暑い夏に水出し緑茶 

糖尿病、認知症予防に効果

2020.8.20 07:15

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 新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が高まり、外出しにくい状況が続いている。このため、特に中高年層では運動不足やストレスから糖尿病など生活習慣病の発症リスクが高まっている。そんななか、緑茶を1日2杯以上飲む人は、糖尿病発症リスクが低いことが最近の研究で分かってきた。水出しすればさらに、うま味も高まるとされ、厳しい残暑が続くなか、取り入れやすい健康習慣といえそうだ。(池田美緒)

代謝物に着目

 緑茶の飲用習慣と糖尿病発症リスクとの関連を調べたのは、九州大の二宮利治教授(衛生・公衆衛生学)。信頼度が高いことで国際的にも有名な疫学調査「久山町研究」の研究代表を務める。

 調査では、同町の40~79歳の健康な男女2253人を対象に、緑茶に含まれるうま味成分「テアニン」を取ると、体内で分解されて生まれる「エチルアミン」の血中濃度に着目した。

 というのも、テアニンは摂取後すぐに分解されてしまうが、エチルアミンは24時間後も血中に残る。こうした特性から緑茶を飲めば飲むほど、その血中濃度も高まるため、飲用頻度を容易に推定できる。従来の研究はアンケートに基づくものが多く、データの精度に課題があったなか、この調査は飲用頻度を初めて客観的に裏付けたといえる。

 二宮氏によると、対象者を平成19年から7年間、追跡調査した結果、緑茶を1日2~3杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べて糖尿病発症リスクが約30%少ないことが分かった。さらに肥満者では約60%、“糖尿病予備軍”ともいわれる境界型糖尿病では約40%も低かった。

 これまでの同研究で、糖尿病患者のがん死亡率が健常者の約2倍になることや、糖尿病罹患(りかん)歴の長い人ほど認知症になりやすいことも分かっている。このため、二宮氏は「糖尿病予防は、がんや認知症予防にもつながる。緑茶のうま味を感じながら、バランスの良い食事をとることが大切」としている。

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二宮利治九州大学教授(本人提供)

 

うま味引き出す

 緑茶のうま味、テアニンをより感じる飲み方としてお勧めなのが、水出し緑茶だ。日本茶業中央会の中島仁三(ひとみ)専務理事は「苦味や渋味が少なく、うま味の強いお茶になる」とする。ティーパックやフィルターインボトルなどに茶葉を入れ水を注ぎ、冷蔵庫で一晩置けばよく、急須も不要だ。

 緑茶にはテアニンのほかにカテキンやカフェインなどさまざまな成分が含まれる。カテキンやカフェインは苦味成分であるうえ、テアニンの抗ストレス作用を弱めるという。その両成分が低温では溶けにくいため、よりおいしくて、ストレスなどへの効果も高まるというわけだ。

 テアニンはまた、日光を浴びるとカテキンに変化するため、玉露、抹茶など摘み取り前に覆いをして栽培するお茶には多い。覆いをしない煎茶(せんちゃ)では、年の最初に生育した新芽を使った一番茶に多く含まれる。

おうち時間に

 若い世代では、リーフ茶(緑茶用の茶葉)よりもペットボトル緑茶飲料に親しむ人が増えている。農林水産省のまとめによると、1人当たりの緑茶飲料消費量は平成30年、23・4リットルで15年前の1・7倍だったのに対し、リーフ茶消費量は1世帯当たり798グラム(緑茶24リットル分に相当)で15年前に比べ約30%も減った。

 緑茶飲料の需要に応え、安価な三番茶、四番茶の生産が増える一方、リーフ茶向けの一番茶の生産は年々減っている。

 中島専務理事は「簡便なペットボトル緑茶もいいが、自分でいれる緑茶は手軽で安くておいしい。おうち時間が増えた今、家族とのだんらんに水出し緑茶を取り入れてほしい」と話している。

     

 【久山町研究】日本の全国平均とほぼ同じ年齢、職業分布を持つ福岡県久山町の住民を対象に、昭和36(1961)年から住民健診などのデータを使って行われている疫学調査。追跡率は99%以上と高く、40歳以上の健診受診率80%、病理解剖率75%を誇る。脳卒中、心血管疾患、生活習慣病などについて研究している。

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