糖尿病になると人間の体は「ナメクジに砂糖」のメカニズム(幻冬舎ゴールドオンライン) – Yahoo!ニュース

糖尿病になると人間の体は「ナメクジに砂糖」のメカニズム

7/17(金) 9:00

病気を未然に防ぐ「栄養学」と「食品機能学」に加え、老化についても最前線の研究成果を紹介する。知らず知らずのうちにストレスをため込んでいませんか。健康的な生活を送るために役立つ「食事の知恵」や「医学の意外な常識」を明らかにします。本連載は東海大学農学部バイオサイエンス学科の永井竜児教授の『間違いだらけの栄養学』(辰巳出版)から一部を抜粋し、読んで効く「読むくすり」をお届けします。

塩分も糖分も水分を引きよせる

みなさんは、ナメクジに塩をかけると縮んでしまうことはよくご存じでしょう。しかし、砂糖をかけてもナメクジが縮んでしまうことを知っていますか? 高血糖のとき、人のカラダの中では、ナメクジと同じ現象が起きています。人がナメクジと一緒だとは、ぎょっとする話ですが、そのカラクリをみてみましょう。

食事を摂(と)ることで血液内の血糖値は上がり、通常、すい臓のβ(ベーター)細胞がその状態にすばやく反応して、インスリンを分泌します。インスリンは血糖値を一定の状態に保つように作用し、それから、肝臓や筋肉へ、貯蔵のためにブドウ糖からグリコーゲンを、脂肪組織ではブドウ糖を中性脂肪に変えて、エネルギー源として蓄えます。 食事を過剰に摂ると高血糖になり、カラダは絶えずインスリンを出している状態になります。しかしやがて、β細胞がインスリンを出せなくなり、インスリンの血中濃度が最初は高くなっても、その後はβ細胞が疲れて分泌しなくなり、血中濃度は下がってしまいます。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンで、カラダにとってなくてはならない分泌物です。インスリンが出ないと血糖値は当然高くなってしまいます。

そこで、ナメクジに〝砂糖〟の問題です。糖分や塩分は、浸透圧の作用によって水分を引き込んでしまう性質があります。だからナメクジに塩や砂糖をかけると、塩や砂糖がナメクジのカラダの中にある水分を吸い出して、ナメクジ自身は乾いて縮んでしまうわけです。食品を防腐することを考えると真っ先に、食塩による「脱水」を利用した「塩漬け」が思いつきますが、糖にも同様の作用があります。ジャムが腐りにくいのは糖分が40%以上含まれており、浸透圧の作用で細菌が脱水されて繁殖できないからです。

人のカラダも、血中の糖分が高くなると、浸透圧の作用で、カラダの水分を血管の中にどんどん引き込んでしまいます。その後、引き込まれた水分は尿として排出され、糖尿病の症状として、多尿が起きます。さらにカラダは水分不足になるので、ノドが渇いて、皮膚が乾燥します。

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