障害基礎年金 打ち切り新たに1000人

障全協 認定基準など見直し要求

2018年6月22日(金)

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(写真)厚生労働省と日本年金機構と懇談をする障全協の人たち=21日、国会内(障全協提供)

 日本年金機構が障害基礎年金の受給者1010人に支給打ち切りの可能性を予告したことが問題になっていますが、新たに約1000人が昨年4月からの1年間で、年金を打ち切られていたことが21日、分かりました。また、1010人の障害別の人数も判明しました。障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協・中内福成会長)と厚生労働省、日本年金機構との懇談で明らかになりました。

 20歳前から障害があり障害年金を受給する人のなかで昨年、再認定を受けた人は約9万5000人。そのうち約1000人が、障害の程度が軽快したとして支給を打ち切られました。

 年金打ち切りの予告通知を受けた1010人の障害種別は、循環器疾患が496人と最多。血液などが230人、肢体障害が101人とつづきました。このほか、腎臓・肝臓・糖尿病が91人、聴覚・言語機能・咀嚼(そしゃく)等が39人、呼吸器疾患が29人、目の障害が24人。

 障害認定審査の地域格差が問題となり、都道府県ごとに行っていたものを昨年4月から一元化したことが背景にあります。

 障全協の白沢仁事務局長は「今後さらに打ち切られる人が出てくるのでは」と懸念を示しました。そのうえで、現行の認定基準やシステムの抜本的見直しを求めました。

 20歳以降に障害を負った受給者については、約2900人が打ち切られていたことが、衆院厚生労働委員会の日本共産党の高橋千鶴子議員の質問で明らかになっています。

障害基礎年金 打ち切り新たに1000人/障全協 認定基準など見直し要求

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1型糖尿病、東京でも提訴へ 7月にも障害年金支給を訴え

2018.6.22 07:01

 

 血糖値を下げるインスリンが体内で作れない1型糖尿病の女性患者が、障害基礎年金を支給されないのは不当として、来月中にも国を相手取り、年金不支給決定の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こすことが21日、関係者への取材で分かった。1型糖尿病の障害基礎年金をめぐっては、病状が改善していないのに支給を打ち切られた患者らが大阪地裁に集団で訴えを起こすなど各地で判断の是非を問う声が上がっている。

 訴えを起こすのは、障害当事者のNPO法人で非常勤の相談員を務める西田えみ子(本名・林恵美子)さん(47)=東京都府中市。障害基礎年金は、厚生労働省が示す障害等級で「日常生活が著しい制限を受ける」などとする2級に年間78万円、より重い1級に97万円が支給されるが、西田さんは昨年3月、「該当しない」として、不支給の決定を受けた。

 しかし、西田さんは、月に複数回、意識障害を伴う重症低血糖を起こすなど、「2級以上に相当する症状がある」と主張している。

 障害等級は、障害の内容によっては症状や検査数値などでより詳細な基準が明示されており、弁護団の関哉直人弁護士は「糖尿病患者の等級の基準は漠然としていて、事実上、受給対象であるとの証明が難しくなっている」と指摘する。

     

 1型糖尿病 血糖値を下げるホルモン「インスリン」をつくる細胞が何らかの理由で破壊され、体内で分泌されない病気。根本的な治療法や予防策はなく、患者は血糖値のコントロールのため注射などでインスリンを1日数回投与する必要がある。日本人の糖尿病患者の9割以上は生活習慣が主な原因の「2型糖尿病」とみられる。

 「患者はインスリンを毎日打たないと生きられない。人工透析やペースメーカーのように公的支援があるべきだ」。障害基礎年金の支給を求める訴訟を起こすことを決めた、1型糖尿病患者の西田えみ子さん。訴訟を通じて「理解が進みにくい患者の実情を知ってほしい」と考えている。

 1型糖尿病患者は、20歳未満であれば特別児童扶養手当など公的支援の対象となるものの、身体障害者福祉法上の障害には該当せず「指定難病」の認定もない。インスリン投与は一生必要だが、成人になると支援がなくなる上、インスリン製剤は高額。月数万円に上る医療費は自己負担だ。

 5歳で発症した西田さんは10代で事務の仕事に就いたが高血糖になり手足が硬直するなどして半年後に入院した。現在は同じ1型糖尿病で正社員の夫と暮らすが、医療費は2人で月5万円以上かかる。また、健常者よりも疲れやすく「週に数回の活動でも体力が追いつかず、残りの日はほぼ安静にしなければならない」。

 これまでも年金に頼りたいと考えていたが、障害等級の基準となっていた平均血糖値の数値が要件を満たさず、申請していなかった。国が平成28年に平均血糖値の要件を削除したことを受け、昨年2月に申請したが、理由が示されないまま不支給となった。「納得のいく説明が欲しい」と、訴訟で国の判断の是非を問うことを決めた。

 活動を通じて知り合った患者仲間が医療費負担に苦しむ様子や、年金支給打ち切りを受けて大阪地裁に訴訟を提起した原告らの声も、西田さんの行動を後押ししている。西田さんは「誰かが声を上げないと変わらない。今は一切言えないけれど、いつか新たに患者になった人には『大丈夫だよ』と言える環境にしたい」と話している。

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コーヒーや紅茶のカフェインをトリガーに「糖尿病を治療できる」という研究結果が発表される

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by Zach Inglis

 

コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには「目を覚ます効果がある」とされている一方、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼすとも言われています。そんなカフェインを特殊な合成遺伝子を組み込んだ糖尿病の動物に投与することで、カフェインを細胞のトリガーとして「糖尿病を治療できる」という研究結果が発表されました。

Caffeine-inducible gene switches controlling experimental diabetes | Nature Communications

https://www.nature.com/articles/s41467-018-04744-1

Scientists use caffeine to control genes―and treat diabetic mice with coffee | Ars Technica

https://arstechnica.com/science/2018/06/can-coffee-treat-diabetes-it-can-in-mice-with-this-synthetic-genetic-implant/

チューリッヒ工科大学でバイオ工学の研究を行っているMartin Fussenegger教授が率いる研究チームは、動物の体内に特定の物質が投与されることをきっかけに合成遺伝子のシステムが発現し、体に作用する仕組みについて研究しています。体内に投与する物質を選定する際に、細菌や強烈な抗生物質といった体に副作用を与える可能性があるものを避けたいと考えたFussenegger氏らは、毒性もなく安価に製造できる身近な物質として「カフェイン」をトリガーに使うことを考えました。

カフェインを動物の体内で検出する遺伝子を作成するため、研究チームはラクダの体内にある「カフェインに反応する抗体(aCaffVHH)」を利用しました。aCaffVHHはカフェインに反応して2つのaCaffVHHが1つに結合(二量体化)し、その中にカフェイン分子を抱き込むという特性を持っているとのこと。研究チームはaCaffVHHの「カフェインを検知すると二量体化する」という特性を利用して、aCaffVHHに「二量体化することで機能する」タンパク質を融合させ、カフェインをトリガーにして動物の体内で特定の働きを行わせる実験を行いました。

研究チームはシグナル伝達兼転写活性化因子3(STAT3)という細胞増殖を制御するタンパク質が二量体化すると、SEAPという酵素を産生するように遺伝子を改変し、抗体に埋め込むことにしました。SEAPは細胞の上に直接散布させることが可能な特定の基質を切断することが可能であり、その基質はSEAPによって切断されると発光します。つまり、研究者らは遺伝子改変済みのSTAT3を融合させた抗体を細胞に埋め込み、細胞が発光する様子が確認できれば、「STAT3が二量体化したことで活性化し、SEAPを産生した」ということを確認できるわけ。

研究チームは不死化した幹細胞に遺伝子改変したSTAT3を組み込んだ抗体を埋め込んで実験を行い、スターバックスのコーヒーやレッドブル、コカ・コーラといった飲料に含まれるわずかなカフェインでも、幹細胞は敏感に反応して発光することを実証したそうです。

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by winhide

続いて研究チームは、「より有用な遺伝子を組み込んだ抗体を使い、カフェインが働くかどうか」を調べることにしました。研究チームが目を付けたのは、糖尿病の治療薬としても使用されるGLP-1というインスリンの分泌を促すホルモン。STAT3が二量体化することでGLP-1を産生するように遺伝子を改変し、aCaffVHHに遺伝子改変済みのSTAT3を融合させた幹細胞を、浸透性のカプセルに入れて2型糖尿病を発症しているマウスの体内に埋め込みました。

浸透性のカプセルを埋め込んだマウスに対し、継続的にエスプレッソマシンのネスプレッソで作られたコーヒーを投与し続けた結果、カフェインはカプセル内に浸透してSTAT3を活性化させGLP-1を産生しました。GLP-1の効果でインスリンの分泌が促された2型糖尿病のマウスは、正常なマウスとほぼ同様の血糖値まで血糖値が下がったとのこと。

Fussenegger氏は今回の研究結果について、「継続的にコーヒーを投与されたマウスは、心拍数の上昇や血糖値が危険な値にまで下がるといった問題を生じさせなかった」と述べ、カフェインをトリガーとする糖尿病治療は安全性が高いとしています。また、カフェインが入っていない飲料ではインスリンが分泌されないことも実証済み。マウスによる実験の段階から実際に人間の治療に使われるまでには、長いステップが必要なことは間違いありませんが、Fussenegger氏は「やがて人々が日常的に口にする飲料をトリガーに、病気の治療が可能になるだろう」と考えています。

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by Rafael Saldaña

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糖尿病患者尿から腎機能悪化予測 

岡山大院教授ら「糖鎖」量で判定

 岡山大大学院の和田淳教授(腎・免疫・内分泌代謝内科学)と三瀬広記医員(同)らの研究グループは、糖尿病患者の尿に含まれる「糖鎖」の量で、腎臓の機能が将来悪化しやすいかどうかを予測できることを突き止め、21日、米科学誌電子版に発表した。腎機能が低下して人工透析が必要となるケースが多い「糖尿病腎症」の予防とメカニズム解明につながる可能性がある世界初の成果という。

 グループは、バイオ企業のグライコテクニカ(横浜市)が開発した糖鎖解析機器に着目し、2012年度から腎機能との関連を調べる臨床研究を進めてきた。岡山大病院など岡山県内8病院で、糖尿病の大部分を占める2型糖尿病の患者675人の尿を採取して4年間追跡調査。その結果、3種類の糖鎖でそれぞれ排出量が多かった人や1種類の糖鎖量が少なかった人は、腎機能が4年前よりも30%以上低下するか、透析が必要な状態になっていた。

 グ社の機器は、特定の糖鎖と結合する45種類のタンパク質・レクチンを並べたプレート。尿1滴に当たる20マイクロリットル(マイクロは100万分の1)を垂らすだけで糖鎖量を短期間で測定できる。岡山大と同社はこの判定手法に関する特許を出願中で、実用化に向けた検討も進めている。

 三瀬医員は「腎臓病の悪化が予測できることで、より説得力を持って患者への生活習慣病の指導や治療が進められる。今後は糖鎖量の違いと腎臓組織との関連も調べていきたい」としている。

 糖鎖 糖が鎖状につながった化合物。タンパク質やDNAに続く第3の生体高分子とされる。免疫やホルモン分泌、発がんなどさまざまな生体機能に関わっているが、構造が複雑なことなどから測定が困難で腎臓病や糖尿病での研究は進んでいなかった。

糖尿病患者尿から腎機能悪化予測 岡山大院教授ら「糖鎖」量で判定: 山陽新聞デジタル|さんデジ

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インスリン製剤改良や新機器続々 

生活の質、改善進む

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 小児や若年者に多い「1型糖尿病」は、摂取した糖を体の細胞内に取り込むのに必要なホルモンのインスリンが突然分泌されなくなる病気で、かつて「死の病」と呼ばれた。だが1921年のインスリンの発見により注射などで補充する治療法が登場。新たな製剤や血糖測定法も次々開発されるなど、患者の生活の質(QOL)の改善が進む1型糖尿病治療の最新状況をまとめた。【高野聡】

血糖測定、簡単に

 「今まで『点』でしか把握できなかった自分の血糖値が、時間的変化の『線』でわかるようになり、血糖コントロールがしやすくなった」。1型糖尿病患者の女性(41)=千葉県船橋市=はこう声を弾ませた。

 女性が使っているのは昨年9月、インスリンなどの使用者対象に保険適用になった「フリースタイルリブレ」と呼ばれる機器だ。内側に細い針がついた厚さ5ミリの円盤状のセンサーを皮膚に張り付け、皮下組織中の液体(間質液)に含まれる糖の濃度変化を測定する。必要に応じてセンサーに専用端末をかざせば、直近8時間の血糖変動が曲線のグラフで示される。

 インスリンは糖をエネルギー源として体の細胞内に取り込むよう作用し血液中の糖濃度を一定に保つ。適切に分泌されなければ、体がエネルギーを吸収できず、生命に危険が及ぶ。高血糖状態が続くと血管が傷つき、血管系の合併症を起こしやすくなる。逆に治療によって血液中にインスリンが過剰に存在すると、低血糖状態になり、意識障害など問題を起こす。

 このため、重要なのが患者自身による定期的な血糖測定だ。指先に小さな傷を付け、出血させて測定器で測る方法が一般的だが、1日に4回前後測るわずらわしさがあった。また、測定時の数値しかわからないため、血糖値が上昇したのか、低下したのかが分からず、適切な血糖コントロールができないケースも少なくなかった。

 リブレによる血糖変動の可視化は、その欠点を改善した。使用した患者の満足度が高いという調査結果もある。東京医大病院の鈴木亮准教授(糖尿病内科)は「1型糖尿病は子どもに多いため、普段の針刺しによる測定が減るメリットは大きい」と話す。

 ただリブレが測定するのは、本来の血糖値ではなく、間質液中の値だ。このため、鈴木さんは「誤差や時間差が生じるため注意が必要」と指摘する。日本糖尿病学会は保険適用に際し、指先の針刺しによる血糖測定との併用を原則とした。

活動に合わせて

 1型糖尿病は、体を守る免疫の仕組みによって、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のβ細胞が破壊されることで発症する。このため治療は注射やポンプを使ったインスリンの補充が基本だ。肥満や運動不足などで発症し、食事療法やさまざまな働きの飲み薬がある「2型糖尿病」にはない治療の難しさがある。

 体内のインスリンには、常に一定量分泌される基礎インスリンと食事の際に上乗せされる追加インスリンがある。22年に最初に使われたインスリンは動物由来で不純物が多く、効果も不安定だった。その後は純度が高く、体内のインスリンに近い構造と働きを持つ製剤の開発が進められてきた。

 80年代には遺伝子工学技術の進歩によって、ヒトインスリンの大量生産が実現。さらに2000年代に作用時間を変える技術の進歩により、投与後すぐに作用を発揮する製剤や、逆に24時間以上効き続ける製剤などが登場、基礎インスリンや追加インスリンの再現により一層近づいた。

 元エアロビック日本代表で、自身も1型糖尿病患者であるNPO法人「日本IDDMネットワーク」の大村詠一専務理事(32)もその恩恵を受けた一人。「高揚して高血糖になりがちな競技前はインスリンを上乗せして補充したり、集中力を高めるため作用時間が短い製剤を使ったり工夫した。多様な製剤があるお陰で、生活にインスリンを合わせることができる」と話す。

「今後30年で根治可能」 ノボ社研究 ES細胞利用、新治療法

 将来に向けて、新しい治療の開発も進んでいる。1923年に北欧で初めてインスリン製剤を実用化したノボノルディスク社(デンマーク)のラース・フルアーガー・ヨルゲンセン社長兼最高経営責任者(CEO)は5月中旬、本国で開いた会見で「1型糖尿病は今後30年で根治可能になる」という見通しを述べた。

 同社が研究しているのは、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)からβ細胞を分化させ、患者に移植する治療だ。

 β細胞を移植しただけでは、再び免疫系の攻撃を受けてしまうため、細胞を保護する高分子の「入れ物」も並行して開発している。

 同社のマッズ・クロスゴー・トムセン最高科学責任者は「これまで20年間研究を進め、あと数年で臨床試験に入れる段階まで来た。実用化にはそこからさらに数年かかるだろうが、日米欧当局から要求される水準をクリアできるよう開発を進めている」と自信をのぞかせた。

 

1型糖尿病と2型糖尿病の主な違い

       <1型糖尿病>            <2型糖尿病>

発症年齢   子どもや若い人に多い         中高年に多い

体形の特徴  やせていても起こる          肥満で発症しやすくなる

発症のしかた 突然発症し、急速に悪化する      ゆるやかに発病し、進行もゆっくり

発症の原因  膵臓のβ細胞が破壊される自己免疫疾患 遺伝的体質に加え、肥満や運動不足などの生活習慣

治療方法   注射などのインスリン補充療法     食事制限や運動。飲み薬とインスリンによる治療も

1型糖尿病:インスリン製剤改良や新機器続々 生活の質、改善進む – 毎日新聞

看護師の書いた糖尿闘病記
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やせ型や若い人も要注意 「隠れ糖尿病」とは?

朝日新聞デジタル

 

 昨年、厚生労働省が発表した2016(平成28)年「国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病が強く疑われる人の数は約1000万人。調査開始以降、初めて1000万人の大台を超えたことで話題になりました。

 糖尿病とは、血糖値を下げる働きのある「インスリン」というホルモンの分泌量が少なくなったり、効きが悪くなったりすることで血糖値が高い状態が慢性的に続いてしまう病気です。高血糖状態が続くと、腎症(腎臓の働きが悪くなる病気)や神経障害、脳卒中など、様々な合併症を引き起こします。特に腎症が進行すると腎不全になり、末期には人工透析が必要になります。

 このような症状の治療は高額なことに加え、糖尿病は一度かかると、完全に治癒することは難しく、治療は長期化します。また、患者が増えていることと相まって、国全体の医療費を押し上げる大きな要因にもなっています。

 さて、糖尿病にかかっているかどうかは血糖検査で判定します。糖尿病の判定に使われる指標はいくつかありますが、その一つが健康診断でもはかられることが多い「空腹時血糖値」です。健康診断では、前日の夜から10時間以上絶食状態で当日の朝に採血したものを空腹時とすることが一般的です(※「空腹時」の定義は検査機関によって多少異なりますので受診前に必ずご確認を)。

 食事をすれば誰でも血糖値は上がります。そして正常な人の場合、2時間ほどで値は正常域まで下がりますが、糖尿病の人は食後10時間以上経過してもなかなか正常域まで下がりません。つまり、空腹時血糖値が高い人は、糖尿病の可能性が非常に高いというわけです。

 ところが、空腹時の血糖値は正常でも、食後の血糖値が基準を大きく超える人がいます。このような状態は「隠れ糖尿病」といわれ、空腹時の血糖検査だけでは見逃されてしまいがちです。

 そこで、糖尿病の疑いがある人には空腹時だけではなく、75gのブドウ糖液を飲んで30分後、1時間後、2時間後に血糖値をはかる「75g経口ブドウ糖負荷試験」を行います。この検査では、食後の時間毎の血糖値変化をみることで、インスリンの作用不足などを確認することができます。ただ、明らかに糖尿病の人がブドウ糖負荷試験を行うとかえって病状を悪化させてしまう場合もあるため、医師の判断で二次検査としてはかることが多いようです。健康診断などではブドウ糖負荷試験は実施しないことが多いため、やはり「隠れ糖尿病」は見落とされてしまうケースが多いのです。

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 糖尿病は中高年で肥満がちの人がなりやすい病気だと思われていますが、インスリンの分泌反応が遅い、分泌量が少ないなどインスリンの作用不足で起こる「隠れ糖尿病」は、遺伝も関連することから、やせ型の人や若い人にも存在します。

 「やせているから」「若いから」などと甘く見て食後高血糖の状態に気付かずにいると、糖尿病による合併症が進行してしまうことがあるから厄介です。そのため早期に発見し、対策を講じることが重要なのです。――が、空腹時血糖検査では見つけにくく、ブドウ糖負荷試験も時間やコスト面から健康診断で実施することは現実的ではありません。

 それならどうするのかというと、もう一つの指標、糖化ヘモグロビン(HbA1c:ヘモグロビンエーワンシー)を調べる方法があります。

 HbA1cとは赤血球中のヘモグロビンが糖と結合したもので、この割合を見ることでヘモグロビンが過去にどれだけの糖にさらされたか――つまり過去(1、2カ月といわれています)の血糖の状態が分かります。健康診断の時に空腹時状態で受診できない人には空腹時血糖値の代わりにHbA1c値だけをはかる場合や、空腹時血糖値とHbA1c値の両方をはかる場合も増えてきています。

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 「隠れ糖尿病」の人の場合、前日の夜から当日の朝まで絶食して健康診断に臨めば、空腹時血糖値は下がります。しかし、HbA1cはそのような影響に左右されにくく、インスリンの作用不足や普段の食習慣によって起こっている食後高血糖が比較的そのまま反映されます。つまり、空腹時血糖だけでは見落とされてしまう「隠れ糖尿病」を発見するきっかけになるわけですね。ただし、HbA1cにも不安定になる要素があるため、糖尿病の診断をするためにはHbA1cの値だけでなく、必ず血糖検査と併用されます。

 さて、糖尿病の人はもちろん、隠れ糖尿病の人や血糖値が高めの人は、症状を悪化させないためにも、血糖を過剰に上げないようにするなど、血糖値をコントロールすることが求められます。そして、それを実現するのが、運動と食事習慣の改善です。

 糖はからだを動かすエネルギー源として使われるため、運動をすることでインスリンを使わずに血糖値を下げることができます。血糖値が上昇し始め、ピークになるのは、食事の約30~60分後なので、このタイミングでウォーキングや軽い筋トレなどの運動を行うとよいでしょう。

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 食事に関しては、糖質を多く含む食べ物は、急激に血糖値を上昇させるため、食べ過ぎないよう注意しましょう。特にからだに吸収されやすいブドウ糖や果糖の多い清涼飲料水は要注意です。

 なお、糖尿病の治療や予防というと糖質を極端に制限しなければいけないと思う人がいますが、これは逆効果です。糖質をまったくとらないと、からだはエネルギー源を確保できず、筋肉が落ちてしまいます。すると代謝が悪くなるため、効率的に血中の糖を消費できなくなってしまうのです。糖質は活動量に合わせて適度にとることが大切です。

 そして食事の際の料理を食べる順番も血糖値に影響します。食物繊維を多く含む野菜やキノコなどや、たんぱく質を多く含む肉や魚などの料理を最初に食べると、その後に糖質を多く含むごはんやパンなどを食べても急激な血糖値の上昇が抑えられます。また、同じ穀類でも精製された白米や小麦粉を使用したパンより、精製されていない玄米や全粒粉を使用したパンやパスタの方が血糖値の上昇が緩やかです。

 糖尿病の予防には、糖質制限だけでなく食べ方や食品の種類を変えることも意識しておくとよいでしょう。既に糖尿病で通院している方は、薬だけでなく食事や運動も治療の一環となりますので、必ず医師の指示に従ってください。

 

 最後に一つ、「尿糖」について触れておきます。健康診断で血液検査がない人も尿糖検査だけは受けているという人は多いと思います。この検査は、尿中に糖が含まれているか調べる検査です。糖尿病はその名の通り、糖が尿中に出る症状があるのですが、糖尿病の人は全て尿に糖が出るのかというと必ずしもそうではありません。私たちのからだは、生きていくために必要な栄養はなるべく排泄しないようにできていて、血糖値が少し高くても腎臓で血液をろ過する際に、糖は再びからだに吸収されます。糖が腎臓で再吸収される量を超えた時、尿に糖が出てくるのです。

 このことから、尿糖だけで糖尿病を早期に発見することは難しいのですが、尿糖が陽性反応を示していれば、かなり血糖値が高い状態であることが予測されます。「隠れ糖尿病」といわれる人は、空腹時の尿糖は陰性であっても、食後高血糖状態の時に尿糖が陽性になる可能性があります。健康診断で血液検査がない場合は、食事をして受診される人もいますので、尿検査だけでも糖尿病や隠れ糖尿病を発見するきっかけにあることもあります。尿検査だからと侮ってはいけないのです。

 繰り返しになりますが、糖尿病は完治させることが難しい病気です。けれども、個人の心がけ次第で予防ができる病気でもあります(生まれつきインスリンの量が少ない1型糖尿病は除きます)。

 6月になり、年度初めに受けた健康診断の結果が戻ってきた人も多いと思います。結果をチェックして、これを機会に食事や運動習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

<アピタル:タニタとつくる健康生活・コラム>

http://www.asahi.com/apital/column/tanita/(アピタル・土佐文子)

やせ型や若い人も要注意 「隠れ糖尿病」とは?:朝日新聞デジタル

看護師の書いた糖尿闘病記
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糖尿病の人が「睡眠不足」を感じたら放置してはいけない理由

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 十分に眠れないことは、小さな問題ではない。単なる「睡眠不足」だと思って油断していると、心身の不調につながりやすい。睡眠不足を解消すると糖尿病やメタボが改善するという研究も発表されている。

睡眠不足が慢性化すると血糖値が上昇

 睡眠不足に悩まされている人は多い。日本人は、特に就労者の睡眠時間が世界でもっとも短いと言われる。

 就労者の睡眠時間を比較した経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7.5時間程度で、先進国でも群を抜いて短い。

 睡眠不足が続いて、気力も体力も思考能力も著しく低下してしまうのを実感する人は多いが、睡眠不足の影響はそれだけではない。

 睡眠不足が慢性化すると、空腹時血糖値が上昇し、基礎インスリン分泌能が低下するなど、2型糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが上昇するという調査結果がある。

 多くの人の場合、睡眠時間が7時間を切ると、睡眠の負債が発生しはじめる。早く返済すればさほど問題はないが、睡眠不足が続いているという人は、睡眠を改善するための対策をするべきだ。

 

睡眠時間が7~8時間の人がもっとも糖尿病リスクが低い

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 睡眠時間は長くても短くても、健康リスクが高まる。韓国のソウル大学医学部の研究チームが13万人以上を対象に行った調査によると、睡眠時間が6時間未満の人はメタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇するという。

 調査の参加者の睡眠時間は4時間以下から10時間以上まで幅広く、メタボや糖尿病のリスクがもっとも低いのは睡眠時間が7~8時間の人で、睡眠時間が7時間未満の人や、10時間を超える睡眠過多の人でリスクが上昇するという、U字型の分布を示すことが示された。

 睡眠時間を延長すると、眠気を解消できるだけでなく、空腹時血糖値の低下、基礎インスリン分泌能(HOMA-β)の増大などを得られ、糖尿病のリスクが低下することが明らかになった。

 「睡眠時間は7~8時間がメタボや2型糖尿病を予防・改善するために好ましいと言えます」と、研究者は述べている。

睡眠不足を解消すると糖質の摂取量を減らせる

 慢性的な睡眠不足は、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られている。

 睡眠不足がたった2日間続けただけで、食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌は減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進するため、食欲が増大することが分かっている。

 英国のキングス コレッジ ロンドンの研究では、睡眠不足が続くと、とくに糖質を過剰に摂取したくなる傾向があることが分かった。睡眠不足を解消すると、糖質の摂取量を減らせるという。

 研究チームは、睡眠時間が1日7時間未満の18~64歳の21人の男女を対象に、睡眠時間をあと1.5時間増やすことを目標に、睡眠改善のためのコンサルティングを行った。

 その結果、平均して就眠時間が約1時間早まり、睡眠時間は約30分増え、86%で睡眠が改善した。睡眠が改善した人では1日の糖質の摂取量が平均9.6g減少した。

 「睡眠不足によって、私たちの食行動までも影響を受けます。睡眠不足の人は、睡眠時間を1時間増やしただけで、食生活を改善し、健康的な食品を選べるようになることが分かりました」と、研究者は述べている。

睡眠不足があると摂取カロリーが385kcal増える

 キングス コレッジ ロンドンによる172人を対象とした別の研究では、睡眠不足の人は、1日の摂取カロリーが平均385kcal多くなるという。これは、カップ麺1杯分ほどの量に相当する。

 「1日に摂取カロリーが1日に385kcal増えてしまうのは深刻です。慢性化すると、確実に体重増加につながります。肥満の原因は、摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスです。睡眠不足が慢性化するとことで、摂取カロリーが増え、バランスが崩れやすくなります」と、研究者は述べている。

 睡眠不足は、2型糖尿病やメタボリックシンドロームだけでなく、心筋梗塞や狭心症などの命に係わる深刻な疾患のリスクも上昇させる。冠動脈疾患といった生活習慣病にかかりやすくなることも明らかになっている。

 「睡眠は簡単なアドバイスによって改善できます。食べ過ぎが気になっている人は、ご自分の睡眠を見直してみることをお勧めします」と、強調している。

 日々の生活の中で睡眠時間はともすれば犠牲になりがちだ。しかし、睡眠問題は静かにしかし着実に心身の健康を蝕む。

 睡眠習慣の問題や睡眠障害を放置せず、自分の睡眠状態に疑問を感じたら、かかりつけ医に相談をしてみよう。 Sleeping too much or not enough may have bad effects on health(BMC Public Health 2018年6月12日)

Association between sleep duration and metabolic syndrome: a cross-sectional study(BMC Public Health 2018年6月13日)

Sleeping for longer leads to a healthier diet(キングス コレッジ ロンドン 2018年1月10日)

Sleep extension is a feasible lifestyle intervention in free-living adults who are habitually short sleepers: a potential strategy for decreasing intake of free sugars? A randomized controlled pilot study(American Journal of Clinical Nutrition 2018年1月10日)

Sleep deprivation may cause people to eat more calories(キングス コレッジ ロンドン 2016年11月2日)

The effects of partial sleep deprivation on energy balance: a systematic review and meta-analysis(European Journal of Clinical Nutrition 2016年11月2日)

糖尿病の人が「睡眠不足」を感じたら放置してはいけない理由 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

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がん、糖尿病 死亡率、全国ワースト2 

17年 /青森

 厚生労働省がこのほど発表した2017年の人口動態統計(概数)によると、死因別で見た県内の死亡者数は、がん(悪性新生物)が28・4%と最多で、心疾患14・8%▽脳血管疾患9・7%▽肺炎8%--だった。この四つの死因による死亡者数は、全体の約6割を占めた。【井川加菜美】

 また、人口10万人あたりの死亡率でみると、がんは391・3(前年比1・1ポイント増)となり、5年連続で全国ワースト2位を記録。また、糖尿病による死亡率も、19・1(同2ポイント増)で全国ワースト2位だった。

 県は糖尿病予防に向けた啓発キャンペーンや女性ががん検診を受ける機会を増やすための事業などを展開する。

 一方、県内の出生数は前年より591人少ない8035人と減少したが、死亡者数は1万7575人で前年より266人増加し、人口の自然増減は19年連続のマイナスとなった。女性1人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1・43(前年比0・05ポイント減)と5年ぶりに減少に転じるなど、人口減少に歯止めがかからない状況が続いている。

「あとトマト1個分 県民は野菜食べて」 糖尿病の予防へ県が委員会発足

 糖尿病の発症や重症化を防ごうと、県庁職員で構成する「青森県庁糖尿病リテラシー向上委員会」が発足した。県では4月にPR隊「高血糖ストッパーズ」を結成しており、協力し合いながら糖尿病に関する知識の普及・啓発活動を進める。

 同委員会は、公募で集められた県職員33人で構成。12日に県庁で行われた交付式には29人が参加し、三村申吾知事が任命書を手渡した。三村知事は「今を変えれば未来が変わる。健康寿命に対する意識が高まればうれしい」と激励した。

 交付式では、「高血糖ストッパーズ」による寸劇も披露。飛び入りで“出演”した三村知事は「野菜は1日350グラム必要。県民はあとトマト1個分の100グラムの野菜が足りない。トマトを食べて」とアピールしていた。

 同委員会では今後、メンバーの職員自らが勉強会に参加して糖尿病への理解を深めるほか、血糖コントロールの重要性など糖尿病予防策の普及・啓発をはかる。メンバーの田端康佑さんは「県民と同じ立場で一緒に理解を深めていきたい」と意気込んでいた。

 県によると、糖尿病による県内の死亡率(人口10万あたり)は2014年から3年連続で全国ワーストが続いた。17年は順位を一つあげたものの、全国ワースト2位にとどまる。【井川加菜美】

人口動態統計:がん、糖尿病 死亡率、全国ワースト2 17年 /青森 – 毎日新聞

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糖尿病や高血圧の患者に必要な食品

カナダのゲルフ大学の学者らが実験を行い、内分泌系機能、及び心血管系機能を改善する食品を明らかにした。

スプートニク日本

学者らは、緑レンズ豆と赤レンズ豆の料理が糖尿病や高血圧の患者にとって極めて有益であると主張している。

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East News/Media for Medical/UIG
糖尿病と戦う細胞、露で開発

学者らは成人24人を対象に実験を行った。参加者は米やジャガイモのみ、また米やジャガイモに緑レンズ豆と赤レンズ豆を1対1の割合で混ぜるという2種類の食事をとり、食前と食後の2時間にわたって血糖値と血圧が測定された。

結果、米とレンズ豆を食べた時の血糖値は、米のみを食べた時よりも20%低かった。ジャガイモの場合は、35%低かった。またレンズ豆の料理を食べた後は血中コレステロール値も低下し、血圧の正常化も見られたという。

学者らはその理由について、レンズ豆には価値のあるビタミンや微量元素が豊富に含まれていることを挙げている。

 

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やせて筋肉少ない女性に糖尿病リスク その原因は?

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 最近、日本では女性のやせすぎが問題になっている。極端なやせは、肥満と同様に、さまざまな病気の原因になる。例えば、やせた女性は、太った女性と同様に糖尿病になりやすいことが知られている。なぜそんなことが起こるのだろうか。

 順天堂大学大学院医学研究科・スポートロジーセンターセンター長の河盛隆造氏、同センター准教授の田村好史氏、特任助教の染谷由希氏らは、やせている女性を対象に研究を行い、やせていて筋肉の「量」と「質」が低下した女性ほど、高血糖になりやすいことを明らかにした。

■閉経後のやせた女性の4割弱が糖尿病予備群

 研究には、20代のやせた女性31人と、50~65歳で閉経後のやせた女性30人が参加。20代の普通体重の女性13人、50~65歳で閉経後の普通体重の女性10人も参加した。20代はやせた女性の割合が最も高い年代で、閉経後は糖尿病の発症リスクが高まる年代。「やせ」の基準は、BMI[注1]16以上18.5未満、「普通体重」の基準はBMI18.5以上23未満とした。

 これらの参加者について、糖尿病の診断に用いる「75g経口ブドウ糖負荷試験」「体組成の測定」「異所性脂肪の測定」を実施した。

[注1]BMI:体格指数。体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったもの。

やせて筋肉少ない女性に糖尿病リスク その原因は?|ヘルスUP|NIKKEI STYLE

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多産が糖尿病のリスクに!?

2018年6月17日
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 少子化問題を抱える日本では、国を挙げた対策が講じられている。そんな中、こうした動きに水を差しかねない新たな研究成果が、JPHC研究を実施する国立がん研究センターなどの研究グループから報告された。出産回数が多いほど、糖尿病の発症リスクが高まるという。研究の詳細は、4月18日発行の医学誌「Journal of Diabetes Investigation」( 電子版 )に掲載されている。

出産回数が多いほど糖尿病リスクが上昇

 肥満や運動不足、喫煙、糖尿病の家族歴などがあると、糖尿病のリスクが高まることはよく知られているが、性ホルモンも糖代謝に関連していることが分かっている。例えば、女性ホルモンであるエストロゲンは、糖尿病の原因となるインスリン感受性を改善したり、インスリン分泌を高めたりする。エストロゲンの血中濃度は、生理周期や妊娠・出産などの影響を受けて変化するため、これらの要因が糖尿病の発症に関連している可能性がある。

 そこで研究グループは、JPHC研究に参加した45~75歳の女性のうち、糖尿病やがん、循環器系疾患の病歴のない3万7,511人を対象に、研究開始時と5年後に、女性関連要因に関するアンケートを実施。初経年齢、月経状況、閉経年齢、初経から閉経までの期間(生殖可能期間)、ホルモン剤の使用歴、出産回数、初産年齢、授乳歴を調べた。また、研究開始から10年後に、糖尿病の発症の有無を確認した。集めたデータに基づき、女性関連要因と糖尿病発症との関連を検討した。5年後調査以降の5年間に糖尿病を発症したのは513人だった。

 その結果、未経産婦に比べ出産回数の多い女性ほど、糖尿病の発症リスクが高まった。しかし、肥満度の指標であるBMIの影響を除くと、この傾向は弱まった。そして、出産回数以外の女性関連要因には、糖尿病発症との関連は見られなかった。

 今回の結果について、研究グループは、「出産に伴う糖尿病リスクの上昇は、産後の体重増加が理由の1つとして考えられる」と分析。実際、解析対象となった女性は、出産回数が多いほどBMIが高い傾向だったという。

 これまでの欧米等の研究では、初経年齢や閉経年齢が早い人、閉経した人は、糖尿病の発症リスクが高まると報告されている。にもかかわらず今回の研究では、出産回数以外の要因は、糖尿病発症との関連が認められなかった。この点について、研究グループは「理由ははっきりしないが、糖尿病の重要なリスク因子である肥満の割合が、欧米と日本では大きく異なるためかもしれない」と推察。さらに「女性関連要因と糖尿病に関して、日本を含むアジアでの研究は少ない。今後はさらなる研究データの蓄積が必要だ」とコメントした。(あなたの健康百科編集部)

多産が糖尿病のリスクに!? : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

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少量のアスピリンでがん抑制か 

65歳未満の糖尿病患者

朝日新聞デジタル

 

 65歳未満の糖尿病患者が長期間、少量のアスピリンをのみ続けると、がんを抑えられる可能性があるとする研究結果を、奈良県立医大や国立循環器病研究センターなどのチームがまとめた。アスピリンの抗炎症作用ががんを抑制していると考えられるという。17日、米国糖尿病学会誌に発表する。

 糖尿病患者はがんになりやすい傾向があるとされる。生活習慣が主な原因となる「2型糖尿病」の患者約2500人を、低用量アスピリンを毎日のむグループと、のまないグループに分け、2002年から追跡した研究をもとに、検証した。海外の研究などからアスピリンのがん抑制効果が注目されているため、10年後にがんになった頻度を比較した。

 その結果、研究参加時点に65歳未満だった人でみると、10年後にがんになったのは、のむグループ7%に対し、のまないグループ12%。統計学的な分析では、のむグループは、がんになるリスクが3割強少なかった。ただし、65歳以上の人も含めた全年齢でみると、差はみられなかった。

少量のアスピリンでがん抑制か 65歳未満の糖尿病患者:朝日新聞デジタル

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糖尿病もガンも認知症も…糖質制限はやっぱり人類を救う ライフ・マネー

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『写真・AFLO』

 

 いまやダイエットや体質改善の常識となりつつある、糖質制限。入口が「主食の米、パン、麺を減らす」と手軽なうえ、短期間で効果が出やすく、“信者” は増え続けている。

 一方、カロリーや脂質の制限を推奨してきたこれまでの専門家の主張を覆した理論でもあり、批判の声も少なくない。テレビでもときに、批判が展開される。

 4月には新たな主張として、「週刊新潮」が「老化」「短命」と「がん」「認知症」をテーマに2号連続の記事を掲載(4月5、12日号)、「女性セブン」が「老化」「お米ダイエット」で記事を掲載(4月12日号)し、注目を集めた。

 記事はどちらも、2018年の3月に発表された東北大学大学院の農学研究科チームによる実験の結果をきっかけにしていた。マウスを2群に分け、一方に主食である炭水化物を一切与えない「糖質制限食」、もう一方に脂質、糖質、タンパク質をバランスよく配合した「通常食」を与えたところ、糖質制限群は平均寿命より20~25%も短命になったという。

 また、糖質制限群は通常食群に比べて30%も早く老化が進んだ、とも報告された。両誌とも、毛が抜け、見るからに弱ったマウスの写真を掲載し、糖質制限の危険性を訴えた。

 はたして糖質制限は本当に危ないのか。異なる分野で糖質制限を導入している、4人の専門家に聞いた。

「マウスの実験結果で人間の糖質制限を論じるなんて、理解できません」

 そう語るのは、糖質制限ブームの火つけ役でもある医師の夏井睦先生だ。

「ネズミはもともと穀物を食べて生きる動物です。生命力の源である炭水化物を一切与えなければ、それは不健康になるに決まっているでしょう。

 反対に人間は元来、肉食に適した生き物です。肉をはじめとするタンパク質は5分から10分もすれば胃液ですぐ溶けてしまうのに、米やうどんは10時間近く消化できないんです」

 糖質制限をガン治療に取り入れている臨床医の古川健司先生は、実験の条件の極端さを指摘する。

「まったく糖質を与えない、というのはガン治療でおこなうレベルの話。普通の状態の生き物なら、悪いデータが出るのは当然です。

 また『週刊新潮』は、大腸ガンの権威である米ジョンズ・ホプキンス大のボーゲルシュタイン教授らが発表した『低血糖がガンを発生させる』という論文を根拠に、糖質制限を批判しています。

 しかし、糖質制限をしても、人体では糖質以外の物質からブドウ糖を作る『糖新生』が起きるので、低血糖にはなりません」

 古川先生が監修を務めた『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)の著者で、管理栄養士の麻生れいみ先生も、「週刊新潮」の矛盾点を指摘する。

「糖質制限反対派として登場する、Y’sサイエンスクリニック広尾の日比野佐和子統括院長が、『3年間ストイックに糖質制限を続けたら、脳梗塞になりかけた』と語っていますが、最近の女性誌に、糖質制限を上手に取り入れて理想的な食事を摂られている様子が特集されていましたよ。

 糖質制限は、“食べるダイエット”。カロリー制限とは考え方がまったく違います。またリスクや禁止事項など、正しい知識を身につけることも大切です」

 妊娠の影響で発症する糖代謝異常である、妊娠糖尿病の治療を数多くおこなう宗田哲男先生も、「糖質制限で老化が早まる」との主張に強く反論した。

「糖質制限をすると、エネルギー代謝の回路が切り替わり、体内でケトン体という物質の濃度が上昇します。このケトン体は、ブドウ糖と同じく脳のエネルギー源となるものですが、それが老化の原因になるというのです。

 しかし世界的にも、老化の原因は『酸化』と『糖化』、つまり糖質であるという考え方が主流です。私の研究では、これから成長していく胎児はケトン体の塊であることがわかっています」

 ケトン体への批判については、夏井先生も反論する。

「『糖質制限をすると、ケトン体燃焼の影響で睡眠中の脳がエネルギー不足に陥る』という記述がありました。脳は睡眠中も活発に活動していますので、睡眠時のエネルギー補給は、体内に貯められる量の少ないブドウ糖は不向き。脂肪を代謝するケトン体がいいのです」

 また、長年にわたり糖質制限と寿命との関係について、あたかも正しく研究がなされてきたような記述があることも問題である、と夏井先生は語る。

「数百人の被験者の糖質制限を10年以上にわたり調査した、という欧米の論文を論拠に、寿命が短くなったという主張がありました。毎日、他人の食事を正確に把握することは困難です。調査や研究で人数が多いもの、期間が長いものは被験者の自己申告頼りになり、信頼性はあまり高くありません」

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『増える糖質カット食品』

 では実際、糖質制限はどのように役立っているのだろうか。医療の現場では、すでに有効な治療方法として活用されていた。

「糖尿病と、合併症のせいで要透析になる患者さんは、年々増え続けています。治療方針が正しい方向に進化しているのであれば、患者さんは減るはずですよね。

 いままでの治療では糖尿病がよくならなかった人も、私が糖質制限を指導すると、すぐに改善します。糖尿病治療ではカロリーと脂質を抑えた食事をガイドラインにしていますが、これが間違いなのです」(宗田先生)

 糖尿病に並んで糖質制限を取り入れているのが、ガンの治療である。

「私がふだん対面するのは、ステージIVのガン患者さん。実際におこなっている食事療法は『スーパーケトジェニック』といい、糖質を95%制限します。糖質はガンの栄養素ですから、断つことでガンの縮小と消滅を狙うのです。

 この治療法は、私が治療をしたステージIVの方の83%に効果がありました。ただ、ここまでの制限を一般の方が1年以上おこなうと、動脈硬化のリスクが高まるなどの影響が出ます。普通の方は糖質を1日130グラム程度に抑える『ロカボ』レベルで十分です」(古川先生)

 なお2017年、食事の本を刊行して話題になったサッカーの長友佑都選手がおこなっているのは「ロカボ」のひとつ上のカテゴリー「セミケトジェニック」で、1日の糖質摂取量は80グラムまで。

「ガンなどの予防にかなり効果があり、継続しても問題ありません」(同前)

 予防という観点からいえば、意外にも認知症対策に効果があるそうだ。

「ケトン体はすでにアルツハイマー病の治療にも使われ、効果があったという論文がいくつも発表されています。いま、糖質制限の認知症予防効果に注目が集まっていますよ」(宗田先生)

 いくつもの分野の治療で、効果が実証されている糖質制限。「専門医のもとでの治療がうまくいかず “駆け込み寺” として相談に訪れる患者が、たくさんいます」と夏井先生は語る。

「糖尿病で『脚を切断するしかない』と言われた人、膝の火傷治療で『背中から皮膚を移植します』と言われた人が、ネットで検索して私のところに来ます。そして糖質制限をしたら……治るんです。

 治療法を学会ガイドラインに頼るだけの専門医に、患者さんが通わなくなる時代が、もうすぐ来ると思いますよ。

 最近、私のまわりでは、歯科、内科、精神科、整形外科といった分野で、柔軟な医師たちが、糖質制限を治療に取り入れて成果を挙げています」

 ダイエット、病気の予防、治療、さらに代替療法まで。いいところだらけに思える糖質制限だが、実際に生活に取り入れるときは注意が必要だ。

「糖質の処理能力には個人差があります。また、ただ『ご飯を抜けばいい』と単純に考えている方が多いことが問題なのです。炭水化物を抜いたら、代わりにタンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ってください。

 そしてなにより、糖質制限の専門書を一冊読んで勉強し、自分に合った糖質制限を知ることが大切です」(麻生先生)

 印象だけで自分勝手におこなう “糖質抜き” は危険なのだ。

(週刊FLASH 2018年5月29日号)

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糖尿病の医療費 

合併症を発症すると負担が数倍に跳ね上がる

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 糖尿病の医療費を抑えるために必要なのは、合併症の予防であることが、ドイツの研究で明らかになった。

 2型糖尿病の医療費は年間65万円ぐらいだが、糖尿病合併症のひとつである腎症により人工透析を開始した場合、医療費ははじめの四半期だけで300万円に跳ね上がるという。

糖尿病合併症が医療費を増やしている

 糖尿病のさまざまな合併症は医療費の負担を増加させることが、ドイツで30万人以上の糖尿病患者の医療保険のデータを調査した研究で明らかになった。

 世界全体では糖尿病の医療費は、医療費全体の12%を占め、80兆円(7,270億ドル)に上る。

 「糖尿病の医療費を抑えるために必要なのは、適切な治療を続けて、合併症を予防することです」と、研究者は強調している。

 研究は、ドイツ糖尿病研究センター(DZD)が資金提供して行われたもので、米国糖尿病学会(ADA)が発行する医学誌「Diabetes Care」に発表された。

糖尿病による社会的な負担が増大

 糖尿病は初期の段階であっても、高血糖や脂質異常などが長時間持続することで、血管や臓器に障害がもたらされる。

 全身のあらゆる臓器に障害が起こりうるが、とくに細小血管症では、失明につながる網膜症や、腎不全を引き起こす腎症がある。大血管症では、心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳血管障害などがある。足の切断につながる足病変も、深刻な糖尿病の合併症だ。

 ドイツの2型糖尿病の患者数は約700万人と推計されている。糖尿病の医療費は患者1人当たり年間に約65万円に上るとみられている。

 「糖尿病患者の数が増え、糖尿病による社会的な負担は増大しています。研究の目的は、医療保険で負担している糖尿病の医療費を調べることです」と、ミュンヘン環境健康研究センター(HZM)のカタリナ カーム氏は言う。

糖尿病合併症の医療費は高額

 研究チームは、ドイツの2型糖尿病患者31万6,220人の2012~2015年のデータを調べた。

 ドイツの保険診療の明細書のデータをもとに、2型糖尿病の有病率が高い60~69歳の男性の医療費を抽出した。糖尿病の合併症により四半期にどれだけの医療費がかかったかを調べた。

 その結果、糖尿病の合併症の医療費は、下記の通り高額になることが分かった。

  ・ 糖尿病網膜症 9.1万円(700ユーロ)   ・ 失明 39万円(3,000ユーロ)
  ・ 腎障害 44.2万円(3,400ユーロ)
  ・ 腎不全(透析導入) 300万円(2万3,000ユーロ)
  ・ 糖尿病足病変 16.9万円(1,300ユーロ)
  ・ 足切断 182万円(1万4,000ユーロ)

 「糖尿病の医療費は、治療が長期にわたり続く慢性疾患です。糖尿病合併症を発症すると、医療費は数倍に跳ね上がります」と、カーム氏は言う。

 心血管疾患および脳血管疾患の医療費の負担は幅がある。狭心症の医療費は35万円(2,700ユーロ)ほどだが、致死性の高い虚血性心疾患は260万円(2万ユーロ)になり、いずれも深刻だ。

合併症を長期にわたり防ぐ予防プログラムが必要

 「糖尿病の合併症は発症した四半期の医療費が高いのですが、その後も医療費は増えていきます」と、カーム氏は言う。

 合併症を発症すると、患者の生活の質(QOL)が大きく低下するだけではない。増加する医療費は、患者にとって大きな負担になるが、国の財政にとっても深刻なダメージになる。

 糖尿病の医療の重要な目標は、合併症を長期にわたり防ぐ予防プログラムを整備することだという。「糖尿病の医療費について詳しい解析をできたことで、合併症を防ぐことがいかに重要であるかが、より明確になりました」と、研究者は述べている。

 「2型糖尿病の予防・治療するためのプログラムを策定し、糖尿病をコントロールすることが、国の政策として優先度が高いことが示されました。今後は高血圧や脂質異常症など、併発している疾患による経済的影響についても調査する予定です」としている。 Type 2 diabetes: the costs of treating complications(ミュンヘン環境健康研究センター 2018年2月2日)

Health Care Costs Associated With Incident Complications in Patients With Type 2 Diabetes in Germany(Diabetes Care 2018年5月)

糖尿病の医療費 合併症を発症すると負担が数倍に跳ね上がる | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

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糖尿病の人が「卵」を食べても血糖やコレステロールに影響しない

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 目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグなど、さまざまな調理法がある卵は、栄養価の優れた食品だ。

 コレステロールが多く含まれているので、卵を控える人は少なくない。しかし最近の研究では、卵を毎日食べても、血糖値やコレステロール値に影響せず、心血管疾患のリスクも上昇しないことが分かってきた。

2型糖尿病の人は卵を毎日食べても大丈夫?

 2型糖尿病の人は、卵を毎日食べても、血糖値やコレステロール値に影響せず、心血管疾患のリスクも上昇しないという研究をシドニー大学が発表した。

 「卵はコレステロールが多く含まれる食品で、2型糖尿病の人は悪玉のLDLコレステロールの値が高い傾向があります。今回の研究では、糖尿病の人が卵を食べ続けても安全であるかを検証しました」と、シドニー大学のニック フラー氏は言う。

 研究チームはこれまでの研究で、糖尿病患者が3ヵ月間、卵を食べ続けても、コレステロール値や血糖値、血圧値に影響しないことを確かめていた。今回の研究では、卵を食べる期間が1年間に及んだ場合も安全であるかを確かめようとした。

 研究には128人の糖尿病患者と予備群が参加した。参加者は最初の3ヵ月間は、週に12個の卵を食べる群と、週に2個の卵を食べる群に分けられた。その後は卵を食べるローテーションを続けながら、3ヵ月の体重コントロールにも取り組んだ。6ヵ月間のフォローアップを加えて、合計12ヵ月間、参加者は卵を食べ続けた。

卵を毎日食べても心疾患リスクは上昇しない

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 その結果、卵を食べる量の変化に関わらず、参加者の心血管リスクを示す検査値には有害な変化はなく、体重減少も達成できた。週に12個の卵を食べた群は3.1±6.3kg、週に2個の卵を食べた群では-3.1±5.2kg、それぞれ体重が減少した。

 「2型糖尿病の食事療法では、卵のようなコレステロールの多い食品を食べ過ぎないように指導されることが多いが、今回の研究では、野菜や果物、全粒穀物、魚、ナッツ類と組み合わせて食べれば、卵を制限する必要はないことが示されました」と、フラー氏は言う。

 ただし、バターやチーズ、赤身の肉、ベーコンやハムなど、動物性の脂に多く含まれる飽和脂肪酸は、体内で悪玉のLDLコレステロールを増やす作用がある。心臓疾患を予防するために勧められるのは、多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸、精製されていない全粒粉などの炭水化物だという。

1日1個の卵で心血管疾患リスクが低下

 卵を毎日食べる食事スタイルは、むしろ健康に良いという研究も発表されている。英国のオックスフォード大学などの研究チームは、卵を1日に1個食べている人は、まったく食べない人に比べ、心臓病や脳卒中のリスクが減少する可能性があるという研究を発表した。

 北京大学健康科学センターなどは、30~79歳の健康な中国人51万2,891人を対象に、前向き研究を行なった。卵を食べる頻度と、心臓血管疾患(CVD)や冠状動脈イベントなどの関連を約9年にわたって追跡して調査した。

 その結果、卵を毎日食べると、出血性脳卒中のリスクが26%、出血性脳卒中による死亡リスクが28%、CVDによる死亡リスクが18%、それぞれ低下した。さらに、卵をよく食べているグループ(週に5.32個)は、あまり食べていないグループ(週に2.03個)に比べ、虚血性心疾患のリスクが12%減少した。

 「卵には高品質のタンパク質、ビタミン群、リン脂質やカロチノイドなどの生理活性物質が含まれます」と、研究者は指摘している。

コレステロールの摂取量の基準はない

 
卵はコレステロールの多い食品として代表的で、以前は「卵は1日1個までにしないとコレステロール値が上がる」と言われていた。これは、1970年代に行われた研究を根拠としていた。

 以前まで、厚生労働省では、1日のコレステロールの摂取基準を女性600mg、男性750mgと設けていた。卵1個のコレステロール値はおよそ300mgなので、卵は「1日1個まで」が良いとされていた。

 しかし、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」は2015年に改定され、コレステロールの目標量(上限)の記載が消えた。コレステロールを多く含む食品を食べても、血中コレステロール値には影響がないという研究報告が相次ぎ、目標量は「十分な科学的根拠がない」とされたためだ。

コレステロール値の変動に気をつけることが大切

 コレステロールの70~80%は肝臓など体の中で作られ、食事から摂取されるのは20~30%にとどまる。血中のコレステロール値は、健康な人では、血中の濃度が体内での合成量により調節され一定に保たれており、食事によるコレステロール摂取量がそのまま反映されるわけではない。

 現在は、卵は一般的には1日2個までなら食べても大丈夫だとアドバイスする専門家が増えている。卵は安くて栄養豊富な食品だ。卵には必須アミノ酸が含まれ、卵黄に含まれるレシチンには血管を強くしたり、血中の余分なコレステロールの沈着を防いだりする作用がある。

 ただし、卵などを食べると体内のコレステロールが増えやすい体質の人もいるので注意が必要だ。また、コレステロールの摂取量を気にしなくて良いという話は、脂質異常症のある人にはあてはまらない。

 コレステロール値を下げるために必要なのは、良い生活習慣を持ち続けること。さらに「コレステロール値が高い」と指摘された人は、検査を定期的に受けて、コレステロール値の変動に気をつけることが大切だ。

Eggs not linked to cardiovascular risk, despite conflicting advice(シドニー大学 2018年5月7日)

Effect of a high-egg diet on cardiometabolic risk factors in people with type 2 diabetes: the Diabetes and Egg (DIABEGG) Study―randomized weight-loss and follow-up phase(American Journal of Clinical Nutrition 2018年5月7日)

Daily egg consumption may reduce cardiovascular disease(BMJ 2018年5月21日)

Associations of egg consumption with cardiovascular disease in a cohort study of 0.5 million Chinese adults(Heart 2018年5月21日)

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