玄米や麦ごはんなどの「全粒穀物」が糖尿病を改善 

睡眠やうつの改善効果も

2020年01月31日

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 全粒粉のパン、玄米、発芽玄米、雑穀米、麦ごはんなどの「全粒穀物」を食べると、糖尿病や肥満のリスクを低く抑えられる。

 全粒穀物を食べる食事スタイルは、睡眠の改善やうつ病予防につながるという研究も発表されている。

炭水化物はすべてが同じではない

 炭水化物を適切に選び、食べる量を調整することは、糖尿病をコントロールするための最良のアプローチとなる。三大栄養素のうち、血糖にすぐに影響するのは炭水化物なので、その摂り方には注意が必要だ。

 「精製された小麦粉や白米などを食べると、炭水化物の量は同じであっても、食物繊維が少ないため吸収が速く、食後の血糖上昇が起こりやすくなります。血糖値をコントロールする必要のある糖尿病の人にとっては勧められるのは全粒穀物です」と、カーラ デュエナス氏は言う。

 デュエナス氏は、米フロリダ州の7つの病院を擁する臨床ケアネットワークであるバプテスト ヘルス サウスフロリダで働く管理栄養士だ。「健康な食生活を実現するために、良質なタンパク質、野菜や果物とともに、全粒穀物を食事に取り入れるべきです」と強調する。

 

白米を玄米に置き換える食事スタイル

 「全粒穀物(ホールグレイン)」とは、精白などの処理で、果皮、種皮、胚、胚乳といった部位を取り除いていない穀物のこと。

 食事で全粒穀物を多く摂ると、精製された穀物の多い食事よりも、糖尿病や肥満、心臓病などのリスクを低く抑えられることが、多くの研究で示されている。

 身近にある全粒穀物として、全粒粉の小麦を使ったパンやパスタ、オートミールなどの食品、玄米、玄米を発芽させた発芽玄米、雑穀米、大麦などの入った麦ごはんなどがある。

 「玄米は全粒穀物で食物繊維が豊富に含まれます。全粒穀物であれば、いくら食べても良いというわけではありませんが、白米を玄米に置き換える食事スタイルは、糖尿病や肥満のある人に勧められます」と、デュアナス氏はアドバイスしている。

不足しがちな食物繊維を摂れる

 糖質は、血糖値を早く上げる「単純糖質」と、ゆっくり上げる「複合糖質」に分けられる。単純糖質はお菓子や果物などに含まれる糖質で、複合糖質は穀類やイモ類、豆類などに含まれる糖質だ。

 複合糖質は、消化・吸収されるまでに、単純糖質へ分解される過程が入るので、吸収に時間がかかり、血糖値を上げる速度が遅い。

 「複合糖質は”健康的な炭水化物”です。精白されていない小麦粉や玄米などの全粒穀物には、複合糖質に似た性質があります。精白される過程で失われてしまう食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、不足しがちな栄養素が豊富に含まれます」と、デュエナス氏は指摘する。

精製された炭水化物は不眠の原因にもなる

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 成人の30%が不眠に悩まされているが、その原因の一端は食事スタイルにあるかもしれない。精製された炭水化物は、女性の不眠症のリスクを高める可能性があるという研究が発表された。

 研究では、とくに糖質を多く含むジャンクフードや清涼飲料などをよく食べる閉経後の女性は、不眠症になる可能性が高いことが示された。

 逆に、食物繊維を多く含む野菜や果物を多く摂取している女性は、不眠症のリスクが低下するという。

 研究は、米国のコロンビア大学バゲロス医科大学院のジェームズ ガンウィッシュ氏らによるもの。

7万7,860人の女性を3年間調査

 「不眠症は薬物療法や認知行動療法で治療されるのが多いのですが、それらは患者の負担が大きく、医療費もかかります。食生活を改善することは、低コストで簡単に実行でき、副作用の心配もありません」と、ガンウィッシュ氏は言う。

 研究は、女性の健康障害を予防・治療するための情報を得るために、米国国立衛生研究所(NIH)が実施している「女性の健康イニシアティブ研究(WHI)」の観察研究のデータをもとにしている。

 研究チームは、WHIに参加した7万7,860人の閉経後の女性と不眠との関連を調べた。食生活についてアンケート調査を行い、1997~2001年まで3年間追跡して調査した。

 食後の血糖値の上昇しやすさを示す指標であるGI値により、参加者を5つのグループに分けて解析した。

 その結果、食事のGI値の高いグループでは、不眠症の発症リスクが16%高く、有病率が11%高いことが明らかになった。また、野菜や果物の摂取量が多いほど、不眠症のリスクは低下することも分かった。

うつ病の発症リスクが下がるという調査結果も

 「食後に血糖値が急上昇すると、血糖を下げるインスリンの分泌が刺激され、高インスリンの状態になるおそれがあります。その結果、血糖値が下がり、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンの分泌が増え、睡眠を妨げられるおそれがあります」と、ガンウィッシュ氏は説明する。

 不眠の引き金となった食品は、果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)を成分とする異性化糖を大量に含む加工食品である可能性がある。そうした食品は自然にはみられないもので、工業的に大量生産され、安く売られている。

 なお、果物にも果糖が含まれるが、食物繊維も豊富に含まれている。果物のGI値は低く、食後の血糖上昇を起こしにくいと考えられている。

 ガンウィッシュ氏らが2015年に発表した、WHIに参加した6万9,954人の女性を対象とした研究では、GI値の高い食事をしている女性は、うつ病の発症リスクが22%高いことも示された。

 「不眠症やうつ病を予防・治療するために、食事を改善して、全粒粉や複合糖質の摂取量を増やすことで効果を得られるかを調べる無作為化臨床試験が必要です」と、ガンウィッシュ氏は指摘している。 Diabetes Control: Healthy Carbs vs. Unhealthy Carbs(バプテスト ヘルス サウスフロリダ 2018年8月9日)

Refined Carbs May Trigger Insomnia, Finds Study(コロンビア大学アービング医療センター 2019年12月11日)

High glycemic index and glycemic load diets as risk factors for insomnia: analyses from the Women’s Health Initiative(American Journal of Clinical Nutrition 2019年12月11日)

[ Terahata ]

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医師明かす「医療技術」の完成…

ウエアラブル端末が糖尿病を発見

女性自身

「医療技術の完成を山登りにたとえると、いますでに9合目まできています。残り1合もこれから5~10年で一気に進展していくといえるでしょう。間もなく医療の完成期、つまり“病気で死なない時代”がやってくるのです」

こう話すのは著書に『Die革命』(大和書房)がある、医師の奥真也さんだ。放射線科医として臨床現場で経験を積み、MBA(経営学修士)も取得。現在では創薬、医療機器、新規医療ビジネスに精通している。

つねに医療の現場の“最前線”を目の当たりにしているからこそ、奥さんが21世紀の医療について語れることも多い。

脳梗塞や心筋梗塞は救急医療、画像診断の発達により、いまでは簡単に命を落とす病ではなくなりました。がんも、がん細胞を狙い撃ちする分子標的薬、チェックポイント阻害剤などの新しい治療法が確立され、様相が激変。20世紀では手に負えなかった病気が、次々に克服されています」

奥さんのいう“残りの1合”を登りきるためのカギになるのは、’10年以降、AIや通信機器などを爆発的に進化させた科学技術。

「間もなく、人間の医師では見逃してしまうような病気の兆候も、AIが見抜くようになるのです」

SF映画のような非現実的な話に感じるかもしれないが、これはすでに実用化されるほどに研究が進められているのだ。私たちにはどんな“医療の進化”が待っているのだろうかーー。

【1】病院に行かなくても治療ができる!

テレビ電話で、協力医療機関の医師と通話。診断をもとに、近所のドラッグストアで薬を買ったり、必要があれば通院するーー。このようなオンライン診療(遠隔診療)が進めば、仕事に追われている人が勤務先で診療を受けることも可能だ。

「とりあえずはわざわざ病院に行くこともないので、『病院でインフルエンザに感染した』などといった感染リスクも下げられます。診療行為の責任の所在を明確にする議論は必要ですが、人間の医師ではなく、AIの診断で完結させることも可能になるでしょう」

【2】スマートウオッチで糖尿病が発見できる

スマホの進化と同様、開発がどんどん進んでいるのが時計型の“スマートウオッチ”に代表される、身に着ける端末機器(ウエアラブル端末)。

アップル社が発売している「アップルウォッチ」は、現在でも睡眠時間の管理や、運動メニューの作成に活用できる。今後は病院で受けていた検査項目も、手軽に測定できるようになるという。

「米国FDA(アメリカ食品医薬品局)は、アップルウォッチで測定できる心電図を許可しています。さらに、同じく米国のカルディオグラム社は、アップルウォッチで測定した心拍数の変動によって、糖尿病の診断をする技術を開発したのです」

日常で私たちが身に着ける端末機器で、採血をせずとも、血糖値の測定が正確にできる時代もごく近いだろう、と奥さんは予想する。

【3】超小型ドリルでコレステロール削取

薬サイズのカプセル内視鏡を飲めば、負担のある胃カメラや大腸内視鏡検査をすることなく、画像診断ができる技術はすでに実用化されている。

「保険適用はクローン病患者や通常の内視鏡が困難な場合などに限定されていますが、オリンパス社が業界をリードしています」

このように体内からアプローチすることで、患者の負担を軽減する治療技術も、開発が進められているという。

「動脈硬化を起こし、狭窄してしまった血管内のコレステロールを削り取る超小型のドリル『ロータブレーター』という技術もすでにあります。これを使えば、直接的に血流を改善できるのです」

【4】“ゲノム編集薬”で病気にならない体に

「たとえば、お酒を飲んで気持ち悪くなったり、顔が真っ赤になる人は、アルデヒドという物質を水に分解する遺伝子の機能が弱いことが解明されています。遺伝子の機能は、別の遺伝子によって弱められているのですが、その邪魔な遺伝子を取り除く“ゲノム編集”という技術も、実現の道筋はついています」

狭心症や心筋梗塞などの心疾患や、がんにも発症にかかわる“遺伝的な因子”があることがわかっている。薬などを投与することで、これらの遺伝子を取り除いたり無効化することができれば“病気にならない体”を作ることが可能になるのだーー。

最先端医療が完成すれば、人間の寿命も飛躍的に延ばすことができると奥さんは語る。

「こうした技術が完成すれば、人間は120歳まで生きられる可能性が出てきます。人生はどんどん長くなることが考えられますから、諦めかけていた夢にまた挑戦する、高齢からでも新しい目標に向かって頑張るなど“生き方”も見直されることになるのではないでしょうか」

最先端の医療技術は、治療だけでなく、人生を変えるものになるはずだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200130-00010005-jisin-soci

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睡眠時間が短いと夕食後のカロリー摂取と体重が増える

【進化する糖尿病治療法】

日刊ゲンダイDIGITAL

 

【進化する糖尿病治療法】

 患者さんによく言っていることのひとつが、「睡眠をしっかり取ってください。質の良い睡眠を取れるようにしてください」です。なぜなら、慢性的な睡眠不足が、糖尿病や肥満のリスクを上げることは研究ではっきりと分かっているから。

 中には「平日は仕事で忙しくて十分な睡眠時間を確保できない。だから休日に寝だめをするようにしている」という人もいるかもしれません。しかし、寝だめは生体リズムを狂わせ、夜になってもなかなか眠くならず、一方で朝の目覚めを悪くします。

 さらには、慢性的な睡眠不足と同様に、糖尿病や肥満のリスクを高めるのです。

 コロラド大学ボルダー校のケネス・ライト教授が、こんな研究結果を発表しています。それは、3つの健康パターンの影響を見たもの。

 まず、36人の健康な男女をランダムに3つのグループに分け、1つ目のグループには「毎晩9時間までの睡眠」、2つ目のグループには「睡眠時間を5時間に制限」、3つ目のグループには「睡眠時間を5時間に制限して5日間過ごし、次の2日間は好きなだけ遅くまで寝てもらう。そしてまた睡眠時間5時間に制限する」というようにしました。3つ目のグループは、つまりは「平日は睡眠不足、休日の2日間は寝だめ」ということですね。

 9日間、それぞれの睡眠パターンを取ってもらい、インスリンなどを調べたところ、「睡眠時間を5時間に制限」のグループでは、血糖を調整するインスリンが正常に働かなくなる「インスリン抵抗性」が高まり、夕食後のカロリー摂取と体重が増えていました。さらに、「5日間、睡眠時間を5時間に制限し、2日間、好きなだけ遅くまで寝てもらう」グループも、週末に睡眠時間を多く取ると夕食後のカロリー摂取は減少するものの、5時間睡眠に戻るとインスリン感受性が減少し、カロリー摂取量と体重が増えるという結果だったのです。また、高血圧のリスクも増やすという報告も多くあります。

 すでに糖尿病の人では血糖コントロールをよくするためにも、睡眠時間を7時間は確保してほしい。

 しかし、仕事でそれが難しい人もいるでしょう。そういう場合は、上手に昼寝を取り入れてほしいと思います。職場の昼休み、早めに昼食を済ませ、20分ほど昼寝を取るだけでも随分と違います。ぐっすり眠れなくても、目をつむっているだけでも、リフレッシュ効果を得られます。電車での移動時間などが多い人は、座っていられるなら、寝るか目を閉じるかして少しでも睡眠量を稼いでください。

■夜中にスマホはぜひともやめて

 ところで、私が問題視しているのは、仕事による睡眠不足に加え、スマートフォンによる睡眠の質の低下です。仕事で睡眠不足になるのは、言ってみれば仕方がないことです。しかし、ただでさえ睡眠が少ない上に、夜中にスマートフォンでネットサーフィンをしたり、SNSを見たりするのは、ぜひともやめてほしい。

 スマートフォンの光はブルーライトといって光の中で波長が短く、エネルギーが強いといわれています。夜にブルーライトを見ると、ガングリオンセルという視細胞が光を感知し、体内時計の重要な中枢といわれる脳の視床下部にある視交叉上核に情報が伝わります。すると、脳は「昼」と勘違いし、睡眠を促すメラトニンというホルモンが作られる松果体に伝えられ、メラトニンの分泌が抑制されるのです。結果、眠れなくなってしまう。

 最近は、子供も布団の中でスマートフォンで友達とラインのやりとりをしたり、フェイスブックやインスタグラムなどをチェックしたりして、睡眠不足に至っています。肥満の子供が増えていることがずいぶん前から指摘されていますが、本来は肥満になりづらい小学生や中学生のうちから肥満でいると、糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症が20代、30代と早くなることも十分に考えられます。

 睡眠の質が悪ければ、睡眠時間を長めに確保しても疲労はとれません。夜は思い切ってスマートフォンの電源を切る。枕元にはスマートフォンを置かない。きょうから、家族全員で始めてください。

(坂本昌也/東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200128-00000017-nkgendai-hlth

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新型コロナウイルス発症者多い年齢層

糖尿病や高血圧が症状に影響か

2020年1月26日 午前7時19分

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【まとめ】新型肺炎の症状の特徴や高リスクの対象者

 

 新型コロナウイルスによる肺炎の特徴が、世界保健機関(WHO)や中国の研究チームによる分析で少しずつ明らかになってきた。発症者の7割が40歳超という報告があるなど中高年に多く、高血圧や糖尿病などの持病がある人はリスクが高いという。日本での対策を考える重要な材料となりそうだ。

 英医学誌ランセットに24日掲載された、中国・武漢市での流行初期に入院治療を受けた患者41人についての報告などによると、患者の主要な症状は発熱やせき、筋肉痛など。発症後しばらくは症状が軽いが、約1週間後から悪化して入院する例が多かった。

 効果的な治療薬はなく、症状を和らげる対症療法が中心。重症者には過剰な免疫反応がみられ、これは2003年に世界に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)との共通点という。

⇒【まとめ】感染予防対策はインフルエンザと同様

 WHOによると、2020年1月22日までに中国から提出された約290人のデータでは、患者の72%は40歳を超えており、40%は糖尿病、高血圧、心血管疾患などの持病があった。こうした疾患が病状に影響を与えている可能性がある。ランセットの報告でも同様の傾向が見られたが、WHO幹部は「若い患者は心配ないということを意味するものではない」と指摘している。

 感染者は全員発症するわけではないことも判明。別の中国チームの報告によると、深セン市の男児(10)は、発熱やせきなどの症状がないにもかかわらずウイルスを保有していた。

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最新論文から明らかになってきた

新型コロナウイルス感染症の特徴

1/25(土) 11:36

 

この数日で一気に学術誌に新型コロナウイルス感染症に関する論文が掲載され始めました。

感染症のアウトブレイクの際の論文化のスピードは年々早くなっていますが、ついにここまで来たかと思うほどのスピードとクオリティです。

その中で臨床症状について詳細が記載されたものがありました。

これまでに明らかになっていなかった情報もいくつかありますのでご紹介します。

やや専門的な内容も含まれますが、できるだけ分かりやすく記載しました。

患者の特徴

2020年1月2日までに新型コロナウイルス感染症と診断された41人に関して、

・73%が男性

・32%が何らかの持病がある(糖尿病20%、高血圧15%、心血管疾患15%など)

・年齢の中央値は49.0歳(四分位範囲 41-58歳)

・66%に華南海鮮市場への何らかの接触があった

・41人全員に肺炎あり

・合併症として急性呼吸促迫症候群29%、ウイルス血症15%、急性心障害12%、二次感染10%などがみられた。

・32%が集中治療室に入室し、15%が死亡した

TheLancet. A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family clusterより引用)

15%が死亡、と聞くと今の報道よりも多いと思われるかもしれませんが、当初武漢で報告されていた41人の患者に関する報告であり、全員入院患者ですので重症患者が多いという特徴があります。

現在は軽症例も診断されている状況にあり、これよりも致命率はずっと低くなっています。

男性が多いのは、海鮮市場の関係者が多いことに起因しているものと思われます。

症状の頻度

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新型コロナウイルス感染症の入院患者41人の臨床症状

報道にもありましたが、発熱の頻度は高いものの、熱が出ない症例も稀にあるようです。

頻度が高い症状は咳、筋肉痛・だるさ、痰、頭痛などです。

これは一般的な肺炎の臨床症状と大きく変わりありませんが、ウイルス性に起因するためか痰のある症例が少ない印象です。

半分以上の症例で呼吸苦が出現していますが、全て肺炎がある入院患者ですので、軽症例まで含めるともっと少ない可能性があります。

発症からの典型的な経過

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発症からの典型的な経過

発症してから入院し、重症化するまでの典型的な経過についても分かってきました。

発症からしばらくは症状は軽く、発症から1週間くらいで症状が強くなり入院、8日目くらいに呼吸苦が出現、重症例では9日目くらいから急性呼吸促迫症候群という合併症を起こし、10日目以降に集中治療室に入室するという経過のようです。

これも重症例が中心である点を差し引いて解釈する必要があります。

海鮮市場との接触について

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海鮮市場との接触と発症日について

海鮮市場との関連が当初から指摘されていましたが、海鮮市場との接触があるのかどうかと発症日についても記載されていました。

最も早く、12月1日以前に発症していた患者は海鮮市場との接触はなかった、とのことですが、12月10日以降の症例では海鮮市場との接触のある症例が増えており、12月23日に発症者数がピークを迎えています。

海鮮市場との接触のない人も発症していることからは、すでにこの時期から人から人への感染が起こっていた可能性が示唆されます(別の論文では感染から発症までの潜伏期は7日未満と推定されています)。

 

臨床症状についてまだ明らかになっていない点

重症例の報告が中心であり、どれくらいの頻度で軽症例がいるのか

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今診断されている患者は氷山の一角かもしれない

こうした新興感染症の特徴として、重症例から先に診断され、後に軽症例が見つかってくる特徴があります。

これは原因精査は重症例が多数出たときに開始されるものであり、自然治癒する軽症例は原因が不明であっても検査は行われないためです。

今回発表された内容は重症例が中心ですが、軽症例の頻度、あるいは感染しても症状が出ない症例がどれくらいの割合でいるのかが明らかになるまではもうしばらくかかるものと思われます。

その頃には軽症例が増え、今の致命率(2-3%)よりも低くなっているのではないかと予想します。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200125-00160270/

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糖尿病の原因に「血管老化」 

世界初、発症仕組みを神戸薬科大准教授ら発見

 

 血管の老化によって体の脂肪細胞の機能が低下し、糖尿病発症につながる仕組みを発見したと、神戸薬科大(神戸市東灘区)の池田宏二准教授らが24日、発表した。血管の老化が、他臓器で起こる疾患の直接的な原因となることを証明したのは、世界で初めて。研究成果は日本時間の同日、英科学雑誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に掲載された。(篠原拓真)

 血管は全ての臓器や人の老化に重要な役割を果たすとされてきたが、これまで、血管の老化と病気との直接的な関係は明らかになっていなかった。

 今回の研究では、血管内側の内皮細胞を通常の過程で老化したもの、意図的に老化させたもの、若いものの3種類を用意。それぞれから出た物質が混じる各培養液で脂肪細胞を育てると、若い内皮細胞以外の培養液で、脂肪細胞が早期老化することが分かった。

 細胞は老化すると、体内で炎症を起こすタンパク質などを分泌し、健全な細胞に悪影響を及ぼす(SASP)とされる。研究でも、老化した血管内皮細胞から出たタンパク質が、脂肪細胞に影響を与えていた。

 血糖値を下げるホルモン「インスリン」は、脂肪細胞とつながり、同細胞にブドウ糖を取り込むように働きかける。そのシグナルを脂肪細胞内に伝えるタンパク質「IRS-1」は、老化した脂肪細胞では減少する。そのため脂肪細胞が老化するとシグナルが送られにくくなり、インスリンの作用不全を引き起こして糖尿病リスクが高まることが分かった。

 池田准教授らによると、マウスの研究でも同様の結果が出たという。今後は治療法開発とともに、他の臓器で起きる病気と血管老化との関係について研究を進める。池田准教授は「治療法開発はまだ先の話だが、世界の研究者を巻き込んで、より前に進めていきたい」と語った。

神戸新聞NEXT|医療ニュース|糖尿病の原因に「血管老化」 世界初、発症仕組みを神戸薬科大准教授ら発見

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糖尿病は根治できる? 

体にたまった過剰な脂肪が糖尿病の原因

2020年01月24日

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 2型糖尿病は肝臓と膵臓で過剰な脂肪が蓄積されることで引き起こされるという研究が発表された。

 “いったん糖尿病になったら一生治らない”と言われることが多い。しかし、肥満のある人は、食事療法で体重を減らし、体にたまった余計な脂肪をなくせば、糖尿病を根治できる、少なくとも血糖コントロールを大きく改善できるという。

肝臓と膵臓にたまった脂肪が糖尿病の原因

 英国のニューカッスル大学のロイ テイラー教授らは、肥満のある2型糖尿病の人は、カロリーを適切に調整した食事により、体にたまった余分な脂肪を取り除けば、糖尿病が「治った」状態を維持できるという研究を2017年に発表した。

 テイラー教授によると、2型糖尿病には共通する病態があるという。

・ 過剰なカロリー摂取により肝臓に過剰な脂肪がたまる。その結果、血糖を下げるインスリンに対する肝臓の反応が鈍くなる(インスリン抵抗性)。

・ インスリン抵抗性が起こっても、はじめのうちは膵臓のβ細胞から多くのインスリンが分泌され、血糖値を一定に維持しようとする。すると全身で脂肪がたまりやすくなる(高インスリン血症)。  やがてβ細胞は疲弊し、インスリンの分泌が悪くなる。そうなると、血糖値は上昇する。

 2型糖尿病の人の多くに肥満がみられる。肝臓にたまる脂肪は、皮下脂肪、内臓脂肪に続く第3の脂肪ともいうべきもので、放置していると血糖コントロールの悪化の原因になるだけでなく、動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす。

 脂肪は肝臓だけではなく、膵臓にもたまる。そうなるとインスリンの分泌はさらに悪くなる。早い段階で発見し、食事や運動などの治療を開始することが大切だ。

体脂肪を減らせばβ細胞は再び正常に機能しはじめる

 英国の国民保健サービス(NHS)が実施し、英国糖尿病学会(Diabetes UK)が支援した大規模な研究「DiRECT」では、体重コントロールに着目した新しいアプローチにより、2型糖尿病をどれだけ改善できるかが検討された。

 研究グループは、発症後6年以内でBMIが30以上の肥満のある2型糖尿病患者を対象に、食事療法や運動療法を中心とした集中的な体重コントロールに取り組む介入群と、従来通りの治療を行う対照群にランダムに割り付けた。

 介入プログラムに参加した149人の患者は、徹底した低カロリー食を続け、ウォーキングなどの運動を毎日行い、専門のスタッフによる食事や運動、ストレスへの対処や睡眠などについてのアドバイスを受けた。

 その結果、介入群では46%(68人)が血糖コントロールが改善し、12ヵ月でHbA1cの値が6.5%未満に下がり、糖尿病から離脱できたことが明らかになった。多くは薬を飲む必要もなくなったという。

 2型糖尿病から離脱できた人と、そうでない人を比較したところ、離脱できた人は体重10kg以上減らしており、36人(24%)は体重を15kg以上減らした。

 2つの群の最大の違いはインスリンを産生するβ細胞だと考えられている。減量により血糖コントロールが安定した群では、β細胞は再び正常に機能しはじめ、体が必要とする適切な量のインスリンを分泌するようになった。

体重を落としたらその状態を維持することが重要

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 食事をコントロールし、体の脂肪の蓄積が減ると、膵臓でのインスリンの産生が改善する。2型糖尿病の人は、発症後10年以内なら、肥満を解消し肝臓と膵臓に蓄積した脂肪を減らすだけで、糖尿病が「治った」と同じ状態を維持できると、テイラー教授は指摘している。

 テイラー教授らは「DiRECT」研究の2年後に、参加者を対象に健康診断を実施。その結果、糖尿病から離脱した人の半数は糖尿病を再発していなかったが、一部の参加者は糖尿病が再発しており、体重も元に戻っていた。

 糖尿病から離脱した人の血液を検査して、肝臓で生成される中性脂肪(トリグリセリド)を測定したところ、正常値であることが確認された。また、内臓をスキャンした結果から、膵臓にも脂肪が蓄積されておらず、インスリン分泌機能も正常であることが分かった。

 一方、体重が増え、糖尿病を再発してしまった人の血中トリグリセリド値は、糖尿病が寛解した時に比べて上昇しており、膵臓にも脂肪が蓄積されていた。

脂肪は肝臓や膵臓にもたまる

 「体重が標準体重を超える肥満の人にとって、減量がいかに重要であるかが示されました。とくに肝臓や膵臓に脂肪が蓄積された状態は危険です。2型糖尿病と診断され、肥満があったら、体重を減らすことにすぐに取り組むべきです」と、テイラー教授は述べている。

 テイラー教授によると、皮下に蓄えられる脂肪量には個人差があり、この限界量を超えると脂肪は肝臓に蓄積され、さらに脂肪が増えると膵臓にも蓄積される。これにより、膵臓でインスリンを生産しているβ細胞が疲弊し、2型糖尿病が引き起こされる。

 脂肪肝の治療の必要性が広く説かれるようになったが、脂肪は膵臓にもたまることにも注意を向ける必要があるとしている。

 しかし、このプロセスは可逆的であり、食事療法と運動療法で体にたまった余分な脂肪を減らせれば、糖尿病を発症する以前の状態に戻すことができる――こうしたメカニズムを、テイラー教授は「ツインサイクル仮説」と呼んでいる。

糖尿病を発症する以前の体に戻すことができる

 テイラー教授は、2型糖尿病は「過剰な脂肪が肝臓から膵臓にあふれだし」発症すると表現している。2011年に発表した研究では、低カロリー食によってカロリー摂取量をコントロールすると、肥満が解消され、脂肪蓄積が引き起こす負のサイクルが一気に逆転しはじめることが確認された。

 「大切なことは、食事や運動などの生活習慣の改善を徹底して行えば、糖尿病を発症する以前の状態に戻すことは決して不可能ではないということです。糖尿病の発症が分かったら、すぐに生活習慣の改善を始めるべきです。介入が早いほど成功する可能性は高くなります」と、テイラー教授は言う。

肥満の人は時間をかけて計画的な減量を

 過剰な脂肪の蓄積を減らすにはどうすればいいのだろうか。テイラー教授は、まずはゆっくりと体重を減らすことを勧めている。脂肪肝のある人では、半年から1年をかけて体重の7~10%を落とすと、内臓脂肪や脂肪肝は改善する。体重70kgの人なら5~7kg程度の減量になる。

 体重を落としたら、その状態を維持することも重要だ。いったん過剰な脂肪の蓄積をなくして血糖コントロールが改善しても、再び脂肪が増えはじめると、やがて血糖値は上昇するようになる。

 低カロリー食によってカロリー摂取量をコントロールし、時間をかけて計画的に体重を減らしていけば、リバウンドする可能性を減らすことができる。さらには、運動などを併用し筋肉を増やすようにすると効果的だ。

 NHSは2020年に、イングランドとスコットランドで最大5,000人を対象に、短期間の集中的なコントロールにより、2型糖尿病を改善できるかを調べる試験を開始する予定だ。

Overspill of fat shown to cause Type 2 diabetes(ニューカッスル大学 2019年12月20日)

Weight loss can put Type 2 diabetes into remission for at least two years – the latest findings from DiRECT(英国糖尿病学会 2019年3月6日)

Hepatic Lipoprotein Export and Remission of Human Type 2 Diabetes after Weight Loss(Cell Metabolism 2019年12月19日)

Type 2 diabetes is a reversible condition(ニューカッスル大学 2017年9月15日)

Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial(Lancet 2018年2月10日)

Beating type 2 diabetes into remission(BMJ 2017年9月13日)

[ Terahata ]

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高齢の糖尿病患者では食べる量が少ないことも

死亡リスクを高める

 

 高齢の糖尿病患者では「食べ過ぎ」だけでなく「食べなさ過ぎ」が死亡リスクの上昇と関連しているとの報告が「Geriatrics & Gerontology International」オンライン版に12月10日掲載された。東京都健康長寿医療センターの大村卓也氏、荒木厚氏らの研究グループが「J-EDIT研究」のデータを解析した結果、明らかになった。

 J -EDIT研究は65歳以上の高齢糖尿病患者への治療介入効果を検証した多施設共同研究。今回はこのJ -EDIT研究登録者のうち、食事摂取に関する記録がある患者756人を対象とした。アンケートの回答から推定した摂取エネルギー量を体重当たりに換算した値で全体を四分位に分け、6年間前向きに追跡し全死因による死亡率との関連を検討した。

 対象者の摂取エネルギー量は1,397~2,086kcalの範囲に広がり、最も多い第4四分位群(2,086±361kcal)は最も少ない第1四分位群(1,397±223kcal)の約1.5倍摂取していた。実測体重1kg当たりの摂取エネルギー量は、第1四分位群から順に、24.85kcal/kg以下、24.86~29.73kcal/kg、29.74~34.78kcal/kg、34.79kcal/kg以上だった。なお、4つの群の指示エネルギー量の平均は1,458~1,490kcalの限られた範囲にあった。

 追跡期間中に59人が死亡した。年齢、性別、BMI、HbA1c、収縮期血圧、LDL-C、eGFR、身体活動量、虚血性心疾患や脳卒中の既往、低血糖の頻度、および蛋白質摂取量で調整の上、死亡リスクを検討すると、摂取エネルギー量が最も少ない群と最も多い群ともに死亡リスクが上昇するU字型の関係が認められた。具体的には、第3四分位群を基準として、第1四分位群のハザード比は3.83、第2四分位群は0.92、第4四分位群は1.60であり、第1四分位群は有意にリスクが上昇していた(P=0.002)。

 最近まで指示エネルギー量算出の基準とされてきた標準体重〔身長(m)×身長(m)×22〕当たりの摂取エネルギー量で検討した場合も、同様にU字型の関係が認められた。ただしリスクが最小の第3四分位群の摂取エネルギー量は31.45~36.42kcal/kgであり、これは身体活動強度「中等度」の場合に用いる係数(30~35kcal/kg標準体重)に近いことから、身体活動強度「軽度」の係数(25~30kcal/kg標準体重)で摂取エネルギー量を設定すると、多くの高齢糖尿病患者に摂取量不足を招くと考えられた。

 さらに、このような摂取エネルギー量と死亡リスクの関係は、炭水化物、脂肪、食物繊維の摂取量で調整しても保たれていた(蛋白質については前記の検討時に調整済み)。よって高齢の糖尿病患者では、特定の栄養素の摂取量の多寡とは無関係に、十分なエネルギー摂取を確保することが重要であることがわかった。

 なお、今回の検討で最もリスクが高かった第1四分位群は、摂取エネルギー量と身体活動量が少ないにも関わらずBMIが最も高値で、サルコペニア肥満患者が多く含まれていた可能性があり、そのことによる死亡リスク上昇への影響が考えられた。また対象を65~75歳未満と75歳以上に分けて検討すると、75歳以上では第3四分位群が最も低リスクだったが、65~75歳未満では第2四分位群のリスクが最低であり(第3四分位群に対してハザード比0.63)、より高齢な患者ほど摂取エネルギー量不足の影響が大きいことが示唆された。

 これらの結果から研究グループは「高齢の糖尿病患者には、年齢を考慮し過不足なく摂取エネルギー量を設定することが望ましい」とまとめている。

[2020年1月6日/HealthDayNews]Copyright (c) 2020 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

https://www.carenet.com/news/general/hdnj/49313

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1型糖尿病のアスリート、「症例報告」の時代から次のステップへ

小児期から若年期に発症することが多い1型糖尿病では、インスリン分泌が枯渇し生存のためにインスリン療法が必須となる。低血糖のリスクは、インスリン分泌がいくらかは保たれている2型糖尿病より高く、そのような病態で運動することは低血糖リスクをより高めるために、1型糖尿病患者の運動は長い間、積極的に推奨されてこなかった。さらに1型糖尿病でありながらアスリートとして活躍するようなケースは稀であり、それが実現された場合、症例報告として発表されたり、マスコミで大きく取り上げられる時代が続いていた。しかしそのような時代は終わりを告げようとしている、というのが本レビューの趣旨である。

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1型糖尿病における運動の意義

身体活動や運動は糖尿病関連合併症の予防と管理のためのセルフケアにおいて重要であることは論を俟たない。1型糖尿病においても同様であり、最近も自己申告による余暇時間における身体活動量と合併症の有病率が逆相関することなどが報告されている。しかしながら身体活動量を適切にコントロールしないと血糖値は急激に変動し、とくに低血糖リスクが高まる。この点が、1型糖尿病患者の60%が身体的に不活発であるとされる大きな理由である。また同じ1型糖尿病でも女性患者は男性患者に比べより身体活動量が少ないことが報告されている。

しかし、インスリン製剤や血糖測定システムに関する技術革新は、かつてに比し血糖管理を遥かに容易なものにしてきている。加えて過去50年にわたる知見の蓄積が強い味方となっている。

糖尿病と運動に関する初期の研究

インスリンが発見された当時の糖尿病治療の主要ターゲットは、現在のような2型糖尿病中心ではなくむしろ「より重度な糖尿病」と考えられていた1型糖尿病であった。そして、その「より重度な糖尿病」に対して、運動はほとんど効果がないと考えられていた。

その後、運動により血液中のグルコース量が減ること、運動を行う日はインスリンの投与量を減らし食物摂取を増やすべきであることが徐々に明らかになってきた。しかし運動時にどの程度インスリン投与量を減らせばよいのかは個人によって大きく異なること、インスリン投与量を変更せずに20分以上運動を継続する場合は炭水化物の補食がほぼ必ず要することなども、同時に明らかになってきた。

運動強度の重要性

運動に伴う低血糖を防ぐために補食として炭水化物をとる必要があることは、1型糖尿病患者に対し潜在的な体重・血糖管理上のメリットを減少させるかもしれないと考えられたことから補食以外の方法により低血糖を防ぐ手段が模索された。そうした中、直感的な理解に反するが、運動強度を上げると血糖値の低下を防ぐように作用することがあるとわかってきた。

1980~90年代には既に、嫌気性活動で発生する筋肉でのグルコース消費の増加レベルとは不釣り合いな肝グリコーゲンの分解亢進や、カテコールアミン誘発性高血糖が生じることが明らかになっていた。しかし高強度の運動を終了した後の低血糖リスクや、高強度のインターバル運動時にも低血糖に対して保護的作用を発揮するのか否かについては結論が出ていない。

現在の推奨

米国糖尿病協会と米国スポーツ医学会の双方により、1型糖尿病患者の運動に関するエビデンスに基づく推奨事項が公表されている。それによれば、1型糖尿病患者も一般人と同様に週に150分以上の中等度から高強度の運動が推奨される。また、週に2~3回はレジスタンストレーニングを行うこと、連日激しい運動を続けることは避けたほうが良い可能性があることなども記されているが、無作為化比較試験のデータはなく、エビデンスレベルは高くない。

2017年には「1型糖尿病の運動管理」というコンセンサスステートメントが発表された。1型糖尿病のアスリートや活動量の多い患者が活用できる内容だ。ただし年齢や性別による相違が考慮されていない点に注意を要し、推奨事項の適用に際しては個別に判断することが望まれる。

低血糖リスクを抑制する方法

低血糖リスクを高めるため、インスリンの筋肉への投与は避けるべきである。また、環境温度も重要で、寒冷ではインスリンの分布が遅くなり高血糖になりがちだが、温暖の場合はその反対のことが起きる。

有酸素運動中にレジスタンストレーニングや高強度の負荷を含めることも、血糖値の低下を抑制するかもしれない。また現在のガイドラインには記載されていないが、午前中の空腹時のレジスタンストレーニングや高強度運動は、午後の摂食後の運動とは対照的に、血糖値を上昇させる可能性がある。これは、食事に関連し投与するボーラスインスリンがないことによる循環血液中のインスリン量の減少と、脂質利用を亢進する成長ホルモンやコルチゾールレベルが高いことによるものと考えられる。よって一部の1型糖尿病患者には朝食前の運動が推奨されるケースがある。

技術革新

1980年代初頭に家庭用の血糖測定器(self monitoring of blood glucose;SMBG)が販売されたとき、1型糖尿病の治療に革命がもたらされた。その後の技術革新は目覚ましく、インスリン製剤の進歩と相まって、安全に運動を行うための土台がより堅固なものになってきた。SMBGの登場からわずか20年後には最初の連続血糖測定システム(continuous glucose monitoring;CGM)が市販されている。

CGMと超速効型インスリンは1型糖尿病アスリートの運動関連の安全性を各段に向上させた。運動中にCGMセンサーの感度が低下することが報告されていることは懸念材料ではあるものの、運動中の血糖モニターに関し概ね良好に機能しているように思われる。

将来の可能性

CGMにより把握した血糖変動からその後の血糖変動を予測し、低血糖や高血糖回避のためにインスリン投与速度を自動的にコントロールする、クローズドループインスリンポンプが臨床に利用されつつある。さらに、血糖上昇ホルモンであるグルカゴンも投与可能なデュアルホルモンシステムも治験が進んでいる。血糖予測アルゴリズムやセンサー精度のさらなる進歩も加わり、1型糖尿病患者に低血糖の恐怖が全く障壁とならないようになることが期待される。

一方、膵島移植も1型糖尿病治療のもう1つの選択肢である。移植レシピエントの運動に伴う低血糖リスクは、非糖尿病者と比較し大きくないことが報告されている。膵島移植後のウルトラマラソンアスリートにスポットを当てた症例報告も存在する。なお、ドナーの必要性や移植後の生涯にわたり免疫抑制剤の使用であることは、引き続きネックと言える。

運動はもはやリスクではない

運動に関する血糖管理は1型糖尿病患者にとって依然として課題であるものの、このハードルを克服するための情報、ツール、リソースの利用可能性は過去50年間で大幅に改善された。これらの進歩は、プロスポーツ、高レベルアマチュアスポーツでの活躍を目指す1型糖尿病エリートアスリートが増加したことにも示されている。また身体活動や運動は、もはや回避すべきリスクではなく、むしろ1型糖尿病の人々の健康に保持・増進に欠かせないものとなった。

文献情報

原題のタイトルは、「The Athlete with Type 1 Diabetes: Transition from Case Reports to General Therapy Recommendations」。〔Open Access J Sports Med. 2019 Dec 6;10:199-207〕

原文はこちら(Dove Press)

 

経済的に発展した諸国では肥満が公衆衛生上の共通した問題であり続けている。その背景としてエネルギー含有量の高い食品が広く流通し、人々に好まれている状況がある。当然ながら、個人個人が食べるものを選択するにあたり、食品の「味」は大きな意味をもっている。本論文は、食品の「味」とエネルギー摂取量の過多、および低栄養の関連についての総説。

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味覚と栄養素の間に横たわる4つの問題

食品に含まれる栄養素は、9種類の主要栄養素の合計として表されるNRF(nutrient rich food)スコアで評価可能。NRFスコアの高い(つまり栄養素の豊富な)食品を多く含む食事は健康促進的でエネルギー摂取量が抑制される傾向がある。反対にNRFスコアが低い(つまり栄養素の乏しい)食品を多く含む食事は体重増加と負の健康と関連している。

今日の工業化された食糧供給システムは、後者のNRFスコアが低い食品が大きな割合を占める結果につながっている。これらの食品は、高用量の砂糖と飽和脂肪、ナトリウムが使われていることが多く、大量で低価格であり、かつ使いやすさのために高度に加工されており、簡単に食事に供される。このような食品の味と栄養の関連は、以下の4つのポイントで考える必要がある。

まず、人が食べ物を食べる時、味をもとに含まれている栄養素、添加物を容易に判断できるわけではないという点だ。例えばパンに含まれるナトリウムは同量のナトリウムを含むチップスより塩味は少ない。

第2に、技術革新によって味覚と栄養組成を分離することが可能になった。具体的には非栄養甘味料は、エネルギー量のない甘味食品を出現させ、甘味によるエネルギー量の判断を困難にしている。

3つ目のポイントは、健康的な食品と非健康的な食品の双方に共通する特定の味が存在することだ。例えば栄養が豊富な果物と、栄養が乏しい砂糖入り飲料はともに甘味がある。また苦みはビールなどのアルコール飲料に多いだけでなく、ブロッコリーや芽キャベツなどの栄養が豊かな食品にもある。

最後に、味の相互作用の問題が挙げられる。一例として苦味は甘味を抑制するために、味覚による栄養素の判断が正しくない結果につながることがある。また、栄養の乏しい食品に砂糖やナトリウム、脂肪が添加されやすい一方で、栄養の豊かな食品にはそのような手が加えられることが少ないことを考慮すると、栄養が豊かな食品はそうでない食品よりも味が薄いことが多いと考えられる。

栄養の少ない食品を好む味覚が、どのように発達するのか?

新生児に苦味のあるものを与えた時の症状から、ヒトは出生時、既に苦味を識別可能と考えられる。また甘味に関しても同様に、新生児は普通の水よりもショ糖を加えた水を好む。これらは、危険の回避と成長・発達に必要なエネルギーを確保するという進化上のメリットにつながる。実際に、幼児期に甘味を好むことは身体の成長スピードの速さと関連するとの報告が複数みられる。

塩味に関して新生児は無関心のように思われる。生後4~6カ月の乳児期には、塩辛い水に優先的に応答するような反応が見てとれる。幼児期(約3歳)になると塩味に拒否反応を示し始める。ただしその場合も文化的に受け入れられている塩辛い食べ物に対する好みは引き続き高いまま持続する。

脂肪乳剤に関しては新生児・乳児ともにほとんど無関心のようだ。苦味が明らかに新生児・乳児から拒否されるのと同様に、酸味も嫌われるようだ。1歳半前後の幼児の5分の1から3分の1は砂糖溶液中のクエン酸を好む。このような幼児は、クエン酸に興味を示さない幼児よりも果物の摂取量が増えることがわかっている。

このような新生児から乳幼児期の味に対する興味や好みは、成長に伴う学習によって変化していく。成人後であっても味の好みは個人内で一定せず、精神生理学的状態、空腹感などによって変化する。

 

甘味・塩味・脂肪味と食事摂取

甘味と食事摂取

甘味と食事摂取量の間に介在する最も強力で潜在的な関連は、快楽との関連である。一般的に甘味が好きな人は、栄養の乏しい食品である精製糖と全糖からより多くのエネルギーを摂取する。しかし、甘味と食物の摂取の関連を検討した17件の研究の系統的レビューからは、甘味の感受性と食事摂取パターンとの関連は認められないと結論付けられた。甘味そのものはエネルギー摂取量との高い相関は存在しないようだ。

塩味と食事摂取

塩味の好みと摂取量は関係が認められる。成人対象の縦断的研究は、食品の塩分を変えると、塩味の好みが変化し、塩味の強度が知覚されることを示唆している。具体的には、ナトリウム量の低い食事を続けると、被験者は塩分レベルが低いことを好むようになる一方で、ナトリウム摂取が増加すると、より好ましいと感じるナトリウムレベルが増加する。これらの研究は、食塩の味覚と好みは、食事のナトリウム摂取量を変えることで修正できることを意味する。

脂肪味と食事摂取

脂肪味受容体が刺激されると、GLP-1(glucagon-like peptide-1)やCCK(cholecystokinin)といった満腹ホルモンが放出され、満腹感が生じる。いくつかの研究では、脂肪の味覚感受性と肥満との間に有意な関連性が認められた。肥満の人は脂肪味に対する感度が低い可能性が高い。

子どもの頃に栄養の豊かな食品の味に馴染ませる

健康への関心が低い消費者の注意を健康食品の選択に向けることは難しく、食品包装に健康関連情報をより多く記載することによって問題が解決する可能性は高くない。一方で栄養価の低い食品は価格設定(例えば砂糖税などにより)を上げることで、相対的に魅力を低くすることができる。このようなアプローチは、栄養不良食品の購入を減らすことが実験的に示されている。

栄養の乏しい食品は典型的な場合、消費者にとって魅力的である。甘味や塩味が好きな生来の嗜好は、栄養の乏しい食品から消費者を遠ざけることを困難にする。しかし、味の好みと食品の選択は、とくに子どもの頃に繰り返し接することによって変更できる可能性がある。

文献情報

原題のタイトルは、「The Influence of Taste Liking on the Consumption of Nutrient Rich and Nutrient Poor Foods」。〔Front Nutr. 2019 Nov 15;6:174〕

原文はこちら(Frontiers Media)

1型糖尿病のアスリート、「症例報告」の時代から次のステップへ | スポーツ栄養Web -一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)公式情報サイト-

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糖尿病の治療薬により痛風リスクが低下 

糖尿病の人の多くは尿酸値も高い

2020年01月23日

 

SGLT2阻害薬で痛風リスクが低下する可能性

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 血糖降下薬であるSGLT2阻害薬により痛風のリスクが低下する可能性が、トロント大学(カナダ)のMichael Fralick氏らが実施した新たな研究から示された。詳細は「Annals of Internal Medicine」1月14日オンライン版に発表された。

 SGLT2阻害薬を使用している人では、他の血糖降下薬(GLP-1受容体作動薬)を使用している人と比べて、痛風を発症するリスクが36%低かった。Fralick氏は「SGLT2阻害薬は2型糖尿病患者にとって最も効果的な薬剤の1つであり、痛風のリスク低減につながる可能性もある」と述べている。

 SGLT2阻害薬は、成人2型糖尿病患者に使用される血糖降下薬としては比較的新しいクラスの薬剤である。この薬は腎臓に作用し、体内の糖を尿とともに体外へ排出する。薬剤の名称(一般名)としては、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジンなどが該当する。

 2型糖尿病の人は血中の尿酸値が高いことが多い。その状態が長引き、尿酸の結晶が関節に蓄積すると痛風を引き起こす。痛風の症状はまず足の親指に現れることが多く、激しい関節痛や腫れを生じる。米国では数百万人が痛風に罹患しているとされる。

 今回の研究は、SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬を新たに処方された約30万人の2型糖尿病患者(平均年齢54歳)を対象に実施された。その結果、SGLT2阻害薬を処方された約15万2,000人のうち636人が痛風を発症した。一方、GLP-1受容体作動薬が処方された約14万4,000人のうち、痛風を発症したのは836人だった。1,000人年当たりの罹患率は、SGLT2阻害薬4.9、GLP-1受容体作動薬7.8であり、SGLT2阻害薬がハザード比0.64で有意に低かった。

 このように血糖降下以外の作用が見られたSGLT2阻害薬だが、リスクが全くないわけではない。米食品医薬品局(FDA)は同薬に、骨密度の低下や骨折リスクの増加に関する警告表示を義務付けている。また重篤な感染症や下肢切断のリスクが増加するとの報告があることも明らかにしている。

 米ニューヨーク州に拠点を置くノースウェル・ヘルスの家庭医療部門副責任者であるBarbara Keber氏は今回の研究について、解釈上の制限はあるものの大規模で比較的質の高い研究だと評価している。その一方、「痛風リスクのある患者に対し、そのリスクの低減を目的として日常診療でSGLT2阻害薬を使用するには、さらなる研究が必要である」と指摘している。

 前出のFralick氏はこの研究を実施した当時、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の薬剤経済学部門に所属していた。同氏は、「自分が診察している2型糖尿病患者の一人一人について、常にリスクとメリット、薬剤コストを比較検討している。SGLT2阻害薬は非常に高額ではあるが、低血糖や体重増加を来すことがない。かつ今回の研究データから、痛風患者や痛風リスクの高い人では、SGLT2阻害薬によってそのリスクが低下する可能性が示された」と述べている。

[HealthDay News 2020年1月13日]

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[ Terahata ]

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「緑茶」が心臓病や脳卒中、認知症のリスクを低下 

糖尿病の人にも効果

2020年01月22日

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 緑茶をよく飲む人は、心血管疾患のリスクが低く、健康的な生活をより長く続けられるという、中国の研究が発表された。お茶をよく飲む人は認知症のリスクが低いという研究も報告されている。

継続してお茶を飲んでいる人は長生き?

中国の大規模調査で明らかに

 緑茶を週に3回以上飲む習慣が、心血管疾患の予防につながり、健康的な生活をより長く続けられるという、中国で行なわれた長年にわたる大規模な研究の結果が発表された。

 日本を含むアジアでは、緑茶やウーロン茶などを飲む習慣のある人が多い。そうしたお茶を飲む習慣が、健康増進につながっている可能性がある。研究は、欧州心臓病学会(ESC)が発行している医学誌「European Journal of Preventive Cardiology」に発表された。

 緑茶にはとくに効果があり、緑茶をよく飲む人は、心臓病と脳卒中、全死因のリスクが25%低いという結果になった。緑茶は日本を含む東アジアでもっともよく飲まれているお茶だという。

 

お茶を飲む習慣のある人は心疾患と脳卒中のリスクが低い

 中国で、生活習慣と心血管疾患リスクの関連を調べることを目的に、大規模な「中国PAR」プロジェクトが1998年から実施されている。

 研究チームは、プロジェクトに参加した、心臓発作、脳卒中、がんの既往歴のない10万902人を対象に、(1)習慣的にお茶を飲む者(週に3回以上)、(2)ほとんど飲まない、習慣的に飲まない者(週に3回未満)の2つのグループ分け、7.3年追跡して調査した。

 その結果、お茶を飲む習慣のあるグループは、お茶を飲まないグループと比べて、心血管疾患と脳卒中のリスクが20%、致死性の心血管疾患と脳卒中のリスクが22%、全死因死亡リスクが15%低いことが明らかになった。

 疾患発症を年齢で分けて分析したところ、お茶を飲む習慣のある50歳以上の人は、飲まない人に比べ、虚血性心疾患と脳卒中の発症が1.41年遅く、1.26年長生きすることが分かった。

 さらに、研究チームはお茶を飲む習慣の影響を調べるために、1万4081人を対象に、5.3年後と8.2年後に健康状態を調査した。

 その結果、お茶を飲む習慣を続けていた人は、その習慣がない人と比べて、心臓病や脳卒中の発症リスクが39%低く、致命的な心臓病と脳卒中のリスクが56%低く、全死因のリスクが29%減少していた。

緑茶を飲む習慣を長年続けると効果が

 研究者は、緑茶などに含まれるポリフェノールが働いている可能性を指摘。緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールは、特有の苦渋味成分のもととなる物質だ。これらが、心血管疾患の原因である血中の脂質、リポタンパク質、血圧の値を低下させている可能性がある。

 「お茶の保護的効果は、習慣的にお茶を飲み続けたグループでもっとも強くみられました。お茶に含まれるポリフェノールなどの成分は、体内では長時間保持されません。心臓の保護的効果を期待するためには、お茶を頻繁に飲む習慣を長期間続ける必要があります」と、中国医療科学アカデミーのドンフェン グウ氏は言う。

 一方で研究者は、お茶くをよく飲む人は、経済的に豊かで、都市生活者が多く、社会的な活動も多い傾向がある点なども指摘。「緑茶などのお茶が健康にもたらす影響について、さらに研究が必要」としている。

お茶を飲む習慣のある人は認知症のリスクも低い

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 緑茶やウーロン茶などを週に4回以上飲む習慣は、脳の健康にも良く、認知症の予防効果を期待できるという研究も、シンガポール国立大学によって発表されている。

 この研究は、英国のエセックス大学やケンブリッジ大学と共同で行われたもので、その成果は医学誌「Aging」に発表された。

 研究チームは2015~2018年に、36人の高齢者の脳を調べ、脳の各部の生理学的な活性を磁気共鳴画像(MRI)などの脳イメージングで解析。健康や生活習慣、心理的幸福に関する調査も行った。

 その結果、緑茶やウーロン茶を週に4回以上飲む習慣のある人は、加齢にともない増える脳組織の障害から保護されている可能性があることが示された。

お茶に含まれる成分に抗炎症作用・抗酸化作用が

 研究チームが2017年に発表した過去の研究では、お茶を飲む習慣の人は、アルツハイマー病などの認知障害リスクが大幅に減少することが示されている。

 その研究は、55歳以上の957人の中国人高齢者を対象とした縦断的研究で、お茶を飲む習慣のある人は、認知機能低下のリスクが50%減少し、認知障害のリスクが86%減少するという結果になった。

 お茶を飲む習慣により、アルツハイマー病に関連する遺伝要因としてもっとも大きいとされる「ApoE E4」遺伝子が減るという。

 お茶の茶葉にはカテキン、テアフラビン、テルビギン、L-テアニンなどの生理活性物質が含まれており、これらが抗炎症作用や抗酸化作用を働き、血管損傷や神経変性から脳を保護している可能性を指摘している。

お茶を飲む生活スタイルはシンプルで安価

 「道路交通にたとえて説明すると、脳の各領域が目的地で、脳領域をつなげる回路は道路です。道路システムがより良く組織されると、車と人の動きはより効率的になります。同様に、脳領域間の接続がより構造化されると、情報処理をより効率的に行えるようになるのです」と、シンガポール国立大学ヨンルーリン医学部のフェン レイ氏は言う。

 「お茶を飲む習慣のある人は、飲まない人に比べ、認知機能が良い傾向があることは、過去の研究でも確かめられています。お茶を飲む習慣が、脳ネットワークの各領域の接続の切断を防げている可能性があります」。

 緑茶やウーロン茶などは、日本を含むアジアではよく飲まれており、お茶を飲む生活スタイルはシンプルで安価に実現できる。

 認知症を予防・治療する医薬品は確立しておらず、認知症の予防戦略は満足できる成果をもたらしていない。「お茶を毎日飲むという生活スタイルが効果的かもしれないという情報は勇気をもたらします」と、レイ氏は言う。

 認知能力と脳組織は複雑に関連しているため、脳の回路から記憶のような機能がどのように起こり、老化の過程で認知をより良く保つために何が必要かを解明するために、より多くの研究が必要だとしている。

 レイ氏らの研究チームは、お茶に含まれる生理活性物質を調べ、生物学的マーカーにより評価する研究を予定している。また、お茶の効果をランダム化比較試験で評価する研究も計画している。

Tea drinkers live longer(欧州心臓病学会 2020年1月9日)

Tea consumption and the risk of atherosclerotic cardiovascular disease and all-cause mortality: The China-PAR project(European Journal of Preventive Cardiology 2020年1月8日)

Drinking tea may improve brain health(シンガポール国立大学 2019年9月12日)

Habitual tea drinking modulates brain efficiency: evidence from brain connectivity evaluation(Aging 2019年6月14日)

NUS study: Daily consumption of tea protects the elderly from cognitive decline(シンガポール国立大学 2017年3月16日)

Tea consumption reduces the incidence of neurocognitive disorders: Findings from the Singapore longitudinal aging study(Journal of Nutrition, Health & Aging 2016年1月15日)

Associations of Long-Term Tea Consumption with Depressive and Anxiety Symptoms in Community-Living Elderly: Findings from the Diet and Healthy Aging Study(Journal of Prevention of Alzheimer’s Disease 2017年6月13日)

[ Terahata ]

日本医療・健康情報研究所

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前糖尿病状態から糖尿病にならないために

 前糖尿病者において、肥満かどうかにかかわらず体重を増やさないことで糖尿病発症リスクを最小限にできることが、国立国際医療研究センターのHuan Hu氏らの研究で示唆された。体重を減らすことは肥満者が前糖尿病状態から正常血糖に戻るのに役立つ一方、体重を維持することは非肥満者が正常血糖に戻るのに役立つ可能性があるという。Clinical Nutrition誌オンライン版2019年12月25日号に掲載。

 本研究では、最大8年間、毎年健康診断を受けた2万2,945人の前糖尿病者のデータを使用し、糖尿病に進行した人、前糖尿病のままの人、正常血糖に戻った人におけるBMIと腹囲の変化を調査した。糖尿病の発症は、米国糖尿病学会(ADA)の基準により定義した。観察期間中に糖尿病に進行しなかった人は、最後の健康診断データに基づいて、「前糖尿病のまま」または「正常血糖に戻った」と分類された。BMIと腹囲の変化は、広範囲の共変量を調整して、反復測定の線形混合モデルを使用して評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・研究期間中、2,972人が糖尿病に進行し、4,706人が正常血糖に戻り、1万5,267人が前糖尿病のままであった。

・糖尿病に進行した人の平均BMIは、糖尿病診断の7年前から1年前に大きく増加し(年間変化率:0.20 [95%信頼区間:0.15~0.24] kg/m2/年)、前糖尿病のままであった人(0.06 [0.04~0.08] kg/m2/年)の約3倍(p<0.001)で、最初の健康診断時のBMIとは関係なかった。

・正常血糖に戻った人における平均BMIの変化率は-0.04(-0.09~0.002)kg/m2/年で、肥満者(-0.16 [-0.28~-0.05] kg/m2/年)を除いてほぼ変化がなかった。

・糖尿病を発症した人の腹囲の年間変化率は0.38(0.32~0.45)cm/年で、前糖尿病者(0.05 [0.03~0.08] cm/年)の約7倍だった(p<0.001)。

・正常血糖に戻った人のうち、中枢性肥満ではない人は平均腹囲が変わらず(-0.02 [-0.06~0.03]cm/年)、中心性肥満の人は減少がみられた(-0.40 [-0.47~-0.32] cm/年)。

https://www.carenet.com/news/general/carenet/49375

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「プチ断食」に期待される減量だけでない効用

ニューズウィーク日本版

 

食事と食事の間隔を長く空けるようにすると、健康面でさまざまな恩恵が期待できるかもしれない。

この食事法は、「間欠的断食(インターミッテント・ファスティング)」と呼ばれている。具体的には、1日おきに絶食もしくは食事量を大幅に制限したり、1週間のうち2日は500~700カロリーの食事を1回だけ取るようにしたり、1日の食事全てを一定の 時間の枠内(例えば8時間以内)の中に集中させたりする。

昨年末、米ジョンズ・ホプキンズ大学医学大学院の神経科学者マーク・マトソンらが有力医学誌のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに発表した論文は、これまで人間や動物を対象に実施された数々の実験結果を検討している。

その論文によると、間欠的断食と、心臓血管系の状態の改善、肉体的なパフォーマンスの向上、糖尿病や肥満の緩和、認知機能の上昇などとの関連性を示す研究結果が存在するという。

多くの動物実験(そして人間を対象にした実験の一部) によれば、食事を取る時間を制限すると、体の主要なエネルギー源が糖から脂肪に転換される。それが健康に好ましい影響を生むのかもしれない。

この食事法を実践すると、減量しやすくなるだけでなく、フリーラジカル(細胞にダメージを与える恐れがある原子)の生成が妨げられる可能性があると、マトソンらは考えている。さらに、血糖のレべルを制御する効果や、ストレスと炎症に対する体の抵抗力を強める効果もあるらしい。

マトソンらの論文によると、さまざまな動物実験では、間欠的断食を実践させると記憶力が改善したという。1日おきの断食やカロリーの制限が糖尿病や神経炎症の症状を緩和したり、空間学習能力と記憶力を向上させたりする効果も見られている。その論文によると、間欠的断食と、心臓血管系の状態の改善、肉体的なパフォーマンスの向上、糖尿病や肥満の緩和、認知機能の上昇などとの関連性を示す研究結果が存在するという。

多くの動物実験(そして人間を対象にした実験の一部) によれば、食事を取る時間を制限すると、体の主要なエネルギー源が糖から脂肪に転換される。それが健康に好ましい影響を生むのかもしれない。

この食事法を実践すると、減量しやすくなるだけでなく、フリーラジカル(細胞にダメージを与える恐れがある原子)の生成が妨げられる可能性があると、マトソンらは考えている。さらに、血糖のレべルを制御する効果や、ストレスと炎症に対する体の抵抗力を強める効果もあるらしい。

マトソンらの論文によると、さまざまな動物実験では、間欠的断食を実践させると記憶力が改善したという。1日おきの断食やカロリーの制限が糖尿病や神経炎症の症状を緩和したり、空間学習能力と記憶力を向上させたりする効果も見られている。

「飽食」の文化が妨げに

ある研究では、若いラットに1日おきに断食させたところ、平均寿命が1・8倍に延びた。1934~2012年の研究データを集約すると、カロリーを制限した場合、ラットの寿命が14~45%、マウスの寿命が4~27%延びているという。

人間を対象にした実験では、間欠的断食と、肥満、糖尿病高血圧の改善の間に関連性が見られている。

断食の効果は、カロリー制限による直接の恩恵だけにとどまらない。ある研究によれば、高齢者が言葉を記憶する能力が改善したという。別の研究では、太り過ぎで軽度認知機能障害(MCI)の成人の思考能力が改善した。

日本の沖縄県でこの食事法を実践している人たちは、肥満と糖尿病の割合が低く、平均寿命も長い。心臓病患者やある種の癌の患者に好ましい影響を及ぼし、アルツハイマー病を予防し、喘息の症状を和らげる効果を示唆する研究もあるという。

素晴らしい効果がありそうに見えるが、ほとんどの人はこの種の食事法を実践しない。1日3回の食事をし、それに加えて間食まで取る習慣が染み付いているのだ。

そうしたライフスタイルが私たちの文化に深く根を張っているため、「患者や医師もほとんど疑問に思わない」と、マトソンらは論文で記している。「豊かな国では、飽食と(食品メーカーによる)猛烈なマーケティングの影響も妨げになっている」

断食すると、空腹に苦しんだり、イライラしたり、集中力が減退したりする人もいる。しかし、マトソンらによれば、そのような悪影響は1カ月もすれば解消する。

間欠的断食の実践を段階的に進めてもいいだろう。1日のうちで食事を取る時間帯をだんだん狭めていったり、4カ月くらいかけて摂取カロリーを減らしていったりすることもできる。

成功のためのコツとは

ただし、注意すべきなのは、これまでの研究が主として太り過ぎの若者や中年を対象にしていることだ。もっと幅広い層の人にも間欠的断食が有効で安全かを確認するためには、さらに研究を重ねなくてはならないと、マトソンらは指摘している。

それに、ある種の持病を患っている人や過去に摂食障害を経験した人は、間欠的断食を避けたほうがいいかもしれない。該当する人は、まず主治医に相談すべきだろう。

太り過ぎの人、糖尿病や心臓病のある人とそのリスクが高い人、関節炎や喘息や多発性硬化症などの人は「間欠的断食の恩恵がある可能性が高い」と、自らも20年ほど間欠的断食を実践しているマトソンは本誌に語っている。

間欠的断食を行う場合は、水をたっぷり飲むこと、ヘルシーな食べ物(野菜や果物、ナッツ、全粒穀物、魚、赤身 肉、ヨーグルトなど)を取ること、糖分と塩分、揚げ物を避けることが望ましいと、マトソンは説明する。

間欠的断食への転換を成功させるコツはあるのか。

「配偶者やパートナー、職場の友人などと一緒に取り組むといい」と、マトソンは言う。「1人より誰かと一緒のほうが長続きしやすいのは、エクササイズと同じだ」

カシュミラ・ガンダー

「プチ断食」に期待される減量だけでない効用(ニューズウィーク日本版) – Yahoo!ニュース

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ピザ1切れのカロリーは30分のウォーキングに相当 

糖尿病を抑える食品ラベル

2020年01月21日

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 ピザ1ピースを食べると、それと同じカロリーを燃焼するのに30分のウォーキングが必要になる。チョコレートバー1本では、46分間のウォーキングが必要――。

 食べた分のカロリーを燃焼するのに必要なウォーキングの時間を食品にラベル表示すると、より健康的な食品を選びやすくなるという研究が発表された。

ピザ1切れのカロリーを燃焼するために

30分のウォーキングが必要

 「身体活動等価カロリー(PACE)」と名付けられたこの食品ラベルは、食品や飲料のカロリーを燃焼するために、ウォーキングなどの身体活動が何分必要となるかを示したものだ。

 たとえば、チョコレートバー1本のカロリーは229kalで、このカロリーを燃焼するために46分間のウォーキングが必要になる。缶入り清涼飲料1本のカロリーは138kalで、26分間のウォーキングと等価だ。ポテトチップス1袋のカロリーは554kalで、100分間のウォーキングと等価――といった表示になる。

 この食品ラベルの効果について、英国のラフバラー大学行動医学部のアマンダ デイリー教授がバーミンガム大学などと共同で調査した。詳細は医学誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に発表された。

 14件の研究を解析した結果、このラベル表示により、1日の平均エネルギー摂取量を約200kcal減らせる可能性があるという結果になった。

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毎日少し食べ過ぎただけで体重は増える

 1日のエネルギー必要量は、男性では1,600~2,500kcal、女性では1,400~2,000kcalだ。食事で摂取するカロリーが、身体活動で消費するカロリーを上回ると、過剰なカロリーが脂肪として体に蓄えられ、肥満の原因になる。毎日少し食べ過ぎただけでも、それが毎日続くと、体重増加が引き起こされる。

 「多くの人は、より健康的な食事をしたいと考えており、体をアクティブに動かすことにも関心をもっています。しかし、そのきっかけとなるものが乏しい現状があります」と、デイリー教授は言う。

 「運動で消費できるカロリー」で食品に表示すると、食品のカロリーをより理解しやすくなり、賢い選択をできるようになる可能性がある。運動をするきっかけにもなると期待されている。

1日の摂取カロリーを約200kcal減らせる

 英王立公衆衛生協会(RSPH)は、このPACEラベルを英国内のすべての食品に表示することを求めているが、それを実現するためにには科学的な根拠が必要になる。

 そこでデイリー教授らは、14件のランダム化比較試験について、この食品ラベルを飲食物に表示した場合に、摂取カロリーがどれだけ変わるかを調べた。

 その結果、この食品ラベルにより、4,606人を対象とした研究では、平均して64.9kcal少なく食品を選ぶようになり、486人を対象とした研究では、実際に摂取カロリーが平均して80.4kcal少なくなることが明らかになった。

 1日に3食と間食2回を摂っている場合、PACEラベルにより1日の摂取カロリーを約200kcal減らせる可能性がある。

食品のカロリーは過小評価しがち

 「一般的に、多くの人は食品に含まれるカロリーを過小評価しがちです。清涼飲料やスナック菓子に含まれるカロリーを燃焼するのに、運動をたくさんする必要があると知ると、多くは人はショックを受けるでしょう」と、デイリー教授は言う。

 英国では現在、成人の多くが過体重か肥満だ。BMIが30以上の肥満の人の数は、2017年には1,300万人となり、1997年から2倍に増えた。

 英国糖尿病学会(Diabetes UK)によると、英国の2型糖尿病患者数は370万人で、その多くに肥満が関わっている。

 「摂取カロリーを毎日100kcalずつ減らしただけでも、積み重ねると大きな変化を生みます。肥満や2型糖尿病の抑制に役立ちます」と、デイリー教授は言う。

 「食品に含まれるカロリーを運動と等価に示すことで、栄養についての理解が深まります。チョコレートケーキを食べると、”2時間のウォーキング”が必要になると分かったら、多くの人はたまにご褒美として食べるにとどめるようになるのではないでしょうか」。

 デイリー教授は今後、レストランやスーパーマーケットなどの大規模チェーン店や企業で、この食品ラベルを使った試験を実施することを期待している。

Labelling foods with the amount of physical activity needed to burn off calories linked to healthier choices(ラフバラー大学 2019年12月10日)

Effects of physical activity calorie equivalent food labelling to reduce food selection and consumption: systematic review and meta-analysis of randomised controlled studies(Journal of Epidemiology and Community Health 2019年12月10日)

Number of people with obesity almost doubles in 20 years(英国糖尿病学会 2019年11月14日)

[ Terahata ]

日本医療・健康情報研究所

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くぎが刺さっても気づかない?

糖尿病を放置するとどうなるか

「健康診断で血糖値が高いと言われたけど、症状もないし、まぁいいか」

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代表的な生活習慣病である糖尿病。その患者数は年々増え、2017年の患者調査では日本に300万人以上いると報告されています。症状がなかなか出にくいため、冒頭のケースのように、異常が指摘されていても放置している人は少なくありません。しかし、糖尿病は進行するとさまざま合併症の原因となり、生活の質を低下させたり、時として命に関わることもあります。このコラムでは糖尿病により起こる合併症についてお話ししていきたいと思います。

 

  1. 糖尿病の3大合併症とは?
糖尿病を発症してしばらくは特別な症状がないことも珍しくありません。しかし、治療が不十分な状態が続くと以下の症状を引き起こします。

これらは生活の質を低下させる重大な症状であり、糖尿病3大合併症とも呼ばれます。例えば、「手足の感覚がわからなくなる」といった神経障害があらわれると、傷ができても気づかないということが起こります。テーブルのかどに足をぶつけたり、ものを踏んづけたりしても気づかないばかりか、なかにはくぎを踏んづけて刺さっていても気づいていなかったという人もいます。

また、糖尿病の状態で足に傷ができ細菌が入ってしまうと、さらに厄介なことになります。糖尿病になると免疫力も落ちるので、感染が治りにくくなるのです。そのため、足の傷から全身に感染が広がるのを食い止めるために、足を切断しなければならないこともあります糖尿病足病変

3大合併症のうち、残りの2つも生活に大きな影響を与えます。網膜症は目が見えなくなる原因になりますし、腎症により腎臓の機能が失われてしまうと透析をせずには生きていけません。

このように糖尿病は放置すると生活の質を低下させるさまざまな合併症を引き起こします。

ただし、これらの3大合併症が起こるのは治療が不十分な状態が数年から10年近く続いてからです。3大合併症が起こる前にきちんと糖尿病の治療をしていれば予防できることも大事なポイントです。

2. これだけではない糖尿病の合併症

糖尿病を放置すると脳梗塞心筋梗塞にもなりやすくなります。

脳梗塞は脳に栄養を届ける血管が詰まって脳細胞の一部が死んでしまう病気で、喋れなくなったり身体の麻痺を起こしたりします。心筋梗塞は心臓に栄養を届ける血管が詰まって心筋細胞が死んでしまう病気で、息切れや動悸を起こし、不整脈や心臓の動きが悪くなるといった後遺症を残します。また、最悪の場合、命に関わることもあります。

これらの病気も糖尿病を治療することで、起こしにくくすることができます。糖尿病の治療は3大合併症だけでなく、脳梗塞心筋梗塞を予防する意味でも重要であると言えます。

3. 症状がないうちから治療を始めよう!

糖尿病は症状がない段階から治療を始めたほうが良いです。より早くから治療を始めることで、合併症のリスクを下げることが期待されます。そのため、健康診断で血糖値が高めだと指摘された人は、たとえ実感がわかなくても治療についてお医者さんと相談しておくことをお勧めします。

ただし、治療と言っても必ずしも薬を飲まなければならないわけではありません。糖尿病の治療はカロリー制限や食事内容を見直す「食事療法」、運動を行いカロリー消費を促す「運動療法」、薬により血糖値を下げる「薬物療法」の3本柱から成ります。通常は食事療法と運動療法を行い、それでも十分に改善しない場合に薬物療法を開始します。食事療法と運動療法を頑張ることで糖尿病が良くなる人も多いです。

糖尿病は症状があらわれにくく治療意欲がわきにくいという難点がありますが、ここまで読んで「何か対策をはじめてみよう」と思った人は、治療開始の第一歩として、まずはお医者さんや医療スタッフなどに相談してみてください。生活見直しのヒントや目標の立て方など、具体的なアドバイスを聞くことができます。

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