「隠れ糖尿病」が増加中 糖尿病編(1)

 厚労省の「平成24年国民健康・栄養調査報告」によれば、男性で「糖尿病が強く疑われる」人は15・2%、「糖尿病の可能性が否定できない」人は12・1%で、両方合わせると3割近くになる。そして、現在、注目を集めているのが「隠れ糖尿病」の存在。検査数値は正常に近いのに、日常生活で高血糖になっている人がいるそうで、注意が必要だ。

 【空腹時血糖は正常】

 日本糖尿病学会の診断基準は別表のとおり。糖尿病は、長らく高血糖状態が続くと、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害の3大合併症に加え、脳梗塞や心筋梗塞といった大血管病のリスクも高まる。しかし、検査数値に実際の高血糖が現れにくいことがあるそうだ。

 糖尿病の合併症予防のために、総合的な医療を提供している千葉大学医学部附属病院糖尿病コンプリケーションセンター長の横手幸太郎教授が警鐘を鳴らす。

 「食後に血糖値が200以上に上がっても、空腹時には正常に戻る人がいます。健診で空腹血糖値が100未満は正常値だからと安心しがちですが、日常では高血糖状態が続いているのです。結果として、血糖値をコントロールするインスリンが疲弊していきます。つまり、『食後高血糖』あるいは『隠れ糖尿病』ともいうべき状態が、近年、増えているのです」

 インスリンは、体内で血糖値を下げる働きのホルモンで、膵臓(すいぞう)の中の細胞で作られている。食事をしてブドウ糖が血中に入り、血糖値が上がると、インスリンが分泌されることで血糖値を正常に導く。隠れ糖尿病は、この働きを悪化させるのだ。

 【HbA1cが高値】

 「食後の血糖値が急激に上がると、インスリンは通常の3~4倍の働きで、高血糖を抑えようとします。この状態が長く続くと、膵臓でインスリンを作る細胞が疲労し、やがて、インスリンを分泌する力は減少していくのです。こうなると、高血糖状態に拍車がかかり、インスリンの効きも悪くなって、はっきりとした『糖尿病』へと移行していきます」(横手教授)

 食後の高血糖を猛スピードの車に例えるならば、インスリンはブレーキ。グッとペダルを踏んでブレーキをかけるには、強い力が必要で、それでもスピードを制御しきれないこともある。こんな状態が、隠れ糖尿病の体内では起こっているのだ。それを知るには、健診数値での空腹時血糖だけでなく、過去1~2カ月の血糖値の平均指標となるヘモグロビンA1c(HbA1c)の値も、注意しなければならない。

 「空腹時血糖値が正常でも、HbA1cが異常値ならば、ブドウ糖を服用してから検査する『75gブドウ糖負荷試験』など、医療機関でさらに詳しい検査を受けることをお勧めします。隠れ糖尿病の段階であれば、食生活の見直しで糖尿病への道を断ちきることもできます。放置しないようにしましょう」と横手教授はアドバイスする。 (安達純子)

 ■糖尿病の診断に用いられる主な数値
 ・空腹時血糖値126mg/dl以上
 ・75gブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dl以上
 ・食後に関係なく測定する随時血糖値200mg/dl以上
 ・HbA1cが6.5%以上
 *日本糖尿病学会「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」より抜粋

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看護師の書いた糖尿闘病記
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