床診断を抱えている場合に、その効果が高いという。

 研究は、国立がん研究センター 社会と健康研究センター健康支援研究部長の松岡豊氏、台湾の中國醫藥大學醫學院生物醫學研究所の蘇冠賓教授、文信診所の曾秉濤氏らの共同研究グループによるもの。詳細は米国医師会雑誌(JAMA)系列のオープンアクセスジャーナル「JAMA Network Open」に発表された。

 

オメガ3系脂肪酸を摂取すると不安症状が改善

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 不安症を治療法するために、一般的に「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」などによる薬物療法や、「認知行動療法」が行われているが、前者は鎮静や依存などの副作用が懸念され、後者は治療にかかる時間、費用、そして治療者の不足などが課題となっている。

 身体疾患を抱える人の不安をやわらげる、科学的根拠にもとづく安全で簡便な対策が求められている。

 近年、青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸の摂取と不安症状の改善について調べる研究が増えており、オメガ3系脂肪酸の抗不安効果への関心が高まっている。

 マウスを使った実験でも、オメガ3系脂肪酸の比率が高いエサを習慣的に食べさせると、恐怖体験が惹起する怖いという感覚(恐怖記憶)がやわらぐという結果が出ている。

 代表的なオメガ3系脂肪酸には、植物由来のα-リノレン酸、海洋由来のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)がある。

 アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚にはオメガ3系脂肪酸が多く含まれる。

オメガ3系脂肪酸を2000mg以上摂取すると効果

 研究グループは、青魚などに含まれるオメガ3系脂肪酸の抗不安効果について、計2,240人の不安症状を抱える人を対象とした19件の臨床研究をメタ解析して調べた。

 2018年3月までに公表された研究論文を、▼ヒトを対象とした臨床試験(ランダム化・非ランダム化)であること、▼同分野の研究者などによる査読を経た論文のみが載るピアレビュー誌に掲載されている、▼対照群はプラセボ使用の有無について問わない、▼対象は健常者、精神疾患患者、身体疾患患者――という基準で選出しメタ解析した。

 対象となったのは、オメガ3系脂肪酸を摂取する群1,203人(平均年齢43.7歳)、摂取しない群1,037人(同40.6歳)で、オメガ3系脂肪酸の平均摂取量は1,605.7mg/日だった。

 解析した結果、オメガ3系脂肪酸を摂取した群はオメガ3系脂肪酸を摂取していない群と比較して、不安症状が軽減されることが明らかになった。効果量は0.374(0.2は小さい、0.5は中くらいと解釈される)。

 オメガ3系脂肪酸を1日に2,000mg以上摂取した場合に抗不安効果がみられたいう。また、層別化した解析の結果、身体疾患や精神疾患などの臨床診断を抱えている人を対象にした場合に抗不安効果が大きいことが示された。

 「今後は、オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患などの臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施し、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果を検証することが期待される」と、研究者は述べている。

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国立がん研究センター 社会と健康研究センター

Association of Use of Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids With Changes in Severity of Anxiety Symptoms: A Systematic Review and Meta-analysis(JAMA Network Open 2018年9月14日)

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最新ITパッチで分かった 

血糖値をぐんぐん上げる「意外」な食べ物

「文藝春秋」編集部2018/09/24

 

 どんな食品が血糖値を上げるのか。

 血糖値の急激な上昇は老化のもと。糖尿病の患者だけでなく、健康な人でも、自らの血糖値を知ることは老化防止のためには重要なことだ。

 だが、これまでは正確に自分の血糖値を知るには医療機関で測ってもらうなどの手間と時間がかかっていた。自分で測ることのできる計測器もあるが、測定するたびに毎回指先に針を刺して採血する必要があった。

画期的なパッチの登場

 昨年9月、厚生労働省が新しい血糖値の自己測定器の保険適用を認めた。アメリカの医療機器大手アボット社が開発した「フリースタイルリブレ」だ。

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手軽に血糖値測定

 

 

 使い方はかんたん。まず直径3.5センチの小さなパッチを腕に貼り付ける。その際、細い針金のようなものを刺すため、わずかに痛みを感じるが、出血はしない。一度パッチを貼り付ければ、スマートフォンのような専用のリーダーをかざすだけで24時間、何度でも血糖値を測ることができる。

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牧田善二氏

 今回、糖尿病専門医の牧田善二氏監修のもと、「リブレ」を用いて食後の血糖値を計測する実験を行った。基準となったのが「食後血糖値140」だ。糖尿病の診断基準では、ブドウ糖を溶かした液体を飲んだ2時間後の血糖値が140を超えると、糖尿病一歩手前の「境界型」と診断される。また牧田医師によれば、食後血糖値140を超えると、摂取した糖質は消費されることなく体の中で溜まってしまうという。

血糖値を上げる食品は・・・・・・

 現在29歳の記者(いまのところ健康診断では問題ナシ)が2週間、自ら実験した結果、単品で140を超えたワースト食品は6つあった。ワースト5位は以下の2点である。

【ワースト5位タイ】バナナ 食前101→食後143

 果物の中でも糖質が多い上、柔らかく体内で吸収されるスピードが早いので、急激に血糖値を上げてしまう。また果物に含まれる果糖は、他の食べ物が分解されてできるブドウ糖と比べて体内に蓄積しやすいので要注意。

【ワースト5位タイ】グラノーラ 食前88→食後143

 グラノーラとは、麦や玄米などの穀物にナッツ類を加え、オーブンで焼いたもの。糖質の量が多く、一食当たり茶碗1杯分のご飯に匹敵するものもある。加熱する際にシロップなどを添加するので血糖値を上げる結果となった。

 今回の測定では「炭水化物の単品早食い」に加え、調理の過程で原材料に含まれる糖質が組み合わさることでさらに血糖値を上げることがわかった。

 

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老ける食品の代表格

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文藝春秋 10月号

 「文藝春秋」10月号では、「リブレ」による血糖値測定結果を参考に、牧田医師が厳選した「100%老け込む食品」を15品目のリストとともに詳しく解説。老けたくなければ、まずは血糖値を上げる食品を知るべし。

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なら避けたい食べ物7種(前編)

MYLOHAS編集部

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糖尿病でないなら、ときたまクッキーをかじったり、フライドポテトをつまんだりしても問題ないでしょう。確かにどちらもヘルシーとはいいがたい食べ物とはいえ、ダイエットや減量にならないから全然ダメ! というわけでもありません。

でも糖尿病の人にとっては、ちょっと食べすぎただけで命にかかわる結果につながることも。「ひとくちに糖尿病と言っても、ひとりひとり少しずつ違いますし、炭水化物の許容量もそれぞれ。ですから、何がOKで何がダメか厳密に言うのは難しいのです。ただ、糖尿病の人で心配なのは、血糖値を下げるために必要なインスリンをすい臓が作れなくなるくらい、炭水化物を食べてしまうことです」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校附属医療機関、UCLAヘルスのゴンダ糖尿病センター長を務める医師のマシュー・フリービーさん。

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三大栄養素のうち炭水化物(糖質がふくまれます)は、糖尿病の人にとって最大の脅威になります。一方で、「ほかのふたつ、良質なたんぱく質と脂肪が含まれる食べ物は、糖尿病の人にもとってもらいたい栄養素といえます」とフリービーさん。

血糖値が高すぎたり(高血糖症)、低すぎたり(低血糖症)すると、吐き気、嘔吐、胃の痛み、心拍数の増加、めまい、意識障害などの症状があらわれることがあります。糖尿病の人は、このような症状が出たらできるだけ早く医師の診察を受けるべき。

極端な場合、高血糖でも低血糖でも、意識を失うことがあり、死亡するおそれすらあります。

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しかし、「どんな食べ物であっても、まったく食べないようにする必要はありません」と、アメリカ栄養士会の広報担当を務める糖尿病療養指導士で、登録栄養士のバンダナ・シースさん。

「糖尿病の管理に役立つ食べ物とそうでもない食べ物があります。ですから、糖尿病専門の登録栄養士なら、血糖値をうまく管理しつつ、好きな食べ物を楽しめるように助言してくれるはず」とシースさんは説明します。

では、糖尿病の人にはどんな食べ物が特によくないのか、見てみましょう。

01. ソーダ類(加糖炭酸飲料)

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ダイエットソーダであっても、肥満などの問題につながるとわかってきていますが、糖尿病の人にとってはやはり普通のソーダ類がずっと大きな脅威になります。

「とらない方がいい食品は何かと患者に聞かれたら、真っ先にあげるもののひとつが加糖飲料です」と、メリーランド大学糖尿病・内分泌センターの糖尿病療養指導士で登録栄養士のアンジェラ・ジン=メドウさん。

例えば、コカコーラの350ml缶には39グラムの砂糖が含まれています。これがどれほどの量かというと、アメリカ心臓協会(AHA)が推奨する砂糖の1日当たり総摂取量は成人女性で25グラムまで、男性は36グラムまで。それに匹敵するわけです。

また、ほとんどの食べ物に比べて液体は速く消化されますから、ソーダ類を大きなグラスでごくごく飲むと、たちまち身体のシステムに負担がかかりすぎてしまい、血糖値が急上昇する結果に。スポーツドリンクとボトル入り紅茶も、砂糖たっぷりです。

02. フルーツジュース(果汁)

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フルーツジュースはヘルシーと思われがちですが、基本的には砂糖です」と、ジン=メドウさん。

そして糖尿病の人にとって(実際のところ、糖尿病ではない人にとっても)、ソーダ類でもフルーツジュースでも、砂糖を取るという点で違いはありません。どちらも健康によくないと研究で証明されているのです。

意外かもしれませんが、たいていのお店に並んでいる果汁100%のオレンジジュース、『トロピカーナ』と『フロリダズ・ナチュラル』は、いずれも350mlで33グラムの砂糖を含みます

アメリカ農務省の栄養分データによると、低温殺菌していない搾りたてのオレンジジュースでも、砂糖の量は変わりません。

03. ドーナツとベーグル

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「糖尿病患者の多くは、砂糖が血糖値によくないと考えていますが、実は問題とすべきは炭水化物の量。ですから、砂糖の量だけでなく、炭水化物全体の量も、栄養表示をチェックするようすすめています」と、フリービーさん。

精製・加工した穀物で作ったドーナツとベーグルは、血糖値を急上昇させる重大な炭水化物源だそう。例えば、ダンキン・ドーナツのプレーンな『オールド・ファッション』ドーナツは28グラムの炭水化物を含みますが、これはコカコーラ250mlに含まれる炭水化物の量と同じ。同じダンキンの『メープル・バニラ・クリーム』ドーナツならというと……きっと、聞きたくないでしょう(一応言っておきますと、43グラムの炭水化物を含みます)。

そして、多分いちばんのビックリは、大手ベーグルチェーン、アインシュタイン・ブラザーズのベーグル。何と炭水化物56グラム!

04. フライドポテト

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image via Shutterstock

フリービーさんによると、ジャガイモやトウモロコシなどの「でんぷん質」の野菜は炭水化物を多く含むため、食べる頻度を減らしたり、なるべく避けたりする必要があります。

ジャガイモを「フライドポテト」にすると、健康リスクはおおむねさらにアップ。マクドナルドのミディアムサイズ・フライドポテトは44グラムの炭水化物を含みます。ウェンディーズの同サイズのフライドポテトなら、身体に取りこむ炭水化物は56グラム。

「ジャガイモを食べたかったら、小さめサイズの皮付きベイクドポテトにする方がよいです。カリフラワーやブロッコリー、ピーマンなどをオーブンでローストして食べれば、なおいいです。野菜の摂取量も増え、血糖値の急上昇を最小限に抑えられます」(シースさん)

05. 「揚げ物」なら、すべて

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栄養分野の専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌で報告された研究によると、どんなタイプの食べ物でも、揚げると組成が変化します。この研究は、多くの女性を長年にわたって追跡調査した有名なアメリカの大規模研究のデータを分析したもの。7万人以上の女性が食べ物に関するアンケートに答えた結果と、その後糖尿病や心臓の病気などになったかどうかとの関連性をしらべました。

すると、揚げ物を頻繁に食べていた人は、特にレストランで食べていた場合、2型糖尿病のリスクが確かに増えたのです。冠動脈疾患のリスクも少し増えていました。

レストランで食べると、使われる油の量とタイプが問題になります。さらに、1回分の量が多い、甘い飲み物と一緒に食べるなどの傾向も出てきます。こうした体重増加につながる要素がそろっているためかもしれないそう。

でも、甘い飲み物という要素をのぞいて分析しても、揚げ物と2型糖尿病との関連性は変わりませんでした。揚げ方にもよりますが、食品を揚げるとその栄養素の質が実際に変化してしまい、カロリーが高くなってしまう結果に。同時に、抵抗できないほど味もよくなるのが悩ましいところなのですが。

06. お店で買うパイやケーキ

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パイ。ケーキ。クッキー。

「こういった一般的なデザート類は砂糖たっぷりなうえに、たいていは精製穀物を原料にしていますから、炭水化物のかたまりです」とフリービーさん。

例えば、大手レストランチェーン、マリー・カレンダーズの『チョコレート・サテン・パイ』の場合、普通のスライス(1/6サイズ)で砂糖34グラムと炭水化物48グラムを取ることに。

07. フルーツ入りカップヨーグルト

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こわがられる前に言っておきますと、糖尿病の人にとっても、ヨーグルトは本当にヘルシーで満足できる食べ物。

「でも、フルーツ入りタイプの多くは、砂糖がたくさん添加されていて、1カップに40~47グラムもの砂糖が入ったヨーグルトもあります」(シースさん)

代わりとしてシースさんのおすすめは、たいていは炭水化物が少なくてたんぱく質が多いギリシャヨーグルトかアイスランドヨーグルト(スキール)。もう少し甘くしたかったら、果物を加えれば食物繊維が増えて、血糖値の急上昇を抑えられます。

ヘルシーそうでも意外とNG? 糖尿病なら避けたい食べ物7種(前編) | MYLOHAS

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簡便な体力テストで2型糖尿病のなりやすさがわかる?

– 握力とバランス能力が鍵

2018年9月21日

 

国内外における糖尿病の現状

現在、世界の糖尿病の患者数はどんどん増えており、糖尿病は世界的に大きな健康問題となっています。2015年における世界の糖尿病患者数は4億1500万人と推定されており、このまま有効な対策がなければ、2040年には糖尿病患者数は6億4200万人にまで到達すると言われています。日本も例外ではなく、2016年における糖尿病患者数は1000万人(糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると2000万人)に上ると推計されています。1997年時点では糖尿病の患者数が690万人であったことを考えると、この20年間で糖尿病の患者が310万人も増えたことになります。糖尿病はまさに国民病といえます。

糖尿病は、主に1型糖尿病と2型糖尿病に分けられます。血糖値を下げるインスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて血糖が上昇してしまう1型糖尿病と比較すると、2型糖尿病は加齢や肥満、運動不足といった生活習慣によって、インスリンの効きが悪くなるタイプの糖尿病です。現在の糖尿病患者数の約9割を2型糖尿病が占めるとされ、さらに、原因となる生活習慣は是正できることから、糖尿病患者数を減少させるには、この2型糖尿病を予防することが重要であると考えられています。

糖尿病と運動の関わり

運動が健康によいことは今や常識となっています。糖尿病と運動の関わりについても同様で、2型糖尿病を予防するためには、ランニング等の運動を行って日頃の身体活動量を高く保つことが有効であるとされています。一般的な運動といえば、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動が思い浮かぶと思います。定期的に運動を行っている人は、そうでない人と比較すると、運動を継続させる能力が高いといえます。この運動を継続させる能力は全身持久力と呼ばれており、日頃の身体活動量の客観的な指標(目安)であると考えられています。

日頃の身体活動量は、歩数計を利用することで客観的に把握できますが、歩数計を装着して日常生活を送る必要があり、何かと不便です。一方、体力の測定は基本的に1回のテストで済むため、健康診断などで日頃の身体活動量を把握するのに有効な方法であるといえます。そして、実際に、全身持久力が高ければ2型糖尿病になりにくいことがこれまでの研究で明らかにされています。

体力にはさまざまな要素がある

その一方で、他の体力項目と比べると、全身持久力は測定の負担が大きいというデメリットがあります。運動を継続させる能力を評価するため、どうしても測定に時間がかかってしまったり、あるいは、疲労を感じてしまったりします。したがって、健康診断などの限られた時間のなかで実施することはなかなか難しいというのが現状です。

そこで、本研究では他の体力項目に注目しました。全身持久力以外の体力としては、筋力やパワー、筋持久力、柔軟性、バランス能力、反応速度などがあり、どれも定期的な運動によって向上させることができます。さらに、これらの体力項目は全身持久力よりも簡単に測定することが可能です。これらの体力項目が高くても、2型糖尿病にならずに済むのでしょうか?

筋力あるいはバランス能力が低ければ、2型糖尿病になりやすい

今回の研究では、新潟県労働衛生医学協会の協力のもと、人間ドック健診の受診者のデータを分析しました。また本研究は、新潟ウェルネススタディという一連の研究の一環として行われています。分析の対象となったのは、2001年度に人間ドック健診で体力測定を行い、さらに、その時点で糖尿病になっていない20~92歳の21,802人(女性6,649人)の方々です。検討方法は次のとおりです。

まず、体力測定項目(筋力、パワー、筋持久力、柔軟性、バランス能力、反応速度)ごとに、人数が等しくなるよう成績順に4つのグループに分けました。その際、各グループで男女比、年齢が等しくなるように工夫しました。そして、2007年度までのあいだで2型糖尿病になったか、2型糖尿病になってしまった場合はいつなったのかを把握しました。これらのデータをもとに、各体力測定項目の成績が一番良かったグループに対して、成績が悪かった他のグループがどのくらい2型糖尿病になりやすいのかについて統計モデルを用いて検討しました。各体力測定項目の詳細については、こちら(http://www.sotaiken.co.jp/wgs2/blog/fp/55/)を参照ください。

その結果、まず、筋力を測定する握力テストの成績が2型糖尿病のなりやすさと関連することが明らかになりました。握力は体重が重いと高い値を示すことがよく知られているため、体重当たりどのくらいの握力があるかという値で検討しています。最もその値が高かったグループと比較すると、その値が低いグループになればなるほど、2型糖尿病になりやすくなるという結果が得られました。より具体的には、体重に対する握力の値がだいたい80%ぐらいのグループ(例:体重60kgの人であれば、握力が48kgの人)と比較すると、体重に対する握力の値が約半分の50%ぐらいのグループ(体重60kgの人で握力の成績が30kgの人)では、2型糖尿病のなりやすさは約1.5倍高いという結果が示されました。この関係は特に男性で顕著でした。

 

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握力と2型糖尿病の関連

握力の成績と2型糖尿病の関連について示している。体重当たりの握力によって、最も成績の良かったグループ(体重当たりの握力:0.77 kg/kg)から最も悪かったグループ(体重当たりの握力:0.53 kg/kg)に対象者を分けた。なお、これらの値は中央値(そのグループの値を一列に並べた場合に、ちょうど真ん中に該当する値)を示している。握力の成績が最も良かったグループの2型糖尿病のなりやすさに対して、他のグループがどの程度2型糖尿病になりやすいのかを、相対的な数字で表している。

 

さらに、2型糖尿病のなりやすさと関連を示した体力項目はバランス能力でした。今回、バランス能力は閉眼片足立ちテスト(目を閉じて両手は腰に付け、片足を上げてどのくらい立っていられるか)を用いて評価しています。目を閉じることで片足立ちテストの難易度は格段に高くなることから、バランス能力の衰えがあまり認められない若年~中年の受診者でもしっかりと評価できると考えています。握力の場合と同様に、閉眼片足立ちテストの成績が悪くなればなるほど、2型糖尿病になりやすいことが明らかになりました。

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閉眼片足立ちテストと2型糖尿病の関連

閉眼片足立ちテストの成績と2型糖尿病の関連について示している。閉眼片足立ちテストの成績に基づいて、最も成績の良かったグループ(100秒)から最もかったグループ(10秒)に対象者を分けた。なお、これらの値は、握力と同様に中央値を示している。閉眼片足立ちテストの成績が最も良かったグループの2型糖尿病のなりやすさに対して、他のグループがどの程度2型糖尿病になりやすいのかを、相対的な数字で表している。

 

このほか、下半身のパワーを測定する垂直跳びや柔軟性を評価する立位前屈の成績も2型糖尿病のなりやすさと関連することが明らかになりましたが、この関連は肥満の指標であるbody mass index(体重〔kg〕を身長〔m〕の二乗で割ったもの:kg/m2)を考慮すると認められなくなりました。したがって、筋力やバランス能力とは違って、パワーや柔軟性と2型糖尿病の関連については、肥満の影響が反映されていたと考えることができます。その他の全身反応時間や筋持久力については、2型糖尿病のなりやすさと関連は認められませんでした。

まだまだ未解決な問題がある

今回の研究では、筋力やバランス能力を評価することで、従来の全身持久力による評価より比較的簡便に2型糖尿病の高リスク者(2型糖尿病になりやすい人)を把握できる可能性が示されました。本研究は6年間の追跡調査だったため、比較的近い将来の2型糖尿病との関連を明らかにしたといえます。今後は、長きに渡って筋力やバランス能力が2型糖尿病のリスクと関連するか明らかにするため、長期的な追跡調査を実施する必要があります。また、なぜ、筋力やバランス能力が低ければ2型糖尿病になりやすいのか、その詳細なメカニズムの解明も望まれます。

 

参考文献

Momma H, Sawada SS, Kato K, Gando Y, Kawakami R, Miyachi M, et al. Physical fitness tests and type 2 diabetes among Japanese: a longitudinal study from the Niigata Wellness Study. J Epidemiol. 2018. doi: 10.2188/jea.JE20170280.

この記事を書いた人

門間陽樹

東北大学大学院医学系研究科運動学分野・講師

運動、スポーツ、身体活動、体力をキーワードとした疫学研究に従事しています。身体を動かすことは健康にいいのか、どのように身体を動かせば健康に貢献するのか、を大きな疑問として抱え、身近にある素朴な疑問、現場で働いている人が抱く疑問を科学的に解決していこうと考えています。その一方で、最近の運動は健康と関連づけられすぎているとの思いもあります。運動、スポーツ、身体活動を通した経験は、健康以外のことにも繋がっているはずです。将来的には、疫学手法を用いて、運動、スポーツ、身体活動の魅力について、健康だけではなくさまざまな側面から示せるような研究をしたいです。

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男性の18%、女性の11%が「糖尿病」 

2017年国民健康・栄養調査

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 厚生労働省は2017年「国民健康・栄養調査」の結果を発表した。男性の18.1%、女性の10.5%が「糖尿病」が強く疑われることが分かった。

 男性40歳代の3人に1人以上が肥満で、血圧やコレステロールについても目標を達成していないことが明らかになった。

男性の18.1%、女性の10.5%が「糖尿病」が強く疑われる

 2017年「国民健康・栄養調査」によると、男性の18.1%、女性の10.5%で、「糖尿病」が強く疑われる。前年度に比べ、男性で1.8ポイント、女性で1.2ポイント増えた。

 この調査では、HbA1cの測定値が6.5%以上(NGSP値)、または糖尿病治療を受けていると、「糖尿病が強く疑われる」と判定される。

 年齢層別にみると、男女のいずれでも、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は年齢が上がるにつれて上昇する。男性の50歳代で14.6%、60歳代で19.8%、70歳以上で25.7%、女性の50歳代で5.1%、60歳代で10.8%、70歳以上で19.8%に上る。

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男性40歳代の3人に1人以上が肥満 若い女性のやせも問題

 BMI(体格指数)が25以上の肥満の割合は、男性で30.7%、女性で21.9%に上り、この10年間でほぼ横ばいだ。肥満者が多い年齢層は、男性では40歳代(35.3%)、60歳代(34.1%)、30歳代(32.0%)、女性では70歳以上(26.5%)、60歳代(25.8%)、50歳代(22.2%)。

 「健康日本21」(第二次)では、20~60歳の男性の肥満の割合を28%に抑えることを目標にしているが、現状は32.8%で目標に達していない。

 BMI(体格指数)が18.5未満のやせの割合は、男性で4.0%、女性で10.3%。若い女性でやせが多く、20~29歳で21.7%、30~39歳で13.4%、40~49歳で10.1%に上る。

 若年女性のやせについて、「健康日本21(第二次)」では「骨量減少、低出生体重児出産のリスクなどとの関連がある」と示している。20歳代女性のやせの者の割合を20%に抑えることを目標としている。

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成人男性の37%、成人女性の27.8%が高血圧

 血圧についてみると、収縮期(最高)血圧の平均値は、男性で135.2mmHg、女性で128.9mmHg。前年度に比べ、男性で0.9mmHg、女性で1.6mmHg上昇している。最高血圧の目標は、40~89歳で男性134mmHg、女性 129mmHgで、女性ではほぼ目標に達している。

 また、最高血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性で37.0%、女性で27.8%。年齢調整してみると男女ともに緩やかに減少している。

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女性の5人に1人が高コレステロール

 脂質についてみると、総コレステロールが240mg/dL以上の人の割合は、男性で12.4%、女性で19.8%となっている。前年度に比べ、男性で2.6ポイント、女性で2.5ポイント、それぞれ増えた。総コレステロール値が240mg/dL以上の人の割合を、男性で10%、女性で17%に抑えるのが目標。

 non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値で、動脈硬化を引きおこすすべてのコレステロールをあらわす。non-HDLコレステロールの平均値は、男性で142.9mg/dL、女性で143.2mg/dL。前年度に比べ、男性で3.0mg/dL、女性で3.2mg/dLそれぞれ増えている。

 血清総コレステロール値が高くなると、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患リスクが高まるので、「成人女性のほぼ2割が高コレステロール」という状況は望ましくない。non-HDLコレステロールを下げるのも目標のひとつで、保健指導の課題はまだ多いといえる。 平成29年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省 2018年9月11日)
 調査は2017年11月に実施。対象となったのは2017年国民生活基礎調査から層化無作為抽出した300単位区内の全世帯・世帯員。調査実施世帯数は3,076世帯で、身体状況調査の集計数は6,007人、生活習慣調査の集計数は6,598人。

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アスピリンは、

糖尿病患者にとって有益か有害か/NEJM

 

 アスピリンは、糖尿病患者において重篤な血管イベントを予防するが、大出血イベントの原因にもなることが、英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らが行ったASCEND試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年8月26日号に掲載された。糖尿病により、心血管イベントのリスクが増加する。アスピリンは、閉塞性血管イベントのリスクを抑制するが、糖尿病患者の初回心血管イベントの予防におけるその有益性と有害性のバランスは不明とされる。

心血管疾患がない糖尿病患者で有効性と安全性を評価

 本研究は、糖尿病患者におけるアスピリンの有効性と安全性を評価する進行中の無作為化試験であり、ファクトリアルデザインを用いて、同時にω-3脂肪酸の検討も行われた(英国心臓財団などの助成による)。

 対象は、年齢40歳以上、型を問わず糖尿病と診断され、心血管疾患がみられず、抗血小板療法の有益性が実質的に不確実な患者であった。被験者は、アスピリン100mgを1日1回服用する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。

 有効性の主要アウトカムは、初回の重篤な血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中[頭蓋内出血を除く]、一過性脳虚血発作、血管死[頭蓋内出血を除く])とした。安全性の主要アウトカムは、初回の大出血イベント(頭蓋内出血、失明のおそれのある眼内出血、消化管出血、その他の重篤な出血)であった。副次アウトカムには、消化器がんなどが含まれた。

重篤な血管イベント12%低下、大出血イベント29%増加

 2005年6月~2011年7月の期間に1万5,480例が登録され、アスピリン群に7,740例、プラセボ群にも7,740例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢は、アスピリン群が63.2±9.2歳、プラセボ群は63.3±9.2歳、男性がそれぞれ62.6%、62.5%であった。両群とも、2型糖尿病が94.1%を占め、罹患期間中央値も同じ7年(IQR:3~13)だった。

 全体の平均フォローアップ期間は7.4年、平均アドヒアランス率は70%であった。

 重篤な血管イベントの発生率は、アスピリン群が8.5%(658/7,740例)と、プラセボ群の9.6%(743/7,740例)に比べ有意に低かった(率比[RR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.79~0.97、p=0.01)。探索的解析として、フォローアップ期間別の評価を行ったところ、このアスピリンの効果は5年までで、それ以降は、実質的にイベントは抑制されなかった。

 これに対し、大出血イベントの発生率は、アスピリン群が4.1%(314/7,740例)と、プラセボ群の3.2%(245/7,740例)に比し有意に高く、アスピリンの有害な作用が示された(RR:1.29、95%CI:1.09~1.52、p=0.003)。出血への影響には、経時的な減衰は示唆されなかった。また、頭蓋内出血(1.22、0.82~1.81)と失明のおそれのある眼内出血(0.89、0.62~1.27)には両群間に有意な差はなく、消化管出血(1.36、1.05~1.75)とその他の重篤な出血(1.70、1.18~2.44)がアスピリン群で有意に高頻度であった。

 ベースライン時の重篤な血管イベントの推定5年リスクが高い患者ほど、重篤な血管イベント/血行再建術、および大出血の頻度が高かった。

 消化器がん(アスピリン群:2.0% vs.プラセボ群:2.0%)および全がん(11.6 vs.11.5%)の発生率には、両群間に有意な差はみられなかった。

 著者は、「アスピリンの絶対的な有益性は、そのほとんどが出血の有害性によって相殺された」とまとめ、「がんについては、今後、長期のフォローアップを行う予定である」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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「運動不足」で糖尿病に 

日本で3人に1人が運動不足 WHOが報告

 

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 世界の14億人が運動不足で、2型糖尿病、心血管疾患、2型糖尿病、がん、認知症などの危険性が高まっているという調査結果を、世界保健機関(WHO)が発表した。日本でも3人に1人以上が運動不足だ。

 WHOは、2025年までに世界で運動不足を10%減らすという目標を掲げ、「運動推進グローバル行動計画 2018-2030」を立ち上げた。

世界の14億人以上が運動不足 「パンデミック」に

 

 世界保健機関(WHO)は、2016年に世界の世界の成人(18歳以上)のうち、14億人以上が運動不足とみられ、2型糖尿病や心血管疾患、がん、認知症などにかかるリスクが高いとの研究結果を発表した。
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 運動ガイドラインでは、活発なウォーキングなどの中強度の運動を1日30分、成人は週に5日以上行うことを推奨している。週に2日以上の筋力トレーニングを含めたり、長時間座り続けるのを避けることなども勧めている。

 2016年には、世界の男性の4人に1人(23%)、女性の3人に1人(32%)が、この目標に到達しておらず、健康を維持するのに必要な運動・身体活動を行っていないことが判明した。

 運動不足の程度は高所得国では37%に上り、低所得国の2倍以上高く、5年間に5%増加している。

 研究では、2001~2016年に身体活動レベルはほとんど改善していないことが示された。こうした傾向が続くと、2025年までに世界で運動不足を10%減らすというWHOの目標を達成するのは難しくなる。

 「主要な健康リスクについては改善がみられる項目もありますが、運動不足については世界的に改善していません」と、WHOのレジーナ ガットホールド氏は言う。

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日本でも3人に1人以上が運動不足

 研究は、168ヵ国の18歳以上の成人約190万人を対象に行われた調査をもとにしている。調査では、職場、家庭、余暇、交通移動での運動・身体活動について、自己申告により調査された。

 詳細は国際的な医学誌「ランセット グローバル ヘルス」に発表された。

 運動不足の成人の割合は、米国が40.0%、英国が35.9%、ドイツが42.2%、フランスが29.3%、デンマークが28.5%、韓国が35.4%、ブラジルが47.0%に上る。

 日本では成人の35.5%(男性 33.8%、女性 37.0%)が運動不足だ。米英に比べると改善傾向にあるが、それでも3人に1人以上が運動不足という状況にある。

運動に積極的に取り組める環境づくりが必要

 西欧の先進国でとくに運動不足が増加している。ドイツ、ニュージーランド、米国、アルゼンチン、ブラジルなどがそうだ。

 豊かな国では、座ったまま過ごす生活が定着し、レクリエーションや交通でも体をあまり動かさなくなっている。

 「政府は、スポーツやレクリエーションをできる場を整備し、国民がウォーキングやサイクリングなどの運動に積極的に取り組めるよう対策する必要があります」と、ガットホールド氏は言う。

 先進国だけでなく途上国でも、生活習慣の改善や早期発見・治療により改善が可能な、2型糖尿病、心筋梗塞、呼吸器疾患、がんなどの「非感染性疾患」(NCD)の増加が問題になっている。

 最近のNCD政策調査では、日本を含む世界の3分の2の国が、国民の運動不足や不活発を解消するための政策や行動計画を立ち上げていることが報告されたが、実践できている国はまだ少ないのが現状だ。

WHOが「運動推進グローバル行動計画」を立ち上げ

 そこでWHOは2018年6月に、「運動推進グローバル行動計画 2018-2030」(WHO Global Action Plan on Physical Activity 2018-2030)を立ち上げた。

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 この行動計画では、20件の政策分野を組み合わせることで、運動やスポーツをめぐる環境を改善し、運動プログラムを増やすことで、健康で活動的なライフスタイルを促進し、より活発な社会を創造することをめざしている。

 行動計画は、座ったまま過ごす時間をなるべく減らし、ウォーキング、サイクリング、水泳、ダンス、活発なレクリエーションなど、あらゆる年齢の人々が運動やスポーツに取り組むことを奨励するために、国が必要とする政策を示したロードマップだ。

 「活発に体を動かす生活を選ぶために、プロスポーツ選手のようになる必要はありません。エレベータの代わりに階段を使う、近所で買い物するために車ではなく徒歩で行く、自転車で通勤する、そんなことでも十分です。毎日の積み重ねが大切です」と、WHOのテドロス アダノム氏は言う。

 「世界的に、糖尿病、心疾患、がんなどの医療費が増加していますが、それには運動不足が大きく関わっています。運動不足を解消することで、これらの疾患を改善できる可能性があります」と、オーストラリアのシドニー大学のメロディー ディン氏は言う。

女性の運動への参加を促す政策も必要

 男女間に運動の格差もあることが明らかになった。日本の調査でも、とくに若い世代の女性で運動不足が目立つ。

 多くの国で男性よりも女性の方が運動不足が多く、バングラデシュ、エリトリア、インド、イラク、フィリピン、トルコ、米国、英国といった国でその傾向が強くみられる。

 「運動や身体活動についての男女格差は、中央アジア、中東、北アフリカ、南アジアでは顕著です。女性が運動に参加することを促す環境づくりや社会整備が必要です」と、ディン氏は言う。

 「女性が運動する機会を増やし、安全・安価・文化的にアクセスできるよう、社会の体制を整備することが、運動不足を解消するというグローバルな目標を達成するために不可欠です」と、WHOのフィオナ ブル氏は強調している。

Physical activity(世界保健機関)

More active people for a healthier world – The global action plan on physical activity 2018 – 2030-(世界保健機関)

Globally, 1.4 billion adults at risk of disease from not doing enough physical activity(ランセット 2018年9月4日)

Worldwide trends in insufficient physical activity from 2001 to 2016: a pooled analysis of 358 population-based surveys with 1·9 million participants(ランセット グローバル ヘルス 2018年9月4日)

「運動不足」で糖尿病に 日本で3人に1人が運動不足 WHOが報告 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

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